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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者のつばきと、書店員のさとぅが、本にまつわるあれやこれやをゆるっとお届けします。
はい、15回始まりました。始まりました。今日は、
みなさん何日ですか? 何日でしょう? しらじらしい。6月9日、みなさんご存知、実は明日は、
さとぅの誕生日です。おめでとう。 ありがとう。知らん知らん。イヴです。
知りまへん、知りまへん。 もう一つ、実は、個人的に結構喜ばしい、6月10日って日なんですけど、
私、世田谷区のワープホールブックスっていう本屋さんに、なんていうか、ブックショップアドバイザー的に売り場の作り方とか、
アドバイスさせていただいたことがあるんですけど、 最初の、本当に最初から関わってるよね。
そう、あの物件借りた後に、なんかこう、何をどう、なんかこう、本棚とかどういうのを置いたらいいんやろうとか、
そういう、どんな本を置いたらいいのかなとか、そういう段階から携わらせてもらってるとこなんですけど。
東急大井町線の、小山台駅のすぐ近くですよね。 そうですね。自由が丘とか、双子玉川とか、そういう近いエリアで。
いいところですよね、小山台自体も。すごい商店が残ってて、
もう今、結構どこに行っても、なんか同じようなチェーン店ばっかりっていう街並みがすごい多いから、
なんかホッとするというかね、落ち着くいい街ですよね。 そうですね、個人商店が多くあって、なんかほのぼのとした感じの街の雰囲気で。
いいよね、すごい好き。 うん、いいよね。
美味しいお店もね、いっぱいあるしね。 そうね、そこに行かないと食べられないものがある。
美味しいお店はね、確かにチェーンでも別に。 夏屋も美味しい、スキ屋も美味しい、吉野屋も美味しい。
なんで牛丼ばっかり。
いやそんな食べないんやけど、牛丼ってやっぱりなんかソウルフードやんか。
え、そうだっけ。 違う、これ安いって。
結構世田谷区なので、なんていうか、リッチな感じのエリアではあるんですけど。
確かに大きいお家も多いところだね。 すごいね、多いよね。
でもなんかこう、なんていうか、飾ってない感じがする。
でも確かに言われてみれば本屋さんなかったんだよね。
そうですね、そこのオーナーの人が、数年前までその小山台には、おじいちゃんがやってる、一人でやってある本屋さんがあってんけど。
あ、そうなんや。 そうやね、でもなくなってしまって。
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経営者の方が落とし跡がたたんでしまうこととか多いかもね。
かもしれない。 関係ないかもしれんけど、そういう人は、単純に本屋さんの状況があるから。
わからないけど、まあでもなくなっちゃって。
で、小山台のことはすごく大好きなんだけど、その本屋がないことだけがもう嫌だと。
そしたら自分で本屋やってやったらいいんじゃないっていう。
本を売る場所っていうだけじゃなくて、ちょっと人が繋がったり、街の中で人が繋がるっていう場としての機能が。
っていうので、まあまあそれを関わってたんですけど、一年間プレイオープンしてたんですよ、そのお店。
ああ、そうだったね。
で、新しくオープン、本当の本をオープンするのが6月の何日ぐらいがいいかなっていうのを、何個か候補をあげてて、
その中に6月10日があった。
で、その日私誕生日ですよって、たまたまお店にふらっと行ったときにその話になって言ったら、
え、じゃあその日にしますって言って、その日がオープン。
2つの誕生日に。
そう、めでたい日になった。
サートゥーの誕生日であり、ワークホールブックスの。
そう、誕生日にもなった。
そういうお店の開店日の決め方って、すごいいい意味で軽さがあっていいなと思って。
そうだよね、確かに確かに。
ぜひ近隣の方は尋ねてみてください。
ぜひ近隣じゃなくてもぜひ尋ねてほしい。
本当に心からおすすめできる良い本屋さんの一つやなって思います。
いわゆるいろいろ今、いろんなところで独立系と呼ばれるような大手じゃない書店さんできてるけど、
どれも、私もそんなたくさん行ったことあるわけじゃないけど、
やっぱり温かみっていうか、大手じゃないからこその尖り方もできるしいいよね。
いいと思う。
自分の中で、ああ、こういう接客って言うとあれやけど、
来てくれたお客さんとのつながり方があるんやなっていうふうに思ったけど、
今まで大型の知恵の書店で働いてたときは、いかに気配を消すかっていうのを私やってたんや。
なるほど、確かに。困るところあるもんね。
なんていうの、福屋さんとかでもさ、迷ってたけど、店員さんが話しかけてきそうやから、
私すごい内弁系やからさ。
人見知りなとこあるもんね。
そう、すごい人見知りやからさ、店員さん来るでよみたいになったりするからさ。
本屋さんでは。
なんていうの、福屋さんとかやったら、ちょっと店員さんに聞きたいとか、
コミュニケーション求めてるところもあるけど、
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そういう人もいるけど、本屋さんってそんなに大型の知恵の書店で、
店員にこれおすすめですよとかっていうのを想定していかへん。
そうやんね、確かに。
だからとにかく売り場を作って、レジとか来てくれた人とか問い合わせがあったら初めてそこでいろんなものを提供するっていう。
でも基本はクロコみたいな感じでやってたんやけど、
そのワープホールブックスだと、一人でちっちゃい店舗やから、
消しようがないっていうか。
消しようがないし、むしろそれを巻き込んでいく。
話すのが自然な空間って感じだよね。
そうやね。
たぶん何にも話したくない人は、そのお店に入らない気がしていて。
確かにそうかも。それはそうかも。
なんていうのかな、ちっちゃいバーとかに行くのに近くて。
確かにそうかもね。
一人で飲むのもいいけど、ちょっとなんかもう嫌がったら隣の席の人とか、
マスターとちらっとしゃべりたいみたいな感じあるやん。
確かに確かに。
そういうのに近いから、最初お店番とかやらせてもらったときに戸惑いがあって、
どれくらい話しかけていいのかなとか。
今まで黒子生活を長くしてたから。
そうやんね、それは確かに。
びっくりするもんね、大型のさ、それこそキノクニ屋とかでさ、
どうです?とか言われて。
どうって?みたいな。
なんか八百屋みたいなノリでさ、今いい、これ旬ですよって。
これ入ったんですよ!みたいな言われてね。
そうですか、みたいな。
だいぶ戸惑うやん。
だいぶ戸惑ってるね。
確かに確かに。
それがあるから。
で特に、なんていうかな、どこの店でも、地域でもそうやと思うけど、
なんか特に関西でいた頃は、なんかこう、なんていうのかな、
関西と関東の人に対しての距離感というか、
違うよね。
違う気がしていて、
関西は、いかに距離を詰めるかっていうのが、親切っていう感じ。
世話を焼いたりとか、距離を詰めて親しみやすくすることが礼儀みたいなところがあるけど、
関東は、いかに低かっていうか、邪魔をしないとか、
なんか配慮する、気遣いをするというか。
まあ距離感が違うっていうことだよね。
そう、なんかこう仲良くするとかっていうことのベクトルが全然違う感じがしていて。
特にその初めて会った人とかってそうだよね。
私関西人やからさ、よくその初めて会った人と会った帰りって喋りすぎたなって反省するもん。
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そうなんや。
それはだから私としては、ホスピタリティのつもりでさ、
魔王、あんまり沈黙ができたらあかんとかさ、そういう思いがあって、
喋りすぎたな、でもあんな喋らんでよかったなとか、無駄な自己開示をしてしまったとか。
そんなこと思うよね。
でもまあそれって結構関西の人、他にも言ってる人いたりして。
でも逆ってあんまり聞かへん。
うん、そうやね。
関東の人で喋りすぎたなって後悔するとかいうのは、あんまり私は聞いたことないので、
それが関西人の距離の詰め方というかサービス精神かなと。
なんかテレビの番組でやってて、なんかそうかもなって思ったのがあってんけど、
友達と喋ってるときに、その相手の友達に電話がかかってきて、
近くで喋ってて帰ってきたときに、関西の人やと誰からやったん?って聞くけど、
関東の人は電話終わったの?って、誰からやったん?とか絶対聞かないみたいなことを言ってて。
でもそれはそうかも。
で、その関東的なコミュニケーションだと、
なんかそんなん聞くのはプライベートなことやしって感じやけど、
関西の人はそれを聞いてあげた方が、なんか相手が悪かったなって思わへんっていうかさ。
それを巻き込む形の方が気付かないっていう距離の詰め方っていうか。
もうそれ全く結構異文化コミュニケーションやんねお前。
そうやと思うね。
ねえ、なんかこんなにもう日本つつ裏裏どこに行っても同じテレビが流れててさ、
沖縄のおばあちゃんだって標準語を普通に喋るような時代でもさ、まだまだ色濃くあるよね。
全然あると思う。
10年ぐらい前の話やけど、沖縄に私よく調査に行ってて、
その時に結構やっぱり文化の違い感じたもんね。
例えば?
なんかすごいゆったりしてるっていうか。
特に沖縄の、多分那覇とかは普通に都会なんやけどさ、
ヤンバルに近いような北部の方に結構行ってて、
そしたらもうなんか宅急便の人とかもそんな都会みたいに何台も何台もトラックがパンパン走ってるみたいな状況ではもちろん全然ないのよね。
でもなんか私ちょっと急いでる、フライトの時間かな?なんかで、午前中に荷物を発送したくて。
で、それを営業所にネットで普通に頼めるのは頼めるからさ。
依頼して、週間依頼って出してて、結構全然来ないのよ、午前中に。
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で、電話して、午前中に週間で依頼してたんですけどって言ったら、
えっ、急ぎます?って言われて。
めっちゃびっくりしてさ、急いでもいるけど、なんか午前中に来てないっていうのは、なんかこの地域ではそのルート、そこに行くのはルート的に何時やから、
なんか何時に行くのが当たり前で、そうじゃないことが責められるなんてみたいな感じでさ、結構ケオされて。
急がないですけどって言ってきて、実験所の人に、ごめんなさい、これちょっと週間、対応しといてくださいって言って、お願いした。
朝墓だったんだと思って、朝墓っていうか物知らずというか。
なんかもう、そうやな、日本っていうだけで同じ常識で測れるって思ってしまうもんね。
他にも結構沖縄が面白いところでさ、まあ今まだ10年ぐらい経ってるからね、ちょっと変わってるかもしれへんけど、
私が行った時は、結構美味しいお蕎麦屋さんがあって、お蕎麦屋さんはいっぱい美味しいところあるのよ。沖縄蕎麦やけど。
- 早期蕎麦ってやつか。
そうそう、早期蕎麦とか三枚肉蕎麦とか。
- へー、いろいろあるんや。
そうそう、鰹だしの沖縄蕎麦なんだけど、それの美味しいお店で、でも同じ名前の違う店舗、
例えばマクドナルドの新宿店で美味しかったから渋谷店に行ったみたいな、まあそういう状況。
行ったら全然新宿店と渋谷店の味が違ったんよ。
- へー。
で、それをさ、「え?」と思って、まあ美味しくなくってさ、2軒目に行った方が。
で、それを実験所の事務の方と結構よく雑談してたから、
いやあそこのお蕎麦屋さん、なんかあっちの方行ってみたら美味しかったから、違うとこ行ったら全然味違ってって言ったら、
そう、あそこ美味しくないよねーみたいな感じで言ってくれて、知って貼って、それでねーって言って、
でもまあ違う店だからって言ってて。
- へー、違う店、チェーンなのに。
そうそう、だから違うのは当たり前だよねーみたいな。
- なるほど、面白いね、なんかもう企画化されてさ、
まあ確かにバラつきあるとこもあるけど、そのチェーン店の中でも、でもなんかある一定水準はもう満たしてるみたいな。
- そうそう、だからそれになんか文句言うのはちょっとなんか、
違うんじゃないじゃないけど、ちょっとそういう空気というか。
- へー。
当たり前じゃない?違う店だから味違う、みたいな。
- なんかいいね、やっぱ自分の当たり前が、なんかみんな同じ、共有してると思っちゃうけど。
そうそうそう、あ、そう、それで言うとさ、本の話。
- おー、ようやく、ようやく来ました、本の虫。
- 常識じゃない、常識は、自分の常識は常識じゃないっていう話。
でさ、最近読んだのが、ロシア語通訳者の、もう亡くなってる方なんだけど、米原麻里さんっていう方がいらして、
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その方が通訳だけじゃなくて、結構エッセイとか小説とか、いろいろ文筆もたくさんされてる方なんだけどさ、
この方の、魔女の一ダースっていう。
- へー、なんか面白そうだね、タイトルから。
- そのタイトルが、なんで魔女の一ダースかっていうと、一ダースって何個ですか?
- 12個。
- でしょ?魔女の一ダースは13個なんだって。
- え、あれ、なんで?
- 13って、そもそも、キリスト教やんか、魔女って。
- うん、不吉やからって。
- そうそうそう、で、なんかその、それが魔女界では常識。
魔女っていうのは神とさ、敵対するというか、魔女狩りで狩られる側というか、神に違反してるものやんか。
だから、その不吉な13っていう数字を一ダースとしてるっていうような話で。
で、それでひるがえて日本とか、仏教圏とかやと、13っていうのは、ちょっと由来忘れちゃったんだけど、結構その縁起のいい数字だったりもして、
なので、一ダースの12っていうのは逆に、12月にクリスマスがあったりさ、結構縁起のいい数なんだよね、西洋圏では。
それに対して、魔女は常識である12じゃなくて13を一ダースとしてて、みたいな話から、まあいろんな私たちが常識と思ってることって、
文化というか、住む土地とかが違うと全然常識じゃないよねっていうのも、すごい軽妙なね、面白い素敵なタッチで書かれてるのよね。
ちょっと米原さんの本いくつか読んでて、その魔女の一ダースだったか忘れちゃったけど、例えば、音楽家の方が来日された時に、素晴らしい演奏を終えて、
帰ってきた時に米原さんじゃないんだけど、なんか違う通訳者さんがお疲れ様でした、みたいな意味のロシア語かな、を言っちゃって、
それってでも私たちやったらもう本当に素晴らしい演奏ありがとうございましたぐらいのさ、意味やけどさ、そうじゃなくて、
その文化圏やと、あんなひどい演奏するなんて、あなた疲れてたんでしょうね、みたいなニュアンスになってしまうみたいな。
ムッとさせてしまった、みたいな話とかさ、なんかいろいろそういう文化背景が違うことによる、思ってたことと違う意図で伝わってしまうっていうのは、すごいたくさんあるみたいな話とか。
この本はあれだよね、13章あるよね、章がね、ちゃんとそこをこだわって。
魔女の一ダース章あるんですけど、本来でも米原あまりさん面白いんですよね。
うそつきアーニャの真っ赤な真実って有名やね。
そうそうそうそう、それも彼女がチェコに子供の頃いて。
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めちゃくちゃ昔で、もうちょっと覚えてないけど、真っ赤っていうのが共産系の意味での赤ってやったよね、確かね。
小学校から中学校ぐらいまでかな、高んな時期をチェコのプラ派で過ごされて、
そこの学校がいろんな国から来てる子がみんなロシア語で学ぶような学校や。
そこの同級生たちに久しぶりに会いに行くっていう本ですね、うそつきアーニャの真っ赤な真実は。
そんな感じで、今日は本というか本屋というか。
ぜひワープホールブックス、本当にいい本屋さんで居心地とってもいいので、
多分それこそね、定員さんとのコミュニケーションもすごくあるんじゃないかなと思うので、
その時にいる定員さんによってもまた感じ方がね、きっと全然違う印象が違う本屋さんだと思います。
なんていうかそのグイグイくる感じのスタンスじゃなくて、
話したければ話すっていう、なんて言うんですかね、受け口というか、
バーみたいなね。
バーみたいな、そういうちゃんと距離感がわかってもらえる本屋さんなんで、ぜひ。
結構お休みの日に空いてることが多くて、金曜日とか祝日とか今のところね。
ツイッターがありますよ。
ツイッターもあるし、あとインスタグラムもあるし、その辺で見ていただけるかなと。
よかったらぜひ遊びに行ってください。
はい、じゃあぜひぜひまたお山台で会いましょう。
適当なことを言う。
はい、じゃあ今日はこんな感じで、みなさん良い読書体験を、良い読書体験を。
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