そういったメリットがある中、何で今になってまた完全子会社化するんでしょうか。
それでは本日の本題のNTTデータをなぜ子会社化するのか、子会社化するメリットについてお話ししていこうと思います。
大きく理由は二つありまして、まず一つ目が意思決定の迅速化です。
NTTの島田社長は複雑な資本関係などに起因する意思決定上の課題が現在あり、完全子会社化を通じて迅速な経営判断が可能になると説明しています。
もともとの出資構成であったり双方の株主への配慮、利益相反といった意思決定上の圧縮性を完全子会社化することでまるっと解消するというわけですね。
確かに親子上場の場合は親会社子会社でそれぞれの株主に配慮しながら意思決定をするということになっちゃうので、一つの会社として判断した方が意思決定は早そうですよね。
特に近年ではNTTが主力を入れている通信だったりIT関連で時給の移り変わりがかなり激しくなっているので、それに対して迅速な対応ができるというだけでも相当なメリットになると考えられます。
今モバイルとかってITと切っても切り離せないところですね。
続いて2つ目の理由についても教えてもらってもいいですか。
2つ目の理由はグローバルな競争力強化を目的としたグループシナジーの最大化が挙げられるかと思います。
NTTデータってNTTグループの海外事業の中核もになっていて、特にモッカー事業が急増しているデータセンター事業ではGARFAMといった顧客もいるんですよね。
国内だけでなくて海外企業でもNTTデータって強いんですね。
そうなんです。やっぱりグローバルビジネスをこれからも伸ばしてくるとなると、当然強固な財務基盤が必要となってきて、だったらもう親会社のNTTとバランスシート共有するのが一番だよねっていう話になってくると思います。
確かにさっきの理由にもつながりますけど、親会社に完全に吸収されてた方が投資の判断とか実行もスムーズになりますよね。
おっしゃる通りで、当然財務以外の面でも完全子会社化のメリットって大きくて、ガバナンスの簡素化だったり重複機能の整理、あとはグループ全体でのリソース共有といったメリットがあります。
今回の完全子会社化はこういった統合のシナジーも活かしつつ、自由が急増しているAIやデータセンターに関連する事業で、よりシェアを拡大していこうという動きになりますね。
つまり、AIやクラウド市場でグローバル企業と戦うために、経営全体、財務的にも営業的にももっと一体化して強くなろうという流れなんですね。
はい、その通りでございます。
NTT自体、ドコモとかもそうでしたけど、親子助成の会社を長年やっていて、データグループが本当に最後残っていたという形なんですよね。
今回の完全子会社化でラストワンピースが埋まって、完全にNTTとして一体化を果たしたというわけになります。
なるほど、じゃあNTTグループとして完全子会社化する流れがあった分、今回の一件も当然といえば当然だったのかもしれないですね。
はい、そういう受け取り方もあると思います。
ところで塚田くん、NTTデータに限らず、今回のような親子助成の会社って、割と最近いろんな大企業で聞くじゃないですか。
はい、聞きますね。
さっきまではNTTグループのメリットというところで焦点を当てていましたけど、一般的にこの完全子会社化というのはどういったメリットがあるかというのを教えてほしいです。
はい、それではNTTデータに限らず、一般的に親子助成を解消するメリットについても見ていきましょう。
まず一つ目挙げられるのが、先ほども出たんですけれど、意思決定の迅速化が挙げられるかなというふうに思います。
親子助成を解消することでグループ内の組織再編を加速させ、グループ全体の経営という観点から最適化が図れるかというふうに考えられています。
さっき出た双方の株主への配慮とか利益相反がなくなるみたいな話ですよね。
はい、その通りで、やっぱり意思決定機関が統合されるという形になるので、スピーディーかつ一体感のある意思決定が可能になるという形になります。
これはかなりわかりやすいところですね。
次のもわかりやすいんですけど、二つ目のメリットはグループ全体の財務基盤の評価とシナジー効果ですね。
これもNTTで触れたのとほとんど同じになります。
完全子会社化によってお互いの財務基盤だったり顧客基盤、情報や技術といったリソースの共有が格段にはかどるので、
親会社と子会社のポテンシャルが互いに発揮されやすくなると考えられています。
それでは最後に、完全子会社化が株価に与える影響についても見ていきましょう。
まず親会社への影響ですが、一般的に完全子会社化の発表は短期的に親会社の株価にマイナスに働くことが多いとされています。
というのはTOBに多額の資金を使うからですね。
確かにNTTで言えば2兆3700億円という買収資金を出すわけっていうところですもんね。
はい、TOBだったりするにあたってプレミアムを乗っけることもあるので、やっぱりその分が損になるんじゃないかという点から短期的に下がることもあったりするんですけど、
ただ一方で長期的に見るとやっぱり先ほど挙げたようにグループ全体の意思決定が迅速になったり、シナジー効果が出るとか、
そういった親会社の業績向上を見込んで株価がプラスに動くという可能性も十分にあります。
特にNTTの場合はこれが期待されて、結果的には今回やや右肩上がりに株価が推移したという形になっておりますね。
なので結構その親会社の株価は中身次第にはなってくるかなというふうに思います。
基本的に成長期待でTOBするんですから、株価もプラスに働いてほしいところでありますよね。
そうですね。
では子会社側の株価はどうなるんでしょう。
こちらなんですけど子会社側の株価は一般的には上昇します。
というかもう上昇することがほとんどですね。
親子上場会社を目的としたTOBの場合、株価はTOB価格付近まで上昇するケースがほとんどです。
実際に今回のNTTデータの場合もTOB価格は1株あたり4,000円で、
その発表前日の終わり年の2,991円を基準にすると33.7%のプレミアムが載ったというかなり高い水準で買収されて、
その分株価も上昇するという形になりますね。
33%ぐらいもプレミアムが付くんですね。
これは発表前に持っていた株主にとっては嬉しい話ですよね。
このように将来買収されそうな企業を持っておくとかなり得になるので、
大企業の参加とか特にこれからもウォッチしていきたいところですね。
それでは本日のまとめに入りたいと思います。
本日のまとめです。
NTTデータの完全子会社化のメリットは大きく意思決定の迅速化とシナジー最大化にある。
また一般的な完全子会社化のメリットとして他にも上場コスト削減などが挙げられます。
NTTデータだけでなく当初上場企業全体でも完全子会社化の流れが加速しているので、
特に非買収側の企業はチェックしておくとTOBのプレミアムにうまく乗っかれるかと思います。
なお本日ご紹介した企業は主観による情報提供であり、投資を推奨するものではありません。
投資判断はあくまでご自身の責任にてお願いします。
最後までお聞きいただきありがとうございました。
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