偶然の出会い
生物学者と書店員のインターネットラジオ 本の虫のススメ
本を偏愛する生物学者の椿と書店員の佐藤が 本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
今回も始まりました本の虫のススメ。さあ1月もあれですね結構 半ばに差し掛かろうとしているかと思いますが
リリースされるのは9日ですかね。そうですねもうあれですかねそろそろこう あの仕事も始まって1週間経って
っていう人が多いかな。そうだね、そろそろと思う リズムを取り戻してきたかようやく1週間終わったーっていう感じか
土日お仕事の方もいらっしゃると思うんで。確かにそうだよねそうですね 書き入れ時のね人もいらっしゃるからね
年末年始とかが。学生の方もいらっしゃるかもしれないし いろんな方がいらっしゃると思いますが
2026年いかがお過ごしでしょうか。佐藤さんはどうですか。 なんかねあの
まあちょっと去年の話になっちゃうんやけど 面白い本の出会い方をしたことがあってさ
お気になる。あのねー 飲み屋さんに行ったんですよ年末
ほうほうほうほう。忘年会みたいな。 忘年会ってかまああのお友達と一緒に行こう。なるほどなるほど
あの砕けた感じの飲み屋さんに行ってさ カウンターだけあるようなところでさ
だからそのお店の人が一人でやってるところ。なるほどなるほど だからそのお店の店長、店主さんとそのお客さんと
みんなワイワイ喋ってる。 そんなようなところでさ、喋っとったらさ
あのハンバーとハンバートっていうユニット知ってる?あの音楽の。 いや全然わからん。ハンバーまで来てお腹空いたぐらい知らん。
どういうこと?ごめんなんかハンバーグしか浮かばんかった。 あ、そういうことね。つまらん話。
そっちか。今つながってなかったそれが。 なるほどね。ハンバーグぐらいしか単語がわからないってことね。
ハンバーまで来て他のグー以外の言葉がちょっと来る印象はなかった。 まあそうかもしれないね
あの 去年のNHKの朝ドラでテーマソングとして使われててさ
朝ドラっていっぱいあるよね。 あれ毎年一つか。もうなんか解像度の低さが露呈したな今。
たしかバケバケっていうドラマやったと思うねんけどさ。 なんか名前は知ってる。
知ってる?うん名前は。 私もドラマを全然見ないのでバケバケもどんな内容かよくわかってないんですけど
とにかくそれにテーマソングとして使われてたユニットのハンバートハンバートっていうのがあって
で、そのグループってさ、NHKのそのドラマに使われてめちゃくちゃ有名になったけど
ハンバートハンバートの魅力
あの活動歴はすごい長いんですけど、知る人の知るみたいなユニットだったのね。
好きな人は好きみたいな感じ。 だから私はそのグループを偶然知ってずっと7年ぐらいかな好きでいたんですけど
あ、そうなんや。もともと佐藤さんは好きやったんや。 あ、そうそう、もともと好きで。
そうそうそうなんですよ。 まあちょっとそれは置いといて、でそのハンバートハンバートの話をそのおっちゃんが隣でしとって
ほうほうほうほう。 で、まあバケによってすごい人気が、人気っていうか知られるようになったから
そういうこともあるかなと思ったけど、あんまり飲み屋さんでハンバートハンバートって話題に上がるようなユニットじゃなかったから
おっと思ってさ。 確かになんかあれよね、あの
米津玄師とかとは違うよね。 あ、そうやねそうやね、ちょっとそういう感じじゃないからさ
おっと思って、あの私もハンバートハンバート好きで、みたいな感じで話に入ったんやけどさ。
それで画本に? その中の、あ、そうそう、それでそのハンバートハンバートの曲の中にトラっていう、あのタイガーのトラね。
ふんふんふん。 っていう曲があって
でその話題になってさ、そのトラっていう歌の中に、まあそのトラっていうタイトルの通り、トラっていう描写が出てくるんやけどさ
その話は元ネタがあるってそのおっちゃんが言い始めて
そうなんや。 そう、でそれが、そうそうそう、それが中島篤さんの
三月記か。 そう、三月記のトラをモチーフにして書かれた歌なんだよみたいな話をしてて。
なるほどな、うんうんうん。 そうなんですよ。だからそういうきっかけでさ、
三月記の解釈
え、そんな元ネタの本あったんですか?ってなって。 えー、確かに確かに。
そうそうそうそう。 それでね、最近中島篤さんの三月記を、
あの、李涼三月記かな、新潮文庫から出てるものを、ちょっと今読んでるところなんですけど、なんか不思議な本の出会い方でしょ。
確かに確かに、面白いね。でもなんか本って結構そういうところあるよね。なんか、
その、出会おうと思って出会うっていうよりも、不意にこう、現れてきて。 そうなんよそうなんよ。
読むみたいな。 そうそうそうそう。
私もでもめっちゃ前に読んだから、たぶん中学生とか高校生やから、もうトラ、トラのイメージでなんとなく、
うんうん。 覚えてるけど、全?
全覚えてない。
でさ、なんかこれでさ、なんかまた三月記が伝染してさ、私が読みたくなって読んだりとかきっとするやん。
なんかそう考えるとさ、面白いよね。面白いよね。面白い面白い。
いやなんかね、このハンバートハンバートのトラっていう歌が、私はハンバートハンバートの中で一番好きな曲で、
あ、ほんと? へぇー。 そうなのそうなの。だからもう何回聞いたかわからんぐらい聞いたんやけど。
でもなんかそういうのってさ、なんか、自分の中で発想がないとさ、知らないというか、知るきっかけがないよね。
なんか元ネタがあるっていうこと自体とかも。 そうやね。なんかね、ちょっとそのハンバートハンバートのトラの内容がちょっと物語チェックなんやけどさ、
その主人公っていうか、この歌詞の主人公が男性で、僕っていう主人公がいて、その人が歌を多分書こうとしてるんよ。
作詞か作曲かしようとしてるんやけど、全然上手く書けなくて、
で、地堕落に地堕落に、もう今日あかん、もう酒飲んで寝てしまえみたいな感じで、
全然浮き上がれないで、そのまんまもう酒びたりで溺れてるっていう、そういう本当にそれだけのことを描写した歌詞なんや。
だけどなんかすごい、なんていうのかな、こんなに素晴らしい曲を作る人も、もしかしたらそういうふうにダメな自分みたいなものを抱えて生きてるんかなって思ったりとかさ。
なんかもしかしたら、何やろう、才能があると思えるような人でも、全然あかん、うまくいかんっていう日があるんかな、そういうこともあるかなと思ったら、すごい救われる気持ちがしてた。
ああ、そういうのあるよね。
そうそうそう。だからすごく本当に救われてきた曲なんですけど、その中に虎にもなれず溺れるっていう歌詞があって。
ほうほうほう。虎になれなくて、まあ多分酒に溺れるとかそういう意味だと思うんやけどさ。
不安にとか?
ああまあそう、それもある。多分あるかもしれない。不安とかなんかこうズブズブとした、心の中に溺れていくみたいな。そういういろんな意味があると思うんですけどね。
そう、虎になれなくて溺れるって、なんか虎ってかっこいいイメージがある。竜とか虎とかってさ。
そう、だから虎になれたらめっちゃ良くないみたいな風に思うから。
なんで虎にもなれずに、虎にもなれずっていうことは、虎になりたくないのに、なりたくない、ダメな存在っていう意味やんか、その中で出てくる虎っていうのは。
なのに、その虎にすらなれずに、酒やいろんなものに溺れるってどういう意味なんやろってずっとわからなくて。
でも三月記を読むと、才能ある詩人だけど、ちょっと狂ってしまって、人喰いの虎に変異してしまう男の話なんですよ、三月記って。
そっか、そんな話だったか。
そうそう、そんな話、そんな話。
そう、だから人喰い虎で、自分の理性も失って人をバリバリ食べて、欲望のままに生きるっていう、なんかそういう存在だけど、たまに自我を思い出す時があって、
三月記における内面的葛藤
だけど自分ではどうすることもできないって言って、己の不幸をちょっと呪ったり悲しんだりするっていう話なんですね。
だから、なんていうのかな、結構この三月記が、すごい芯に迫った描写がすごくて、なんかすごい語彙力がなくなってきちゃったね。
なんか、なんていうのかな、自分にどこか磨いたら光るものって何か自分にあるんやろうかって、その三月記の主人公でいうと、それは詩の才能ってことだと思うんですけど、
なんかそういう自分に何かこう、磨いたら光る原石なものってある?原石みたいなものってあるんやろうかって思いながら、でもなんかそれを磨いてみたら、ただの石ころやったら怖いっていう気持ちがあって、その石を磨かないで、なんかずるずる生きてしまうっていう、そういう心境を描いてて。
結構なんか普遍的なテーマやんね。
そうやろ、そうやね、そうやね。なんかそれって、この主人公はすごい才能がある人として描かれてるけど、でも別に夢をすごく追ってる人じゃなくても、なんかこういう考えて必ず自分の中に、必ずっては言い過ぎかもしれんけど、
本当にその日々さんが言ってるように、そうそう、椿さんが言ったみたいに、大抵の人が思っていることやと思うからさ。だからすごい胸に来てさ。
いやーなんか私も読みたくなった。
あ、そうそうそうそう。でも、なんていうのかな、真剣に向き合えないことも含めてさ、真剣に生きてない人ってある意味いないかなって私はちょっと思ってたりして。
生きている以上、その自覚的な真剣さとは無関係に真剣であるっていうこと?
まあ、言ってみればそう。ダメな日があったり、先に溺れたりとか、虎になってしまったりとか、そういうことも含めて、生きてるだけで結構頑張ってるよ、みたいなことを言ったり。
なんかでも面白いね、そのさ、椿さんがずっと励まされてきた歌がさ、巡り巡ってその元ネタというか、を読んでみたら、やっぱりまた励まされてるというか、すごく共感を持って読めるっていうのは、
ある意味必然かもしれないけど、面白い巡り合わせやなって思ったりした。
本当に本当に。だから、その三月月の人喰い虎っていうものを読んで、それでもって、ハンバートハンバートの虎の歌を聴き直すと、
虎にもなれず溺れるっていうその言葉が、いかに絶望感が伴ってその主人公が溺ってるかっていうことがわかってさ。
なるほど、また一段と深く歌も聴ける感じやな。
そうそうそう、そうやね。だから、なんか本を読んだことで、より歌にもなんか深く入ることができて、すごいこんな出会い方もあるんやなって、本のね。
面白い。
感動した。そうそうそう。
そう、だからいろんな本の出会い方ってあると思うけど、なんかこうして人は本の沼にまたハマっていくんですね、と思いながら三月月を読みましたね。
読書と音楽の出会い
なんかその漢語っていうか、もともとが中国の話だから、つきにくいかなっていう印象があったんやけど、でもまあ新潮文庫のあれかな、もしかしたら編集もあるのかもしれないけど、
あー、なるほどね。
すごい、そう、そう、そう、そう、そう、忠卓めっちゃ多いねんけどさ。
でもザーッと読める本ってあるよね。
そうやね、読みやすいよね、結構。
結構そう、だしその、やっぱり古くから伝わってる話。
名著だもんね。
そうそうそう、名著だしさ。
時の試練を越えて。
そうそうそうそうそう。
残った本ってやっぱり普遍性があって、誰しもに刺さるものがあるから、こんなに残ってるんだなって改めて思わされましたね。
私もその話を聞いて読みたくなりました。
ぜひ読んでほしい。
すごくこう、ちょっと身に、なんていうのかな、胸にグッと胸が詰まるような話ではあるんやけど、
でも、なんだろう、何かをやりたいなとか、なんかこう夢を追って生きてみたいななんて思ったことがある人には必ずわかる本じゃないかなと思うので、ぜひぜひ読んでほしい本でしたね。
なるほど、ありがとうございます。
というわけで今回は佐藤さんの意外な本の出会い方の話でした。
皆さんも意外な本の出会い方とかされたりするんでしょうかね。
するんでしょうね。なんかそういうエピソードとかあったらぜひ教えてほしいです。
ね、教えてほしい。
そういったところで来週も楽しみにしていただければ幸いです。
良い読書体験を。
良い読書体験を。
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