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2024-11-22 17:40

第500回 評価制度の矛盾〜成功事例を共有化したくない制度上の問題〜

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▼今回の概要

自分の立場を守る有績者たち/有績者の「プロセス」に着目/チーム全体の結果を負う/有績者が求められる役割/結果が出ていてもプロセスがダメなら評価しない

サマリー

今回のポッドキャストでは、営業所の評価制度における成功事例の共有に関する困難について議論されています。特に、評価制度が営業マンの情報共有を妨げている問題と、プロセスに焦点を当てることの重要性が強調されています。また、評価制度の矛盾についても議論されており、特に売上や市場主義が評価基準として機能していることが問題視されています。さらに、顧客目線の重要性や営業プロセスの質についても触れられています。

評価制度の課題
井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感
上場企業から中場企業まで、延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤克樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、井上先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということで今日行きたいと思いますが、
今日はですね、質問がちょっとボリューミーな質問をいただいておりますので、
早速ご紹介させてください。
今日はですね、50代の方ですかね、ご質問いただきました。
井上先生、遠藤先生、こんにちは。いつも拝聴させていただいております。ありがとうございます。
抽象的な質問にも、確信をついた具体的な回答に毎回感動しております。
さて、今回は成功事例の共有化と評価制度の矛盾をどう解消するかについてご質問ですということでいただきました。
私は営業所の責任者をしております。
当社は営業会社なのですが、営業所によって営業マンの売り上げに相当ばらつきがあります。
普通に考えますと、有積者、成績優秀者のことですかね、
有積者の営業手法を共有化して全体の売り上げを底上げすればいいと思うのですが、
共有化に評価制度が障壁となっています。
と言いますとも、売り上げの達成度の高い上位4割程度の営業マンが評価をされて、
次年度の月報評価でアップする仕組みになっています。
その評価制度があるため、有積者は自分の手の内を明かそうとしません。
共有化することによって周りの営業マンの売り上げが上がると、
自分の評価位置が脅かされる可能性が高まるためです。
管理する上長や支店長が共有化をさらなる評価項目としては仕組み化できればいいと思うのですが、
全国的な評価制度のために仕組みを設計し直すのは現時点ではかないません。
井上先生、会社全体の底上げを目指すために、このような事態をどのように解決すればよいでしょうか。
プロセスの重要性
前提の中に後半にあった、制度を変えることがかないませんっていうことがあるので、
変えられない中でどうしたらいいのっていう話もあると思うんですけど、
その前に、とはいいながら変えなきゃいけないと思ってるんですけど、
この方の問題意識をちゃんと扱うとしたら、
今のままの評価制度だけじゃだめですねっていう結論にはどうしても行くんですよね。
だからその辺の話を先にしておこうかなと。
私が今どう感じたかっていう話をしておこうかなと思います。
この会社の場合の評価がどういう意味でマイナス作用してるのかっていうことで言うと、
やっぱり情報の共有とか知恵の共有とか、
いわゆるコンピテンシーとなる優秀な行動の共有とかができてないよってことですが、
おそらくここの会社の評価は、目標管理とかにあるような結果だけで評価してるんじゃないかなと思います。
大事なのは、結果に至るためにどんな行動を取り、どう考えてどう行動したかっていうことが大事なので。
つまり有識者っていうのは、結果がうまく出てるのはそのプロセスが優秀だからなんですよね。
つまりプロセスにいかに着眼するかがポイントなわけですよ。
このポイントっていうのは何を目的とするポイントって意味ですか。
会社全体の能力を上げる。
まさに質問の底上げをしていくためのポイントですね。
そのためのポイントとしては、結果だけを評価していたら、結果だけで評価するとここの会が起こってるように、
優秀な人は、あまり成績の悪い人が成績を上げてもらっちゃ困るという。
これって結果だけで語ってるから。
ただプロセスに評価したときになった場合は、
プロセスが優秀であるかどうかっていうことが加味されれば、
共有することは別にして、どういうプロセスを組むと結果が出るんだぞっていうことが評価制度の中で語られていれば、
有識者が私はこうやってますっていうふうに改めて言わなくても、
プロセスがちゃんとやれてるのって評価は結果に伴ってなくても、
一生懸命頑張ってプロセスを組み上げてる人たちを育てることができる。
なのである意味では底上げするには、
プロセスというものにいかにちゃんと着目するかっていうことが大事。
今言ったどういうプロセスを組むといいのかを知ってるのが有識者なので、
その人たちの情報を持って知っていることをつまびらかにしたいっていうのはもちろんあるので。
プロセスということにちゃんと着目しなきゃいけないですよという論点と、
どうするといい結果につながるかっていうことを知っているある種の知見みたいなものかな。
みたいなのをどれだけ共有できるかということで言うと、
もう一個は個人ではなくてチームとしての結果に対して評価が加わるということ。
全体としての評価に、それが個人がその評価を贈るってことですか。
各人か。
例えば10人いたら、10人がまずベースとして、
このチームとしてどれだけの結果を出したのかということが、
まずボンと一個項目としてある。
プラスそれに対して個人としてどれだけ貢献したのっていうことを問うので、
個人の結果をそれに加味する。
できればプロセスとしてどういうことをやったの頑張ったのっていうこともちゃんと見る。
でなると、ある意味ではうまく持っていければ優秀な人たちもチームのためっていうことが入れば、
例えば新人で困ってる、売上がなかなか上がらず困ってる人たちの指導とかも積極的にするようになれる。
っていうような感じなので、個人、全体、それからプロセスっていうものをいかに大事に扱うか。
これは評価制度で入れれば一番いいんだけど、その3つがどう扱われるかが大事かなというふうに思います。
目標設定の見直し
じゃあ前提が変えられないとしたら。
つまり評価制度自体はもうこれで変えられないんですよ。
まさに今回のご質問が、全国的な評価制度のために仕組みを設計し直すのは現時点ではかないませんとおっしゃってますね。
私が言いたいのは、これは何としても変えなきゃだめよっていう話なんですけど。
おー。
結論はそこなんですね。
まずはそこなんです。
ただし、一石一鳥で変えられるわけではないので。
そういうことになるとすれば、変えられない時期、今の延長にある時期は何をすればいいかっていうことで言うと、
私は結果の評価っていうものがどう扱われるか。
つまりね、達成率だけで本社にまでそれを持っていかなきゃいけないのか。
達成率とか売上金額だけを出して、
じゃあこの人は評価者のさじ加減が効かない状態?
ほうほうほう。
評価者は現場の上司が、
こいつは今回成績は思わしくなかったんだけど、
こういうことが頑張れたんで、ある意味その評価を加えてあげたいんだよって。
いうようなことが上できないんだとしたら、解決はできないと思う。
つまりこの売上金1本、月報1本、結果がバーンと数字で上がっていって、
変な話、評価は上司がするんじゃなくて、本社の全員が全部できちゃうっていうような状態だとしたら、
これは変えられないと言っているとしたら、まず難しい。
そういう会社の方針でそれでいく、方向性と制度が合っている以上、変えられないですね。
その方向なら変える必要もないんですよね。
ただこの方とか、そこで働くのがふさわしいのかって話はまた別の話で。
そう。
じゃあ唯一その中でもできることが何かあるとしたら、
売上の目標の設定の仕方だけは、
現場の各営業チームでできるんじゃないかなと思います。
例えば5人いますと、すごく優秀な人と、
それから今年入ったばっかりの人、中堅なんだけどなかなか成績の上がんない人。
いると思うんだけど、
積み上げてきたベースそれぞれを20点しか取れない人も、
その20点を100点換算した目標を設定する。
つまり、例えば20万しか上げられなかった人が、
100万なんだよ、あんたの市場はって言って、
100万をずっと目標として持って、
だから20パーセントだね、達成率はって、ずっとやるというふうになると、
本当にそれこそさっきから言うように抜け出せないのね。
同じ100万の売上目標で片屋500万やる人からすれば、
なんで20万しか上げないやつのために俺の知恵を上げなきゃいけないのって話にはもちろん。
でも全体論で底上げしたいんだったら、
500万を売ってきた人は、
500万の実力を一つ100点としたベースに置かないと、おかしくなっちゃうのね。
だって営業所単位で言えば、
500万プラス20万プラス100万プラス30万で積み上がった合計金額が営業所の売り上げになる。
とすれば、500万の人は500万売ったからもういいでしょってなってもらっちゃ困るのよね。
組織としてはね。
評価制度の矛盾
その人の実力をもっと使ってくれってことになると、
ごめん、あんたは600万だよ、目標が。
ただし有識者には、自分で作るだけじゃなくて、
誰かのサポートをして作ったら、その人の売り上げ半分あんたの評価対象にするよって言ってる。
たとえば20万しか売れない人が100万売るようなことを、いい意味で指導してくれたと。
50万が半分だとしたらね、
50万はあんたの成績の中にも加えてあげるよって言ってあげればいいかなと。
評価の段階だけね。
そうすると、営業省としては、500万だった人が人の手助けも含めて600万やって、
20万だった人が100万になれば、これは営業省としては万々歳。
これ、仕組みを変えない前提と変える前提で変わってきますけど、
変えていく方向の話を考えるときに、
今のこの制度が今後出資決定をするような人事のトップ層なのか、
経商も含めてだと思いますけど、その人たちにとって、
この制度があるせいで起きている、彼らがそれはあかんね、絶対ダメだねと思う問題を、
ちゃんと可視化・言語化できるかっていうのができないと、
今のこの評価制度というのが、別に売上がってるんだからいいじゃんっていう人たちだとしたら、
何の問題にもならないですよね。
これのせいで何が起きているのかっていうところって、
これだけの情報だと、こちらからは言い切れないのは当然わかってるんですが、
どうなんですかね。
こういった制度における経営者にとっての、
想定されるだろう、それは問題だねって思うものって何かイメージありますか。
ちょっとずれちゃう話になるかもしれないけど、
この会社が営業会社だって言ってるんだけど、
売上っていうことが大きな目的になりすぎちゃってるんだろうと思うんですよ。
やっぱり私たちは何の価値を提供してるのか、
どういう人が誰で喜んでくれているのかっていうことを掲げないとダメで、
そういうことが機能しませんと。
私たちの価値観というか、自分たちが提供してる価値という意識が現場でどんどん薄れてますということを、
危機感として挙げるしかないんだよ。
そうすると、そんなつもりで経営してないよって思ってる人だったら、
それは大支給を変えなきゃねってなってくれるし。
いやいいんだよ、売上さえ上がればって言うんだったら、
結局そんな会社やめたほうがいいよっていうぐらいな。
でもそういう会社がいい人はそこに残ればいいわけですからね。
だからだとしたら、成績が悪い人はある種ずっと報われない。
確かに評価制度が売上、市場主義だけで評価制度が成り立てるということは、
本来企業の活動である、あくまでも顧客の立場に立ったときに何の価値なのかっていうことに対する対価であるはずの、
その大事な売上の先にある顧客目線みたいな、
顧客と立場という観点が完全に評価制度に抜け落ちてます。
だからそれがどこに入るかっていうと、プロセスに入る。
プロセス構築の段階で何を大切にして何を動いてるかっていうことが大事。
そういう意味で言うと、営業の有責者の方でも成績がどんなに出てても、
そのプロセス次第では本来評価されないっていう制度になってるべきというふうにも取れるんですかね。
顧客目線の重要性
そういうことです。
単純に極端な言い方をすると、うまくお客さんを転がして取ってくるトークが強いだけの人だったら、
やっぱりプロセスは違うよねって話。
もう一個さっき言ったように、全体の結果というものもちゃんと結果としては見たほうがいいよっていうのはそういうところで、
有責者のプロセスの中には他者の指導みたいな、
チーム全体の底上げのためにどう貢献したかみたいなのがプロセスとして入ってくると思うので、
そんなようなことも出てくるんじゃないかな、評価できるんじゃないかなと思いますね。
ということですね。
ちなみにですね、実は質問がですね、今回は個人を前提とする評価制度の課題感の話からの相談だったんですけど、
実は試写間においても問題がありましてというご質問、別でもう一つございまして、
ちょっと今回それがやりきれないなということで、次回また今度は評価制度による試写間において起きている問題についてご質問ありますので、
そちらもご紹介させて、次回はそちらをやっていきたいなと思っております。
ということで、今回は続きになりますけれども、楽しみにしていてください。
以上で終わりましょう。ありがとうございました。
ありがとうございました。
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