組織内の対立とコミュニケーション
井上健一郎の組織マネジメント研究所
組織が一体となり、ゴールを達成する究極の快感
上場企業から中場企業まで、延べ200社以上の支援を行った井上健一郎が、組織・人に関するあらゆる問題を分かりやすく解説します。
こんにちは、遠藤克樹です。井上健一郎の組織マネジメント研究所、井上先生よろしくお願いいたします。
よろしくお願いします。
今日は非常に面白い二項対立的な上司と部下の衝突?すれ違い?みたいなご質問をいただいているので、そちらをご紹介させていただきたいと思っております。
上司との二項対立ね。これって絶対よくあるよね。
ありますよね。ましてや社長と社員となると、法的関係においても対立してるから、どうやったってなかなか分かり合えないっていうのが起きますよね。そんなテーマなんです。
すごい興味のある質問ですね、きっと。
ということでいきたいと思います。
私自身は関係性を大切にすることで成果につながると信じていますが、直続の上司は数字や結果こそが全てという考え方で日常的に価値観がぶつかります。
会議の場でも私が人間関係を整えるような発言をすると、そんな時間は無駄だと切り捨てられてしまうことがあります。
こうしたギャップを埋めるためにはどのような伝え方や場作りを意識すればよいでしょうか。
はい。
ということですよ。
関係の質が大事だよって言ってるんですけど、ここは誤解しちゃいけないのは、何のために大事ですかっていうことをちゃんと押さえとかないといけなくて。
あれは循環モデルで最終的には結果の質にたどり着くためのプロセスなんだよね。
スタートラインが関係の質だよねって言ってるんで、やっぱり求めるべき結果は明確でなければいけない。
そこにたどり着くためにどうしたらいいかっていうやり方を考えるにあたって、
豊かな思考からそのアイディアが生まれるためには、やっぱり場が温まってなきゃいけないよということで、関係の質が大事ですねっていう話になります。
結果から逆戻りするとそうなるよねと。
関係性と成果の関係
関係の質からスタートしたときに何が起こるかっていうと、
結果の質がどうかわからないけれど、関係性がいいからお互いの思考は柔らかくなれるよね、豊かになれるよねっていうところまでが着眼ポイントになってて、
悪くはないんだけど、そこが非常に強く感じると思うんですね。
つまりこの先に結果に行くってことが大事なんだっていうよりも、
みんなでいい感じで話し合えるようになったよねってことが、若干ゴールになっちゃうようなときもあると思うんですよ。
いい雰囲気がゴールになってしまうと。
でも組織である以上、とにかく利益集団であればこそ、収益集団であればこそ、やっぱり最終的な結果ってのは何かっていうのは必要なんよね。
だからポイントとしては、この上司が求めてるのは結果だとしても、
そこに対してその数字を上げたいんだということに対する、
どうやって上げるのかは、この人が関係性から築き上げていくんだっていうことは、
この人の心情として持っていて、私は構わないと思います。
ただ上司は数字はどうなんだ、結果どうなんだっていうことがあるとしたら、
上司との会話では、そこをポイントに話さなきゃいけない。
つまり、もし苦しんでるんだとしたら、今期どうするんだと、
もう一回いかないぞみたいな話をやってるとしたら、
何か打開策を打たなきゃいけないっていう段階の会話であれば、
上司が、そんな関係の性質なんて関係ねえよって言ってるのは当然になりやすいのよね。
起きますよね。数字的にちょっとあと半期でどうするかみたいなときに。
いやでもなんとかさんとなんとかさんの関係がって言われたら、
ちょちょちょ、そういう話してんじゃねえぞってなりますよね。
だから大事なのは、そこに向かうためのアイデアを、
いまとにかくみんなで考えなきゃいけないんですよと。
自分も考えてるけどみんなにも考えさせないとエネルギーが高まらないから、
みんなにも考えさせたいんです。これは上司もわかる。
そのためにいろいろ工夫してるんです、いまっていうことは言えばいい。
ただ結果としては、アイデアを生み出さなきゃいけないのは、
関係の質がどうしたこうしたではなくて、
業務上は何か施策を打たなきゃいけないのは事実だから。
その施策を打つ、これは思考の質のところだよね。
施策を打つためにどうしたらいいかっていうのが、
この人の考え方のアプローチで私はいいと思うんです。
ただそこは上司にはわかりにくいので、思考として。
だからそこはあえて、
なので関係の質が大事なんですっていうところから、
上司に説明するのはあまりしなくていいと私は思う。
上司と部下の共通点
この人は大事にすべき。
だとしたら会議っていうところで、
さっき言った心情的なところみたいな面に触れると、
そんな場合じゃないだろうみたいなことを言われると、
否定されちゃう。
だから会議っていうのは、
結論を導き出すための場だというふうに上司は思ってるから。
だから結論に至らない、ちょっと拡散気味の話っていうのは、
抵抗感感じるんですよ。
だったらこの人が工夫したほうがいいのは、
そういう心情的なこととかに触れていくのは、
別の場でやったほうがいい。
別の場っていうのは。
会議じゃなくて、ミーティングでも会議でもいいんだけど、
上司のいないところでみんなでどうしようかみたいな会議のときに、
若干そういうところに触れていく。
だからこの人が自分のチームを、
自分の中でコントロールできるような場を作っておいたほうがいい。
そこでは関係の質っていうものを高めるための努力をすればいい。
じゃあこの方が上司の立場が変わりませんけど、
代わりに部長だとして、この方が課長だとすると、
部長がいない課長としての自分の課の集まりのときには、
そういった人間関係的な話とかもむしろすべきだけども。
でもこの課長さんだとすると、
課長さんの立場も考えなきゃいけないのは、
とはいえこのチームが求められている結果は出さなければいけないわ。
これは業務なので。
そこは忘れちゃだめよっていう。
だから結果と人間関係どっちが大事なのかっていう話ではなくて、
当然どっちも大事だし、人間関係がいいから結果が生まれるってなってる以上、
どっち論の話をしてはならぬわけです。
てかそこに話が落ちてしまってる時点で、
対話がちょっと方向として前提がずれちゃってるってことになるんですかね。
でもなりますよね、と思いますけどね。
なりやすいですよ。
で、やっぱり、今の例でいうと、
課長さんとしては自分のチームをもっと元気にしたいなと。
ちょっとドヨーンとしてるぞと。
これなんか人間関係的な問題もあるんじゃないか。
それはやっぱり解決しないと先にいかないな、これは当然。
でも部長さんは、ところでどうなんだ根気って言ってるっていう。
これは怒りますよね。
だから正直言うと、誤解を生んじゃうかもしれないね。
え、そうなんですかっていう人もいっちゃうかもしれない、解釈の仕方によっては。
どっかでは、そういう部長と課長の関係だったら、
課長さんが関係の質を高める行為とか、進め方っていうことは、
若干、水面下で描いてる足みたいな。
鳥が。
そういう上司が見えないところの努力っていうところになるのかもしれません。
でも上司と部長と課長の共通してるのは、
結果のためにいい施策が、いいかどうか分かんない。
結果主義と共感重視の対立
妥当性の高い、それやってみようよっていう施策が生み出される、
必要があるということは共通してることなんだよ。
そこに向かってることは事実だから、
一生懸命水面下で足を描いて前に進みながら、
やらなきゃいけないことは、そのチームでいい施策を生み出すこと。
水面下の足が前に漕いでるやつと後ろに漕いでるやつがぶつかってるみたいな状況になって、
くるくる回っちゃってるみたいな状況になってるんですかね。
ちなみになんですけど、ここ今さらっとおっしゃってくださいましたけど、
価値観としては、どっちを大事にしてるみたいな話で言ってしまえば対立してますけど、
このお二人が共通となるものは何なのかという話と、
どのようにしたら、共通がない状態になってるじゃないですか今。
あの共通が、この結果を生み出さなければいけないは共通目標ではあるけど、
気持ちの中では共通になりにくいのよね。
なぜかっていうと、結果目標達成ばっかり上司は言うぞ、
僕はこのチーム運営としてはここが大事だと思ってるっていうことの差が大きくなるから。
でもチーム運営って何が目的なのっていうと、
そこで結果を出すべきだっていうふうには行きたいけどもう一個手前。
結果を出すための良い行動を作る、良い施策を生むっていうことが大事だよね。
これは一方、ちゃんと上司にも結果を出すためには、
こういうところが今は通常のことをやってもうまくいかないので、
ちょっと新しい施策を打たなきゃいけないと思ってるんです。
そうだね、このあたりを共通にしなきゃいけない。
だから問題に対してその問題を構成している、
一個手前の課題共有みたいなところってことですかね。
遠藤さんいいこと言ってます。
そうです。課題共有です。
これは共有しないと、共通項にしないと、これはあまりにもずれすぎちゃってる。
課題共有による歩み寄り
なるほど、なるほど。
だから結果大事だよという上司、でもその結果を上げるために、
今私たちが抱えている課題は何ですかねっていうことに対しての共通は持たない。
確かに結構整理されましたね。
数字や結果か、それか人間関係なのか、関係性なのかという話って抽象論ですもんね。
この抽象論での対立をどういうふうに歩み寄るかの前に、
その抽象論はあるけども、
一緒にやってる以上共有しているはずの課題感は何なのかが一緒にここで共有できれば、
じゃあそこに向かってどうしようかって話はまずできるわけですかね。
だから例えばその会議の席上では、
そんな人間関係なのかどうでもいいよみたいな話になったとしても、
席を替えたところで、その課題が共有されてれば、
さっきの新しいアイデアを生み出さなきゃいけないんで、
ギクシャクしてたらよくないんで、
あんな話をしたんですよって説明すればいい。
なるほど。
非常になるほどしか言ってない気がする。
そういうことか。
だとこの質問だけで考えていくと、
そんなの世界が一つ見えるなと。
確かにですね。
でも上司が本当に人間関係なのかどうでもいいと言っているのかどうかわかりませんけど、
一方でそういった本当に人間関係どうでもいい結果なんだと思われている上で仕事するのは、
まあしんどいですよね。
だって我々人間ですからね。
もしかするとね、話題の振れ方みたいな若干テクニック論の中で、
上司の好ましくない振り方をしたのかもしれないけどね。
それはあるかもしれない。
それは若干テクニック論なんで、現実の場を見て、
ここのタイミングで言わないほうがいいですよみたいなのはあるんだろうけど。
ありそう。
言うところでね、自分の中の大事なものがあるからこそね、正義として言っちゃうとね、ぶつかったりしますんでね。
そのあたりは注意しつつ、テクニック論の話を聞きたい場合には是非ね、
サロンの方に行かせていただければいいなというような気がします。
はい、ということで終わりましょう。
ありがとうございました。
ありがとうございました。
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