行動指針の重要性
井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感
上場企業から中小企業まで、延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、
組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤和樹です。
井上健一郎の組織マネジメント研究所、井上先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
さあ、ということで、今日も行きたいと思いますが、
今日はですね、井上先生、ものすごいシンプルな質問をいただいておりまして、
早速ご紹介していきたいなと思っております。
一言で言うと、行動指針はどう作ればいいのでしょうか?
こういう質問をいただいているんですが、ちょっと微甲羅に補足がありまして、
社員が50名を超えて、行動指針を考えていかなければならないフェーズに来たのではないかなと思っておりますが、
まだ漠然としており、どのように作ればいいのでしょうかということのようです。
はい、分かりました。
行動指針って、やっぱりその会社としての、
例えばお客さんに対する考え方とか、
自分たちの仕事の仕方への考え方とかという、ある種価値観がペースになるので、
私は結構行動指針って大事だなとは日頃から思ってはいます。
ただ気をつけなきゃいけないのは、
行動指針が非常に限定的になりすぎちゃうと、
例えばお客様を第一に考えるというような行動指針があってもいいんだけど、
それが悪いわけではないんだけど、
お客様を第一に考えるというのは、それぞれの場面と状態状況が置かれているものがあると思うのね。
その中で行動指針、お客様を第一に考えると言われたら、
でもこの場合、クレーマっぽいお客さんなんだけどとかね、
言うときどうしたらいいんですかみたいな。
最近のカスハラみたいなのが流行ってる中で、
カスハラ来たときに対してお客様を大事にしてどういうことだろうかって止まりませんね。
やっぱりここまでの値下げ要求を飲んでいいんだろうかとか、
大支給来てくれって言って、すごい深夜に呼ばれたとかね。
そこまでじゃないにしても、
あまりにも偏った方向に解釈しやすいようなものはちょっと気をつけたほうがいいねというふうに思ってます。
じゃあそれを避けるためにどうしたらいいのかっていうと、
課題に基づく指針設定
この行動指針は何のために売ってるのかっていうことをセットにしておかなきゃいけない。
例えばお客様を第一に考えるっていうのは、
お客様のニーズっていうものが私たちのある種マーケットなのでみたいなことが頭にあれば、
お客様を第一に考えるって言ったときには、
お客様のニーズに応えるっていうことだよねと。
ある種少しターゲットが絞られる。
そうすると、例えば過剰な値引きっていうことに関して、
値引きがニーズだって捉えてしまったら、それはそうになってしまうかもしれないけど、
いやでもこのお客様はこのニーズをこういうことが欲しいって言ってるんだから、
うちからするとその値引きを答えると、その機能をちょっと削らなきゃいけないんだけど、
みたいな話になったら、お客様第一じゃないよね。
うちのお客様第一ではないよねっていう話になったりするので。
やっぱり何のためにこの行動指針があるかっていう、ある意味上位概念。
目的観とか。
それは会社によってはグーッと上げていくと理念につながっていくのかもしれないけど。
私たちは何のために……っていうことを落とすと、
それは何か参加状でも何でもいいんだけど、あるとその下に、
だからこういう場面ではこうしようねっていう行動指針に落とせるんだと思う。
今人事理念まで中小度を上げていくといくのかもしれないという話がありましたけど、
人事理念とか、人事じゃないですね。理念ですね。企業理念か。
理念たるものは大体組織にあったりはするけれども、
その理念に本当に腹落ちをしてて、行動指針として落とせるほどに、
このお客様、例えば第一なんであれば、お客様第一の意味を共通理解を持っているメンバーたちがいて、
理念があって、そしたらそれが行動指針に落ちて、ずれたものに対してそこは違うんだっていうことが、
醸成されていくでしょうけど。
大体理念とか行動指針って、どっかしらのコンサルタントとかに頼んでとか手伝ってもらって、ぽこっとあって、
一応あるけども形外化していて、その理念をもとに、じゃあ行動指針考えろみたいな方向で、
多分大体行動指針で作られていくので、あんま腹落ちしてないんだけどな、この理念って思いながら、
そこから行動指針作って、とりあえずできたが、誰もみんな理解はバラバラ、
認識バラバラ、腹落ちしてませんみたいなことが、ちょっと極端ですけど、
よく起きている現状じゃないかなと思うんですが。
そのとおりですね。もちろんそうではない素晴らしい理念を抱えてるところもあるし。
そうですね。もちろんもちろん。
行き着く先は理念だろうと思うんだけどって言ったのは、理念を分解したときの一つの目指すべき姿。
っていうちょっと具体になったものがあって、
もしかしたらもう一段具体になった、それは職場単位のかもしれないっていうところに落とし込んで、
そこを少し具体化した、もうちょっと方針みたいなのがあって、
そこからじゃあ行動としてはこういうことを気をつけようね、こういう姿勢でいいよ。
だいたい多くの会社の行動指針って、挑戦意欲を持って頑張ろうとかね、トライだとか、
そういうようなレベルのものが多いんだけどね。
だからそのぐらいの抽象度でも構わないと思うけど、
やっぱりなんで挑戦って言ってるのっていうことが、その上の上位概念が作られてないといけないので、
恐らく行動指針を考えるには、理念がもしあったとしたら、
理念から直結する行動指針っていうのはなかなか難しいのが実際だと思います。
その中間に、やっぱり例えば営業部の我々は、
この理念に向かうためにこういうことを気をつけようねとかっていうことがあるべきだと思うしね。
もしかしたら行動指針って、非常に抽象度が高くずっと使っていける言葉である場合もあれば、
もしかすると行動指針24みたいに、年度ごとにテーマを絞ってスローガン的にやるって考え方もなくはない。
今年はこれ頑張ろうみたいな。
行動指針24みたいな、年度の行動指針ってなってくると、
何がいいかというと、それはある意味今年のこの会社のこの組織の、
このチームの課題は何であるかっていうことが、ベースにないと語れない話なので。
課題が作られてるっていうことが前提としてあればある。
その課題が作られてるっていうことがすごくいいことなので。
課題のための行動指針ってなると、やっぱりさっき言ったようにすごく局所的な理解をせずに済むと思う。
なるほどですね。
対話の重要性
散々いろんなところでお話をしてきた。
直近で言うと、たぶん493回ぐらいだったかな。
課題設定力が大事であるという話とかが、たぶんそこにつながってくる背景にあるものですよね。
だからうちの会社は大切にしなきゃいけない。
私がよーく礼にとるサントリーのやってみなハレみたいな。
ああいうのは非常に言葉としてもわかりやすいし、たぶん普遍性のある言葉。
だから言葉の出方によっては、ちょっと普遍的なものにしてもいい場合があれば、
ちょっと時代としては変わっていくかもねとか、
いろんな仕事をしているそれぞれにとってはちょっと捉え方が変わっちゃうねなんてこともあったりするので。
その辺は職場単位の行動指針っていうことにするのか、
会社の行動指針にするのかによっても違うかなと思いますね。
なるほどですね。
ただやっぱり何のためにが大事。
何のためにが大事。
何のためにって話が大事ってなると、前回の結局対話が大事って話につながりそうですね。
そうね。
この間ですか、先週の回は、対話は意図と意味を相手のちゃんと理解をする。
なので、なぜそうなってるんですかっていう背景となるものをちゃんと理解し合うということがないと対話になってないですからねって話が。
まさにその相手が他のなぜということを理解する。理解し合うって言った方がいいですかね。
それが結局その理念というものの、なんでこの理念が語られたのかのなぜにあたるところを、でもこれって掲げられてても、それこそ前回ずっと言ってくださってる対話の場作りみたいなものがされてないと、
行動指針の重要性
よっぽど飲み会のノミニケーションでうわうわ言われて、石髄にまで染み付いちゃってるみたいな感じだったらある意味でできますけど、そうじゃない限り腹打ちすることはなさそうだなって思うんですけど、この辺どうなんですか。
腹打ちするかしないかっていうことも大事なんだけど、
やっぱり染み込んでいくというよりも、悩んだときにどの基準でその悩んだことについて答えを作ろうとしているか。
例えば何かのトラブルがありましたとか、何か新しいことに対するチャレンジの内容を決めましたとか。
これって正しい?これっていいのかなっていう検証をするときに、やっぱり行動指針だけじゃなくてね、
私たちは何のためにやるのかっていうことがそこに、解釈・判断として基準にある。
立ち返る場所みたいな感じですか。
行動指針というと非常に具体的なものではあるんだけど、
どちらかというと、仕事をしているときの意識・姿勢のことを行動指針に落とし込むことが多いと思うので。
例えばだけど、攻めが大事なセクションと守りが大事なセクションがあったときに、
それなのに、挑戦・トライって言ってもね、意味が違うじゃない。
守りが主体なところにとっての挑戦ってちょっと意味が違うねと。
新しい、よりガード力の強い、守備性の強いものを考えようみたいな話になったりする。
なんか意味合いが違ってきちゃうんだよね。
だから大事なのは、さっきから言ってる、じゃあ何のためにですかっていうことになると、
守備性が強いセクションと攻め性が強いセクションでは、
本当に大事にしなきゃいけないことのほうが違うと思うのね。
だからそれを共通して語られる言葉があれば、前者的に言えばいいけど。
2年に1台ものなんですかね。そこを束ねられる。
あればいいけど、でもやっぱり行動指針っていうのは、前者的に語られるものもあれば、
もしかしたらセクションごとに置き換えなきゃいけないこともあるよっていうのは、そういう意味なんですね。
まさにね、社員50名ぐらいっていう話なので、
当然バックヤード部門と営業的なものと、作る側の人間ととか、結構分かれるフェーズでしょうからね。
同じ1個の行動指針で束ねられるかっていうと、
まさにこの方が行動指針が必要だと思われてるのが、その辺の背景あるのかもしれないですよね。
そう。だから例えば、新しい価値創造っていうのをし続けようっていう組織としてあったら、
そのために営業って何しなきゃいけないの?
そのために製造は何をしなきゃいけないの?
そのために管理部門ってどういうことをしなきゃいけないの?
っていうふうに翻訳していくっていうか、落とし込んでいく。
私は行動指針ってそのぐらいに落とし込んでいいような気がしますけど。
やっぱりそれがあると、一人一人の社員さんの行動レベルとかが優れているかどうかっていう、
ある意味、評価をするときの尺度にもなる。
行動指針がコンピテンシーになるみたいに近いんですかね?
そうそう。そのままを評価項目としなくてもね。
それをちゃんと皆さんで常に行動指針っていうのを中心に置いて、
こういう姿勢でいいよねって言っていれば、
そういう姿勢なのかどうかっていうことで評価することはできるとは思います。
なるほど。ということで、行動指針と理念との関係を紐解きつつ、
行動指針のどのくらいの抽象度というか、
在り方がいいのかみたいなところの話でしたかね。
でね、最後に1個だけ。
よくあるのは、行動指針ってプロジェクトみたいなんで作ったほうがいいですか?とか、
現場でいろんな人を巻き込んで作ったほうがいいですか?って。
これはね、どちらでも構わないと思います。
ただし、「何のために?」っていうテーマ設定をしておかないと、
誰が作ろうがわからないし、理解できないので、
そのためだったらうちはこうしようよっていうふうに、
それを先ほどから言う対話を通じて決めていってもらえればいいかなと思いましたね。
やっぱりいろいろ進めていこうとすると、
何のためにを前提とする対話というのがある程度行われてないと、
結局行動指針も作れないし、評価項目も作れないしっていうことにぶち当たってしまって、
やっぱ対話が大事というか、戻ってきちゃうみたいな感じですね。
ということで、今日のところ行動指針終わりたいと思います。
行動指針の構築方法
井上先生、ありがとうございました。
ありがとうございました。
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