登場人物の紹介
押し勝つという言葉が一般的になってからずいぶん久しいですよね。 いろんな人が誰かを押しているような、そんな気がしています。
誰かを応援することで人生が豊かになるというか、救われるというか、そんな話をよく聞くんですけども、でも正直に私言うと、これまで何かに狂うほど熱量を持ったことってないんですよね。
誰かを押したことも正直ない。 すごいなぁ、みんなエネルギーあるなぁというふうに眺めております。
そんな中でも私が熱量を持って押していると言ったら、最近だとおいっこですかね。 おいっこが食べたいといったものは買ってあげたいし、欲しいといったものは買ってあげたいし、何かおしゃべりしたいとか遊びたいって言われたら全力で遊んじゃうし。
それがまあ押し勝つと言えば押し勝つなんですけども、まあ巷で言われている押し勝つとは若干違うような気がします。
なので私はそんな狂うほどの熱量を持って誰かを押すっていうことは今までしたことがないんですね。
そんな私が先日本を読みまして、アサイリョウさんの本インザメガチャーチというのを読みました。
これは友達がお勧めしてくれたんですよね。 年末近くに友達と飲みに行っていたらこのインザメガチャーチをお勧めされたんですよ。
この本ですね、ハードカバーで作られている本で400ページ以上ある本なんですけども、結構分厚いしB5ぐらいのサイズが400ページぐらいあるからめちゃめちゃ重いんですね。
重いんですけど、わざわざそれをカバンに入れて飲み会の席に持ってきてくれてまでお勧めしてくれたんで、これは読んだ方がいいなと思って年末年始にかけて読んでみました。
そしたらですね、めちゃめちゃ面白かったです。 この本読んだ率直な感想というと、どこに行っても地獄なんだなっていうことなんです。
これは私なりの解釈ではあるんですけども、そんな推し活にまつわるテーマを物語にした本ではありますんで、これを読んだ感想とかすごく誰かに話したいなと思ったので、今日はこのインザメガチャーチを読んだ感想なんかを話していきたいと思います。
この番組は定時退社に定評のあるプロ会社員のこたつが、人に話すほどでもないようなことを冷ややかに、時には熱く語る、私は定時で帰りたいです。
お耳が空いていたらいかがでしょうか。お疲れ様です、こたつです。 タイトルにあるメガチャーチというのは、もともと巨大な教会、2000人以上が参加する教会のことを指している言葉なんですけども、
特に教会の話が出てくるというよりは、この物語の中では教会のマーケティング部分の説明として使われていましたね。すごくそれが面白かったです。
そうか、教会マーケティング、いわゆるチャーチマーケティングっていうものが世の中にはあるらしいんですけども、そういえば聞いたことあるなぁぐらいだったんですね。
そういった話をこの物語の中で使われているというところがとても興味深かったです。
この本の概要を先に説明すると、3人の登場人物がいます。その3人の視点でどんどん進んでいくんですけども、物語の始まりとしては、1つのニュースを3人の登場人物がそれぞれ違う場所で見ているっていうところから始まるんですね。
1人は推し活にのみり込む女性です。推している人の不法がそのニュースで流れたんですけども、その不法を受けていろいろ苦しい思いをしながらいつの間にか陰謀論に巻き込まれていくという30代の女性。
もう一人は大学生の女性なんですけども、サークルに所属しているもののどこか馴染めなくて悩んでいたところに救いとなるような推しが現れて、そこから推し活にどんどんハマっていく20代大学生女性。
そして3人目がこの物語の肝だと私は思っているんですけども、この推し活をビジネスとして仕掛ける側の40代後半の男性ですね。
この男性はですね、離婚して一人暮らしをしているんですが、職場で雑談ができるような同僚も近くにおらず、どこか寂しさを感じつつもなんとなく毎日を過ごしているような、そんな描かれ方をしていました。
その40代後半の男性はレコード会社に勤務しているんですけども、同期から呼ばれて新しく仕掛けるアイドルプロジェクトのメンバーに選ばれるんですね。
そのメンバーっていうのが、これから熱狂的なファンを作っていこうっていう、そんなプロジェクトのメンバーだったんです。
視野の狭さと孤独
この仕掛け人側の描写が個人的にはエグかったですね。
彼というか、その仕掛ける側のメンバーの一人がすごく冷静にファンのことを分類分けして仕掛けようとしているんですよ。
ああ、こうやって熱狂って作られていくんだなぁと、妙なリアルさを感じました。
これは本当読んでほしいの一言につきますね。
普段この400ページ以上ある小説とかって、私読むの結構遅いんで、平気で2,3週間、下手したら1ヶ月とかかかっちゃうんですよ。
隙間読みをよくするからなんですけども、なかなか読み進められないっていうのが現状なんですが、
このイン・ザ・メガチャーチ、年末年始の数日間で読んじゃいました。
4日間ぐらいで読み切ったのかな。めちゃめちゃ面白かったですね。
ページをめくる手が止まらなかったです。
この本読んだ感想なんですけども、イン・ザ・メガチャーチを読んで思ったのは、
救いの正体って実は視野の狭さなんではないかなということですね。
熱狂している人たちは周りが見えなくなっているっていうふうに描かれているんです。
でも、見えなくなっているからこそ、自分の抱えている不安とか社会の理不尽とか孤独とか、
そういう直視するにはちょっとしんどいなっていう事実を見なくて済んでいるようになっているんじゃないかなというふうに私は読み解きました。
ここでちょっと面白かったのが、この仕掛ける側の男性、40代後半の男性なんですけども、
そのお仕活をする人たちを熱狂的に育てていくっていうそのプロジェクトを外側から様子を見ているんですけども、
冷ややかに分析しながらも、どこか羨んでいるようにも見えたんですよね。
なんでみんなこんなに熱狂できるのかっていうようなそんな感じです。
でもそれはきっと視野を極限まで狭めて、見たくないものを見ないようにする、
そういった環境に憧れているのかなっていうふうにも思いました。
逆に視野を広げているのも苦しいのかなっていう描かれ方をしているシーンがあるんですけど、
それはまた別の登場人物、女性ですね。
女性の描かれ方をしているんですが、視野を広げてあれこれ考えて何かしたいけど、何をどうしたらいいのかわかんない。
だからなんとなくそのコミュニティに居続けているっていう。
それもなんかどこか居場所がないような感じがしてて、読んでて苦しかったんですよね。
外から見てても苦しいし、中にいても結局自分の居場所の定義がうまくできなければ苦しいし、
会社とコミュニティの地獄
どっちにしろ地獄なのかなっていうふうに私は思いました。
これ読んでて途中で思ったんですけど、会社っていう組織も全く同じことが言えるんだと思うんですよね。
会社にもいるじゃないですか。
会社にどっぷりハマって、同僚とだけ深く付き合って、仕事のことだけ考えている人。
一見私は視野が狭くて不自由なんだなーって思うんですけども、
こんなこと言っていいのか、ちょっとどうなのかなって思うんですけども、
でも実際は本人はその狭いコミュニティに守られていて、実は一番幸せなんじゃないかなって思いました。
確かに会社と深く付き合っている人、同僚と休みの日も付き合うようなそういった人たちって、なんか毎日楽しそうなんですよね。
それは会社に自分のかっこたる居場所があるから、そこに行くのは楽しいんだと思うんですけども、
私は不自由にそれを見えていたんですが、実は一番幸せなのかなっていうそんな気がしましたね。
でも一方で会社はあくまで仕事をする場所って割り切ってるタイプは、会社の中に本当の居場所がない上辺だけの子の付き合いをしていて、どこか居心地が悪い。
じゃあ外に居場所があるかっていうと、あればいいんですけどそうじゃない人もいるじゃないですか。
それはそれで苦しいですよね。
会社の人と深くつながりたくはない。
でも外に居場所があるわけでもない。
それはそれで苦しい。
自分がどこに所属しているのかわかんなくなる。
いわゆるこの貴族意識、所属意識でも言うんですかね。
そういったものが薄くなっていくと、それはそれでしんどいのかなというふうに思います。
こんなことを読んでいる最中に思っていたんですけども、それらを思いながら読み進めた結果、最終的にはセーフティーゾーンを一つに絞ってはいけないのかなっていうふうに私は思いました。
もし会社だけに依存していたとしたら、例えばそのコミュニティが壊れた瞬間、わかりやすいのは退職とかですけど、雑談が気軽にできるようなそんなつながりもなくなってしまいますよね。
でも逆に会社ではなくて外のコミュニティだけに救いを求めたら、今度はそこを失うのが怖くて嫌なことにもNOと言えなくなるんじゃないかなと。
実はこのin the megachurchにもそんな描写が描かれていました。
本当はそのコミュニティから逃げ出したいんだろうけども、でも逃げ出した先に何かあるかって言われると多分何もないので、どこかNOと言えない。
いや、私はここが居場所なんだと自分で自分をそう言い聞かせているようなそんな描写があって、これはこれで地獄だなーっていうふうに私は思ったんですよね。
会社にも居場所があって、会社の外にも緩やかなつながりがあって、家庭にも自分の居場所があって、そうやって自分の所属というか居場所が分散されていると、どこの地獄にも触れないで生きていけるのかなーというふうに思いました。
『イン・ザ・メガチャーチ』の影響
ちょっとうまくまとめられてはいないんですけども、なんかこのin the megachurchを読んでとても感動したというか、私の心が動いたので、せっかくならと思って勢いのままに収録してみました。
アサイジョウさんのin the megachurchは、押し勝つという現代の救いみたいなそんな形を借りて、孤独とか所属意識をこれでもかとえぐり出してくるようなそんな作品でした。
私は特に40代後半の男性、押し勝つを仕掛ける側の人なんですけども、その人の描かれ方が妙に気持ちが入りましたね。
もしかしたら私がもうすぐ40代に差し掛かるからっていうのもあるんですけど、まぁどうなんだろう今年36歳なので、まだまだだって言われたらそれまでなんですけども、妙にリアリティがあったんですよね。
なんていうんだろう、リアルだったからっていうのもあるんですけども、自分がもしかしたらこうなるんではないかなっていうところを恐怖したっていうのもあるかもしれないです。
このインザメガチャーチ、私みたいに押し勝つをしたことがないとか理解できないみたいな人にこそ読んでもらえたら面白いと思うかもしれません。
押し勝つを仕掛ける側の裏話みたいなそんな描かれ方がしているので、ぜひぜひインザメガチャーチ、騙されたと思って読んでみてほしいですね。
ハードカバーの本でしかも分厚いので持ち歩くには不便なんですけども、多分文庫化すると思うんですよね。文庫化したら私はそれも買いたいなと思います。
はい、そんなところでしょうか。この番組が気に入っていただけたら大きいのポッドキャストアプリでフォローしていただけると幸いです。
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以上、こたつでした。お先に失礼いたします。