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2025-05-02 22:48

Ep.114 自分の価値観に風穴を開ける本

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ホームレスとして生きる当事者が書いた本、横浜寿町に住むホームレスやさまざまな人々を描いた本をご紹介。いないものとして扱われることが多い人々に焦点を当てることで浮かび上がってくるものについて二人で話し合っています。


【紹介した本】

・いちむらみさこ「ホームレスでいること 見えるものと見えないもののあいだ」 創元社

・田中清機「寿町のひとびと」朝日新聞出版


【よりぬき】

・「あいだで考える」本

・女性ホームレス当事者が書いた本

・「あちら側」と「こちら側」

・「社会復帰」ってなに?

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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と、書店員の佐藤が、本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
ゴールデンウィーク末端の中、皆さんどうお過ごしでしょうか。
ねえ、忙しくされてるのか、ゆっくりされてるのか。
ねえ、将来の私たちもどうしているのか。
将来っていうほどではないけど、結構キンキンの私たち。
そうなんです。まあまあ、ラグがあるかなぐらい。
そうやね。
で、ゴールデンウィーク明けの5月11日には、東京ビッグサイトで開催される、文学フリマに本の虫のススメブースを出展予定です。
はい、文学フリマ東京ですね。
文学フリマ東京で出展予定です。
お近くの方はぜひぜひお誘い合わせしなくてもいいですけど、お越しいただけると大変嬉しいです。
ポッドキャストのススメという本を今制作中なんですけど、そちらはインターネットでも何らかの形で手に入るようにしたいと思いますので、こちらもまた紹介が決まりましたら、こちらで紹介させていただきます。
はい。
というわけで本編。
はい。
さつゆさんどうですか、最近本読んだり、いい本読んだみたいなのありますか。
最近本作でね。
羨ましい。羨ましいっていうか、私は。
某アニメ作品にハマりすぎて。
そう、全ての箇所分、自由時間をそれに費やしてるんで、それ以外の本が読めない状況に今なってて。
極端やな。
なのでその話はちょっとまだ整理がついてないので、できないので。
さつゆさんに。
何について話してるんだ。
劇場版忍魂乱太郎にドハマリしていて、そこから原作、アニメ、すごい。
歴史があるからね。
膨大な世界にダイブしてしまって、今その本流のただ中にいて。
もう渦に飲まれてるような。
だからもうそこから言葉をはすられない状態なんで。
アップアップしてんのね。
なのでさつゆさんの本の紹介に身を任せて。
そんなに。
大丈夫よ、関わっていくから大丈夫。
いやいや、そうなんやけど、それほどに自分のパワーを費やしてるとか注ぎ込んでるわけですね。
命が燃えたぎってる。
どんなハマり方やねんって感じやけど。
ぐつぐつと音がしてる。
ちょっと笑いすぎてほっぺたが痛くなってきたんですけども。
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ごめんね、本ですよ。
先週も紹介させてもらったんですけど、
創言者のシリーズで、間で考えるという、10代の方に主にターゲットを向けてる人文書のシリーズがありまして、
先週は能力で人を分けなくなる日っていうのを紹介したんですけど、
今回も同じシリーズの別タイトルで、
ホームレスでいること。
いちむらみさこさんという方の本をちょっと紹介したいと思います。
なんか何やろうね。
ホームレスだったり、何でもいいねんけど、
ホームレスを支援してる方の本とかはあると思うねんけど、
ホームレスのご自身が書いてる本ってあんまりそんなにはないと思うので、
そういう当事者性というか、ご本人が書いてる本なんやっていうので、
ちょっと興味を持って読みました。
結構ね、なんかちんぷな言い方になっちゃうけど、考えさせられるというか、
本当にちんぷな言い方になっちゃうんですけど。
難しいよね、表現が。読んではないんですけど。
そうなんですよ。
なんかその、ホームレスっていう立場もそうですし、
著者の方が女性の方なんで、
女性で、
お名前がね。
いちむらみさこさんって方なんで、
女性でホームレスでいるっていうこの厳しさみたいなことも結構、
ちらっと想像はできるけど、その実態っていうかね、
についても結構書かれてて、
意思投げられたりとか、
爆竹みたいなガバみたいな悪戯があったりとか、
あと、暴力だったりとか性暴力だったりっていうのに常に晒されてるっていうことだったりとか、
まあいろいろ考えさせられる。
なんかもっと言い方があるといいですけどね。
まあそういう本でした。
なんか自分自身、
私東京に住んでるんですけど、
その東京に住んでるのに、
全然知らんかったなってちょっと反省した話が、エピソードが書かれてて、
渋谷の宮下公園ってあるやん。
再開発でそうな、いられなくなってしまったんだよね。
まあそれはなんとなく、それぐらいはうっすらぼんやりしてはいたけど、
その時の対応が、
前もって出ていく日を、
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そういうのを言ってくれっていう風に訴えてたんだけど、
全然そういうのがなくて、
いきなりこう、マリケートじゃない、
壁みたいなのを立てて、
急に追い出されてしまったみたいなことが書かれてて、
まあその、今宮下パークっていうね、確か名前になって、
商業施設が入ったりして。
上になっちゃったんだよね公園自体が、地面じゃなくてもうなんか、
建物みたいな。
建物の上に、なんか緑林してるみたいな。
天井?天井ちゃうわ、天井はひっくり返ってる。
屋上、屋上に。
屋上庭園みたいな感じになっちゃってるよね。
そうそう。
で、その壁っていうか、なんていうか、
平な壁?
マリケートみたいな。
マリケートみたいなのに、
渋谷のアートみたいな感じで、
いろんなアートが書かれてたらしいんですけど、
なんていうのかな、いい部分しか全然見えてなくて、
でも実際にはそういうこう、
急に追い出されるっていうのは確かにその、
結局その人がね、どこに、
場所が変わるだけで、
その人たちが、
居場所がなくなったことについて何も解決してなかったりしたりして、
なんか、全然一言ではないはずの話なはずなんだけど、
全然知らなかったなっていうので、
ちょっと反省したりしたんですけれど。
それと関連して私も最近読んだ本なんですけど、
山田正貴さんと読みするのかな、
山に田んぼに木よいにマシンの機械の木。
山田正貴さんかな。
の書かれたことぶき町の人々っていう本を最近読みましたね。
それもことぶき町って関東の方とかやとご存知かなと思うんですけど、
横浜の結構本当に一等地、港未来とかのすぐそばにある、
いわゆる土屋街っていう、
簡易宿泊所、一泊2、3000円とかで泊まれる、
土屋が密集している地域がことぶき町っていう地域があって、
そこが結構ホームレス、
そこの土屋の一つの簡易宿泊所を常宿というか、
にしてる方もいるからホームレスっていうだけじゃないんですけど、
ホームレスの方とか、
普通の賃貸じゃない、賃貸とか持ち家じゃないところに住む人たち、
っていうのが多くいらっしゃる町なんだけど、
そこに、
6年に及ぶ取材って書いてるんですけれども、
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6年間取材をして、いろんな人、
10人ぐらいやったかな忘れちゃったんだけど、私もちょっと前に読んだので、
それぞれの歩んできた人生とかを紐解いていくことでことぶき町っていう、
危機快快な町の全容を紐解こうとしてる本で、
それも私、横浜に私も住んでたことあったりするので、
もちろん近くとかは通ったことがあるし、存在はしてたんですけど、
やっぱりどういう方が住んでるとか、どういう経緯でそこに今おられてとか、
同じことぶき町に住んでるっていう状況ではあっても、
そこからそこにどういう気持ちでいるのかっていうのはやっぱり一人一人違って、
仕事を見つけて、
将来的には自分で家を借りたり買ったりして出ていきたいって思ってる人もいれば、
そうではなくて、ここでの暮らしをやっぱり続けたい。
いわゆるサラリーマンとか、働いたりとかっていうこと自体が合わない人っていうのもたくさんいて、
っていうようなこととかも書かれてて、
すごい特徴的で、著者の方は、
意図的にだと思うんだけれど、
こちら側、あちら側っていう、
ループライダーの方なんだと思うんだけど、この書いてる方は、
使われてて、ある意味、
旬別していくみたいな書き方を最初されてて、
それがでもいろんな人の話を聞いていくうちに、
曖昧になってくるっていうような構成だと私は感じたんだけれど、この本を。
すごい鋭いというか、自分が多分、
その著者の言葉を借りるとこちら側の人間だから、
余計に響いた言葉かもしれないんだけど、
その先、ホームレスでいることを書かれて、
石村みさこさんがホームレスの当事者であるっていうのが書いてるっていうのが、
やっぱり珍しいというか、興味を引いたところだって説得さんが紹介してくれたんだけど、
それにちょっとつながる話かなと思うんだけど、
結構文学少年、元文学少年みたいな方とかが、
神戸武器町でホームレスをされてて、
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新聞の俳句投稿とかあるじゃん。
そこでホームレス投稿者みたいになって、脚光を浴びてみたいな話とかも書いてて、
それがなんで脚光を浴びたかっていうと、
自分たちこちら側の人間が、
あちら側にいつでも転落していくかもしれないっていうような、
身近なものとしてホームレスとかそういうものを、
あちら側って捉えてるものを、
自分ごととして捉えた人が多かったからじゃないかっていうふうに分析されてて、
それは結構確かに鋭い指摘だなとすごく思って、
やっぱり先週佐藤さんが紹介してくれた、
能力で人を分けなくなる日にもつながる話かなと思うんですけど、
結構能力主義というか、できない人はそうなるけど、
俺は違うじゃないけど、
っていうのがやっぱり無意識に擦り込まれてる社会かなと思う、
すごい自分自身を感じるところがあって、
能力がない人たちだからそうなってて、
自分は大丈夫じゃないけど、
無意識にそう思ってる中で、
いわゆる学歴があって、
でもあちら側と思ってた世界に生きてる人がいるっていうこと自体が、
またショックだったんじゃないかみたいなことも書かれてて、
でも確かにそれは、
なんか自分もね、すごい学歴が高くって、
なんだろう、この本で言うこちら側の人間だからさ、
自分も含めてもちろん、
そういう無意識の、うまく言えないけど、
なんかそのさ、あえて自分とは関わりのないことだっていうふうに気にしてることで、
本当はそっちに行くかもしれないっていう恐怖を、
見ないで済むようにしてるのかなってちょっと思ったりもしたんよね、
このホームレスでいることっていうのを読んでみたりして、
これはその一個の私の考え方ではあるけど、
それは確かにその側面はあるよね、
なんかあのなんだっけ、
奇遇?奇遇って確か、
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中国の古事成語で、もともと空が落ちてくるとかそういうのじゃなかったっけ、
ああ、せんでもいい心配をするのみの。
でやっぱり、かなりね、心の負担になっちゃうから、
なんかその、自分とは関係がないって思ってるこちら側の人って、
その人たちも、なんかこう、
関係ないと思ってることで自分を縛ってしまったりしてる部分はあるのかな、
なんてちょっと本を読んでて思ったんですよね。
事情自爆みたいなこと?
そうそう、事情自爆みたいな。
なんかこういう生き方もあるんやとか、こういう世界もあるんやとか、
そういういろんな可能性だったりとか、
可能性っていうのは別に言い悪いとかじゃなくて、
なんか成り得るって意味の可能性を、
なんか切り捨てていくことって結構自分自身追い詰めかねないなって思うこともあって。
それは本当にそうだと思う。
だってね、それに添えてるうちはいいけど、
そうそうそうなのよ。
そうじゃなくなった時に、
もう終わりだって思っちゃうもんね。
そうなんよ、そうなんよ。
そんなことないのにね。
そうそうそうそう。
さっき文学青年だった方が、
あちら側って言われて、
ホームレスになったっていう話とちょっと絡むかもしれないんですけど、
この市村さんご自身がどうしてホームレスっていう道を選んだかっていうのを、
ちょっと書いてらっしゃる部分があって、
なんかこう生きるのがしんどかったみたいなんですよね、
おっしゃってるには。
この資本主義社会というか、
その賃労働というか、
雇われた状態で働くみたいなことだったりとか、
常にこう生産性を上げて、
自分自身の能力を高めて生きていくんだみたいな、
そういう社会のシステムにもうなじめなかった。
だからすごくホームレスになって、
ご自身が住まわれているテント村に始めていたときに、
すごい自由な感じがしたっていうふうにおっしゃってて、
本当にすごく偏ったイメージですけど、
ホームレスになるっていうのはすごく、
もちろんしんどくないわけではないんだけど、
とにかくこうつらくてつらくて追い詰められて、
そういうふうになっていってしまうんやっていうような感じがあったんやけど、
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ある意味で確かに市村さんも追い詰められている部分はあったんやけど、
でもご自身で自身の選択としてそれを選んだ手段、
できる手段だったんだなっていうことがこの本を読んでてわかりましたね。
確かに私もさっきの琴吹町の人々を読んでて、
やっぱり力強さみたいなところはすごく感じて、
なんか支援が必要な人っていう。
社会的弱者みたいな。
それは一つの側面で事実なんだけれど、
だけではなくて、私たちが弱いところがあって強いところがある、
私たち一人一人があるのと同じように、
やっぱり一人一人が強いところと弱いところがあって、
それはホームレスとか土屋街の住人とか、
そうやって一括りにできるものではないなっていう当たり前の、
人間だなっていうことを感じたりしましたね。
その話とちょっとずれてしまうかもしれないんですけど、
社会っていうものについて、
ちょっと考え直すきっかけをこの本にもらったなっていうふうに思ってて、
役所の方がよくホームレスの方、
市村さんを含めて、訪問というか巡回というか、
いらっしゃるときに、早く社会復帰をしてくださいっていうふうにおっしゃるんだけど、
でも、じゃあそれって私たちは社会にいないってことなの?っていうことを、
市村さん書かれてて。
確かに私自身も社会復帰っていう言葉を結構簡単にではないけど、
あまり考えずに使ってたなと思って。
社会って何を想定してたんやろうって思ったら、
本当はあるようでない一般社会みたいなものを社会って思ってて、
でも確かにその社会復帰って言葉には、
その外にいる人たちをいないものとして確かに見てるんだなっていうことを、
すごいまたチンプになっちゃうんですけど、考えさせられましたね。
なので、別に社会問題とかに別に興味がなかったとしても、
この本はいろんな自分自身が当たり前だっていうふうに思ってる価値観に対して、
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結構風穴を開けてくれるようなすごく濃い深い本だと思うので、
ぜひちょっと手に取って読んでほしい本でしたね。
私も読んでみたいなとお話を聞いて思いました。
また副題がいいね。見えるものと見えないものの間。
だからやっぱりホームレスとかそういう人たちは見えないものとされてるっていうことでもあるのかな。
といったところで、今回は考えさせられる本。
佐藤さんのさっきの自分の当たり前と思ってることに風穴を開けるようなっていうのが、
私は印象的な言葉だったんですけれど、そういう本かなと思います。
では皆さんゴールデンウィーク残り半分ぐらいかな。もう過ぎてるか。
楽しくお過ごしください。
では良い読書体験を。
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