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井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感。
上場企業から中小企業まで延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、ナビゲーターの遠藤和樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所第17回
井上さん、本日もよろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
今日はですね、長く長い質問が来ておりますので、早速入らせていただきます。
結構長いので読みますね。
はい。
私は、ごめんなさい、この方、建設業経営者の方になります。
私は創業60年、社員数20名足らずの建設業の役員をしております。
当社の1人の社員について質問させてください。
彼は高卒で、当社に来て金属12年、現在30歳です。
彼は非常によく働き、利益も出す、いわゆるできる社員です。
しかし、先生のメルマガや著書に出てくる手に負えない社員でもあります。
自分以外の人間は全て間違っているという考えのもと、
自分の意見が通らない不平不満を社長や役員、同僚にぶつけ、
さらには会社が悪いと下請業者や顧客にまで振り回っています。
今までには社長や私が何度も話し合いました。
しかし、彼が言いたいこと、こうしてほしいということが理解できない、
何を言いたいのかわからない状態です。
経営者ばかりか、同僚までもがわからないようです。
とうとう、社内では、
彼はただ言いたいだけなのだ、という共通認識まで持つようになってしまいました。
日々不平不満を聞かされる私たちは、正直ヘキヘキしています。
最近では会社の新しい取り組みまでにも、
自分に相談がなかったと不平を言い続けています。
彼をこれからどう教育し直すのか、もう無理なのか、
先生のご意見をお聞かせください。
また、これから人を育てていくことを考えると、
彼のような社員を出さないためには、どんなことに注意をすればいいのでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします、という長い質問が来ております。
なるほどね、いくつかのポイントがあるんですね。
そうですよね。
まず、社長や私が何度も話し合ってきたという話、
何を話してきたか、すごく重要だと思うんですけど、
普通であれば、まずは一発ガツンと言うべきだよね。
この方に。
何故かというと、20人の会社で経営者が何を大切にして、
何を嫌だと思うというか、これは違うと。
ということを言うのは、ある意味明確な方針なので、
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それはガツンと言った方がいいというのが、まず大前提。
の上で、利益が出している、よくできる社員というのは、
何故できる社員と言っているかが分からない。
そうですよね。
後半を聞くと、まさしく問題社員でしかないような気もするんだけど、
例えば営業をやっていて、営業でよく取ってくるのか、
それとも建設業で、予感が20名足らずの建設だと、
いわゆる親元がいて、そこからのある種の下請けっぽくなると、
効率性とか、仕事のやり方、進め方によって利益に差が出るぐらいで、
例えば新規顧客を取ってくるというのは、何度も高い営業じゃない場合もあったりするから、
営業でいう利益を出すというのは、失礼な言い方だけど、そう難しくない。
利益を出す、こういう業界の中で利益を出す社員というのができるということが、
若干時期所属かもしれない。
ビジネス構造によってね。
やっぱり20名だけど、例えば一等売りを地元で売っていて、
お客さんにちゃんと商談ベースからやらなきゃいけないとなると、
その後半のいろんな人の言ってることを理解しない姿からすると、
いい営業になれる気はしない。
そうですよね。そんな気しますよね。
だから、本当はガツンと言ってあげた方がいいんだけど、
下請け業者や顧客にまで触れ回っているというのは、何を言っているか。
つまり彼にふくりかかってくる、ある意味のクレーム。
あなたのところどういうことですか?
例えば、下請け業者がさらにあるんだから、
顧客にまでということは直接接しているのかな?
施工をやっているのかな?何をやっているのかな?
でも会社が悪いって下請けの方とか、顧客に触れ回っているので、
一つなんとなく私がイメージできるのは、
何かしら全ての問題を外部に探せられる能力はあるんだろうなという気がします。
ともいえるし、人のせい、環境のせいにする人。
そうですね。
典型的な。
ちょっと悪い言葉になってしまうんだけど、
こういう人って何が起こっているかというと、
自己顕著欲が強いというふうに見えると思うんだけど、
そうかもしれない。
ただ、そのぐらいにあるのは、恐れとかね。
意外と気が小さいんだと思う。
ここではできる社員と言われている。
自分が否定されることに対する異様な、ある意味の怯えがある。
だから顧客とか下請けに触れ回っているっていうのは、
私が悪くないって言ってるんだと思う。
会社が悪い、つまり私が悪いわけじゃないです。
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これは他の担当者がいて、それが起こしたことですみたいな、
いわゆる当事者になりきらない。
なぜならば、自分が否定されると怖いから。
自分に責める矢印が向くことを、すごいことは怖がっているんじゃないかなという気が。
ここから読み解けるのは、この方が何かに怯えて、
当事者意識を持たずに、外部環境、外に問題を見出して、
ある種自分を守っているっていう傾向のある社員なのかな?
なって思う。
もし仮にそうだとすると、
どうなんですか、この方へのアプローチを、
この経営者の方、知りたいのかなと思うんですけど。
2つの原因というか、2つのことが考えられていて、
1つは、ある意味の自分の気持ちの、正直弱さみたいな。
だから、すごく大きな声とか態度のでかい人って、
意外と気が小さかったですよね。
ありますね。
それと同じような検証であった場合と、
そうではなくて、自分の興味関心には一生懸命になるけれど、
人から言われることが嫌だっていうのもある。
それも両方考えられる。
どちらかだと思う。
どっちかだと、それぞれ対応するとすると。
人に言われることは嫌だとすると、重要なのは、
じゃあやったら何が得られるのが結構重要なポイントになる。
どういうことですか。
要するにインセンティブ。お金だけじゃないから。
その対価として。
得られるものっていうものはないと素直に動かないというか、
その人に言われるのが嫌だというような傾向の人は、
ミッションに対して忠実にならない。
そもそも忠実性が弱いとしたら、
じゃあやってくれたらこうするからっていう、
本人へのある意味のトータルで考えられる報酬。
インセンティブ。
結構、工事なものではなく、
目の前の人参ぶら下げるような、手に入れやすい報酬、評価とか、
証人欲求が軽率な証人欲求が結構高いんですよね。
これますますみんながこの人のことをうとましく思い始めてるから、
自分が認められてないことをどんどんどんどん感じてると思う。
そういう感性はありそうですもんね。
だからそっちからいくと、認めるというか、
何かを与えないとやらないというか、
やってるんだけど、言葉として反抗的になるとか、問題を指摘するとか、
言ってることがわかんないとか、主張するとかっていうことが続くのは、
何かを見返りが得られてない。
っていうことは想定できる。
これちなみにですよ、仮にそういう人たちにできる、
相手に与えられるものっていうと何があるんですか?
役割を与える、任せる。
役割もなんですね。
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任せる。で、任せたら怖いかもしれないんだけど、
案外ね、案外多くの場合に多いのは、相談されると気持ちがいい人が多いの。
相談されるっていうのは?
経営者からでも。
人から相談される。
この人に相談をしてあげた方がいいってことですか?
相談されるということの価値ってあって、
自分認められてる。
頼られるっていう。
だから頼られるっていう感覚をこの人が持つことは、
これも報酬のインセンティブなんですよ。
だから嫌がらずに何でもいいから、
お前どう思う?って言ってみたらいいから。
なるほど。
帰って、で、拾えたら拾っちゃえばいいんだよね。
いい意見だなと思って、
それやろうよって言って、
言ったらやるから。
なるほどね。
自分で言ったことを決めてるんだから、
これ多分ね、悪口にならない。
っていうのは一つの。
もう一つ何でしたっけ?
さっきのいわゆる恐れとかね、
自分の気の弱さとか、
自分の内面にあるちょっと弱さ、
弱いところとかベースの場合は、
なかなか直しにくいところではあるので、
どちらかというと、
できる社員っていうことだから、
ある意味逆にね、
この人に対する共感、
理解みたいなのがベースに必要になってくるんだよね。
共感。
理解。
分かるよ、お前のことも。
一旦受け止めてあげるっていう感じですか?
だから、最初のうちそうだったのかもしれないね。
そのうち、なんか変なことが起こりだして、
どんどんどんどん今、
悪循環に入ってる気がするので、
よく言う、
悪循環に入ったら戻らなきゃいけない場所は、
関係の必要なの。
関係性に戻らないと、
この問題解決しない。
ちょっと関係性の必要を戻って、
そこをどうにかするっていう。
だから、さっき言った共感する、理解してあげる。
つまり、この人が何かを変わるっていうのは難しいので、
経営者の方が何かを変えてみてほしい。
その人、この人との関係の質を良くすること。
なるほど。
だから、もっと話してるんだろうけど、
一方的に言ってるだけだと思う。
お互い聞いてない。
言い合いになる。
なるほど。お互い言ってることをちゃんと受け入れてないし、
需要できてない感じ。
だから、さっき言ったように、
本人の気が弱かったり、ミッションに行かなかったら、
この本人が経営者が語っていることを、
まず受け止めて聞くってことはできないと思う。
そうですね。
彼にそれを求めるのはちょっと厳しいでしょうね。
でも、コミュニケーションって、
どっちかがキャッチしないと起こらないので、
じゃあ、大人なんだから経営者がまずキャッチしてる。
なるほど。
その時にキャッチする関係性の質を高めるって時の、
井上さんの前提っていうのが、
一つは人に言われるのが嫌だっていう場合には、
さっきおっしゃってた役割とか任せるとか、
相談っていうところで、
意見を聞いたり。
承認要求を高めたり。
別に恐れを持ってるだろうっていう場合には、
今度は共感だったり、理解をする。
君のことはよくわかるよ。
っていうので、
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関係の質を高める一つのきっかけを作っていくといいんじゃないかなって。
関係の質って言うとね、
弱な感じがしなくもないんだと思うね。
響きとして。
確かに。
取り戻らなきゃいけなくて。
これができていたら、本当はガツンって言える。
関係の質って言葉で言うとちょっと交渉というか、
私難しいなと思うんですけど、
それを高めて、
例えば共感だったり、理解とか役割を与えてってやることを通して、
その、このできる社員と言われる人に、
どういう感情を与えた方がいいみたいなのってあるんですか?
自分の存在が許されている、認められている。
だから、安心なんだよね。
自分は認められている、許されているっていうことを認識させて、
安心をさせてあげるってことをすると、
いい関係の質のループが回り始めると。
意外とこの人本人は不安だと思う。
この人の立場になってるわけではなくて、
この人が仕事もできるっていうところがあるんだとしたら、
そこに行かなきゃいけなくて、
最終的にはこの本人の成果に対する考え方を、
数字的なものじゃなくて、
会社ってみんなの関係性がいい20人だから、
関係性がいい組織を作ることが、
そのために貢献することが成果なんだっていうことが、
なんとなく分かっていかなきゃいけない。
この方、最後に質問のところに、
どう教育し直すのか、無理なのか、
先生のご意見を聞きかけてくださいというのもあるんですが、
今言った、いつも言ってる成功循環モデルの関係の質にまず立ち戻る。
そこから、でも相手が拒否するんだったら、
そこはもっと大きな問題なのかもしれない。
今のタイミングで無理という決定は、まだ。
この情報だけではできないし、しなくていいんじゃないかな。
一旦は今のお話を聞いて、関係の質を高めて、
彼に安心を与えるっていうことを経営者側がちゃんとトライしてみて、
その結果、またうまくいかなければ、また別の機会にご質問をいただければ。
いいと思います。
1個だけ経営者とかが重要なのは、
自分の中で許容できない範囲があるとしたら、
ここから先へ行ったら、俺は言うからねっていう基準は、
先に言っといた方がいい?
例えば、下請け業者、顧客にどんなことがあろうと、
会社の悪口を言ったら、アウトだと。
それは許さん。
そこの判断基準のジャッジの部分は、
しっかりと事前に伝えておく上でアプローチする。
常に後出しになると、
飲んでいけないんですか?っていうのが始まるから。
聞いてませんとかね。
理由があるから。
だからやっぱり叱り方のうまい人っていうのは、先に言ってるのね。
俺はこういうことは許さないからね。
会ったら言うから、その時は聞いてよって言っとけば言える。
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子どもの教育につながりそうな話ですか。
先に言っとくの。
わかりました。
そろそろお時間なんですが、またこの方ね、
実際にアプローチをしてみて、何かあれば是非。
まだ悩みがあったら言ってください。
井上さん、本日もありがとうございました。
ありがとうございました。
遠藤和樹です。
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