プロマーケットの誕生
みなさん、こんにちは。フリーアナウンサーの石井哲也です。
監査法人コスモスの新海智之です。
上場IPO最前線、地方企業の挑戦。この番組は、多くの企業を支援してきた監査法人コスモスの統括代表社員、新海さんが、日本全国の企業が今抱えている経営課題を分かりやすく解説、企業がより飛躍するためのヒントをお伝えしていきます。
では、新海さん、今回は新しい市場、プロマーケットというテーマでお話をしていきたいと思います。
プロマーケット、この番組を気になっている方々としては一番関心があるところかなと思うんですけれども、前回、証券取引の歴史について伺った際にも出てきましたが、新しい市場、プロマーケットについて改めてどんな取引状なのか教えてください。
はい、プロマーケットというところで、ここも少し歴史から紐解いていきたいんですが、実はこの証券取引所にプロマーケットができたのは2012年。
2012年。
その前身になる市場があるんですね。東京エイムという、AIMと書きます。オルタナティブインベストメントマーケットの略なんですが、東京エイムという市場が2009年に創設されました。
そういう歴史があったんですね。
この市場は何かと言いますと、実はロンドン証券取引所にロンドンエイムという市場があってですね。
王子最高ではですね、もう1600社を超えるヨーロッパ各地、中東各地の中小企業がこのロンドンエイムに上場していたと。
非常に滑挙を呈しておりまして、ヨーロッパというか世界的にですね、いわゆる振興企業というか、この中小企業の上場ということではですね、もっと言うとスタートアップの上場でしょうかね。
こういったところにおいては、世界的に成功した、大成功した市場だというふうに言われていたんですね。
この市場が当時ですね、2000年を過ぎてですね、この東南アジア、中国をはじめ東南アジアに進出するんだという機運が高まってきたんですね。
そこで当時の証券取引所のCEOの方がですね、私が記憶にあるのは斎藤さんというですね、CEOの方がですね、ちょっと待ってくれと。
東京を含めですね、東南アジアは東省に任せてほしいと。
ということで交渉をしまして、AIMの市場ですね、ここをですね、日本でやりたいんだと。
ということで東京AIMという市場が2009年に各種準備を経てですね、ロンドン証券取引所と東京証券取引所の合弁会社として。
この東京AIMという市場がですね、立ち上がったんですね。
やっぱりロンドンで間口を広げていくという意味でうまくいったところを日本でも特に東南アジアも含めた形でやりたいということからだったんですね。
そうですね。ですのでこの市場は実は東南アジア各国からですね、企業を招き入れるという。
イギリスの国内だけではなくヨーロッパ各地や中東からですね、企業を招き入れたのと同じようにですね、世界的なアジア全域を巻き込んだ。
そういう壮大なですね、証券取引所というか市場をですね、目指しておったというのが最初の頃ではなかったかなというふうに私は記憶をしております。
AIMが日本では始まりだったと。
市場の進展と課題
そうです。ところがですね、これまた時期がですね、2009年と言いますとね、2009年に東京AIMの市場が立ち上がったんですけれども、その前にですね、大変なことがあったのは記憶にあるかと思いますが、2008年ですね、大変なディプレッションが世界を襲ったという。
そうですよね。
リーマンショックというですね、ことで皆さん記憶に新しいのではないかと。この翌年に設立、創設されたのが2009年、東京AIMという市場でございます。
そんなタイミングだったんですね。
そうです。こちら本当に大変、設立のメンバーの方苦労されたと思います。全く上場してくる会社がなかったんですね。
あのリーマンショックの頃は、ちょっとあの世話家も変わりましたよね。
そうですね。非常に市場も冷え込んでおりましたし、ここでですね、東京AIMが立ち上がるわけですけれども、本当に泣かず飛ばずのような、本当に市場の皆さん大変苦労してですね、2社かな、3社かな、何とかかんとかこの3年ぐらいの間をかけて上場をですね、導いていくわけですけれども。
そこからですね、実はなんだと、東京こんなもんかと、東商こんなもんかと思ったかどうかわかりませんが、ロンドンが手を引くわけですね。
ロンドンからしたら、日本何やってんのっていう感じだったんですかね。
まあね、そんなふうに想像しますが、そしてロンドン、証券取引所としては手を引いてですね、いわゆる豪弁を解消するわけですね。
そうだったんですね。
そうすると、証券取引所としては東商1社になってしまいますので、この取引所はですね、子会社だったわけですね、東京証券取引所の。
東京証券取引所は当時株式会社化されておりましたんでね、もうすでに。
そしてその子会社であった東京エイム、この市場を東商に引き入れまして、豪弁が解消されたことを機にですね、東京証券取引所に引き入れて一つの市場になっていくというところで、もちろんルーリングですね、ルールは当時のままのものを残したままですね。
当時は一部、二部、ジャスタック、マザーズの次の市場として東京プロマーケットという市場として新しく生まれ変わったのが2012年ということでございまして。
そこからですね、本当に今ですと13年ですかねの時を経て東京プロマーケットに上場している会社は145社を超えるような会社数にね、今2025年10月現在では145社を超えて150社に迫るというそういう勢いでですね、数も伸びているということでですね。
累計上場会社数はもう200社近くになっているんですけど、そこから上場をね、おやめになって廃止していかれたり、それから次の市場にですね、ステップアップしていかれたりする会社もありますので、200社程度はですね、上場をしておるんですけれども、現時点この東京プロマーケットに上場しているのはですね、145社から150社程度ということになります。
中小企業の未来
そのうちの何社か新会社さんが手がけた。
そうですね。私ども大体その市場の中で2割程度はですね、シェアを持っておりまして、例えば昨年はですね、50社上場しているんです。その中の12社を我々は担当させていただきました。
そうなんですね。じゃあ一つの法人としては一番上場させていると。
実はですね、私ども10月現在ではですね、40社近くを上場を支援してきたんですが、10社以上を支援している監査事務所はないんですね。
そうなんですね。
それぐらいというか我々はこの市場が大変中小企業や日本経済に効果、成果があるんじゃないかということでですね、一生懸命ですね、10年以上活動してきた成果がこの40社のですね、上場企業の支援数だというふうに感じております。
どうしてコスモスではプロマーケットに力を注いでいるんですか。
上場IPOというところは大変難しい市場というかね、上場そのものが非常に難しいんですね。IPOしていくというのは資金調達を伴うということで難しいというお話をしておりますけれども、私がですね、この業界に入って、そして20年近くですね、の間に上場IPOを達成できたのはわずか2社だったんですね。
そうなんですね。
これは私どもの事務所の規模や私どもの事務所の特性もあるんですけれども、わずか2社でした。しかし私どもは一生懸命やってきました。しかしその後ですね、10年、このプロマーケットに力を入れて、全体で30年にはなりますが、この10年の間に上場を導いた会社数が先ほど申し上げました40社。このインパクトすごくないですか。
すごいですね。これ劇的に変わったこの要因っていうのは。
これはやはりプロマーケットの特性とかをよく我々は分かって活動しておりますので、プロマーケット市場のことをよく勉強してですね、どの事務所よりもどの公認会計師よりもこの市場のことを分かってですね、上場したいという対象企業様に説明や指導をしておりますので、そこがですね一番の我々の事務所の特徴になっているのかな。
だからここまでですね、もちろん説得力を持って提案もできますし、それから我々が作業、監査をするですね、時にもですね、精度をよく分かってますので、その成功、上場に導くことがですね、よりできるという事務所になっているのではないかなというふうに思います。
今じゃあ本当にあのどこもやっていなかった、手をつけていなかったところに、ブルーオーシャンのところに行って、今こうやってどんどん勢いがあるという工事ということですよね。
その彼らを上場に導いていくという活動をしていますので、そういう意味ではね、またブルーオーシャンというところには当てはまるのかなと思っていますと、今まで顧客でなかった、今まで可能性をそもそも感じてこられなかった方々にもですね、この価値をお伝えするとですね、だったら上場してみようかなという経営者の方もいらっしゃるので、新たに言ってみればマーケットがこれ開拓されているはずなんですね。
そこに気づき終えてもらう、気づいてもらえればその対象の会社というのは増えていくわけで、無限に増えていくというふうに私は感じていますよね。
実際に中小企業の数、330万社を超えるという、これ個人零細の企業さんもありますので、全てが対象にはならないんですけれども、一定の組織がないとね、なかなか上場というところには結びつきませんが、しかし中小企業、中企業50万社というふうにも言われておりますので、この50万社の会社がですね、真剣に本気になってですね、価値ある存在、しっかりとしたガバナンスを目指して経営していくぞという上場を目指したらですね、
すごい日本経済に素晴らしいインパクトをもたらすように私は感じていまして、ここについて本当に皆さんによく知ってほしい。中小企業の経営者ばかりでなくですね、公認会計士の皆さんにもしっかりと知っていただきたいというふうに考えております。
深海さんの取り組み声、社会にものすごい貢献されていませんか?
いや、そのようにですね、我々もですね、事務所の中では若い公認会計士、若い試験合格者の方々にですね、そんなことをお伝えしながら、やはり我々、公認会計士法の第一条に書いてあるですね、国民経済の健全な発展に寄与するんだというところをですね、中小企業の皆さんとともに成長していくということが、
実はそこに合致するんだということをお伝えしてですね、さらにこの中小企業の皆さんが支える労働者人口は7割もありですね。そしてその生活はですね、国民の皆さんの7割の生活は中小企業の皆さんによって支えられているなんていうことをですね、お伝えすればですね、
そうかと、あの公認会計士として、なんて言うんでしょうね、社会のあるいは企業のトップ層ですよね。わずか4,000社の上場会社だけではなくて、街のというか地方の東京圏だけではない、そういう中小企業の皆さんや国民の皆さんにですね、幸せを運んでいくことができる、そんな公認会計士という存在だったら、
一緒に働きたいなと思ってくれる方々がですね、多いんじゃないかな、そしてマインドを高めてくれてる、ウキウキワクワクしながら仕事をしてくれてる、皆さんと一緒に仕事をしていきたいということもあってですね、しっかりとそういったことをお伝えしておりますけれど、多分そんな気持ちでお仕事を取り組んでくれてるんじゃないかということを、
そうですよね。私なりは感じてたり捉えてたり、またそこをとにかく伝えていこうとは思ってますね。そうですよね。たくさんの経営者さんね、今お気になっていると思うんですけれども、本当にこの夢を叶える手段として、ぜひね、新川さんに頼ってほしいですよね。
ありがとうございます。小児加計市の業界は変わっていきますので、必ず変わっていきますので、私もそうですが、皆さん、小児加計市の専門家の皆さんにですね、本当に頼ってもらえるといいかなというふうに思います。
本当に夢や希望が広がってきましたね。
そうですね。本当に東京証券取引所さんがですね、このプロマーケットという市場を作ってくれた。その前は東京エイムという市場でしたけれども、これはですね、私も経験があるんですが、世界ではですね、本当にこの上場だけする市場とかですね、あまり資金調達というのを考慮しないような、
要するに資金調達してもしなくてもいいような、そういった市場というのは普通にあるんですね。あったんですよね。私も過去、本当にシンガポールとかロンドンの方から、コンサル会社からですね、ちょうど日本が超円高時代、海外にどんどん出ていった時代に、シンガポールやロンドンの市場に上場させないかということで、私にですね、サポートしてほしい。
そういう海外の方からお声をかけてもらったことがあってですね、あまり資金調達しないんだって聞いた時にですね、意味があんのかと思ったんですね。でもそれが今の皆さん、多くの方々、日本の方々の反応です。私の本当に20年前の反応がそれでして、しかし資金調達がなくともですね、上場するっていうことだけで、大変バリューが上がるっていうことを私はこの10年間見てきましてね。
日本の資本市場の変化
そしてその実は東京証券取引所、東京プロマーケットという存在がですね、世界に普通にあるような市場体系なんだということを認識しまして、やっとこの10年ですね、日本は世界標準の資本市場になったんだということをですね、確信をしておりまして。
やっと本当に世界ともですね、これから戦っていける、越していける、そういう市場体系が今日本にですね、揃ったんじゃないかなっていうふうに考えてますし。東京だけでなくですね、2024年12月にはですね、福岡証券取引所もですね、なんとこのプロマーケット市場を創設してるんですね。
またさらにですね、この2025年中には札幌証券取引所がこのプロマーケットを創設するということで、大変このプロマーケットの意義、意味合いというのが市場関係者の間ではですね、少しずつですね、少しずつ変わってきているのかなという私は期待をしておりまして、全国でこの動きがですね、加速して。
そして全国の中小企業の皆さんが、従業員や国民を幸せにするために、しっかりと成長して適切にですね、コンプライアンスも守りながら、安心して働ける会社、社会をですね、作っていってくれるということを期待してですね、私たちは監査をするという、上場支援をするという側面で皆さんの社会を支えていきたいという、そういう専門家でありたいというね、そういうふうに考えながら活動しております。
はい。新海さん、第一線で活躍していってですね、そういった世界標準になってきたというのは肌感覚で感じられますか?
まだまだね、まだまだですけれども、しかし箱というかね、精度は揃ってきましたので、この精度が揃っているということは大事でして、この辺りをですね、皆さんにぜひ認識いただきたい。
世界はどういうふうにこの株式市場をですね、成立させてきて、そしてどういうふうに活用をね、してこられたのかというところを見ながら、そして日本はですね、一週遅れかもしれませんが、二週遅れかもしれませんが、この状態になったということをですね、理解していただいて、そして適切に中小企業の皆さんを成長に導く、そういうことをですね、やっていただければというふうに思いますし、
東京証券取引所さんもですね、このプロマーケット市場っていろんな使い方があるんですが、一般市場へのですね、エントリー市場というふうに考えてくれという、そういうですね、見方もしておられますので、ぜひね、直接グロースやスタンダード、プライムに行かれる会社は、それはそれで行っていただければ構わないんですが、多くの中小企業の皆さんはですね、なかなかそこにダイレクトに至れないというのが実は現実なんですね。
この現実を一定程度ですね、認識していただいて、であるならば、東京プロマーケットという市場を一旦挟んでですね、そこを選んでいくのが、より戦略的で、より確実なんではないかということに気づいていただきたいということですね。
プロマーケットというキーワードがありますが、このプロマーケットのプロというこの名前がついた由来っていうのがあるんですか。
はい。ここはですね、東京証券取引所さんに聞かないと本当のところがわからないんですが、実はですね、この東京プロマーケット、それから前身である東京エイムという市場はですね、一般投資家の方をその投資者の対象にしていないということでですね、大変特徴的なんですね。
特定投資家の方々をですね、対象にしていると。で、特定投資家の方々をですね、少しね、噛み砕いて言うとプロ投資家というふうにね。なんか特定投資家って何?ってなりますけど、全くプロ投資家って言うと少しイメージはきますよね。
まあ投資家としてなりわいとしているというか、そういう方ですよね。
そうですね。実は非常に範囲が広いんですが、ここもですね、実は結構思い違いをしておられる言葉尻だけですね、捉えて、プロ投資家、いわゆる機関投資家とかね、まさに本当に投資のプロたちかなっていうふうに思われるんですが、実は特定投資家というこの法律の範囲では、実は中小企業もですね、実は経済的な合理人と。
そうなんですね。
ということで、中小企業の皆さんもですね、特定投資家になり得るんですね。
それから、我々のような公認会計士や弁護士、整理士、年収一定以上のですね、そういう専門家の方々はですね、投資経験があればプロ投資家、特定投資家になり得るということで、非常にその幅広い方々が特定投資家、プロ投資家として登録すればですね、この市場で活動することができるということで。
そうなんですね。
この辺りもですね、実は最初東京エイムが創立された時もそうですし、いまだにまだですね、投資される側からしてもですね、そんな機関投資家やプロの方たちに入ってこられるの怖いよねって思われる経営者もいらっしゃるかもしれませんし、それからそこをサポートする監査事務所や証券会社さんもですね、そんなプロ投資家の方々を相手に上場を支援して、そしてそこで何かあったら大変なリスクだよね。
そうやって思われる証券会社や金融機関の皆さんもですね、多いんですけれども、実は実際に機関投資家の方々とかですね、そういったプロのような方々が投資するということは極めて稀というか、もうほぼないです。
そうなんですね。
そういう市場ですので、このプロというね、プロ向けということで、プロというのはその特定投資家の意味ですし、そしてプロマーケットというようになったの多分ですけれども、東京のプロ投資家向けの市場、略して東京プロマーケットではないかということをですね、想像しておりますが、これはあの東昌さんがですね、ネーミングをした方に本当は聞かないとわからないという。
次回の展望
でもよくわかりました。ありがとうございます。そして一般の方には開放しないという理由もあるんですかね。
それはやっぱりもともとですね、やはりそのリスク許容度が高い人たちがプロ投資家、特定投資家と言われてますので、当初のですね、ロンドンエイムから来ている東京エイムですね、市場とかは比較的リスクの高い、投資リスクの高い会社が上がってくるんだということを想定しておったということなんでしょうね。
そうなんですね。今回は新しい市場、プロマーケットというテーマでお送りしました。次回も引き続きプロマーケットについて詳しく伺っていきます。新海さん、来週もよろしくお願いいたします。よろしくお願いします。
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そして、監査法人コスモスでは一緒に未来をつくるメンバーを募集中です。この番組を聞いて監査法人コスモスの取り組みに興味を持っていただけましたら、ぜひホームページの採用情報をご覧ください。最後までお聞きいただきありがとうございました。それではまた来週お会いしましょう。