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生物学者と書店員のインターネットラジオ、本の虫のススメ。
本を偏愛する生物学者の椿と、書店員の佐藤が、本にまつわるアレやコレやをゆるっとお届けします。
最近、空前のアフリカブームが来てて。
もともと好きやもんね。ちょっとアフリカの仮面を買ってる、書いたい話とかしてたから。
そこからすべての端は走ってて。
そうなんや。
そうそうそうそう。
なんかね、その、仮面買うんやったら、どの民族がどんな暮らしをしてて、どういう文脈で。
あー、それ沼るやつやな。
してるかを知った上で、じゃあ、グルン氏族にするとか、じゃあ、モ氏族にとか決めたいじゃない?
うん。なんか、モ氏族が多いとか言ってたんだっけ、確かね。
そうそう。で、西アフリカに、なんか、墜落するように、なんか興味を持つようになって。
それで、まあでも、川田純三さんの、サバンナの博物誌。
っていうのを、以前紹介したと思うんですけど。
で、そこから、日本のその西アフリカの文化人類学的研究の、結構第一人者の方で、川田純三さんっていう方が。
で、文才もすごい大ありで、書かれる文章の深みというか、もうすごくて。
で、それに圧倒されたりとかもしたんですけどね。
何作か、川田先生、川田さんの本を読んで、そのあと、ちょっと、わからんみたいになって、放置してたんですけど。
ある日、なんか、ちょっとつらいことがあって、眠ったんですね。
で、起きたら。
その日に寝た。つらい思いしながら、ちょっと寝る日があった。
起きたら、アフリカの本を読もうと思って。
でも、つらいときって、本読みたくなるときあるよね。
そう。それで、なんか物語のときもあるんだけど、そうじゃなくて、なんかその、日本の常識が、常識じゃない場所に行きたいと思ったんですよね。
で、その西アフリカのことを思い出して。
で、読んだのが、この本。
前に、ずっと前に買ってて、読んでなかったんだけど。
出た。つんどく。つんどくで、何年かな、2020年ぐらいか。
2019年。
2019年。
結構前の本ですね。
はい。
に、出た本なんですけど。
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はい。
ブルキナファソク。
何のこっちゃ。
アフリカ人類学者の西アフリカ食のガイドブック。
あー、面白そう。
めっちゃ面白かった。
めっちゃ面白い。
これがタイトル、サブタイトルにもある通りなんですけど、この清水隆夫さんという方が著者なんですけど、アフリカをフィールドとされてる人類学者の方。
で、研究テーマ自体はストリートチルドレンの研究をされてる方らしいんですけど、この本では、その、もともとブログをネットでされてたらしくて。
そこで紹介されてたブルキナファソの食事、料理とかを中心に、これまでの研究者というか、人間としての著者の歩みとか、アフリカでのフィールドワークの話とか、で、もちろん食事の話も。
ブルキナファソっていうのは地域の名前だよね。
そうそう、国、国、国、国なんですよ。
それをそもそも知らなかった。
ブログキナファソっていう、何か知らない料理があるのかと。
いやいやいや、でもね、何年やったかな。
1960年に、アフリカが一斉にというか、独立したアフリカ語として言われてる時があったんですけど、その後は、84年までオートボルタっていう国名だったんですね。
なので、古い本とかだと、もしかしたらそっちの名前で書かれてるかもしれないですね。
なるほど。
そのボルタ川っていうのの上流に位置してるので、オートボルタっていうのはボルタ川の上流っていう意味らしいですね。
でもそれが、もともとフランスの言葉でもあるし、主権国家だっていうことの意味も込めてたと思うんですけど、
84年にブログキナファソ、これ高潔な人の祖国っていう模式語らしいんですけど、現地の言葉ですね。現地の言葉で高潔な人の祖国っていう意味に改められたっていう歴史があるらしいです。
なるほどね。
で、そういうブログキナファソ。
すごい本当に、色が豊かなんですよ。
あんまり私たち、そもそもアフリカの食って言って、イメージがわからない?
わからない。豆とか肉とか食べてるのか?
うん、食べる食べる。
みたいな、ぐらいのすごい薄い情報。
そうやろ?すごいね、だし文化らしくてね。
え、そうなんや。
めちゃめちゃ手が込んでんのよ。
へー、全然知らんかった。
意外。
むしろ、カンソンな食事をとられてるイメージが勝手にあったんやけど。
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そう、勝手にね。
確かにすごい材料として豊かっていうよりも、
限られたもので、すごい旨味っていうのを大事にするみたいな感じで。
例えば、昔佐藤さんが私に紹介してくれて、このポッドキャストでも何回か紹介してる本なんですけど、
高野秀幸さんの謎のアジア納豆、そして帰ってきた日本納豆っていう本があるんですよ。
これは、日本人はもう外国人と見ると、
納豆食べれます?とか言って言ったりするけど、
納豆って別に日本独特のものじゃなくって、
アジアの内陸部とかでも普通に食べられてるものなんだっていうのを丁寧な取材で書かれた。
しかも、その納豆を食べる国や地域には共通点があるんじゃないかっていう洞察まで加えられてて、
そうそうそうそう。
すごい面白い本なんですよね。
そうなんですよ。
で、それの続編というか。
知らんかった。続編出てるんや。
そうそうそうそう。
それをもうなんか、これで高野さんが納豆にハマっちゃって、
で、もうなんかライフワークにされて。
で、それの続編がいつやっけな。なんかだいぶ前よ、これも確か。
あ、そうなんや。
あ、でも2020年だ。
に、新庁舎から幻のアフリカ納豆を追え、
そして現れたサピエンス納豆っていうので出してある。
面白い。
めっちゃ面白くて、これもさらに洞察というか深まるし、
で、実際にフィールドワークの中で一箇所としてブルキナファソも行かれてて。
あ、なるほど。
だからブルキナファソって納豆も食べるのよ。
でもその納豆の素材が全然違ったりとか。
しみずさんのブルキナファソを食うじゃなくて、ちょっとタカノさんの方だったかも忘れちゃって。
ちょっと混じっちゃってるんだけど。
で、この本の2つの、著者の2人の混じり具合もちょっと面白くって。
しみずさんを介してブルキナファソにタカノさんが旅行というかフィールド調査に行かれたりとかしてて。
だから同じ運転手さんを違う視点で描いたりとか。
面白い。
そういう意味でも面白くって。
ダイアロウが、視点が違うとこうも違うんやみたいなところもあって、まあ面白かったりもするんだけど。
で、そうそう、出汁文化ですごい本当に。
知らんかった。
めちゃめちゃ手が込んでるんですよね。
で、その納豆を1つ取っても、いろんな豆が使われるんですよね。
そうなんや。
大豆は後から入ってきたものなんだけど、地豆みたいな向こうのもともとある豆とか。
あとびっくりしたのが、これ確かタカノさんの本の方だったと思うんだけど、バオバブ。
バオバブの木の。
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バオバブの、そうそう。あの有名な星野王子様でも出てくるあのバオバブ、アフリカといえばのあの木なんですけど、あの豆も納豆にするんだって。
えー、どんなことになるんやろ。
なんか美味しくて、風味があってめっちゃいいらしいんやけど。
でもまあそれはもうなんかすごい手がかかるから、もう結構下辺になって、そのバオバブ納豆を作れる人を探すっていうのもなんか結構一大スペクタクルというか、冒険になってたりするんやけど。
まあまあその納豆の話とか。あとは米文化なんですよ、結構グルキナファソって。それもすごい意外で。
私たちが食べてるのは、なんていうの、傷のない米なんですけど、結構かけちゃったりとかしたハサイ米っていうらしいんですけど、ハサイってあの砕けるのハサイなんだけど、そのハサイ米が結構安く手に入るらしくて。
なのでその愛しの米料理達とか書いて紹介されてたりとか。
面白そう。
それでも普通に見てて、まあ食べれんことはないかな、ちょっとでも日本食おいしくなりそうって思うようなレベルじゃなくて、見てておいしそうみたいな感じで。
で、めちゃくちゃおいしいから、セボン、フランス語でおいしいって名付けられた料理があったりとか。
食べてみた。
で、このブルキナファソを食うで面白いのが、ワガドゥクっていうのがブルキナファソの首都らしいんだけど、そこのグルメマップが載ってたりして、もうなんかさながら食べログみたいな行きたいみたいな。
ワイドブックみたいな。
そうそうそう、そういう臨場感もあったりして。
で、アフリカの他の国と比べて、結構その、なんていうの、治安がいいらしくて結構。
へー、そうなんや。
そう、だから国に寄ったら、もうこの居住地みたいな外国人のとこからはもう出ないでくださいみたいなところも多いんだけど、
ワガドゥクはもう夜も一緒に、それを推奨するわけではないと思うけど、そんな危ないことはなく出歩いたり、酒場みたいなところに行ったりとか、
できるっていうような話とか、なんかね、息遣いを感じるような。
やっぱり食事ってさ、結構人の礎というか、人の暮らしの基礎やんか、それを通してブルキナファソを見るみたいな感じで、面白かったですね。
なるほどねー。
ぜひその、アフリカ納豆の高野秀幸さんの本と、これは合わせて、ぜひぜひ読んでほしい本だなと思いました。
なるほどー。
なんかね、優しさも感じる視点がすごいあって、文化人類学者なので、やっぱりその地域に溶け込んでというか、受け入れてもらってっていうところがあるので、
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そこに対する努力とか、で自分はこの、表紙にあの著者の顔というか、写真が載ってるんですけど、体が大きくて、なかなかこの子供とか、
そうなんだよね。
っていうので、ちょっとフィールドワーカー、研究者としての苦悩みたいなのもちょっと書かれてたりとか、いろいろ重層的な面白さがある本でしたね。
なるほどねー。
ただちょっと残念、残念って言ったらあれなんですけど、しょうがないんですけど、料理が白黒写真なものも多くて、
あー、コストがなー、カラー写真だとかかっちゃうからなー。
そうなんですよー。
口絵があるから、まあまあ口絵のところはあの、
カラーなんですね。
そう、イメージ湧きやすいんですけど、ちょっとその、見たこともないやっぱり料理だったりするので、結構検索しながら私は読んだりしましたね。
なるほど。おいくらの本ですか、それは。
えっとね、1800円プラスで。
あー、結構厚みがある本で、情報量も多いから、それでカラーにしちゃうと2000越えちゃうもんね。
なかなかそういう本のね、商品としての難しさがありますよね。
そうなんですよね、だからそれをね、言うのはあれだなとは思う一方で、ちょっとそこはわかりにくさはあったんですけどね。
なるほど、なるほどね。
なんで知らない、知らないものが多いから。
うーん、そうやんね、見てもわかりづらいもんね。
そうなんですよ、でもめちゃめちゃ面白かったので、ぜひ2冊セットでご購入を。
ご購入をとか言って回し物みたいになってるけど。
ほんと、ほんと。でもやっぱりね、自分つらい思いで読み始めたっていうのもあったんですけど、
やっぱりちょっとその日常を離れて、何かその、読んだから私の、あーしんどいなって思ってた状況が変わったわけでは全然ないんですけど、
やっぱりちょっと心が軽くなるというか、えーアフリカ料理食べに行きたいみたいな気持ちになって、
渋谷にあるアフリカ料理屋さんに行ったら美味しかったですね。
行ったんですね、さすが。即実行の人やな。
いやほんとにでも美味しかった。
美味しかった、へー。
どのぐらい再現されてるのかっていうのはちょっとやっぱり本場知らないんでわからないんですけど、でも確かにすごい旨味があって、
へー。
あれはもっとなんか、流行っても日本で、ほんと日本人好みの味だったんで。
へー。
また行きたいななんて、また行こう。
行きたい行きたい。ぜひぜひ。
はい。
っていうのがあったり。で、あとそうだ、最近また違うアフリカ関連の本も読んで、
それが全然また、経路が違って、ちょっとびっくり、びっくりっていうか、こんな視点もあるんだって思ったんですけど、
ちょっとその前に一冊だけ本を挟んでもよろしいですか。
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あ、もちろんもちろん。
前も紹介したことがある本なんですけど、世界スゴペディアっていう山川出版社から出てる本なんですけど、
これ自動書でいろんな地域や国の説明が見開きとか、ハンページとかで描かれてて、すごい面白い本なんですけど、
ブルキューナーファソについても書かれていて、
最近だと、いろんな部族が独自の文化を持っていて、仮面も伝統的な儀式などで使われてたらしいんですけど、
キリスト教などが広まったことで、だんだんやっぱり西洋化が進んで、その独自の文化っていうのが少しずつ失われつつあるらしいんですね。
っていうようなことが書かれてたりしたりしました。ちょっと補足情報ですけど、
この本もすごく、それこそつらいなって思ってる時とかに、こういう国があるんやとか、全然違う文化があるんやっていうのが分かっておすすめなので、ぜひ読んでみてほしいと思います。
ありがとうございます。
で、ごめんね、もう一冊の本っていうの。
いやいや、これもアフリカの話なんだけど、これはまた舞台が全然違って、
90年代のナイジェリアを、当時世界で一番危険と言われたぐらいだった時期のナイジェリア。
軍事独裁政権が崩壊して、混乱してた頃の2年間に、消耗者マンとしてアフリカに赴任した人が書いた解剖録みたいな感じで、
結構その舞台となってる年代としては古いんですけど、出たのは最近の本で、本屋さんで見て面白そうと思って読んだっていう。
2024年、今年の1月に出た本ですね。
で、タイトルが、筋肉坊主のアフリカ仏教化計画。
これ複大版で長いんですよ。複大で何かだいたい内容がこう、予約されてるんですけど。
そして、まともな職歴もない高卒ほぼ無職の僕が、一流勝者の支社長代理として危険な軍事独裁政権末期のナイジェリアに赴任した2年間の話。
すっごい分かりやすいね、内容が。
そうそう、そういう話なんですよ。
で、実際このタイトルに出てくる筋肉坊主はほとんど出てこないんですけど、
この赴任された方の記録というか。
そう、解剖録みたいな感じで、アフリカ、当時のナイジェリアラゴスの混乱プリを書いてるんですけど、
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本当にもうめちゃくちゃ治安が悪い様子とか、なんかすごいカオスな感じとか、
道路の例えば十字路みたいなところで、ナイジェリアのラゴスに移動するときに通ると、当時のナイジェリアの方は、
4方向から来て、そしたら、4方向からそれぞれ1台ずつ車が来たらさ、当然通れないじゃない。
で、誰かが譲ったらでも通れるじゃない。でも譲らないから、
どんどん渋滞になって、風車みたいにそれが長くなっていって、みんな怒鳴ってるみたいな状況だったみたいな話とかが書いてて、
でもなんかその、例えば文化人類学者であったりとか、だったらそういう状況って何でやろうとか、もうちょっと入り込んでみたいなじゃないけど、
っていう方向に行きがちかなと思うんだけど、この人はなんかもう、
ずっと日本人視点っていうか、逆になんかそういう本ってあんまり読んだことなかったから、すごい新鮮で、
ずっとなんか僕は外部の人じゃないけど、そういう感じのスタンスで、でもなんかちょっとハッとしたっていうか、
自分はついついなんかそういう、豪に入りっては豪に従えじゃないけど、
うち側から見つめたいっていう気持ちがあるんよね。
そうそうそうそう。その地域に住む人たちの視点に近づきたいなっていう気持ちがあったんやけど、この人多分あんまりなさそうで。
それがちょっと新鮮というか、
あ、そっかって思って。
まあ勝者マンってことは日本にいつか帰るってことが決まってるもんね、基本的には。
それはね、そうだし、モチベーションが多分全然違うよね。
納豆が知りたいとかさ。
そうそうそうそう、そういうことじゃないもんね。
たまたま派遣された国がそこだった。
でもこの人とちょっとそれは違うね、変わってるって。
希望を出してるの?
あとよりなんかアフリカ坊主が、もうネタバレになっちゃうんやけど、アフリカのタイトルにある筋肉坊主が、
なぜかその勝者につながりがあったらしく。
なんでやねん。
それでもう危険なのは分かってる地域やから、行く人がいないっていうんで、
外部から人を雇って、何年間っていう期限付きで雇って、不認してもらうっていうので、
で、他の全員が断っちゃって、
なんか普通は、特にその時代の一流勝者やから、
高卒っていうね。
卒なんて考えらんないみたいな状態やったけど、もうその人しかいないっていう状態になって、
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不認してみたいな。
で、もともとなんかアフリカに興味がある方で、
アフリカの料理屋さんを今もやってらっしゃるかなっていうことらしいんやけど、
それで行くことになってっていうような流れだったりとか、
普通のサラリーマンって言ったらいいんですかね、
勤め人やったらその流れとかもまた興味深いところかなと思ったりするんですけど、
でもなんか社会に対して、
私よりだいぶ適合力が高い方っていうか、
会社に勤めるっていう。
そうそう、全然普通の状況ではないんだけど、
でもなんか、もちろん運転手の方とか、
日常でやり取りする方に対して深い愛着っていうのは感じるし、
実際にモテらしいんだけど、
それでもやっぱり視点が違っててさ、
そういうのってほんとに呼んだことがなくて、
でもなんかそれが多分、マイノリティの中のマジョリティ?わからんけど、
なんかなーとか思ったり、ちょっとなんか新鮮な読書体験でしたね。
なるほどね。
だってやっぱりレポライターとかそういう人だと興味がめちゃくちゃありありでさ、
その中に入っていって、知りたい知りたいみたいなさ、
なんなら自分もそうなりたいみたいな、そういう方が多いからさ。
そうやね。でもなんか、みんなそうじゃないよなって当たり前みたいな。
そっちが多いよね、ほんとはね。
多くもないよね、その特殊な人や人間のプレミアムもね。
なんかもう、はぁーと思ってさ、
なんかちょっと、驚いた。
でも面白い本ですよ。
なるほど、なるほどです。
じゃあ今回はそのアフリカの食とか文化について、
そうね、私のアフリカ大ブームの話。
楽しんで聞いてもらえたでしょうか。
またいろいろアフリカのおすすめの本とかもあったら教えてもらえると嬉しいです。
では来週も楽しみにしていただけると幸いです。
良い読書体験を!
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