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2025-04-25 21:15

Ep.113 人間の価値とは?能力主義に異を唱える本

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文学フリマ東京に出展する ZINE「Podcastのススメ」の進み具合について軽いトーンで話している前半に対して、後半は重いテーマについて書かれた本を紹介しています。障がいを持つ子どもの親として、社会と、人とどう関わっていくのか模索する著者の姿。深く考えさせられる内容です。


【紹介した本】

・最首悟「能力で人を分けなくなる日 いのちと価値のあいだ」創元社

・石牟礼道子 「新装版 苦海浄土 」講談社文庫

・石牟礼道子「あやとりの記」福音館書店

・石牟礼道子「椿の海の記 」河出文庫


【よりぬき】

・文学フリマ東京に出展するよ

・世の中に少し疲れて手に取った本

・障がい者の親として中高生と語る

・著者と石牟礼道子との繋がり

・石牟礼道子作品と水俣の自然について

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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と書店員の佐藤が、本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
はい、今週も始まりました、本の虫のススメ。
先週もちょっとご紹介させていただいたんですけれども、まず最初にちょっと告知というかお知らせです。
えっと、来る5月10日、東京。 11、11。
嘘でした。
カットせえへんからだ。
えっと、来る5月11日、東京ビッグサイトで開催される、文学フリマに、文学フリマ東京に、本の虫のススメ。
かわいくなっちゃった。
ブース出展いたします。
ポッドキャストのススメというジンのようなものですね。
を、販売させていただこうかなと思っていますので、ぜひぜひお近くの方は遊びに来ていただけると嬉しいです。
はい、ポッドキャストに興味のある人はもちろんですし、本の虫のススメが好きな人もそうだし、いろんな人に興味を持ってもらいやすいような内容に仕上げておりますので。
ぜひぜひ取りにとってもらえると、また遊びに来るだけっていうのも大好きなんで。
もちろんもちろん、もちろんそれはそうです。
あの、買えな、絶対買ってとか言わないんで。
買えよーとか言って。
買えよーとか言わないで。
パンって。
いや、暴力的やな。
そこまで想定しなかったね。
そりゃね、選択肢にないよね。
ないないないない。
行動のあのボタンに出てこないよね。
出てこない出てこない。
逃げる、叩く。
叩く、叩くって出てこない出てこない出てこない。
怖い怖い。
叩かないでダンスをして来てください。
あとあの通信販売というかネット販売でも、特典の音声とあとポッドキャストのすすめを販売するように今進めてますので、そちらも詳細決まり次第お伝えします。
はいよろしくお願いします。
はい。
というわけでゴールデンウィークがもう迫ってますね。
一応明日からねゴールデンウィークやんね。
そうみたい。
ね。
ちょっと間が空くみたいですけど。
ね、飛び石連休みたいやけど。
ね。
皆さんどう過ごされるんですかね。
ね。
ゴールデンウィーク中がさ書き入れ時っていうかさすごい忙しい方もねいらっしゃるかもしれないしね。
サービス業の方とかそうやろうね。
特にね。
旅行の方とか。
うんうんうん。
皆さんそれぞれの、イレギュラーなのは多分どの業界も多分そうかなと思うので、それぞれのイレギュラーがあるかなと思いますね。
はい。
本屋さんはね、私の勤めてたところの店がそうだっただけかもしれんけど、意外とあの天気がいいとみんな遊びに行っちゃってそんなに困らないねみたいなこともあった。
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あ、そうなんや。
へー。
逆に雨やと外、あの、外出するのしんどいから本屋でも行くかみたいな。
そうかもそうかもそうかも。
そもそもなんかね、その本屋さん、独立店舗もあるけど、結構そのテナントのことも多いから、そこの違うとこに雨の日にはそのテナント、本屋さんっていうよりそのショッピングモールとかに人が増えるっていうのもあるやろうな。
そう、私が勤めてたのがショッピングモールっていうかテナントビルで駅直結のとこだったんで。
まあ東京ほとんどそうじゃん。
そうか、確かにね。
あんまりなくない?
確かにね。
あるけど、こんなに多くない気がする。
ないかもね。
確かに。
そう、もうなんかどうなるかね、わからないですけど。
ね。
あの、お仕事の方は無理せずに、力を抜けるとこは抜いて、頑張らずに頑張ってくださいっていうのも変ですけど。
番組が終わるみたい。
いやいや、終わんないですよ。
では、よいどした。
おたるのひかり。
終わってもうた。
ちゃいます、ちゃいます。
なんやったんや、今日っていう。
何も話してないような。
最近どうですか?
最近、最近どうですか?
なんか本読んだり、本読む以外の活動に力を入れたりしてますか?
そう、まあでも最近あの、ポッドキャストのすすめとかをね、結構その文振りに向けて。
そう、あとあの、さと個人でいろいろ本を書いたりとかしてるので。
ドキドキワクワク。
そうなんです、それもうちょっと、そろそろ収録がね、ちょっと前にやってるんでね。
あ、そうそう、そうなんですよ。
もうちょっと時間があるんですけど。
今はね。
はい、今はね。
これが放送されるときにはもう。
ね、どうなってるやら。
かなりさ、ポッドキャストのすすめはね、あの、盛りだくさんな内容にしたので。
そうなったね。
日切りはそうそう、結構こう、あれやね、こうヒーヒー言う可能性があるなって。
そうやね、アハハじゃないよね。
お前はやらんのかみたいな。
大事にね、分担して書きますので。
はい、書きますので、楽しみにしててほしいです。
でーす。
結構最近いろんな本読んでてね、
はい。
宝作でね。
やったね。
そうなんですよ。なんかね、いろいろ、何から紹介したものかな、迷う。
宝作ならではの贅沢な悩みやら。
そうなんですよ。で、なんかちょっと、あの、今まで話してたこの緩やかなトーンから、ちょっと変わって、ちょっとこう、考えさせられるような本を、お紹介しようかなと思うんですけど。
いやいや、いいと思いますよ。
えっとですね、草原社から出てる、10代以上全ての人のための人文書のシリーズっていうので、間で考えるっていうシリーズが出てるんですね。
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間で考えるって、なんやろうね。
でもいろんな、その、ものの隙間からこぼれてしまった人たちのような印象を、なんとなく受けた。
うん、まあそういうことやと思うな。
創刊の言葉っていうのがあって、ちょっとだけ抜粋して読ませていただきたいと思うんですけど。
あ、そのシリーズの。
あ、そうですね。シリーズの言葉、創刊の言葉があって。
うん。
創刊の言葉曰く、書き手たちは皆、物事の間に身を置いて考えることの実践者。その生きた言葉は、間を考えるための多様な視点を伝えます。
っていうことらしいですね。
で、間の豊かさを発見して、まともに生きていくための案内人となりますようにという感じで、締められています。
締められてはいませんが、まあそういうふうに書かれています。
で、今回紹介したいなと思っている本のタイトルが、能力で人を分けなくなる日。
西主悟さんという方が書かれている本ですね。
結構タイトルからドキリとさせてられるね。
私たちは、そういうふうに自覚はしていないというか、ちょっと考えるのを避けているようなことや、能力で人を分けているって。
でも、それを前提として分けない社会っていうふうに言っているっていうところに、ちょっと作者の視点というか。
すごいドキッとさせられているタイトルですね。
能力主義っていう言葉があったりすると思うんですけど。
最近その能力主義とかっていう言葉が、自分の中でちょっと大きい関心のテーマになってて。
なんかちょっと能力主義の世の中な気がして、疲れたみたいなことをちょっと思ってたりするんですよね。
そんな時にこのタイトルを見て、惹かれて読んだんですけど。
この作者の方の、娘さんが男性で、重度の障害を持ってらっしゃる方なんですね。
で、その本の書かれてる当時47歳なんですけれど、言葉がしゃべれなかったり。
娘さんが。
娘さんがね、そうそう。
言葉がしゃべれず、目が見えず、自分の身の始末ができないっていう。
そういう方を、そのお母様が主にお世話。
ケアされてる。
ケアをされてるっていう感じなんですけど。
なんかすごい、なんか、なんていうのかな。
簡単にこう、自分が語れる話ではないけれど。
その、娘さんの話だったりを通じて、この本では対話の形式で話が進んでて。
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中高生の人と、最初さんが一緒に話してる。
で、いろいろ考えを深めたりしてるっていう流れになってるんですよね。
で、その本読んでて、一番ちょっとこう、なんていうんですかね。
うってこう、刺さるというか、感慨させられるというか、ことがあったんですけど。
障害者の方の施設で、人を殺したって事件が。
あったね。
あったよね。
ヤマユリ園事件っていう事件が、2016年に。
そんなに前かも。
ね、もう9年か。
ショッキングやったもんね。
すごいショッキングやったよね。
19人の方が亡くなられたりとか、あと26名の方が重刑所を追ったっていう。
すごく、本当に精算な事件だったんですけれど。
その上松という青年が、その事件を起こしたんですが。
その上松被告と、手紙のやり取りをされてるよね。
あ、著者が。
著者が。
あ、そうなんだ。
なんかそれってどういう、なんかこう、気持ちないやろっていうかさ。
障害者を殺害した犯人でもあるし。
で、その本人も、その、逮捕されてやり取りをしてる中でも、全然その反省をしてないというか。
うん。
なんかこう、劣ってる?
そうだね。障害者は社会のお荷物みたいな主張で起こした事件やったもんね。
そうそう。で、その主張を一切変えてなくて。
あ、そうなんだ。
うん。
その後のことまで私。
そうそう。だからそういうようなことを言ってる人に対して、そんなことはないっていうようなことをやり取りをしたりとかしてて。
で、それが新聞に載ったんかな。なんかそういう、そのやり取りがね。
確かそういうことが書かれてたと思うんですけど。
なんか、自分やったら一体どういう風にその、同じ、もし立場だったとしたら。
所感を交換するっていう立場。
所感を交換する立場だったとしたら、どういう風にこう、接するんやろうってちょっと想像がもう、絶するというかできないなって思うんですけど。
なんか、っていうのはその、人を殺したら悲しむし、そんな絶対やったらあかんやんっていうことが、そんなことないっていう人に対して、どんな言葉の尽くし方があるんやろうっていう風に。
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そうやね。これは私も思った。
それを実際に自分がその、障害を持っている方の親としての立場で、それをこう、手紙をくれてどんな気持ちなんやろうなって。
もうやっぱりさ、それ自体、サジを投げるっていうかさ、接近していけないなって思っちゃうもんね。
そうなんよ、本当に。
どうしても。
そういう、見たくないようなものをあえて、それでも見るというか関わっていくっていう、この方のすさまじい勇気、なんて言ったらいいかわからないけど、強さなのかな、そういうものを感じてちょっとこう、ぐっと胸に来た部分だったんですよね。
結構この西書さん、いろいろ関わりをされている方で、前、石森美智子さんの苦害情動について、椿さんがホームスで話してくれたことがあったんですけど、石森美智子さんとも関わりがあって。
そうなんや。
石森美智子さんって、南多病について結構書かれてる。
そうですね、一番有名な著作が、椿さんが今紹介してくれた苦害情動だと思うんですけど、それが南多病をテーマにした小説で、彼女自身が南多の地域の出身だっていうことがあって、
もともと美しい水辺の風景っていう中で育った中で、その美しい光景っていうのと、その南多病によって文字通り読された海辺の姿っていうのの、すごいシャープなコントラストを描き出した本なんですけど。
私はすごいその、石森さん自身のファンって言ったらいいのかな、でもあって彼女の文章っていうのはすごい好きなんだけど、やっぱりその南多病の暗い影っていうのはやっぱりどうしても石森作品を読む上ではその美しいその南多病以前の海、南多の姿っていうのをテーマにした著作っていうのもあるんですけど、たくさんあるんですけど、司書家も。
やっぱりその後のことを知っている人間としてはどうしてもこれが失われたっていう影を感じてしまったりとかしますね。
そうですね、私としてはすごい一番好きな作家かなと思うような石森雄一くん。
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そうかそうか。
この西書さんのこの能力で人を分けなくなる日の中にもその苦害浄土のこととか、あと児童書で福音館書店から出てるあやとりの木かな。
シルスっていう字で木って書いてる本が紹介されてたりして、個人的にもこの西書さんと石森さんはつながりがあって。
えっと、知らぬい会。
南多地域の。
あ、そうなんや。まあそうなんやろうね。
その知らぬい会総合学術調査団って、まあ調査団ですよね。が南多病の関連で発足して、でメンバーになってくれっていうふうに。
石森さんじゃない方に言われて、西書さんが断ったらしいねんけど、でもその同じ年の冬に石森さんが東京に来られて入ってくださいって直接言われてんて。
それでもう断れないと思って、自分がかかろうと思って、はいって言って。
西書さんは何をされてる方?学者の方?
生物学者、社会学者、思想家っていうふうに書いてますね。
あ、そうなんだ。なるほど。いろんな領域をカバーされてるんだ。
そうやね。だから学者さんとして行かれたってことなんでしょうね。
それでその、区外浄土だったり、あやとりの木だったりっていうものについても結構紹介されてて、
まあこれで私はちょっと自動書ということであやとりの木を気になって、ちょっとまだ読んでないんですけど、これから読もうかななんて思ってたりします。
あやとりの木は、そうですね、すごい美しいんですけど、本当に結晶みたいに心に刺さってくる本で。
ちょっともう私もだいぶ昔に読んだんで、ちょっと忘れちゃってるところはあるんですけど、
結構石森作品全体がそうだと思うんですけど、
石森さん自身の幼少期の体験っていうのが結構やっぱり大きな下敷きというか、
あってあやとりの木もまさにそういうみずみずしい感性というか、そういうとなんか陳腐なんだけれど、
なんかその熊本の優しい言葉遣いとかを交えて語られてる、すごい訴えかけてくる本だったと記憶してますね。
あらすじを読むと、石森さん個人のご経験を語ってるような感じに見受けられるんですけど、
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福音歌のジャンル別のカラーを分けるアイコンみたいなのがあって、それだと物語のジャンルに分けられてるんですよね。
なかなかちょっと石森さんの作品は結構その物語と自伝的な色合いのある文章との境目がそんなにないというか、
つばきの海の木とか、それは大人向けというか、児童書ではないんだけど、それも主人公は明らかに石森さんなんだけど、
たしかつばきの海の木は石森さんが3歳か4歳ぐらいまでの体験で前編が綴られてて、
だからその自伝というにはやっぱり幼すぎるっていうか、だからある意味ちょっと後で補ったというか、
空想的幻想的な世界とかが自然に挟まれて、すごい他でない独語感、読み口、
すごいしらぬいの姿も美しく描かれてて、つばきの海の木は本当に唯一無二の本ですね。
美しい本です。ぜひぜひ読んでいただきたいですね。
ということで、前半とは全然違ってしまいました。
能力で人を分けなくなる日はそんなにこう、読みやすい、すごく読みやすい本ではあるんですが、
テーマがね。
テーマがやっぱり簡単に読めるテーマではないんですけど、
でもだからこそ、間を考えるって言葉通り、自身に関わりのあることとして、
特に読んだらすごくいいなって思う本でした。
ありがとうございます。いろいろそこから派生してね、石森作品とかも今日は話せて、
これはこれで。
よかったのではないでしょうか。
本の紹介という意味では、いろいろ紹介できたのかなと思います。
といったところで、来週も楽しみにしていただければ幸いです。
良い読書体験を。
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