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スピーカー 1
ハイパー企業ラジオ。この番組はですね、企業家の方に向けて参考になるような話ですとか、企業の研究とかそういった話をですね、現役の企業家でもある私、けんすうと、IT批評家の尾原さんと一緒にやっていく番組でございます。
スピーカー 2
はい。いやー、なんかメタ編長かったから、ちょっとハイパー企業のオープニング忘れてましたね。
スピーカー 1
忘れてましたね。僕も忘れたなと思って、今アドリブで言いました。
スピーカー 2
はい、ありがとうございます。でも正確にやっていただいて。
スピーカー 1
あまり決まってやってないんですけれども。
はい。
まあまあ、いろんな企業とかをやってきたんですけれども、企業とかね、戦略とか、ペルソナーとかの話をしてきたんですけれども、今回ちょっと個人で焦点を当てたいなと思っております。
スピーカー 2
個人。はい、その方は。
スピーカー 1
いろんな経営者の方とかいると思うんですけれども、今回ちょっとあえて、ひろゆきさんを取り上げたいなと思ってるんですね。
素晴らしい。
これやっぱり理由としては、ひろゆきさんって、今まですごく大きなイノベーションというか、日本的なサービスの作り方とかをしてネットに大きな影響を与えた人なんですけれども、あんまり企業化として取り上げられることが少ない気がしてるんですよ。
スピーカー 2
そうですよね。だって今の若い人とかは、ひろゆきさんイコールYouTuberぐらいの認識になっちゃってるよね。
スピーカー 1
そうですね。なんですけれども、実はやっぱりひろゆきさんってすごく企業化としてすごいんだよっていうところはあるなと思ったので、そこをちょっとお話ししたいなと思っております。
スピーカー 2
そうですね。本当にさっきさらっとケンスが言ったけれども、言い方悪いけど日本の企業化って、海外で流行ったものを日本流にアレンジして伸びるっていうものが多い中で、本当に日本的なサービスをするし、あと何気にむちゃくちゃユーザー集めてるんですよね。
そういった観点で、ケンスからそこの分析が聞けるっていうのは本当に嬉しいですね。
スピーカー 1
はい。というわけでちょっと話していきたいなと思います。じゃあまずちょっと本編に入る前に、そもそもひろゆきさんを知ってる人はすごい多いと思うんですけれども、これどんな人ですかって聞くと結構世代によって違うんですよ。
で、例えば4,50代の人から見たら2チャンネル作った人ですよね。
スピーカー 2
2チャンネルね。
スピーカー 1
はい。ってなりますし、2,30代の人に聞くとやっぱりニコニコ動画の管理人っていうイメージがすごく強いですし。
スピーカー 2
そこから知ってる人って確かにいるよね。
スピーカー 1
そうですね。やっぱり2,30代は完全にニコニコですし、10代とかだと完全にYouTuberですね。
スピーカー 2
でもYouTuberっていうのも、実はこのYouTuberに切り抜き動画っていう一つのビジネスモデルを確立した人でもありますからね。
スピーカー 1
そうなんですよ。これについてもちょっとさっき後でお話ししたいなと思ってますが、あとはアメリカの人から見たら4ちゃんの管理人っていう。
スピーカー 2
そうですよね。実は日本ではあんまり知られてないんですけど、アメリカで常にトップ5のトラフィックに入る。
シャレにならない掲示板ですからね。
スピーカー 1
そうですね。政治とかにも大きな影響を与えるような場所なので、日本人の個人でそんなにアメリカとかで大きなトラフィックを持ってる人って多分ヒルウキさんぐらいなんですよね。
実はそうですよね。サービスとして海外で展開してる。
なので実は日本のインターネットの歴史において欠かせない人物であって、経営者、企業家としてもすごい成果を上げてる人なので、ここについてちょっと説明していきたいなと思ってます。
スピーカー 1
これは本当に常にネットのこういうコミュニティの最前線に居続けた件数だからな。これはちょっと期待ですね。
そうですね。元祖ヒルウキ2なんで、僕詳しいんですよ。詳しいです。
というのでちょっと話していきたいんですが、まず最初にちょっと2チャンネル、もしかしたら聞いてらっしゃる方全然名前しか知らないみたいな人も多いと思うので、ここの説明からちょっとしていって紐解いていきたいなと思います。
2チャンネルってどういうものかというと、1999年に巨大掲示板群としてリリースされた、テーマ別に掲示板が分かれていて、掲示板の中にもスレッドで話題が分かれているっていうような形のものなんですけれども、
それをリリースしたのがヒルウキさんが世界に認知されたきっかけですね。
それより前にAmazonという似たような掲示板があったんですけど、それがちょっと色あって崩壊して、そこのユーザーさんをある意味引き継いだという形で2チャンネルが始まったというふうに一般的には言われています。
最先期には多分数百万件の投稿が1日にあった。僕が観測していると、300万投稿ぐらいは結構ずっと安定してありましたね。
スピーカー 2
だし、実は2000年代のYahooの検索ランキングトップとかって、ずーっと2チャンが検索のトップなんですよね。
スピーカー 1
トップクラスでしたね、トップだったり。アレクサというトラフィックを見れるサイトでもやっぱり10位以内とか20位以内にずっと入り続けてたんで、とても巨大なサイトですし、日本のインターネットカルチャーに多大な影響を与えた伝説的サービスと言ってもいいかなと思ってます。
ちょっとこれ当時、SNSがない時代の話なんでイメージつかないかもしれないですが、2チャンネルって匿名掲示板という名前をほとんどの人が入れないっていう掲示板だったんですね。
なのでずっとみんなナラシさんっていう、見ただけだと誰が誰だかわからない状態になっていたっていうのが非常に強い特徴です。
で、これを弁譲の落書きととある著名なジャーナリストさんが言ったりとかするぐらい、やっぱちょっと荒れてるイメージもあったんですけれども、実際、
まあそうですね、よく知らない人が見るとびっくりするみたいな感じだったんですけど、これ一応ヒロユキさんの思想というか哲学があって、
ヒロユキさんって情報が知りたい、情報が面白いと思うタイプなので、感情のやりとりいらないと思ってたんですよね。
スピーカー 2
いやでも割と感情のやりとり、さっき言った弁譲の落書きっていうとそういうイメージだけど、実は全く逆だったんだ。
スピーカー 1
そうなんですよ。情報流通の面で、例えば、初めましてなんとかです。よろしくお願いします。私はこうなんですけどって説明するよりも、
なんとかについて教えれって言うと、なんとかなんとか以上みたいな。こっちの方が情報流通で、効率的じゃんみたいなのがおそらくあるんですよね。
スピーカー 2
なるほどね。なんとなくにちゃって、無駄な挨拶とか自己紹介を省いて、本当にトピックだけで盛り上がれるっていう雰囲気ってあったよね。
あれって意図的だったんだ。
スピーカー 1
意図的にそういうのでやるために、無駄な情報やりとりしなくていいじゃん。大変じゃないっていうのもありますし、
情報が正しい人が強いと。要は博士が書いてるのか、10歳の子供が書いてるのかわからないんですよ、匿名掲示板で。
でも内容がいいのが評価されるっていうのなんですよね。なので偉い人が言ってても間違うし、10歳でも正しいこと言うじゃん。
だから匿名の方が正しい情報がやりとりできるよねっていうようなのが結構あったんじゃないかなと思います。
スピーカー 2
それはめちゃめちゃわかる。僕もやっぱり高校生の頃にニフティサーブっていう、いわゆるインターネットじゃなくてパソコン通信としてつながっているとき。
あの時って本当はテキストしかなかったから掲示板なんだよね、基本的に。
だけどやっぱり高校生なんだけれども、相手が大学の教授でワイワイ喋らせていただいたりだとか、
あと大学の研究室だとグローバルの掲示板のMニュースっていうのがあって、そこのFJ掲示板とかでバリバリ新しいAIの技術についてやりとりをさせていただくみたいなのは本当に匿名ならではなんですよね。
スピーカー 1
そうですね。今だったら結構。
スピーカー 2
当たり前というか。それってでも今って逆に匿名減ってきてるじゃん。そこってやっぱり意図して、ひろゆきさんやってたってことなんですかね、匿名を。
スピーカー 1
そうですね。匿名のほうがやっぱり誰が言ったかよりも何を言ったかが重要視されるし、やりとりするときの情報効率の良さもあるよねっていうのがあったりしますし、とあるPRISMなんだろうっていう本があってちょっとお忘れしちゃったんですけど、
その本でもやっぱツイッターとかXみたいな名前出して主義主張が違う人と議論したときに、人の意見って変わりづらいらしいんですよ。もっと言うと固くなりになっちゃう。
保守派の人がリベラルの人に何か言われたときに反感持って受け入れられなくなって分断は進むんですが、これを匿名の場でやりとりすると意外なほどみんな受け入れたりとか意見変える率が高かったらしいんですよね。
スピーカー 2
面白い。
スピーカー 1
なので人ってやっぱ昨日まで言ってたことと突然手のひら返すと恥ずかしいとか一貫性ないとか誠実でないと思ってしまうんですが、2チャンネルだと少なくても1日経つとまた新しい人格として描けるので、誰も気にしないんですよね。
スピーカー 2
一応IDで追いかけれるっちゃ追いかけるけど、わざわざそこまでやる人ってあんまりいないもんね。
スピーカー 1
あんまりいないですし0時でリセットされるんでIDって。なので手のひら返せるんですよ。
だから2チャンネルとかでも例えばそのとある犯罪があったときにめちゃくちゃ犯人をみんなが叩いてたんですね。
でそれが実は冤罪だって分かった時の次の日のそのニュース速報はやっぱり俺たち正しかったよね。
わかりやすい。
世界で信じてたのは俺たちだけだったなみたいな感じで。
俺は最初からそう思ってたみたいなことになったんですけど、こういったことがやっぱり平気でできるんですよ。
スピーカー 2
逆に平気でできるからこそ何を議論するかだけにフォーカスできると。
スピーカー 1
そうですね。意見が正しいと思ったら立場を変えられるという柔軟性があるので、やっぱり匿名って実はすごく悪口ばっかり書いてダメっていう印象になりやすいですが、
情報とか議論の場においてはすごい優れてたっていうのが大きかったのかなと思います。
スピーカー 2
この辺でひろゆきさんってどこまで自覚的にやったのか、それこそさっきの番外編じゃないけど、後から発見してそこを拡張していったのかどうなんだろうね。
スピーカー 1
これね最初から言ってますね。ほぼ最初から言ってます。
おそらく2000年代前半からずっと同じようなこと言ってますね。なので完全に設計通りです。
もっと言うと、ちょっとこれ後で話そうかなと思ったんですが、どこでバランス取るかも考えていて、
例えばゼゼヒヒでこの投稿いい悪いとかを管理人とか運営で決めるとなると、膨大ラインが大変じゃないですか。
一人バカっていうのはダメだけど頭が悪いはOKみたいな微妙な差を議論し続けることになるので、
ヒロイキさんがやったのってあなたは死ねと言われるかもしれないですが、あなたが死ねという権利もありますみたいな。
スピーカー 2
一番極端だね。なるほどね。
スピーカー 1
そうですね。
スピーカー 2
死ねって言ってもいいんだけど他の人に死ねって言われるからね。それはしょうがないよね。
スピーカー 1
そうです。これを彼は極端なところでバランス取るって言ってたんですけど、それをすることによって非常に運営コスト下げるっていうのもあったので。
スピーカー 2
なるほどね。
スピーカー 2
でもそれってめちゃめちゃ大事で、結局プラットフォームの運営者をずっとやってると、結局その人に対して○か×をつけるのって、その人に○をつけることによって次の人も同じ事例では○をつけなきゃいけなくなるし、
じゃあなんでこっちの人は×なのっていう線引きを作っていかなきゃいけないから、一個一個の判断が重たくなるんですよね。
特に発言を削除するとか、特にその人のIDを停止するとか、そういったことって結構その人にとって重大なことだから、そこってむちゃくちゃ運営コストかかるのも、
いや、死ねって言われますよ、ここは。あなたも死ねって言われますからねっていうふうに極端に持っていくと、むちゃむちゃ判断基準が楽になりますよね。
スピーカー 1
そうなんですよね。彼はやっぱり一貫して、自分が大変じゃないっていう道を選んでるんですよ。
負担がないようにしてるっていうふうに言っていて、これは後々もうちょっと話しますが、彼がなんであんまり株式会社とか資金調達とかスタートアップっぽい選択を取らなかったかっていうと、
おそらくそこなんだろうなと思ってます。
スピーカー 2
ステークホルダー増やしちゃうと、その人に対する配慮だったりとか、面倒くささが増える、パラメーターが増えちゃいますもんね、彼が好きなゲーム的な言い方で言うと。
スピーカー 1
だからこそスケールするものが作れたし、スケールしてあんま儲からなかったとしてもコストがかからないのでオッケーみたいな状態にしてるので、
ちょっとこのシリコンバレー的な資金量と人材の質と量が大事な勝負をしていないからこそ、海外勢にやられないドクドクとのサービスができたのかなというふうに思ってます。
スピーカー 2
めっちゃわかりやすい。でもそういうのをヒロイキさんって、暇だからじゃないですかとか、僕めんどくさいこと嫌いですからみたいなものすごいシンプルに言ってるけど、
今みたいにプロダクトの設計思想として言われるとむちゃくちゃ実践的じゃないですか。なんでもっとヒロイキさんはそういうこと言わないのかな。
スピーカー 1
ヒロイキ これ言ってるんですよ。彼のはずげ、いろいろ集めてるのが趣味なんで。全部言ってるんですけど、端的なんですよね。
だって負担かかるの嫌じゃないですかとか、お金かかるじゃないですかっていうのを言ってるけど、みんなそれを逆にピンとこなくなっちゃうんですよね。
ヒロイキ なるほどね。
なので身も負担もなく聞こえてしまうっていうのがあったと思います。
スピーカー 2
ヒロイキ そうだね。でも今みたいに本当にシンプルな設計思想と、それを実装に表したら実はこうです。だから運用形態としてはこうなりましたっていう三段論法で言われるとめちゃめちゃなるほど。
だけど、彼は本当にシンプルに一番最初の哲学のところしか言わないから、それってどういうことなの?みたいな。答えるのがめんどくさくて、またそんなこと言ってみたいなことに思っちゃうけど、でも本当に彼は手間がかからないっていうことだったりとか、運営本心を迷いをなくすみたいなところとか、突き詰めてるっていうことなんだね。
ヒロイキ そうですね。だから本当にシンプルに考えてシンプルな手段を取ってるだけだけど、シンプルすぎてあんまり理解されないっていうことかなと思います。そしてですね、そういう情報の部分だけでもなくて、2チャンネルってクリエイティブの発信基地としてもすごい機能してたんですよね。
電車男とかね、いろいろあったよね。
ヒロイキ あそこでオタクもちょっと社会的なポジションを得られ始めたぐらいの転換点だったりするよね。
スピーカー 1
ヒロイキ そうですね。あの辺からちょっとオタクへの見え方も変わって、それまではもうちょっとかなりネガティブだったのが、ちょっとポジティブになったというのもありますね。あとはフラッシュ動画。
ヒロイキ それはニコニコ動画の文化的な前進と言っていいと思うんですけど、2チャンネル文化がちょっと混ざって、その動画がフラッシュという技術で作れるようになって、いろんなアニメーションが出てきて、ムーブメントが起きたよっていうのも大きかったですね。
スピーカー 2
そうですよね。まあそれこそね、ノマノマウェイみたいなとかなんかいろんなのもありましたな。
スピーカー 1
ヒロイキ そうですね。今のインターネットミームみたいなものの走りが多分フラッシュ動画かなと思います。あとはエンジニアのコミュニティですね。
例えばウィニーみたいなピアツーピアーのすごい当時流行ったファイル交換ソフトとかも、2チャンネルを発端として出てたりとか、最近だとモナコインとかですね、暗号通貨を作ろうとかも出てたんで、そういったものもあって、とにかく情報面でもカルチャー面でも非常に大きな影響を与えていましたし、
本当2010年代でツイッターが大ブレイクして置き換わるまでは日本のインターネット文化の中心が2チャンネルだったのかなというふうに思います。
スピーカー 2
この辺のクリエイティブの基地になったっていうのは結果論としての偶然なのかな。それとも何らかのさっきのプラットフォームとしての施行性だったり、運営方針だったりみたいなところがあったのかな。
スピーカー 1
まあやっぱ人がいたっていうのは大きいですし、自由度高かったっていうのも大きいですね。で、やっぱ小説とかも例えば魔王ゆうとか、その勇者と魔王が仲良くなって世界を救うみたいなのもあるんですけど、あれも完全に2チャンネルから始まってるんですけれども。
そうですね。でも本当に小説家になろうとかの前って、いろんな小説サイトあったんですけれども、やっぱ2チャンネルに書いたほうが読まれるからみたいなのは大きかったかなと思いますね。
スピーカー 2
だから結局そこら辺は人がたくさんいるっていう話と、最初に言った自由に発言だけにフォーカスができるから、逆に言うとノリとしてみんながお祭りをしやすかったみたいなところの掛け算みたいなことですかね。
スピーカー 1
そうですね。そういうのがあったかなと。で、2チャンネルももともとは2000年ぐらいに東芝クレーマー事件とか。
スピーカー 2
あったねー懐かしいねー。事件予告系な。
スピーカー 1
インターネットの負の面的な感じで注目を集めて、そこでユーザー数が増えたんですけど、そういうのがいろいろあったりして、何年も続くサービスになったよっていうところでしたと。
さっきちょっと運営の話したんですけれども、なんで2チャンネルだけが盛り上がったのかっていうので。
スピーカー 2
そうだよね。だって掲示板そのものってみんな立ち上げれたわけだもんね、あのタイミング。
スピーカー 1
そうですね。当時なりなりチャンネルみたいなのだけでも100個以上あったんですよ。
で、僕もその中の一つやってたりしましたし、そういうスレッドフロート式掲示板の団体とかも作られて、スレンって言うんですけど、完全にソレンっぽいデザインのやつとかを僕とかも入ってたりしてやってたんですけど。
たくさんあったが、なんで生き残って盛り上がったのかっていうのは、ひろゆきさんは2つ言っていて、僕はそれにプラス1つあるかなと思ってるんですけど、
ひとつはめっちゃシンプルにデータが消えない仕組みを作ったっていう、技術的なところが実は優れてた。
スピーカー 2
だっと落ちな。
スピーカー 1
っていうところと、あとはお金にならないから企業とかが入らなくて、自分は暇だったからできたっていう、この2つを挙げてるんですね。
スピーカー 2
なるほどね。マネタイズがしにくいモデルだから、そもそもそのマネタイズを考えない人間が運営者だからできたと思う。これも確かに説得力あるね。
スピーカー 1
そうですね。裁判沙汰とか警察沙汰も多いので、会社はできないよねっていう。でもう一つは、めちゃくちゃシンプルにこのポッドキャストでも何度も言っている、人がいるから人が来るみたいなところが、やっぱりずっと明かしてたんで、
2チャンネルのオルタナティブが出て、ちょっと移動したとて、やっぱり圧倒的投稿数のある2チャンネルにみんな戻ってきちゃうっていうのがあったのかなと思います。
スピーカー 2
まあそうだよね。それこそ本当にネットワークエフェクトで、発信者がいるから聞き手が来て、聞き手が来るから発信者が来るっていうものだったりとか、あととにかく2ちゃんって落ちにくいし落ちたときに、
昔書いたものが落ちたときにもうなくなるみたいなことがね、昔の掲示板結構あったんだけど、その最初のポイントでおっしゃるように、2ちゃんはそれがなかなか落ちてもちゃんと復活できるような構造でやられてたから、盛り上がりがあっても、ちゃんと復活すればそこから盛り上がり直しやすいみたいなこととかいろいろあったもんな。
スピーカー 1
そうですね。これちょっと、ひるゆきさんのエンジニアリング的なセンスの話もしたいなと思ったので、ここでちょっと話してしまうんですけど、2ちゃんねるってすごい巨大な掲示板なんですが、最初の構造ってひるゆきさんが書いてるんですね。
自分で書いてますと。前に流行ってたAmazonっていうサービスだと落ちるとログが消えちゃうので、過去ログ残らなかったのが残るっていう、今小原さんが言ってくれたようなところもあったんですけどね。
スピーカー 2
ちょっとだけマニアックな話をすると、データベースとかって読み込むときって大丈夫なんだけど、書き込むときって同時に書き込みが起こっちゃったりとか、いろんな人が集中して書き込むと、そこで書き込みの動機みたいなところがずれてクラッシュしちゃったりとか、それに伴ってデータが消失するみたいなのは結構昔あった話なんだよね。
しかも日産の人気スレみたいな話だと、1個の登録したもののスレを更新してる間に3つ4つ新しい登録が飛んでくるみたいな、たぶんそのぐらいのラッシュさだったもんね。これ結構大変なんだよね。
スピーカー 1
そうですね。1秒に100件とかスレいくとどうだったんで。今のエンジニアからするとデータベース使わないんかいと思うと思うんですけど、当時僕もAKG版やってて思ったんですが、そもそも耐えられるサーバー用意するのがかなり不可能な状態だったんですね。
もう当然クラウドとかなかったんで。その中で壊れずに書き込みがどんどんされていくっていう時に、少なくてもMySQLでやろうとかやってたらインサートも大変だし、セレクトで要はデータを取り出して表示するのも大変すぎてほぼ現実的じゃなかったんですよ。
なので2チャンネルだとDATと呼ばれるテキストファイルですかね、に書き込むようになってたんですけど、当時って同時に書き込まれるとファイルロックっていう仕組みを使うのが一般的だったんですが、負荷が高いとファイルロックしっぱなしになってシステムが止まっちゃうんですね。ずっとロックされてっていう状態になる。
この解消する仕組みとかを、ひろゆきさんが考えて自分で実装したっていうのが、当時2チャンネルだけだったんじゃないかなと思うんですよね。
スピーカー 2
たしかにね、だって同じタイミングでちょうど僕、ドコモでのiモードの立ち上げとかの支援をしてたんですけど、ドコモだと力技でオンメモリーデータベースみたいな話を1999年ぐらいにやってどうにかどうにかしてたところを。