00:00
生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と、書店員の佐藤が、本にまつわるアレやコレやをゆるっとお届けします。
はい、今週も始まりました。本の虫のススメ。
展覧会の体験
先日私たち、展覧会に行きましたね。
うん、行きましたね。
いやー、すごい良かった。
良かった。ちょっともう終わってしまってる、展覧会なんで。
そうなんです。終わってしまった展覧会を、容赦なく紹介するという、私たちの悪癖なんですが。
えーと、新宿、東京新宿にある、あの、保険会社かな?の、あのソンポジャパンっていうのがあると思うんですけど。
そこが運営している、ソンポ美術館っていうところで、8月までやっていた、対象イマジュリーの世界という、展覧会に行ってきましたね。
うんうん。
で、あの、ちょっと対象ローマンみたいな感じだから、ちょっと対象っぽい感じで行けるといいかなと思って、
えー、佐藤さんと私と、あともう一人の友達と3人で行ったんですけど、3人とも浴衣で和装で行きました。
いやー、楽しかったねー。
すごい楽しかった。
で、しかも三者三様、すごいさ、服装っていうか、あの、ジャンルが違う感じだったよね。
あー、同じ、あの、和装やけど着こなしがね、全然違ったよね。
うん。
あれがまた面白かった。
面白かった。
佐藤さん意外とオーソドックスなんですよ。
正統派でしたね。
あの、スニーカーを履いて行ったんですけど、浴衣に対して。
それ以外は結構本当に、なんていうか、正統派というか、あんまり着崩してない着方をして行きましたね。
で、あの、もう一人のその友人が、すっごいもともとオシャレで、着こなしもオシャレやったね、当日。
すごい素敵だったなと思ったのが、男着物の着方をして、
あーそうそう、帯をね、あの、下めにして、
結んで、
ちょっと胸元緩めでね。
ね、着てはったんやけど、でも、その下にタイツとピンヒールを合わせてて、めちゃくちゃかっこよかったよね。
かっこよかったよね。
いや、もともとピンヒール履いて、いつでも履けるように訓練してるって言ってる人やから、
訓練が存分に生かされて。
生かされて。
めっちゃかっこよかったよね。
かっこよかったね。
そうですね、なんか帯もすごい、ギラギラの感じの、キラキラとしたこう、アバンギャルドな感じかな。
そうそう、なんか帯留め、普通のあの、紐の帯留めじゃ、あ、ちゃうわ、帯締め、帯締め普通の帯締めじゃなくて、
なんていうの、ラインストーンの、
あーそうやね、ベルトみたいな、細めのベルトみたいな。
細めのベルトで帯締めしてらして、それがまたアクセントに乗ってて。
かわいかったね。
かっこよかった。
かっこよかった。
かっこよかわいかったね。
かっこよかわいかったね。
そうそう、それで三車三鷹のね。
着物を着ていて。
そうなんです。
うん。
なんですけど、それで行った、そのソンポ美術館の大正イマジュナリーの世界なんだけど、展示もまあすごいよかったよね。
よかったねー。
なんかその当時のさ、時代が膨らんでいく空気みたいなのも感じられる、なんて言ったらいいの、海外のそのデザインとかも取り入れつつ、
日本のこれまで育んできた浮世絵とか、アートの表現っていうのがこう融合して、爆発するみたいに膨らんでいくような時代だったんだなーっていうのをすごく感じられる、素敵な素敵な展示会でした。
本当に。
なんかまああれですよね、大正時代をメインにした印刷物のアートについて展示してるっていう会で、
展示された作品
ポスターとかね、なんかそういうもののデザインみたいなものが多かったよね。
今、このズロクもすごいよくて、普通ズロクって結構大きいサイズが多くて、本棚にもうちょっと入るかなーって思いながらミュージアムショップに行ったんですけど、多分これ英語版ぐらいかな。
そうよね。
サイズのちっちゃい、本当に本棚に収まりやすいサイズで売ってくれてて、それもすごいポイント高くて迷ってましたけど、即買いでしたサイズで。
このズロクによると、タイトルにあるイマジュリーっていうのは、英語のイメージャリーにあたる言葉で、
大正時代に巷にたくさん出てきた、複製したポスターみたいな図版の総称だというふうに言ってますね。
なので、そういうちょっと宣伝のポスターとか、本の想定だとか、そういうのが中心に展示されてました。
有名どころだと、やっぱり竹久夢次さんとかね。
そうやね。展示されてて、でもなんか全然お名前知らなかったけど、圧倒されるぐらい素敵な作家さんもたくさんたくさんいて、本当にすごい花開いた時代だったんだなーっていうのを感じました。
で、そこでミュージアムショップで買ったのが、このズロク、大正イマジュリーの世界っていう本と、もう一冊私は買いました。
その本紹介したいと思います。谷崎純一郎、人魚の嘆き、魔術師。
これがまた、文庫とかじゃなくって、春陽道さんっていう出版社から復刻版で出てる、すっごいもうなんか所有欲をガンガンに刺激される本なんですよ。
これ、黒というかネイビーというかがベースになってる想定で、カバーがなくて、そのままもう剥き出しっていうの。
本体のところに印刷がされてる形ですよね。
そうなんですよ。
あれは出版社的には、返本されてきた時にリスクが高くて。
あ、そっか。
そうなんですよ。カバーがあれば、そのカバーを新しいもの差し替えて、本体が多少痛みがあっても新本として、痛みがあってもっていうか、カバーが痛んでもそのカバーを変えれば大丈夫っていうところがあるんですけど。
本体のところに印刷してしまうと、本体が痛むともう売れなくなっちゃうんで。
いやー、そうやんね。
そうなの。ロスが多くなってしまうんですよね。
なんかあれはやっぱり、あれで完成されたデザイン想定だなとすごい思うから、あれにカバーってなるとちょっと確かに違うなっていう。
なんかあれにカバーをつけてしまうと野暮になってしまいそうやね。
そうだね、そういう想定で。ちょっとその白押しって言うんかな。
彫ったみたいなね。
そう、骨格があるような紙をギューと押し付けたみたいな、ちょっとそれで陰影というか凸凹ができるみたいな想定になってて、でタイトルはそのピンクのちょっとキラキラした白押し。
そうなんですよ。なんか紺色の字のところにちょっと薄い青色で絵が描かれてて、でタイトルのところがちょっとショッキングピンクに近いような綺麗なキラキラしたピンクで描かれてて、おしゃれで素敵よね。
本当に素敵な想定で。で、内容というか本文の方も復刻版なんで、今のフォントに置き換えたりしてないんですよ。
それがまたいいんですよね。
そう、で、だから当時の滲み感のあるあの文字たち。で、あの昔の本って結構その段落章の一文字目を大きい字にして、でちょっと装飾文字みたいにしたりするやんか。
あったね。
たまらん。
もうそれは一文字一文字素敵みたいな感じ。で、この本、この尊保美術館の展覧会でも展示されてたんですけど、挿絵が結構入ってるんですよ。その挿絵がもうまた素晴らしくてノックアウトみたいな感じ。
谷崎純一郎について
特になんか私がもう心を打たれたのが、これ挿絵は全部水嶋におうさんという方がされてるんだけど、その人魚の嘆きと魔術師っていうのがこの本の中に2本収録されてるんだけど、人魚の嘆きの一節の中で、
人魚がこう、自分の長い髪を広げて、その上に横たわりながら、ちょっと膜の押してるみたいなシーンがあるんですけど、その挿絵がもうなんていうの、印象的な美しさで。
で、それのもう、展示見てる時からこれのポストカードあったら買おうと思ってたんですけど、で、出たらもうその復刻版の春陽道の人魚の嘆き売ってたから、もうこれは買うしかない。ポストカードも買いました。
さすがです。
いや本当にね、内容も谷崎純一郎さんのすごい美しい日本語を十分堪能できる本で、で、やっぱり文庫とかで読むのと多分印象全然違いますね、当たり前だけど。挿絵が載ってたとしても、やっぱりあのサイズ、サイズも大きいんですよ。
で、本文のところの文字もそのままで、旧金使いだったりもするんですけど、その匂い立つような当時の雰囲気っていうのを感じられる、すごい楽しい楽しい、いい本ですね。
いいですね、なんかこう展示会とか展覧会をきっかけにね、本にまた出会ってしまうという、なんかこう嬉しい。本当に嬉しい、無限。しかもさ、その展示に興味があって言ってるからさ、絶対関連する本もさ、好きやんか。
いやーもう素晴らしいチョイスで置いてくださってたなと思いました。で、これ2020年にその復刻版が出たということで、まだあの多分新本で手に入るかなと思いますので、ぜひぜひ手に入るうちに。
いや本当に、いつ手に入らなくなるかわかんないから、こういう素敵な本っていうのは。こだわってる本ってね、すごく売れるわけじゃないと思うから、刺さる人には刺さるっていう本だと思うから、ちょっとこうピンときた人はもう本当に急いで買って。
急いで買って。
急いで買って、ぜひぜひ。
それがきっと基地かと思います。
絶対、本もいちご一重やからね。
本当にそうなんだよね。
いつまでもあると思うな本。
思いがちやからな。
思いがち思いがち。後で買おうってね、逃すからもう。
そう、それで思い出した。最近ね、ホームス聞いてくれてる人から教えてもらったんやけど、
えっとね、私が昔紹介して、でももうこれ単行本は、再販見て、でちょっと難しいんちゃうかなと思うんですよって言って、とても悔しがってた。
カーク・ウォレス・ジョンソンさん著、矢野真智子さん訳、大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件。
ちょい前にホームスでも紹介したやつね。
タイトルのまんまなんですけど、イギリスの大英自然史博物館から珍しい鳥の羽根の、鳥の標本が奪われて、で、その羽根が無駄にもむしられてしまったっていう事件があったんですよね。
で、それの事件の天末というか、結構やっぱり意外、博物館から標本が盗まれるの?みたいな。で、その背後にある鳥の毛を使ってケバリっていう、釣りのルアーみたいなものを作るっていう文化があるんやけど、
ケバリ界のすごい深い闇の話とか、どういう人が犯人だったのかとか、そういうミステリー的な要素もあるノンフィクション犯罪レポルタージュなんですけど、これが長らく新聞では手に入らない状態だったんですけれど、この度文庫化されてますよ。
素晴らしい。
教えてもらってもうすごく嬉しいです。
よかった。
そんなに新潮文庫さんみたいな、そういう大きい出版社さんではない、科学同人さんが、もともと単行本も出されてて、その科学同人さんが出してる同人文庫さんっていうので、2025年この8月27日、本当に最近出版されたということを情報をキャッチしました。
ですので、ちょっと1870円と最近の口頭とか。
文庫としては結構な値段やね。
文庫としては結構なお値段ではあるんですけれども、また手に入るようになったというので、また本物を聞いて気になってたけど、ちょっとそっか古本じゃないと手に入らないかと思ってた人がいたらぜひぜひ大チャンスです。ということを今日言いたかったなと思って。
なるほどなるほど。よかった。いいお知らせですね。
嬉しいお知らせ。
嬉しい。やったー。だいたい出版の本紹介する率高いからね。
そうそうそうそう。ほんまにただ読んで面白かった本。
そうそう紹介してるからね。
別に紹介してるから。
そうなんですよね。ありますよね。と言ったところで、今回もまたあのコーナーをやりたいと思います。
ありがとうございます。
お便りむすむす。
お便りむすむすはお便りを通じてリスナーの皆さんと楽しく交流するコーナーです。
今回はホームスネームひとりごとさんからいただきました。
ひとりごとさんありがとうございます。
ありがとうございます。本当に本当にひとりごとです。
お二人が店員さんされてる本屋さんなんかできたりしたら生きてる間に行ってみたいです。
こんな本探してますなんてお声掛けしたらご紹介してくださったりして妄想ですというふうにお便りいただきました。
ありがとうございます。
なんと素敵なお便りでしょう。
本屋を開く発表
すごいそんなことができたら嬉しいですねっていう話をするはずだと思うんですが、ちょっと衝撃の発表があります。
これあのいただいたタイミングもう運命だなとちょっと思っちゃったりなんかしたんですけど、
実は私たち椿と佐藤さん本屋さんをやることにしました。
まさかやね多分今聞いてくれてる人はーってなっちゃうと思う。
そうそれで本屋さんっていってもいろんな携帯あるじゃないですか。
そうですねネットショップとか。
じゃなくてちょっとあのやっぱりあの一期一会の出会いをその場で体験していただける場所が欲しいなと思って、
小さいことになると思うんですけど、実店舗の本屋さんをやることに決意いたしました。
ちょっとまだねその物件を探したりとかしてるところなので、ここで何日オープンですとかいうのは全然言えないような段階なんですけど、
この番組でもその進捗とか報告していければいいなと思っておりますので、生きているうちにひとりごとさんぜひ遊びに来てくださいね。
なんかねそのホームスでは早めの段階で言っときたいなと思って。
そうなんです楽しんで聞いてくださっている皆さんであればきっと喜んでくれるかなと思って、
やっぱりそのなかなか善とたなんではあるんですけれども、やっぱりこのポッドキャストも実は本屋さんしたいねっていうところから始まったというところもありまして、
だから私たちにとっては責念の夢だよね。
なのであの本娘ですけどやっぱり本ってその人生に寄り添うものだと思っていて、
なのでそのお店ができて、皆さんが来てくださってその時の交流の時間としては短いとしても、その場での経験とか、
購入いただいたらその購入いただいた本を通じてとか、もっと深く長く関わり合える一つの場にもなるのかなと思って、
ネットショップとかも考えたんですけど、やっぱり私たちと皆さんの思いを重ねられる場所みたいな、
そして地元の方にもやっぱり本屋さんどんどん減っていってるような状況で愛してもらえるような、本を通じて皆さんと比較関われるような、
なんて言ったらいいのかな、うまく言えないけれど、場があるからこそのできることっていうのをしていきたいなと思っています。
本の虫のすすめを始めた時から一貫して思ってる思いっていうのがあって、ちょっと寂しいなとか、ちょっと一人な時とか、誰かの声が欲しいなみたいな時とかに、
ファミレスとかカフェとかで隣の席とかから聞こえてくる声が話してる会話が気になって、ちょっと聞いちゃうみたいなことあるじゃないですか。
そういう感じで、ちょっとホッとできるような、安心できるような、そういう場所というかがポッドキャストの中で作れたらいいなって思いがあって、
それを本屋さんをやるにあたっても変わりはなくて、私自身がうつをわずらって、現在進行形でうつをわじゅらってやって、かわいくなっちゃった。
わじゅらっているんですけど、夜とかにうつの状態が辛いなってなってしまって、なってしまってる時に、近所の本屋さんに私は行くんですよね。
それで、夜までやってる本屋さんがあるんで行くんですけど、そこで別に誰と喋るわけでもなくて、本屋さんをぐるーっと回って帰ってくるだけなんですけど、
すごい息が深く吸えるような感じがあって、本屋さんに行くと。
だからそういう感じで、そんな風に私たちの本屋さんがなれたらいいなって、そこに行けばちょっと深く息が吸えるみたいな場所が作れたら、本当に最高だなって思ってますので、
頑張っていきますので、応援していただけたらすごく嬉しいです。
その、まだいつとかどことか具体的に決まっていないので、それも家庭なんかもこんな風にしてるんだとか、どのぐらいになりそうなんだとか、今何してるんだとか、その家庭も楽しんでもらえたらいいのかなと思ったりしてます。
はい。続報を楽しみにお待ちください。
結構大きい発表だったんじゃないですか?
いやー、だと思いますね。最大の発表じゃない?もしかしたら。
そうかも。
ここまで聞いてくださってありがとうございます。
ありがとうございます。
ひとりごとさんも本当に、なんかね、ジャストタイミングというか、こんな風に、
背中を押していただいて。
押していただいて、ありがとうございます。
ありがとうございます。
ぜひ遊びに来てくださったら嬉しいです。
では、来週以降も楽しみにしていただけると幸いです。
良い読書体験を。
良い読書体験と将来は本屋体験を。
本屋体験を。
本の虫のすすめでは、皆様のご質問、ご感想をお待ちしています。
取り上げてほしいトピックも随時募集中です。
ツイッターのDM、または番組説明欄に記載しているメールアドレスにご連絡ください。
本の虫のすすめは、毎週金曜日17時に配信しています。
アフターファイブに、読書トークをお楽しみください。