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2024-05-24 20:53

Ep.65 益田ミリさん、この2冊!/お便りもご紹介

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イラストレーターでもある漫画家、益田ミリさんの読後感が対照的な二冊をご紹介。後半ではお便りもご紹介!お便りではなんと、さとぅーとつばきにおすすめの本をそれぞれ選書していただきました。


【紹介した本】

・益田ミリ「スナック キズツキ」マガジンハウス

・益田ミリ「ツユクサナツコの一生」新潮社


【よりぬき】

・傷ついた人が集うスナックキズツキ

・本物の悪者なんてそうそういない

・作中作との二重構成

・お便りご紹介、さとぅとつばきにおすすめの本!

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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と、書店員の佐藤が、本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
前回、50peopleのネタバレ会をやったんですけど。あれもよかったね。あれもよかったね。またやりたいな。またネタバレ会やろう。
と思ってるんですけど。そこで、50peopleの面白い点の一つとして挙げたことがあって。
一つの人物がいろんな話で出てくるから、いろんな側面からその人物を見れることによって立体感が増すっていうことを言ったと思うんですけど。
それに関係して、最近読んだ本で、それが共通して素晴らしいなって思った本があったんで、紹介させていただきたいんですけど。
増田美里さんっていうイラストレーターの方が書かれているコミックスなんですけど、スナック傷つきっていう。
なんかもうあれやな、傷ついた人が集いそうやな。
そうやろ。
これは短編集になってて、スナック傷つきっていう、もうその名の通り、傷ついた人がしか訪れられないスナックっていうところを舞台に、いろんな人が1話につき1人、そのマスターの女の人のもとを訪ねるっていう基本構成になってるんですけど。
スッキリした絵柄で読みやすそうやな。
そうやね。これは増田美里さん自体のこの絵も、すごいほのぼのとして、なんか可愛らしくて素敵なので。
今、表紙見せてもらってるんですけど、そのスナック傷つきの店が外から見た様子が表紙なんですけど、傷つきとかけて傷つきが、いたりかわいい。
可愛いよね。こういう細かいところがすごい可愛らしいんですよね。
ディテールが。
そうなんですよ。で、この話の最初に、コールセンターで働いてる女の人が出てきて、で、その人はすごいこう、クレームをちょっと受けてるというか。
傷つきそうやね。
でしょ?でしょでしょ?で、なんかあなたはなんていう名前なの?とか言って、言われてさ。で、なんかこう、上司に代わってもらえるみたいな。
なんかいろんな仕事にそれぞれの大変さがあるとは思うけど、想像しやすい大変さというか、容易に大変やなっていうのが分かる仕事やね。
そうなんですよ。で、まあその女の中田さんっていうねんけど、中田さんはその、傷ついてそのスナックを訪れるんですけど、
で、ちょっとスッキリして帰っていくっていうような話やねんけど、その次に足立さんっていうメガネをかけた女の人が出てくるんですけど、その足立さんはコールセンターにクレームを言った人なんですよ。
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だから市場ではちょっとなんかこう悪い印象を読者は持ってる人なんやけど、足立さんも本当はそういうなんかクレームを言うなんかすげー悪いやつみたいなんじゃなくて、足立さんは足立さんですごいなんか接客業をしてて、なんかすごい理不尽なお客さんが来たりしてストレスが溜まってたりとか。
あとなんかスタッフさんでこう子供がいる方にちょっとシフト変わってもらえないとか言って、で、言われて、でそれに対していいよいいよとかってみんなこうイエスイエスって断れないみたいな。
負担がねんで。
そう、溜まっちゃうみたいな。だからそのその吐き口としてコールセンターでちょっとわーって言っちゃったみたいな。
だからそのフィフティーピープルもそうなんですけど、あの本当の悪者がいなくて、なんかこうちょっとこう人を傷つけるようなことをしてしまう人にはその人の事情があるっていう。
実際そう悪者なんていたら助かるぐらいだよね。
確かにね割り切れるもんね。
現実もそうだよね。
現実もそうやんね。
でそれがね、そのこうどんどん関連してその、ここで例えばその中田さんの彼氏の人がまた違う側面で傷ついて出てきたりとか。
そうでその中田さんの彼氏のお兄、あれ弟やったかなお兄ちゃんやったかな。
兄弟。
兄弟がまた違う傷つきで出てきたりするんですけど、なんかその傷つき方っていうのがいろいろすごくあの共感したりとか、
あとなんて言ったらいいのかな。
こういうふうな状況に置かれてる人ってこういうことを考えるやろうなっていうのがすごい自然で、なんかこう本当にいる人たちを見て共感できるような作品なんですよね。
ママの物語はある?
どうでしょうね。
どうなんでしょうね。その辺もね、ちょっとね、フィフティーピープルと被る部分があって。
最後の方にちょっとこうなんかこう、あーへーみたいなこういうふうに畳むんやーみたいな。
上手いなーみたいなところがあるんで、あの最後の最後の一滴まで楽しんでほしい本ですね。
これは一巻?
これは一巻で完結するので。
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分厚めですけど、なんか1ページに4コマぐらいしかコマがなくて、そんなにこう重さがないので、絵にも。
そうだね、読みやすいね。
なので読みやすいと思います。おすすめなので。
人を選ばない感じの絵柄だね。
そうですね。っていうのが一冊なんですけど、もう一冊ちょっと増田美里さんで紹介したい本があって。
つゆ草夏子の一生っていう本なんですけど、その漫画家の夏子さんがドーナツ屋さんで働いてて、それでこういろいろ感じたこととかを、
おはぎ屋はるこっていう、おはぎ屋さんで働いてるはるこさんっていう人がこういろんなことを感じながら、
おはぎ屋さんで接客してるっていう漫画を描いてるっていう。
なるほど、おはぎ屋はるこは夏子さんが描いてる漫画。
なるほど。
でその夏子さんの生活と、そのはるこさん創作、創作の中の創作の漫画が入れ子入れ子になってて。
ハム太郎みたいやな。
ハム太郎ってそんなやったっけ。
ひととこハム太郎意外と精緻な構造をしてるアニメやったよ。
そうやったっけ。まさかのここでハム太郎話に。
ハム太郎は置いとこっか。
置いとこっか。
いえいえいえ、全然全然。
でまあその、夢を追っていくっていうことってなかなかこう厳しかったりもするので、
アルバイトをしながらこう暮らしてるんやけど、
でもその中でいろいろ自分が考えたことを漫画にしてコツコツ頑張って貼るみたいな夏子さんなんですけど、
あのすごくネタバレなんで言えないんですけど、
結構この漫画は増田美里さんとしてはちょっと異色の作品だと思っていて。
結構そのスナック傷つきみたいな作風の人。
私の印象はそっちなのかなと思ってて。
なんかこう人間のちょっとゆるっとした絵柄でほっこりさせながら、
ちょっとこう、ああわかるわかるこういう気持ちになるよねみたいな、
そういう人間の心のキビみたいなものを描くのがすごくうまいっていう、
軽深いっていうのかな。
漢字の作品が得意なイメージなんですけど、
強草さん…強草さんやって。
強草夏子は結構ストーリー漫画としてしっかり実話していて、
ネタバレができないのがあれなんですけど、
結構あの展開がね、
え?っていうような後半どんどん展開になっていくんですよ。
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なので増田美里さんを呼んだことがある方でも、
ちょっとびっくりするような。
そのびっくりする展開が結構こう、
なかなかこう、すごく考えさせられるような部分があったりとかして、
おすすめの本ですね。
もにょっとしてちょっと言いたいみたいな。
漢字の部分が言えないんでね、
どうしても歯にこう、物挟まったみたいな言い方になっちゃうけど、
これはおすすめの本ですね。
ちなみに独語感としてはどうですか?ほっこりって感じではない?
独語感は…
まあそれもね人によるから。
人によるなあ。
サトゥーさんの感想ですけど。
でもねスナック傷つきと全然違うよね。
スナック傷つきはなんかすごい温かい気持ちになるんやけど、
強草夏子は、はあなるほどなあっていう気持ちになる。
感情こもってていいね。
そうなんですよ。
なんでこれはどっちもどっちもどっちもでおすすめな本です。
同じ作者さんがっていうのがまた面白いところですね。
そうなんですよ。全然違う作品なんで、
もしよかったら両方の作品を読み比べてもらえたら、
どちらも本当に勧めたい作品なので、ぜひ読んでほしいです。
ありがとうございます。
では後半はあのコーナーお便りむすむす。
お便りむすむすはリスナーの皆さんとお便りを通じて交流するコーナーです。
はい今回は本ムスネームトモちゃんさんからお便りいただきました。
ありがとうございます。
ではいただいたお便り読んでいきたいと思います。
本の虫のすすめ60回おめでとうございます。
ありがとうございます。
まだ聞き始めて日が浅く最新回に追いつけていないのですが、お祝いしたくメールいたしました。
お二人の醸し出す空気感そして本への愛が伝わってくるこの番組が本当に大好きです。
ありがたい。
嬉しいね。
そして私もそれなりの本読みの自覚があるのですが世の中上には笛がいるのだなぁと俺はワクワクするぞと天下一武道会の時の悟空のような気持ちになります。
ドラゴンボールですね。
嬉しいね。やっぱ本読みの方がね聞いてくださってるっていうのは本読みじゃない方ももちろん嬉しいんですけどどうしようみたいな気持ちになりますね。
すごい嬉しくてびっくりしちゃったんですけど60回ということでお祝いの気持ちを込めて私とサトゥーさんにそれぞれ2冊ずつ本のおすすめを送ってくださいました。
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嬉しいですね。
わざわざ選書してくだすって。
なので送っていただいたそれぞれへの2冊も紹介したいと思います。
まず私へ椿さんへということで選んでくださった本2冊。
1冊目はオルガトカルチュク昼の家夜の家という本を紹介していただきました。
私知らなかったんですけどサトゥーさん。
いや知らない。
知らなかったよね。
でもね出版社が白水社ってことで間違いないな。
約束されてるよね。
約束されてるよね。
このオルガトカルチュク、ノーベル賞受賞者らしくて、それの日本語の初の翻訳本だそうです。
ともちゃんさんによると何とも説明の難しい小説ですが毒キノコとかお好きそうだなと思って。
わかってらっしゃるね。
幻想っぽいのね好きなんですよね。
この毒語感を味わっていただきたいですということで。
毒語感、毒キノコ気になる。
気になるね。
ぜひ読んでみたいと思います。
ありがとうございます。
そしてもう1冊おすすめしていただいた本がスベトラーナ・アレクシエイヴィチ完全版チェルノブイリの祈り未来の物語。
こちらはノンフィクションでノンフィクションが私が好きだということを
ポッドキャストでお話ししていたのを受けてノンフィクションがお好きならこれをということでおすすめしていただきました。
この作者さんのお名前どこかで見たようなと思ったら、戦争は女の顔をしていない。
なるほどなるほど。
こちらもすごく考えさせられる1冊でしたということでおすすめいただきました。
これも両方とも本当にもうタイトルとこの友ちゃんさんが書いてくださった推薦の文章を見るだけでもうこれは面白いなっていう。
ありありとね浮かぶ。
本当でもありがたい私たちのこの本への偏愛を聞いてくださった上でこれが好きでしょっていう風に送ってくださるっていうのはめっちゃ嬉しいですね。
めっちゃ嬉しいですね。
ぜひ読んでみてまた感想をポッドキャストでお話したいと思います。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
そしてサトゥーさんに教えていただいた2冊を紹介続けてご紹介したいと思います。
まず1冊目はイブディハージムハンマドさんとアリさん、SKアリさんという方が書かれた姉さんの青いひじゃぶという本を紹介していただきました。
これはひじゃぶを身につけて、ひじゃぶってイスラーム圏の女性が顔とか肌とかを隠すために身につける布というか布ですよね。
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ひじゃぶを身につけてオリンピックに出た初めてのアメリカ人のその著者の方ですね。
イブディハージムハンマドさんの絵本だということです。
多分自動書担当ということと、あとイスラームのことについて興味があるって話をしたこともあるのでそれで進めてくれたのかなっていう感じで、
なんかしっかり聞いてくださってるのが伝わってめちゃくちゃ嬉しいですね。
これはめちゃくちゃ気になりますね。
この本がもしお好きでしたら、山地恵美さんの女の子がいる場所はという漫画もぜひお勧めしていただいています。
こちらは名前は私聞いたことがあるんですけど、佐藤さん読んだことありません?
ないですないです。
気になる。
気になるね。
ありがとうございます。
もう一冊お勧めしていただいているのが、キム・ボヨンさん。どれほど似ているか。川出書房新社。
出たよ川出さん。信頼と実績の川出さん。
前々回かな、私たち出版社どこが好きっていう。
熱いトークをしましたけど、そこでもう最高だよねという話になった川出書房さんです。
さすがトモちゃんさん、川出書房新社を押さえていらっしゃって、川出書房新社刊行、斉藤麻里子さん役という超絶おいしいことが約束されたご馳走のような本です。
斉藤麻里子さんは、前に紹介した50ピープルの役をやられている方ですね。
本当にそれを、もうその2つが揃い踏み、2要素が揃い踏みっていうのは確かに本当にご馳走。
ご馳走ですね。
政治批判、ジェンダー、シスターフードと今の世の中に突きつけられているテーマを持ちつつも、SFとしても極上の面白さということです。
SFなんですね。
そうなんですね。
面白そう。
SFってどういう意味か分かる?
分からない。
なんとなくは、タイトルっていうか、字面からこうかなと思うのはあるけど。
SFというのは、たぶんここで言われている意味は、共通の目的を持った女性同士の連帯ということなので、絆みたいな感じなんですかね。
ブロマンスみたいな感じですかね。
みたいな感じかもしれないですね。なるほどね。
なるほど、なるほど。
言葉の引き出しも多い方なんですね。
本当にもう本読みであることがすべてから伝わってきますね。
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4冊、もういかにも2人の刺さることが約束されたような本を紹介していただきました。
ありがとうございます。
ぜひぜひまた読んで、2人で感想のシェアをさせていただけたら嬉しいですね。
最後に、これからもお二人のペースで本への愛をどんどん解き放ってください。応援しております。と結んでくださっています。
嬉しいです。ありがとうございます。
やっぱり、自分たちも本が好きではあるんですけど、やっぱり自分の好きな範囲で留まっちゃうから、こういうふうに紹介していただいたりするとすごく嬉しいですよね。
嬉しいよね。新しい本の扉が開く感じがして。
しかもこの手だれ感。
そうやね。
すごく手だれ感。
何者なのかなって思う感じが。
こっちがオラワクワクするぞ。
本当に本当に。
なる感じが。
なかなかね、やっぱり日常生活で生きてると、そんなにやっぱり本ここまで好きっていう人には。
合わないよね。
あと読書が好きって言っても、ジャンルが人によって全然違うから。
そうね。
話してみて、なんかあれ読んでない、あれ読んでない、ああ、みたいな。
あるあるある。
することもあるから、本当にこういうふうに、これは好きだろうみたいな感じで。
言ってもらえるのは嬉しいですね。
本当にありがとうございます。
なんかこう、さつーとつばきがこう、これ読んだらええんちゃう?みたいな本を、もしよかったらお便りで送ってくださると嬉しいですね。
嬉しいですね。
というようなことで、今回はいろいろ盛りだくさんでお送りしました。
また来週も楽しみにしていただけると幸いです。
はい、では良い読書体験を。
良い読書体験を。
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