1. 本茶本茶 ー1冊の本をお茶とともに
  2. なぜ修繕は過去を生かすのか|..
2025-09-09 13:27

なぜ修繕は過去を生かすのか|ジェヨン『書籍修繕という仕事 : 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる』#1

武夷岩茶(烏龍茶)を淹れながら、『書籍修繕という仕事 : 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる(ジェヨン著)』についてご紹介します。


収録後記、書き起こしはこちらのnoteに!

https://note.com/honcha_honcha/n/n58421528c46c?sub_rt=share_pw


🍵 本日のお茶 🍵

武夷岩茶 悟源澗 白鶏冠 2023


📕 本日の本 📕

『書籍修繕という仕事 : 刻まれた記憶、思い出、物語の守り手として生きる』

ジェヨン (著), 牧野 美加 (翻訳)

https://amzn.to/3VleXip


📗脱線して紹介した本📗

『Worn Stories』

Emily Spivack (著)

https://amzn.to/3Vp3fDj


👤 スピーカー 👤

Fuyuto


静けさを通して、ひとの創造性を見つめ、関係性をケアする、Studio Stillnessとして、コーチング、プログラム開発などを行っています。


Instagram → https://www.instagram.com/___fuyuto/

note → https://note.com/honcha_honcha

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こんにちは。HON-CHA HON-CHA)へようこそ。
毎回一種類のお茶を味わいながら、密冊の本をきっかけに緩やかに語る時間です。
静けさを通して人の想像性を探索する、スタジオスティルネスのFuyutoがお送りします。
ということで、記念すべき第1回目ですね。
今日のお茶は、中国茶、烏龍茶の一種なんですけれども、
V岩茶という岩に茶と書いて、岩茶の発見感というものをいただきながらスタートしてみたいなと思います。
すごい甘くて温かい味なんですけれども、
結構あれですね、でも岩茶というだけあって、なんか大地っぽさというか、大地の香りを感じるような気もして、
ちょっと飲んだだけでも少しエネルギーが湧いてくるようなお茶ですね。
もともとは抹茶茶道から始まって、日本茶にはまり、
最近中国茶もすごい面白いなと思ってきて、全く何も知らないところから少しずつ探索してみたいなというふうに思っています。
そして今日ご紹介したい本は、書籍修繕という仕事という本になります。
これは韓国ソウルでジェヨン書籍修繕という、本を直す、書籍修繕するお店を開いたジェヨンさんということが書かれた本になります。
この本との出会いはですね、蘇我谷大蔵という駅、小田急線ですね、があるんですけれども、そこにブックショップトラベラーさんという本屋さんがあります。
これは、なんか全国いろいろな独立系の書店がちょっとずつ、一棚ずつっていうんですかね、出展をしている、
1個のこのブックショップトラベラーさんの中にいろんな本屋さんの棚があるような、そんなような場所なんですけれども、ある日そこでふと目に止まって手に取った本がこちらになります。
で、なんか結構その勉強になるとか、いいことが書いてあるっていうのももちろんそうなんですけど、なんかこのジェヨンさんという方の本、書籍への向き合い方がすごい心地よくて、なんか自分とすごい気が合いそうだなということを思いながら、今日来ています。
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このジェヨンさんという方なんですけど、本によると韓国の美大で美術とかデザインを学んだ後に、アメリカの大学院でブックアートと製紙、紙ですね、を専攻すると。
で、その中でその大学に付属する図書館の中にある、その図書館の壊れちゃったり汚れちゃった本とか資料を直してもう一度こう戻すっていう書籍保存の研究室っていうものがあるそうなんですけど、そこで働きながら1800冊とかの本を直しながら技術であったり身につけたっていうような方だそうです。
で、この本自体は単行本のサイズなんですけれども、冒頭30ページぐらいかな、もうちょっと30ページ40ページぐらいに、このジェヨンさんが独立をされてから修繕してきたいろんな本、漫画本であったりとか、大きな辞書のようなものであったりとか、古い日記のようなものであったりとか、
それがどういうふうにビフォーアフターで修繕されたかっていうカラーの写真が載っていて、続く本編の方で一節ずつというか一章ずつか、それぞれの本について物語であったりどういう修繕がされたかっていうことをご紹介しているような、そんな本になっています。
で、この本の一冊一冊結構面白くて、タイトル、章のタイトルも面白いんですけど、例えばね、口行く本の時間を止めるっていう章だったり、バターと小麦粉の跡が増えていきますようにっていうレシピ本の修繕の章だったり、
あとは偶然出会って運命になる本とかですね、結構その直し方だけじゃなくて一個一個の本のストーリーがすごい載っている本です。
で、今なんでこれが好きなんだろうと思ったときにちょっと脱線しちゃうんですけど、えっと、Worn Storiesっていう本があって、確か著者の人がアーティストとかデザイナーとか結構多くの人の大事にしている一着をインタビューして、見開きでその写真と物語がセットで紹介されているようなそんな本があるんですね。
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で、結構一見ボロボロですごい着古されたものの中にいろんな思い出とかストーリーが詰まっているそんな本で、なんかそういうそのものの中に隠された過去とか物語、そんなものをちょっと覗き見するような本が結構好きなのかもしれないなと今思い出しました。
で、ちょっと話を戻してですね、この書籍修繕という仕事の中の本当冒頭にある一節がすごい素敵なのでご紹介すると、書籍修繕家は技術者だ。
同時に観察者であり収集家でもある。
私は本に刻まれた時間の痕跡を、思い出の濃度を、破損の形態を丁寧に観察し収集する。本を修繕するというのは、その本が生きてきた生の物語に耳を傾け、それを尊重することだ。
まあこんなような文章からですね冒頭が始まっていくんですよね。
で、僕はこのジェヨンさんがご自身はその傷の痕跡を集めるっていうことを話してるんですけど、いろんな本が持ち込まれたときに依頼者の方と話をしたり、この本の汚れの度合いとか壊れの度合いをつぶさに観察しながら、
どういう読み方をされてきたのかとか、されてこなかったのかとか、そんなようなことをですね、丁寧に一部妄想しながら直していくっていうところに非常に面白さとか共感を感じたりしています。
なんか僕自身もですね、結構何でもかんでもっていうことではないんですけど、中古品というか使い古されたものを買ってきて引き継ぐように使うっていうのが好きだったりする部分もあって、
例えば、我が家にあるダイニングチェアは、昔ヨーロッパとかイギリスで使われてたものをめぐりめぐって日本にやってきた中古品を買って座ってたり、結構そうするとやっぱり傷とか色あせみたいなのはたくさんあったんですけど、
そういうものを見ながら、ちっちゃい子がいる家庭にあったのかしらとか、わかんないんですけどね、実際のところは。いろんなことを考えながら、前どういう人使ってたんだろうとか、そういうことが一つ自分の楽しい妄想だったりとか。
今日冒頭でガンチャーを入れてた茶風。中国茶は急須のことを茶風、茶の坪って書くのかな。茶風って呼ぶらしいんですけど、これも新品のものではなくて、1980年代っておっしゃってたんで、40年前とかですかね。
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に、中国の福建省の茶葉をプロモーションするためのプロモーションツールとして作られた焼き物らしくて、この茶風の腹の部分に文字が刻まれてるんですよね。中国福建省茶葉なんちゃらかんちゃらみたいな。
もともと人の手に渡りながら使われてきたものにすごい楽しさを感じるというようなところがあったりします。
もう1個この本で面白かったのが、修善っていう言葉ですよね。物を直すっていう感じの言葉だとは思うんですけど、この本の中では復元っていう言葉と修善っていう言葉のどういうふうにその2つを捉えてるかっていうことを著者の方が書いていて、
復元っていうのは元の本と全く同じ状態にするっていうこと。何なら壊れとか汚れの気配すら消して、新品同様に戻していくっていうのが復元。
ただ、このジェヨンさんがやってる修善っていうのはもう少し幅の広い言葉らしくて、もちろん復元的に完璧に戻すっていうのも含まれるんだけど、
例えば、その本の中にある汚れとか落書きみたいなものはこれまでの痕跡として一部残したまま引き継いでいくっていうことだったり、
例えば壊れてしまった表紙みたいなものも元通りにするっていうよりも、何か新しい、これから先もっと愛してもらえるような新しいデザインや想定で新たに作ってもいいし、
何かそういう完璧に元に戻すっていう以上の、その本がどういうふうに生まれ変わって今後生きていくかみたいなことに合わせて作ってあげる。
そんなようなことをこの方はおっしゃってました。
結構ですね、中には面白い本がたくさん出てきてて、そういう意味では本だけじゃなくてですね、何か紙に関わるもの。
写真のアルバム、古い昔のアルバムだったりとか写真立てみたいなものもこの方は直してるんですけど、
もともとペンギンブックスっていう、わかりますかね、オレンジでペンギンがついてる、結構なんて言えばいいんだろうな、カジュアルな想定のシリーズがあるんですけど、
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使い古されたペンギンブックスの一部を切り取ってハードカバーに再生してあげたりとか、
もう昔のフォントで表紙に書いてある白押しの文字が復元できないものをちゃんと写真でスキャンして、
もう一度そのフォント通りに作ってあげて金の白押しをつけてあげるとか、
いろんな直し方が写真と言葉と両方で読めるとても面白い本になってます。
多分いろんな書店さんでまだお取り扱いあるのかな、オンラインも含めて手に入る本だと思いますので、
ご興味あればぜひ読んでみていただけたら嬉しいです。
では今日はこちらで第一回、中国のVガンチャーをいただきながら書籍修繕という仕事、ジェヨンさんの作品をご紹介しました。
それではまた。
13:27

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