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2024-12-09 53:52

第178回 世界エッセイの金字塔『アフリカの日々』イサク・ディネセン著

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【今回の紹介】

『アフリカの日々』イサク・ディネセン著、横山貞子訳、河出文庫

https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309464770/

⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠⁠. パーソナリティ二人で作品の魅力やあらすじ、印象に残った点など、読後の感想を話し合っています。ぜひお聴きください!

【今回の内容】

前回紹介した『ブリクセン/ディネセンについての小さな本』からの流れ/映画『愛と哀しみの果て』とは内容が違う/思っていたより読みやすい/ディネセンのアフリカでの経験が豊富/著者&作品紹介/アフリカの土地、そこにいる人々への尊敬を感じる/作中で描かれる魅力的な人々/コーヒー農園を経営していたディネセンが取捨選択したアフリカの出来事/ストーリー紹介/ディネセンは静寂によってアフリカを示した/御用聞きの少年のような小さな人の小さな出来事を通して世界全体を示した/罰することではなく失われたものの穴を埋めること/印象的だった料理人エサとさすらい人エマヌエルソン/アフリカを去った後のディネセンの人生が想像できない/次回予告

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ーーーーーーー版元サイトよりーーーーーーー

すみれ色の青空と澄みきった大気、遠くに揺らぐ花のようなキリンたち、鉄のごときバッファロー。北欧の高貴な魂によって綴られる、大地と動物と男と女の豊かな交歓。20世紀エッセイ文学の金字塔。

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サマリー

イサク・ディネセンのエッセイ『アフリカの日々』は、アフリカでの18年間の生活と経験を描写しています。この作品を通じて、彼女が経営していたコーヒー農園や出会った人々、動物との関わりを通じて、異文化理解や自然への敬意が表現されています。また、彼女の著作では、アフリカの生活や豊かな人間関係が描かれています。登場人物との交流や多様な文化が交差する中で、彼女は多くの出来事を通じてアフリカの空気と時代を感じさせます。さらに、『アフリカの日々』は、アフリカにおける人間関係や文化の複雑さを描写し、ブリクセンと彼女の仲間たちの物語を通じて、逆境を乗り越えた人々の姿や異なる民族間の対立を浮き彫りにし、深い洞察が与えられています。この作品を深く掘り下げ、その内容や印象的な登場人物について議論され、特に料理人エサやエマヌエルソンの物語が印象に残り、アフリカへの愛情と帰属意識が鮮明に描かれています。

アフリカでの生活の概要
18年間、アフリカで過ごした日々を綴った、デンマーク人によるエッセイ。
コーヒー農園を経営しながら、出会った人、動物、出来事。
世界文学の金字塔、イサク・ディネセンのアフリカの日々を紹介します。
どうもみなさんこんにちは、文学ラジオ空飛び猫たちです。
この番組は、いろんな人に読んでもらいたい、いろんな人と語りたい文学作品を紹介しようコンセプトに、
文学と猫が好きな2人がゆるーくトークするポッドキャストです。
パーソナリティは、私ダイチとミエの2人でお送りします。
文学のプロではない2人ですが、お互いに好きな作品を時には熱く、時には愉快に、それぞれの視点で紹介していく番組です。
今回紹介するのは、イサク・ディネセンのアフリカの日々です。
横山貞子さん役で川出処防審者から、文庫が2018年に出版されている本になります。
今回、前回ご紹介したブリクセン・ディネセンについての小さな本の流れで、
イサク・ディネセンの代表作であるアフリカの日々を紹介しようかなと思ったので、
こちら今回紹介させていただきます。
こちらアフリカの日々ですが、1937年に原書が出版されています。
日本に翻訳された単行本は、1981年に小文社から出ていて、
また2008年の池沢夏樹個人編集、世界文学全集でも収録されて観光されています。
そして2018年に川出処防からですね、文庫が発売したという流れになっております。
アフリカの日々は、僕最初知ったのは、池沢夏樹さんの世界文学全集の時ですね。
そうですよね、あの全集はもうなんというか、本当すごい作品ばっかり入っていて。
読んだことがなかったんですけども、今回文庫を手にしてるんですけども、
世界文学全集ってもう一つ作品が入っていて、別の作品だったの。
もう二つの作品が収録されているので、これ単体だと読みやすいのかなと思っていたら、
結構この文庫も500ページ以上あって、なかなかの大ボリュームだったんですよね。
そうですね、読み切るのに10時間以上かかってるかな、俺。
そうですね、僕も絶対かかってますね。
10時間かかってるな、12、3時間くらいかかったのかな、ぎっしりとしていたので。
そうですね、文章一度もね、濃かったと思います。登場人物たくさんいましたし。
3冊分くらい読んだ気持ちで。
言いますか。
なのでちょっと今回ですね、どういうふうに話していこうかなっていうのはちょっと悩んだんですけど、
割と大枠を話していこうかなと思ってますので、
本当これから読む人向けになるかなと思います。
読んだ人は結構、ああそういうことだよねみたいなのがちょっとなっていくかなと思うんですけど、
良ければ読んだ人もですね、聞いていただければなと思います。
映画と原作の違い
このアフリカの日々なんですけど、作品として有名になった背景というかが一個大きくありまして、
アフリカの日々が映画化されていて、それがアカデミー賞を取ってるんですね。
で、これ日本のタイトルだと愛と悲しみの果てというタイトルで、日本のタイトルついてるんですが、
結構内容が違うというか、このアフリカの日々と映画はもう全く別物だというような話も、
スーネさんもされていたので、なるほどなと思いながら。
ちなみにメリル・ストリープが主演を演じておりましたね。
映画だとこのイサク・ディーネ戦、著者のカレム・リクセンですね。
が主人公の恋愛ドラマみたいな内容かなというふうに概要など読んでいると思うんですけども、
なんかアフリカの日々のこの原作の小説ではなくてエッセンになるんですけども、
それはなんか主人公は本当アフリカのその現地の人たちですね、このイサク・ディーネ戦が出会った人たちや、
そこで起きた出来事がお話の中心なので、恋愛要素とか全然ないんで。
映画の感覚でこの原作を読むと、ちょっとね、だいぶ痛い目にあるんじゃないかなと。
は思いましたね。
確かにね。そうですね。逆にちょっと映画見たくなったね。
そうですね。確かに。
ちょっと映画見てないんで。
あとはなんか人物像、このイサク・ディーネ戦がやっぱ凄すぎるんで、この原作の中の。
映画見ていないので何とも言えないんですけども、恋愛する女性っていう、そういうイメージは原作とは全然違ってそうな気がしました。
恋愛要素ゼロだったんですね。
今回なんですけど、前回紹介したスーネさんの本を読んでいたので、事前にアフリカの日々については少しちょっと知っていたというか、情報が入っていたようなところもありつつ、ブリクセンがどういう形でアフリカにいたのかっていうところも、
ブリクセン・ディーネ戦についての小さな本ではですね、結構書かれていたので、そのあたりも把握しながら読んだので、ちょっと今回このアフリカの日々だけではない情報みたいのが入ってきてて、結構多角的に捉えることができたなと思っています。
ディネセンの視点と影響
あとは、この本はアフリカにいた18年間のことについて書かれているんですけれども、テンポよくまとめられていて、結構いろんなことが書かれているんですけど、
ボリュームが大きかったので、500ページ超えなので読みにくさみたいなのがあるとちょっと大変かなと思ったんですけど、思ったよりも読みやすくて、思わぬ感動みたいなのも結構待っていて、
独領した時にですね、アフリカについてちょっと思いを馳せることもできたし、そこにいた、この違う文化の中に入っていった人間の視点っていうのもね、結構思いを馳せる部分ができたので、ここはかなり何でしょうね、なんか視点が増えていく感じはすごくあった一冊だなと思いましたね。
たしかに結構ねアフリカの日々を読んでいると、ヨーロッパとの比較があって、なんかその罪に対する意識、事件事故とか起きた時のその後どう捉えるかとかですね、なんかそのあたりすごくそれぞれのヨーロッパアフリカとの違いとか印象的でしたし、
あとやっぱりディーネ先生が見たアフリカの世界の描写っていうのがすごくいい文章で綴られていて、そこの描写っていうところも印象的でしたし、やっぱりこの500ページの中にアフリカでのいろんな出来事が語られているんですけども、なんかもうすごいこんな経験、人生の中であるんだっていうですね。
そのある少年が、この後話していきますけども、ある少年がちょっと謝って銃を撃ってしまって、そしたら他の少年にあたってちょっとその一人は亡くなって一人は重傷っていう、で、じゃあそれをどう解決していくかっていうところで、ディーネ先生というか本名ブリクセンなんですが、ブリクセンがじゃあこれをどうやって最終着地すればいいかっていうですね、
なんかその判決みたいなものを出してほしいって言われて、それをね考えたりするとかですね。本当はなんかコーヒー農園をケニアで経営してたんですけど、なんかそのそこだけではなくて、それ以外のところでその現地でいろんな出来事があって、いやこれはすごいもう人生経験が豊富すぎるっていうので、もう読んでいて驚くところでもありましたし、
で、やっぱりその経験からどういうことが見えたとか、どういうことが考えられるかっていうについて語っているこのブリクセンの文章っていうのはやっぱりすごくいいなと思いましたね。
うんうんうん。じゃあちょっとそんな感じのアフリカの日々なんですけれども、著者紹介したいと思います。まずイザク・ディーネ先生の名前で発表してますが、本名はカレンブリクセンですね。1985年デンマークに生まれていて、20代から短編を発表し始めますが、1914年にケニアに渡り、広大なコーヒー農園を経営。
31年に帰国後、アフリカの日々のほかにですね、7つのゴシック物語、冬の物語などを発表し、世界的に高い評価を得る。1960年にお亡くなりになっているというところですね。ちょっとあの2つの名前を持っているというところ、2つの名前で作品を発表しているようなところがあるんですけれども、そこに関してはですね、前回のエピソードとか、前回紹介したブリクセン・ディーネ先生についての小さな本をですね、読んでいただけたらなと思います。
具体的に作品紹介していきたいと思います。ではまず、版元のホームページから引用した文章を読み上げたいと思います。
【大地と動物と男と女の豊かな交換。20世紀エッセイ文学の金字塔】となっております。
そうですね、これね、ジャンルとしてはエッセイなんですよね。小説ではないというところですね。
大地 でも一部二部とかは結構小説とも呼んでいるような感覚は物語性というのかな、そういうのがあったので、どっちとも捉えられるような作品も含まれているという感じですね。
じゃあ、具体的にですね、この作品どんな作品か話していきたいと思います。まず、タイトル通りアフリカの日々なので、アフリカが舞台になっているわけですが、具体的にケニアが舞台になっているんですけれども、いわゆる植民地みたいな時代、文脈なんですけれども、
このブリクセンの著者の視点を通してみると、なんというかすごくこの大地というかここに暮らしているというか、生きている人々に対して尊敬を感じる、敬意を感じるですね、文章が多くて、そのあたりは本当にこれもうずっと通して違う文化を持っているということに対して、
このブリクセンは、それを自分たちの文化で、もちろんね、植民地化しているところも支配したという部分もあるので、押し付けている部分というのは必ずあるんですけれども、とはいえ彼らの感覚とか文化っていうのを知ろうとしたり、大事にしようとしたりするっていうですね、姿勢をすごく感じる一冊です。
えーと、なので結構時折情景描写みたいな、特に一部の最初とかね、結構10ページぐらいかな、15、6ページぐらいかなに渡って、結構アフリカの土地に対する描写みたいなのが続くんですけど、すごく美しかったりするし、その後もね、要所要所、動物の表現の仕方とかもすごく美しいし、アフリカという土地に対しての敬意を感じる、尊敬を感じる一冊だなと思いました。
そうですね、そもそもディーネさんはアフリカにやはり魅了されていて、アフリカの日々を出版する目的ですね、これはスーネさんの本でも書かれているんですけども、出版する目的はアフリカに戻るだけのお金を稼ぐっていうですね、その時はデンマークに戻っていて、50代とかだと思うんですけども、
で、夢はそのマサイ族の子供のために病院を開いて、寄生をアフリカで過ごすことだったんですね。そのために、そのお金を貯めるためにこのアフリカの日々を書こうと。で、マサイ族に魅了されていたので、最初この本の題名もマサイについてというタイトルにしようとしていたんだけど、結局英語だとアフリカから出て、デンマーク語だとアフリカの農場。
日本語訳だとアフリカの日々となったという、このアフリカに魅了されていたって、そこにもちろんその尊敬っていうのもこのエッセイを読んでいると感じましたし、あとやっぱり大地さんが言われていたので、文章すごくなんかあの印象的な描写が多くて、僕がやっぱり好きだったのは文庫の31ページなんですけども、この土地の人々は人間の形を取ったアフリカそのものだったっていうですね。
というのがあってですね、そこからいろいろと書かれているんですけども、土地の人たちが土を耕したり、家畜を飼ったり、舞踏会を開いたり、物語を語ってくれるとき、日常の中のその場面っていうんですかね。なんですけどもそれはアフリカそのものが歩き踊り、もてなしてくれるのだったと。
というので、そこでデンマークの詩人の言葉も引用しつつ、このアフリカについて語っていて、そこで私の体験ですね、このDNSが体験したことをできる限り記録して続いていこうと。それが興味のある歴史になるかもしれないというので、ちょっと書き出しをしていて、その序盤の方でアフリカの中で見てきたことっていうのがすごくそのヨーロッパにいたときには見れなかった特別なものが、
やっぱりそこにはあったのかなというのは本当に感じる、そんな文章でしたし。
アフリカの条件と登場人物
確かにそうですね。割と最初にもうすごく、今言った三重さんのとこって一番第一部の一番最初のところの、これは章って言っていいのかな。そこって結構ずっとね、このアフリカの条件に関する描写が続いていて、その次の章から結構具体的な話に入っていくんですけど、具体的な話に入った後もだいぶ、文章が美しいって言うとそれまでなんだけど、
やっぱりでもそうか、ちょっと繰り返しになっちゃうけど、敬意だね。敬意を感じるよね。全体的にね。ちょっと続けてもう少し話したいとこ行くんですけど、次がちょっとお話したいのはこの小説、登場人物というか、
前編通して出てくる人物もいれば、ちょっとエピソード的に出てくる人物もいるんですけれども、かなりの数の人物がですね、描かれます。もちろん現地のマサイ族とかですね、キウク族とかですね、ちょっと民族によっても生活のスタイルが違くて、なんかちょっと暮らしてるって言いづらいなって思ったら、マサイ族が結構定住しなかったりするので、
なんか暮らしてるとはちょっと違うかなっていう感じはちょっとしたりしてて、なんかちょっと上手い言葉が最初出てこなかったんですけど、そういう現地の民族と、あとやっぱり今植民地化されてきてるので、だいぶ白人が入ってきていて、それも別に一つの国からじゃなくて、もちろんブリクセンはデンマークから来てるし、イギリスから来てる人、イギリスから来てるデニスカとか、あとはもちろんアメリカから来てる人もいるし、
いろんな国からですね、人が入ってきていて、結構変わった人たちも多くて、そういう人たちが、もちろんアフリカの現地の人とアフリカを訪れた人たちが、どういう生活をここで営んでいたのかとか、どういう感覚で生きていたのかみたいのが多分描かれていて、
なんていうか、例えばこの現地はない、いわゆるヨーロッパの人とかアメリカの人ですよね、でもここに来るとちょっと違うわけで、うまくいかなかったりとか、まあいろいろあったりして、そのあたりもですね、結構描かれていて、植民地っていうイメージもありつつ、それとまた違う交流みたいのもあったりして、
ここはなんかすごく、なんか多様な人間関係が見れるというか、多様な人間が見れるというか、そういう意味でもすごく面白い一冊だなと思いましたね。
そうですよね。なんかあの、現地のキウク族、マサイ族、あとサマリ族っていう、主にこの3つの部族の人たちが出てきて、それぞれに何か民族性というかありますし、あと外部から来ている人、外国から来ている人もね、いますし、結構最初はちょっと変わった人というか、今それまでの思っていた常識とは違う常識を持っている人たちが多いのかなと思いきや、
いやでも案外呼んでいくとそうでもないなと、ちょっと自分たちの社会とちょっと近い部分というか、まあ本当にいろんな人がいるというとそれまでなんですけども、そうかなと。印象的な人を話していくとですね、結構ぶっ飛んでる人とか多くなったりしがちなんですけど、僕がやっぱこうやって改めて思うとですね、ブリクセン、Dネスさん、ブリクセンの秘書じゃなくて、秘書みたいなポジションでファラっていう人がいてですね、この人がめちゃめちゃ有能なんですよね。
そうだよね。
びっくりするぐらい有能というか、でしかもおそらくはかなり常識人というか、かなりまっとうな人で、ファラっていう人も現地の人ですし、もちろん変わった人もいっぱいいるんですけども、なんかそういう意味ではなんかあんまりなんて言うんですかね、変な人で魅力的っていう部分もあるかもしれないですけど、至ってもまっとうで魅力的な人もいるっていう、なんかそういったところも面白さかなとはちょっと思いましたね。
そうだよね。ファラもね、ブリクセンと二人の時だけちょっと、なんだろう、物語の話とかね。
そうそうそう。
あそこ結構よかったな。他の人が見えない、見えないとか聞こえないところか。でね、ハウスボーイが家から全員出たタイミングで、ブリクセンと劇局の話とか本の話とか物語の話をしたりするっていうのがね、すごく好きだったり、好きだったりとかね、じゃないとなかなかできないっていうところだったりするんだけど、そこもすごくよかったりしますね。
あのぶっ飛んだ人、まあ自分結構印象に残ってるんですけど、なんというかね、すごくこの土地らしい人とか、こういうね、雇われていて非常にこの白人に尽くしているような人とかね、印象に残りますよね。よく描いてくれてるなと思いますね。
ちょっと次の点なんですけど、もちろんですね、これアフリカの日々というタイトル通りで、本当にこのアフリカで起きた、ブリクセンが経験したいろんな出来事が一冊に収められています。なので結構ボリュームもあるし、読むのにも時間かかるんですけれども、その分アフリカというこの時代のアフリカ、この時代の空気みたいなのをすごく感じることができる一冊だなと思いました。
そうなんだよな、まあ第一次世界大戦とかも起きるしもちろん、その戦時中に起きたこのアフリカの人たちのスタンスとかね、もう結構面白かったし、ああなるほどこういう感じなんだなとか思ったりもしましたし、時代もあるし、まあ最初話した通りやっぱり感覚が違ったりするので、そこをどう受け入れていくというか、理解していくのかとかも描かれてるし、
あのなんかあっさりこう銃でライオンとか殺してしまうし、あとはまあもちろんね危険なライオンだから殺すんだけれどもとかもあるし、あとなんかちょっと、まあこれちょっとネタバレならないと思うからあれだけど、後半最後のあたりでちょっと俺結構衝撃だったのは、飼っている馬とか犬をあっさり銃殺しようとしたシーンがあったりして、
そんな感じ?とか思いながらあったんだけど、
ちょっと話しとれるけど、この本、プリクセンさんの中では結構当たり前の感覚なのかもしれないけど、あっさりそこをやるみたいなのとかあったりして、まあその辺もちょっと面白かったなと思います。ちょっと今話ずれましたけど、
まあでもそういろんな出来事が本当にこの一冊の中には収められているので、本当3冊とか4冊読んだぐらいの充実感がある一冊だなと思いますね。
そうですよね。しかもなんかそのプリクセンの身の回りで起きた出来事だけじゃなくて、なんかその新聞に報道されたこととかも書いていて、
4章、4部の中ではその新聞で報道されたある事件で、土地の少年ですね、がある白人の下で働いていたんですけども、
その白人に不当に虐待されて、最終的に亡くなってしまうんですけども、その死について、それは殺人なのか、自殺なのか、どのような見解を持つのかっていうところの洞察とかですね、
そういったところもあって、すごくいろいろなことに触れている本だなと思いますし、あとすごく印象的だったのは、
役者と書きで、文庫で書かれているんですけども、この作品何を書いたかと同じくらい、何を書かなかったかによって成り立っていると。
ブリクセンさんは、コーヒー農園の経営、社長、オーナーっていうのをされていたんですけども、あんまりその経営の話とかっていうのはこの本の中ではなくて、
すごく経営、本当は大変だったんですけども、最終的には失敗してしまうので、本当に火の車状態だった時とかあると思うんですけども、そういった苦労話とかは特に書かれていなかったですし、
で、あと離婚した元旦那に、ちょっとその梅毒を移されたっていうこともあってですね、その病気に苦しんでいたっていうのもあったと思うんですけども、そこもこの本の中では触れられていなかったので、
そうしたブリクセンさんにとって大変なことっていうのは、あと第一次世界大戦の時期も重なっていましたし、そんな大変なことっていうのはたくさんあったと思うんですけども、
ただこの本の中ではかなり主者選択されて、それによってこのアフリカの日々が、よりここで描かれる人たちの存在感とか、そういったところが際立ってるんじゃないかなと感じましたね。
確かに。このコーヒー農園もね、もともとは結婚された方がうまくいかなくて、経営を引き継いだっていうところもあるんだけども、そのあたりも語られず、ただ最後の章ではコーヒー農園というか、この年を去る時においては結構コーヒー農園の経営がうまくいかなくなったってことは触れられてはいるけれどもね、
このあたりは繰り返しになってしまうけれども、先週紹介しているブリクセー20世についての小さな本に詳しいので、ぜひ読んでもらえると、もっと立体的にこのアフリカの日々が見ることができるんじゃないかなと思いますね。
ここからですね、ストーリー紹介していきたいと思います。語物構成で結構長いので、大まかな流れを言っていきたいなと思います。その前にですね、今回呼ぶのをこの登場人物というか主人公ですね、著者の名前がイサク・ディーネセンというのはペンネームになるんですけども、ここでは本名であるカレンブリクセンというところですね。
カレンブリクセンという名前で主人公を呼んでいきたいと思います。まず第一部がカマンデとルルという部になっていて、主人公であるカレンブリクセンが1914年から31年までの18年間、アフリカのケニアで農園を経営していたんですけども、その中でのある出来事ですね。
まず、そもそもなんですけど、このブリクセンさんが農園の周囲の農園で働いている人たちであったり、その周辺の人たち、村みたいなものかもしれないですけども、にとって医者のような立場であったんですね。そういった医療できる人っていうのがなかなかいなかったということで。
ある日ですね、カマンテという少年、現地の少年が非常にちょっと危険な状態で見つかって、危険な状態というのが怪我をしていて、これは自分の治療じゃ無理だというので、カトリック系の病院に連れて行って、それで命を助けることができたんですけども、それ以来ですね、このカマンテが家に来て、ここで働きますというので農園で働くようになっていったんですけども、
ただこのカマンテという少年が、なかなか不思議な性格というか捉えどころがない性格というか、何を考えているのかなかなか見えないようなタイプの少年で、人が何か失敗した時とかうまくいかない時にちょっとね、それを笑ったりとかですね、文章を読んでいるとカマンテの中にはそんなですね、ちょっと残酷な面があるんじゃないかなと思わせるようなところもあればですね、
そうでもないような部分、顔があったりしてですね、何とも言えないこの少年なんですけど、そんなカマンテがすごく手先が器用で、というのが分かってですね、じゃあ料理を手伝ってほしいというのになったら、そこからですね、料理人としての才能がもう開花していって、で、この本の中でも結構ですね、厚く書かれているんですけども、このカマンテがヨーロッパから来た客人をもてなすための料理とかをですね、
すごい才能によって作っていくというので、活躍していくと。ただ一方でこのカマンテというのは、自分の好みは旧旧族の少年なんですが、旧旧族の伝統的な料理を好んで食べて、自分が作るこの天才的な料理にはあんまり関心を示さなかったっていうですね、そんな面があったり。
で、あと、部のタイトルにも出て、名前にもなっているルルですね。このルルというのは子近になるんですけども、これもある日、その子近をちょっと拾ってきて、かわいい子近なんで、みんなから愛されるような存在になっていったんですけども、その子近をカマンテがよく世話を見るようになっていきます。
で、傷ついたりしたらちょっとカマンテが、それはちょっと治してあげたりとかですね、すごく優しい一面というか、そういったのを見せるようになってきて、ところがですね、ある日ですね、何の前触れもなくルルが突然姿を消してしまいます。
で、それでブリクセンが心配して、ルルどうなったの?っていうのでカマンテに聞くんですけども、カマンテが、ルルはもう結婚して去っていったというのを伝えて、あれだけ熱く世話をしているように見えたのに、結構この去り際というかですね、そういうところはあっさりとしているっていうところとか結構印象的な話で。
ブリクセンの経験と洞察
ブリクセンとカマンテとの関係の話みたいなのに戻るとですね、後にブリクセンはデンマークに戻るんですけども、その後ですね、ブリクセンの元に手紙が届くようになります。
で、それはですね、カマンテから送られてきたもので、カマンテは文字は書けないんですけども、初期に書かせた手紙ですね、喋ってそれを英語で書いてもらってっていうので、その手紙にはブリクセンが自分たちのことは忘れていないはずだと、みんな戻ってくると信じているというので書かれていてですね、結構この手紙のところとかもかなり印象に残る。
そんな第一部になっています。
そうですね、なんかこれルルなんですけど、まあ確かに突然出て行っちゃって、全然帰ってこなかったんですけど、朝方なぜか現れ始めるっていうところで、で、都会になったオスの鹿と一緒に来るんですけど、
オスの鹿はね、家まで近づいてこず、森の中から様子を伺っていて、ルルだけ家の前に来て、そこの時に餌とか置いてあげて食べてみたいな感じなんですけど、でもこれある日自分の子供を連れてくるんですよ、ルルがね。
そこはちょっと感動的で、すごくいい話だなと思ったし、あとこのカマンテがね、ちょっと変なタイプの人物なのかなって。
その嫌がらせじゃないけどね、ちょっと変な、ちょっと嫌な部分もありつつも、あの料理人としてちょっと成長していくっていうところもあって。
で、ブリクセンにはね、もう自分を助けてもらった恩義をずっと感じ続けているっていうところで、すごくなんかいい章ですよね。いい部下。
ですよね。かなりカマンテという人のなんとも言えないこの人物像が見えて。で、やっぱりブリクセンがデンマークに戻って、2人が別れた後ですね、カマンテが確かナイロビに行ったのかな。
で、そこでは失業者になってしまって、ちょっと職位がない状態というので、あれだけの天才料理人として描かれていたけども、ちょっとその都市部というか、ブリクセンの元離れると、なかなかこの社会でうまく生きていくのがどうなんだろうっていうですね。
なんかそういうようなことも描かれていたりして、この辺のなんとも言えないところとかもありましたし。
次ですね、この第2部に移っていくんですけども、ここは農園で起こった領住事故というですね、部になっています。
これはですね、ブリクセンが住んでいる家の隣人ですね、息子である少年、とある少年が子供たちのパーティーというのを開いて、夜、夜中なんですけども、遊びでライフル銃を触っていたらちょっと発砲してしまって、によって2人の子供にちょっと弾が当たってしまうと。
で、ブリクセンがその夜中、その銃声を聞いてそこに駆けつけて、そしたらですね、もう倒れている子供たちがいたんで、ブリクセンはもう急いで車に乗せて病院に運んでいくんですけども、結果ですね、1人はちょっと亡くなってしまって、もう1人は重傷だけど生き延びることができたと。
で、その事故を起こした少年ですね、銃を撃ってしまった少年というのは、ちょっともうその場ですぐ姿を消してしまって、そういう事件が起きてしまったというので、故意ではなかったとはいえ、死んだ子もいるし、重傷を負ってしまった子もいるしっていうので、やはりそれを埋め合わせるためのことをしないといけないというので、その取り決めですね、法廷のようなものが開かれるんですけども、その判決というのから。
だからどうしたらいいのかっていうのを、ブリクセンが意見を求められるようになります。これもいろんな民族とかですね、複雑な人間関係が絡んでいて、誰がどう求めたらいいのかっていうところで、結構ブリクセンがその周辺の中で権力というか力を持っていたり、あとは周りから認められているっていうところもあって、意見を求められていたんですけども、
とはいえそんなブリクセンでもなかなかその場を収めるのが簡単にはいかなくて、さっきの話で旧九族とマサイ族っていう2つの民族の対立というたれなんですけども、一方はこれだけの事件で失われたものがあるから、その対価としてはこれだけ払えと。
もう一方はもう十分にこれだけ払えば十分だろうみたいなんですね。なので当事者同士だけじゃなくて、その当事者が属している旧九族マサイ族、争いになっていってというのは結構大きな出来事になっていきます。
ブリクセンは加害者の親が被害者に牛を渡すようにというので判決というか着地点を示したんですけども、ただなかなかそれにお互いに納得しないというか、お互いがもっとこうしろもっとああしろというので主張し合って、議論が起きてもなかなかまとまらないというですね。
そんなちょっと騒動になっていくんですけども、そんな時にですね、この旧九族の大族長と呼ばれるキナンジュイというですね、長老みたいな人が登場して人々が言い争いをしているんですけども、その場でそれをですね、静観して黙ってね、見てるだけなんですけども、すごくその族長らしい方法でその場を治めるというですね、すごいそんな印象的なその場の治め方というのをして、
この最初はね、ちょっとあの子供が誤ってレフル銃撃ってしまって、それでね、犠牲がとか被害が出てしまったということからどんどん大きな問題、着地点がね、なかなか見つからない大きな問題になっていったのが見つかってくるというですね、そんな話ですね、第2部。
この部はなんか法廷っていうかなんだろうね、なんか裁き、なんて言ってるかな、この民族間の出来事をどう治めていくんだみたいなので、価値観も多分違うんだろうし、っていうところでなんか色々こう話が紛糾しだすっていうところが、これこそちょっと作り物ではない感じがすごくして、面白い部だったなと思いますね。
これも本当にあったことだと思うので、フィクション感がなくてある意味。 そうですね、もうすごいリアルに感じれる部だと思うんですね。でも僕はやっぱりこの最後の避難樹位が出てきて、この場を治めるところの、こういう着地の仕方、こういうまとまり方なんだっていう、そこの驚きがやっぱりありましたね。
そうだよね。この時の避難樹位に対するブリクセーの描写、なんかすごく力強かったというか。 そうですよね。
なんだっけ、王なんだっけな。王の風格じゃなくて、なんかそんな感じの。 ね、描いてましたよね、これが。王者の顔ですね。
あ、王者の顔か、そうだよね。すごい描写きたなって思いながら。
復讐がね、結構いい争いとかしてる中、側方を向いてるだけなんですけど、そこにね、王者の顔を見たっていうですね。そんな感じの。
多様な人々との出会い
かなりね、第2部はドラマ性のある部かなと思ってますね。第3部ですね、ここはちょっと本当にワンエピソードがどんどん綴られていくんですけども、農園に来た様々な人たちのエピソードですね。
本当にいろんな人が来客して、デニスっていう冒険家、イギリスからの冒険家もいればアジア人もいれば、現地の人もいろんな人が来て、そこでの印象的な話っていうのが語られていきます。
で、第4部もちょっと近いかもしれないですけど、手帳からという部で、これもブリクセンがメモしていたことですかね。そこでの出来事、現地の人々のこととかアフリカの動物たちのこととか、印象的な出来事。
先ほどの僕の話だと、新聞の報道とかですね、そういったことから観察してきたところのことが書かれていると。で、第5部、これが最後なんですけど、農園を去るという部になります。コーヒーの農園の経営が悪化して、コーヒー農園売却して出ていかないといけないとなってしまって。
そこでも、なかなか一筋縄ではいかないんですけども、アフリカにちょっと別れをつけて、もう一問なしになってしまうんですけども、ちょっと去ってしまうと。それでデンマークに戻ってしまうことになるんですけども、そういう去り際というか、別れのところとか、あといろんな、この第5部でもいろんな人たちとの交流のエピソードもあったりするという、最後の終わりの部ですね。
3、4部は割とね、すごいエピソード集みたいな感じで、5部がもうこのラストね、このアフリカを去る時の1部とか2部とか、どの部でもデンマークに戻ってからみたいな話もちょっと差し込まれたりするんだけれども、具体的にこれどういう形でデンマークに戻っていったかっていうのが語られるところですね。
そうですね。だいたい各部は100ページ前後で、トータル5部で500ページぐらいになっています。ちなみにですね、スーネさんの本の中の第6章がアフリカの日々という章で、この中でですね、このアフリカの日々についていろいろ解説とかがあったりするんですけども、
事前にこれを読んでいたっていうのが、やっぱりこのアフリカの日々を読んでいく上ですごく助けになっていましたし、アフリカの日々を読んだ後にもう一度このスーネさんの本を読むと、こういうことだったのかっていうのもわかるところがあって。
特に印象的だったのは、スーネさんの本の中でフリクセンのアフリカ像全体に通定する特徴ですね。このアフリカの日々から見えたこのアフリカ像というところで、そこで静寂というふうに書いていて。
それまでのアフリカっていうのがちょっとステレオタイプとしては、スーネさんの本だと盆後の国と書かれてるんですけども、盆後の国っていうのは僕はちょっと正確なイメージを掴めていないんですが、どっちかというとちょっと騒がしい感じなのかなと。
歌ったり踊ったり、ワイワイしたりみたいな。でもそうじゃないと、この静寂によってアフリカの雄大さを示したっていうふうに書かれていて。で、次ですね、この文明化された私たちは静寂を保つ能力を失ってしまったとフリクセンが書いていて。
これはですね、結構このアフリカの日々の序盤で書かれていることなんですけども。結構ですね、このアフリカっていうアフリカ像の中から文明化された今の自分たちが失ったものがですね、そこにはあるんじゃないかとかですね。そういったのもこのスーネさんの本で解説されていて、そことがすごくなるほどと思ったところですし。
で、もう一つが一部二部ですね。特にこのアフリカの日々の中でもインパクトが強いのはこの一部二部かなと思うんですけども。で、その主役となるのがどっちもゴヨウキキの少年であると。
その時代だと第一次世界大戦があったりとかですね、すごく世の中的には大きな出来事があった時代であるんですけども、でもカレンブリンクセンはそういう周りの周りの小さな人間と言えるかもしれない、そうした少年のしかも小さな出来事。
その人にとっては大きな出来事ですけど、世界全体の中では小さな出来事を通してこの世界全体を示そうとしたというですね。で、確かに第二部とか第一部もそうかもしれないですけど、始まりは小さな身の回りのことかなと思うんですけども、最終的にはですね、結構大きな話、大きな着地点というかそういったのを書いていると思うので、小さなところから世界全体を示していくというですね。
そうしたことも書かれていて、結構スーネさんの本を読んでいくと、このアフリカの日々の理解というのがより深まっていくなというのは、特にアフリカの日々を読んだ後は感じましたね。
あと私はあれかな、ちょっとアフリカの日々の章の最後の方にスネさんのところで書かれているのは、現在の神話としてしばしば生まれてきたっていうところですね。
特に二部の起きてしまった事件をどうしていくかというところで、そのよりも前にいわゆるアフリカ人たちの感覚として、犯罪の原因や犯罪者の責任についてアフリカ人たちは問うことはありませんでしたと。
彼らには罰することには関心がなく、バランスを取り戻すこそ失われたものの穴を埋めることにしか興味がなかったと。
要は生き延びるためにどうしていくかということを考えているのが原住民だとなっていて、最後の方で締められているのが、私たちは文明に読されていない壮大な景色に触れ、その地に私たちと同じように感じ、考え、行動する人たちが暮らしていることに気づかされます。
より正確には、罪を問うことが何の意味もなさない世界に誘われると書いてあって、なるほどなと思ったところですね。
4部でさっきミエさんが触れた新聞で出てくる裁判の話みたいなのがあるんですけど、それって結局現地の人たちは誰が何をやったのかみたいなところも結構重要で、それによって何を補填されるのかみたいなところをちょっと考えているんだけども、
エサの衝撃的な人生
結局裁判の中では裁判というか白人側の意見みたいなところで言うと、それを起こしてしまった理由とか、何だろう意図とかが重要だみたいな話になっていて、多分そこはあんまり気にしないんだよね、原住民たちはきっとねとかね、そういうのもあったりとかして、なるほどなって思ったところですね。
この点が面白いですよね。このスーネさんの本を読むと、アフリカのなんでしょうね、その一面というのがやっぱりね、より知りたくなってくるような、なかなかそう。
そうなんだよね、一読したぐらいだと感覚が違うぐらいだなとしか感じられなかったところが、スーネさんの本を読むと、その先までちょっと考察というか、状況のこととか民族とか時代背景のこととかも含めて、この当時のこの人たちはこういう考え方をしていたみたいなところまでちょっと導いてくれるので、それを頼りにしながら読むのがすごくいい読書体験だなと思いますね。
そうですよね。
じゃあ少しこの後印象に残った部分を話していきたいんですが、もう結構尺がだいぶ使っちゃった感じがするので、ほんとちょっとここすごく印象に残ったところだけピックアップしてお話ししたいと思います。ただ非常にいろんな話があるので、多分この本読んだら読んだ人だけここが印象に残ったってのは全然違うんじゃないかなと思います。
ちょっと私の方からでいくと、一番最初にちょっと挙げておきたいのはエサという人物がいるんですよ。これはブリクセンのところで料理人をずっとしていた人物で、彼がずっと料理をしてくれていて、さっき話にあった第一部のカマンテに料理を教えたのも彼ではあります。
彼はブリクセンにいろいろ尽くしてきてくれたんですけれども、いろんなことがあってちょっと離れたりとかしながら、また戻ってきたりとかしながら彼の人生はあったんですけれども、4部で彼の死に際が描かれるんですけれども、結構衝撃的というか。
そうですね。
そうなんですよね。これちょっとネタバレになるかな。
言われてるよね。人が急にお金持ちになったらみたいな。
ああ、そっか、そうだね。それもあるよね。
話ですもんね。
あるし、なんていうか。
若いお嫁さんを急に欲しいって言っちゃうんですよね。
それによって彼がちょっと死んでしまうわけなんですけれども、その最後とか、その最後に関して彼が死んでしまったことに関しての現地の人たちの感覚とかね、結構面白かったんで。
さらに言うとこのエサっていうのはそこだけで出てくるわけじゃなくて、ようしよしよこの本の中で現れていたので、こういう最後を遂げるのかみたいなのもちょっと驚いたところもあって。
確かに。
彼の生涯っていうのはかなり印象に残りましたね。
エマヌエルソンの冒険
それまでの話とちょっと全然違う展開というか。
そうだよね。
エサの人物像みたいなのがあって。
面白かったよね。
あとちょっと続けていっちゃうと、三部のさすらいの人の憩いっていうショーがあって、そこで現れる、これは白人ですね、ヨーロッパから来ていて、元役者の男でエマヌエルソンっていう人が出てきて、
たびたびブリクセンと会話とかしたりする、泊まっていったりして、翌日ちょっとアフリカに来たはいいけど職がなくて、何も本当にささらってるだけの人なんですけど、
彼がブリクセンにお金を貸してくれって言って、お金を借りて、その後マーサイ族のとこに行って、ちょっとマーサイ族とうまくやっていったみたいで、最終的にはタンザニアのドドアでバーテンダーをやってるとなっていて、彼からお金が全部返ってくるんですよね。
なんでこれすごい短いショーなんですけど、3部だいたい全部短いんですけど、これだけ短編小説みたいなくらい、気象転結も含めてすごく良くて満足感があって、すごく良かったんだよな。
これ面白かったです。ブリクセンの目を通すと、このエマヌエルソンっていう人は、もともと喋りすぎていらんことまで喋ってしまっても、ちょっと気もたがられていた人物で、どう見ても無能な人間のような描かれ方をしていて、この先ちょっと生きていくの、もうちょっと厳しいんじゃないかなっていうので、
ブリクセンも半分見捨てるような感じで別れはしていったんですけども、お金を抱き上げて。最終的にこのマサイ族に受け入れられて、このエマヌエルソンのおしゃべりっていうか、自分の冒険談みたいなのがマサイ族にめっちゃ受けて、そんなことになったんだろうというふうに書かれていて、
そういう意味ではこのブリクセンの定義では測れないような、どういう人がどういうところで受け入れられるのか、人と人が繋がるのかっていうところとか、そういったところもそのわからなさみたいなところが感じれて、すごい面白かったですね。
これはですね、印象に残ったというか、最後見えた時の話になってしまうんですけども、やっぱりこのアフリカの日々がすごいいろんな出来事があって、僕はもうスーネさんの本読んでいたので、このブリクセンが後にデンマークにムイチモに戻るんですけども、その後世界的な作家になっていくんですけども、アフリカを去った後の人生がなんか想像できなかったんですね。
このアフリカの日々を読んだ後は、もうアフリカが全てで、そこを去ってしまったらその人には何が残るんだろうっていうですね、それぐらい強烈な読み応えがありましたし。で、ブリクセンは作家になってもやっぱりアフリカの日々の中で生きていたんじゃないかなって思うくらいですね、このアフリカに対しての愛情というか、そういったものがあったんじゃないかなって思ったりしてですね。
なので、この本の中というか、この本の後のこのブリクセンの人生にちょっと思いを馳せてしまいましたね。
そうしたらね、そもそもこのアフリカの日々を書いたのも、後にアフリカに戻りたいからっていう、そういう目的っていうのもあったみたいだし。
うんうん、いやーでも多分アフリカ良かったんだろうね、18年間いてね。
うーん、そうですよね。本当になんかそのエピソード読んでると、ブリクセンがこのアフリカの中で何というか、本当になんか冒険をしてるなぁみたいなそんな感覚がありましたし。
そうですよね。
これがね、この中でも戦時中の出来事でもあったんですけども、なんかとあるドイツ人に荷物を運ぶっていう、なんかその軍の仕事の手伝いみたいなのかな、であるドイツ人がそれをしようとしたんですけど、
ドイツ人ということでちょっと捕まった、逮捕されてしまって、その荷物を運ぶ人がいないっていう時に、その状況で神の意思の働きを見たっていう、神の啓示みたいなものをそこでババってね、ブリクセンが受けて、
自分がこの地方を横断してね、その荷物を運ぶ、その輸送を成し遂げる白人に、白人としてできるのはもう自分しかいないというのでね、車乗って、もう大急ぎで出発するとかですね。
なかなかそういう感覚って、なんか持つ機会ってないんじゃないかなと。それが一個だけじゃなくて、結構この話をいろんなところで、ブリクセンがその出来事の本当中心になっていったりとか。
戦争のこともあるし、第一次世界大戦起きてとかって時もあるし、民族の間のこととかもね、あるしね。最後のね、この第5部の老人たちの踊り。
うんこバーですね、うんこバーの話とかね、すごい良かったしね。 そうですね。あれも重々しく描かれててすごい良かったですね。僕はやっぱりあれですね、ちょっと最後に一つだけなんですけど、第5部の中でアフリカを去る時の描写はですね、文庫の501ページなんですけども、
アフリカを離れていく時に去っていくのは私ではないと書いていて、アフリカを離れるなど私の乏しい力をもってしては到底できない。逆に引き潮のように緩やかにかつおこすかに私から遠のいていくのはこのアフリカの方なのだと書いていてですね、この文章がすごく良かったなと思ったんですけども、アフリカからなんかその勝手に離れることっていうのはもう許されなくて、逆に離れていくときはアフリカの方が自分から去っていくんだっていうですね。
ここにいろんなことが凝縮されるというのは読んでいたら感じるところで、それだけアフリカにとらわれてしまったのかな。
最後、いつも通りですね、感想とどんな人に読んでもらいたいか話して終わりたいと思います。まずは私から。なんか今回、ちょっと先週のスーネさんの本のおかげもあって、なんかいろんな視点を持ったまま読むことはできたんですけど。
なので、あえてね、なんかこのブリクセン・ディネーセンの本からなんかね、バベットの晩餐会とかがなんか結構読みやすいんじゃないかみたいな話とかも結構あって、ちょっとバベットの晩餐会読んでないんでちょっとわからないんですけども、個人的にはなんかアフリカの日々はこれ物語ではないし、本当エッセイなので、エッセイが持っている強さみたいなのをすごくいろいろ感じるところだったので、本当にあったことなんだなっていうところ。
もちろんそれは表現する上でいろんな解釈が含まれていくので、実際にあったことっていうこととはずれていくところもあるし、もしかしたらちょっと誇張していたりとか、もしか小さく扱ったりとかしている部分あると思うんですけれども、でもなんかいろんなことがすごく迫ってくるので、ちょっとね、読むのには時間がかかるんですけれども、少し腰を落ち着けて、なんか読むものを探している人には合ってるんじゃないかなと思います。
僕は前のスーネさんの本を読んだ時に、まずこのカレンブリクセンという人の魅力ですね、ちょっとそこにはまりまして、すごく人生経験豊富だし、このアフリカに行っていたことも含めて、あとスーネさんがこの人は哲学者でもあると言っていて、
カレンブリクセンの物の見方、考え方っていうところもすごく面白いところだと思いますし、そういう点ではですね、カレンブリクセンが書いた小説もいいと思うんですけども、このエッセイにより著者の人柄、人間、人物像ですね、そこが現れているので、これを読むとよりカレンブリクセンのことが好きになってくるんじゃないかなと。
その哲学に触れると、これはもうすごい人だなと、何というかただの人ではないなと、この度胸であったり、人として持っている力であったり、そういうのがとんでもなく凄まじいものあるなって多分感じれると思いますので、このアフリカの日々を読むと、よりカレンブリクセンの小説も読みたくなるんじゃないかなと思いましたね。
ぜひ合わせて読んでいただけるとありがたいなと思います。ちょっと大変な読書の旅になるかもしれませんが。
そうですね。結構長いんで。
じゃあそのところで次回を告知して終わりたいと思います。次回はですね、番外編をお届けしたいと思っています。年末に差し掛かっているので、ちょっと1年間を振り返るような内容になるんじゃないかなと思っております。
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ではまた来週。
ありがとうございました。
53:52

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