それでは最前線を探検しに行きましょう。
それでは本編です。今回のテーマは、小一プロブレムを改善したいということで、
大ちゃん先生ではなく、大ちゃんの奥様、王のよしみさんに来てもらっています。
こんにちは。よろしくお願いします。
今現在、小学校1年生の担任の先生をやっているということで。
はい、そうなんです。今年度、ちょうど小学校1年生の担任なので、
ちょっと関心のあるというか、関わっているテーマかなと思っています。
いいですね。1年生の子たちどうですか?クラスの子たちは。
とってもかわいいです。本当に。
入学の希望あふれる感じと、これもできる、これもできるって日々できるが増えていく感じと、
すごく毎日積み上げているのが一緒に楽しいですね。
いいですね。先生の醍醐味ですね。
今回のテーマである、小一プロブレムなんですけども、よくキーワードであるんですけども、
どういうプロブレム、問題がある言葉なんですかね?
そうですね。SNSとかを見ていても、私の中で2つ側面があるのかなと思っていて、
1つは親御さん側の大変になるっていう問題、持ち物の管理ですとか、
あと、陶芸校と自分の仕事の時間が合わないっていうのがあるのかなと思います。
2つ目っていうのが、学校生活の中の方の問題で、
幼稚園、保育園の過ごし方と学校の過ごし方のギャップに子どもたちが戸惑ってしまって、
うまく先生の話を聞ききれないとか、ずっと座っているのが難しい、
だから学校に行きたくないっていうふうに、うまく学校生活になじめないっていう2つ目のことがあるのかなと思っています。
なるほどね。両方とも深刻な問題っていうかね、
新しい生活だと、どうしても家族ともども大変な部分ってありますよね。
そうですね。4月はみんな乗り切ったっていう感じですよね。
その中でも、ご家庭の問題はご家庭の問題、陶芸校の問題ももちろん大変だと思うんですけども、
今回は学校生活の中での問題を、せっかく小学校1年生の担任先生でいらっしゃるので、一緒に考えてみたいなと思っております。
実際に子どもたちと過ごしている中で、小1プロブレム、実感することってありますか?
そうですね。例年でいくと、ご入学式が終わって、
次の日の朝から、支度が終わったら、座って静かに先生を待って、朝の会をしてというふうな流れになっていくと思うんですけど、
そこのいきなりずっと座ってるっていうところに、抵抗があるのかなというのがあって、
ちょうどスタートカリキュラムっていうのを、おそらく全校作っていると思うんですけど、
スタートカリキュラムを1年生の担任になったときに、それを目を通したときに、
もうちょっとできることあるかなっていうのを、春休みに考えてたんですよね。
スタートカリキュラムって何ですか?
保育園、幼稚園の縁生活から学校生活への移行をスムーズになるように、急に異世界にポンって送り出すんではなくて、
だんだん学校生活になじんでいける橋渡し的なカリキュラムのことです。
それは全国全校で設定されている。
おそらく。
ただね、全職員が毎年読んでるかというと、正直私とかは1年生の担任になったからよし読むぞっていうような、
各学年それぞれ持ち場があって、それぞれ準備することがあるので、
毎年全員が読んでるかっていうと、ちょっとてんてんてんみたいなところですかね。
確かに幼稚園、保育園での縁生活と小学校の生活ってやっぱ違いますもんね。
そうですね。自分の子供の送り迎えをするようになって、
保育園ってこういうふうに過ごしてるんだなっていうのを、この2年間目にすることがすごく多かったので、
それで感じたっていうのもあります。
やっぱり1年生と接してる中で、なかなか小学校になじめないなとか、
がんばれっていうときって4月は特にあったりするんですかね。
そうですね。一人で登校してくるっていうところからまず第一歩があって、
自分で教室まで行って準備をしてっていう。
6年生とかがお世話ですごくサポートはしてくれるんですけど、
やっぱりおうちの人と一緒じゃないっていうところはまだっていうところですからね。
そういうドキドキする日を乗り越えてね、またいろんな成長していくんだと思うんですけど、
でも寂しいなって気持ちがちょっとでも短くなったりしたらいいですもんね。
そうですね。
さて、このゲストに来ていただいたのは他でもなく、
だいちゃん先生から、妻、よしみさんはどんな人ですか?というふうに聞いてみました。
そうしましたら、だいちゃん先生は素敵なことを言っていたんですけど、
よしみさんとは体現者であるというふうに言っていました。
体現者なんですか?
体現者ですか。体現者。はい。
体現者。さっそく解決に向けてってことですかね。
その心はですね、だいちゃん先生自体は本当にいろんな学校に行って、
いろんな自由になるようなことを一緒に作り上げていってるじゃないですか。
番組の中でも、こういう方法があるよ、こういう方法があるよって、
いうふうに言葉で言ってくれてるけど、
それをすると、実際に現場でやっているのがよしみさんであるというふうに言っていました。
あら、うれしい。
そうなんです。1年生の朝を少しでも楽しくしたいということで、
ちょっと今年度、学年3クラスなんですけど、
単に3人で始めたことがあるので、ちょっと紹介してもいいですか?
ぜひお願いします。
イメージしてもらって、朝小学生が登校してきます、ランドセルを片付けます、
だいたい自分の席に座って待ってたりとかが多いかなと思うんですけど、
朝の時間、自分で選んで活動できることがあったら楽しいんじゃないかなっていうのを思いまして、
なんで思ったかというと、自分の子供の朝、送りを行った保育園が、
支度をしたら、自分で好きな遊びを始めていいんですね。
子供たちは、おうちの人と離れて、もうすぐ自分のやりたい遊びをしていくので、
顔がすごく満たされてるなっていうのを見て、
これ、学校でもできるんじゃないかなっていうふうにちょっと考えまして、
いろいろ調べたんですね。そういう取り組みしてる自治体ないのかな。
横浜市のほうで、スタートカリキュラムっていうので、今話したような、
活動を選ぶ時間っていうのを実践してる自治体があったので、
その資料をちょっと読み込んで、これちょっと私の学校でもできるかもしれないと思って、
朝の支度をしてから、1時間目の少しかかるぐらいまでの時間なんですけど、
子供たちが選んで活動していい時間っていうのを、
仲良しタイムっていう名前にして、ちょっと設けることにしてみたんですね。
いいですね。仲良しタイム。どんなことが選べるんですか?
例えば、ちょっとレベルアップしていくんですけど、
一番初めの入学期は、一人でも遊べるもの、あと動きを伴わないもの、
走ったりするとやっぱり危なくて、結果的に指導することになっちゃうと本末転倒なので、
一人でもできる折り紙、自由帳、本読み、
あと形のブロックっていうのが、1年生の教室に私の学校常駐してて、
三角形とか六角形とかのちっちゃい積み木みたいなのがいっぱいあるので、
その形のブロックっていう名前にして、
いいですね。
一歩目。
選べるっていうのが場所で選べる教室1、2、3クラスと、
あと廊下にも本を読めるコーナーとかっていうのを作っておくってことなんですかね。
そうですね。
廊下も縦札を作ってあって、形ブロックの縦札、形ブロックコーナー、
おはじきコーナーみたいな札と、
あと低めのザタックみたいのを置いといてあげて、
その場所に来た子たちで思い思いに遊ぶ。
途中移動もOKにしています。
じゃあ今日はここで一緒に遊ぼうよみたいな感じでお友達同士行ったりもするんですかね。
そうなんです。
ネームプレートを廊下に貼る仕組みにしていて、
遊びのシールが貼ってあって、
折り紙で遊ぶ子は折り紙のところに名札プレートを貼る。
おはじきに移動したらおはじきに移すというふうにしているんですけど、
ちょっと見かけた光景があって、
みんなの名前を見て、
この子友達になった、この子友達になった、
この子まだ話せてないから、この子がいるおはじきのとこ行こうって言ったりして、
友達を増やす道具としても子どもたち使ってて、
すごいなと思って。
一歩目は一人でできることですけど、次のステップを教えてください。
はい、次のステップはまさに来週からやろうとしてるんですけど、
トランプとか、あとは絵カードを置いておいて、
3ヒントクイズ、私は誰でしょうゲームみたいな形。
例えばリンゴの絵札を引いた子は、色は何ですか、赤ですみたいな感じで、
友達とやりとりをして遊ぶものとか、
あとは子どもからマンカラないのっていうリクエストを受けまして、
学校の中探してみるねって言って、4月探したんですね私。
そしたら教材室の隅っこの方にマンカラあったので、マンカラを出します。
ちょっとずつ友達と関わる遊びが増えていくように、
レベルアップしていく予定です。
確かに輪が広がって、もともと友達じゃない子とも、
一緒に触れ合って仲良くなれそうですね。
そうですね。
ここまでが縁の生活からつなぐ、友達とつながる。
先生たちとも話せるので、
3人以外の先生とか、支援員の先生とかとも話ができる。
友達先生とつながる。
最後が私たち大人の出番なんですけど、
教科学習へつなげる。
1年生なので、教科でいうと、算数・国語・生活科があるんですけど、
例えば算数でいうと、
かたちブロックっていうつゆめきみたいなブロックを並べて遊んでる子がいたとして、
私がそれを見かけると、タブレットで写真撮っておくんですね。
今ちょうど1から5の数とか、6から10の数みたいな数の学習を算数でしてるので、
並べたこの写真を電子黒板に写して、いくつあるかなとかいうと、
子どもたち、教科書でも数えますけど、
友達が作ってる作品、誰々くんやってたやつだって言って、
一生懸命数えたりとか、
そういうふうに教科につなげられるように、
いい姿の写真を納めるというのを、実は仲良しタイム中にやってます。
例えばどういう教科で具体的につながっていくんですかね。
算数のかたち・数。
おはじきも算数につながりますよね。
折り紙は子どもがおったやつの写真を撮らせてもらって、
さあ、これ何でしょうというクイズ形式で、その写真を電子黒板に写して、
あ、猫だって言ったら、猫、じゃあ書いてみようみたいなかたちで、
ひらがなの学習につなげる、などですかね。
じゃあ朝、友達と自分で選んだ場所で、自分で選んだ遊びで楽しく遊んでいたものが、
ふつうの間にか授業で、あのときのものって言って、画面の前に出てくる。
そうなんです。それがけっこうワーって盛り上がるので、
ただね、遊んで楽しく過ごしていると思いきや、それがちゃんと学習になっているっていうのを、
私たち大人も子どもも実感できる場面が多くあるので、
素敵な活動かなと。
いいスタートがあけれそうですね。
そうなんです。けっこうね、朝やっぱりどうしてもね、気持ちが落ち込んでくる子とかもいるんですけど、
みんなで朝の会とかを始めちゃってると、ちょっと待っててねとか、
支援員の先生に話聞いてもらってね、になってしまうんですけど、
みんなはこう自由に活動してるので、担任とかが話を聞く時間があったりとか、
朝の学習が始まるまでに、ちょっと気持ちを立て直すための時間をとれたりとかするので、
朝ちょっと弱った状態で来ても、復活させてあげられる時間が私にもあるので、
そこがすごくいいかなと思ってます。
実際に子どもたちの様子いかがですか?
すごくね、楽しそうに遊んでます。
とはいえ、最初はコアに入れなくて、見てる子もいるんですけど、
それもいいよって声かけたんですよね。
どんな遊びしてるか、お散歩してみておいでっていうふうにすると、
じっくりいろんなところを見てた子が、だんだん遊びに入れるようになったりとか、
ちょっと遊ぶ気分じゃないかな、お手伝いないかなって私に言ってきてね、
ずっと私と一緒にいたような子が、友達を作って、友達と遊ぶようになったりですとか、
そういう変化が1ヶ月の中ですごく見られたので、
よくね、小学校生活楽しんでくれそうだなと思ってます。
これはまだ始まったばっかりってことなんですか?
そうなんです。
実はこういうのやってみたいんですよねっていうふうに学年の先生に相談して、
全然ちゃんと練り上げたプランじゃなかったんですけど、
一緒に組んでる先生たちが、楽しそうだからやってみましょうよってのってくれて、
一緒に作ってる途中のプログラムで、
小学校なので時数とか、国語は何時間やりました、算数何時間やりましたみたいなのを報告するんですけど、
とりあえず生活科3分の1で今とってて、
今年やってみて、ちょっと時数のバランスが悪かったら修正をかけようねっていうスタンスで、
他人の先生もOKしてくださって、
校長先生もとりあえずやってみたらいいんじゃないっていうOKをくださって、
スタートしだしたプログラムなので、これからどう育っていくのか、
私自身もちょっと楽しみというか、そういう活動です。
またその自分のクラスだけじゃないってのがいいですよね。
学年3クラスみんなでできてるのがいいですね。
そうなんですね。
ちょうど私の学校も学年単人制っていうのを今年度から始めてて、
クラスの単人だけじゃなくて学年でみますよっていうのの一環としてもやってるものなんですけど、
とはいえ1年生なので、この単人が入れ替わって授業とかがまだちょっとイメージが難しいねっていうので、
じゃあみんなで活動して、子どもも大人でみんなでみようねっていう活動にしてるので、
他のクラスのこの様子も知れるので、すごくチームで育ててる感じは出せるかなと思います。
なんかいいことしかないですね。
そうですね。今のところデメリットないですね。
じゃあすごいそもそもの課題感でいうと、どんな課題感があって何を解決しようとしたんでした?
そもそもは学校好きって思ってもらいたいが願いで、
とはいえいきなり座って先生の話を聞きましょうっていうのが難しいお子さんもたくさんいる。
それはお子さんが悪いわけではなくて、今までの生活とのギャップに怖かったりとか、
あとはもうちょっと発達段階的に体を動かしたい時期だったりとか、そういうことがある。
ならばこの話を聞きなさいっていう聞かせるようにするのではなく、
子どもたちがちょっと動けるような自分で選べるような無理のない環境をしつらえて、
学校生活に馴染んでもらいたいなっていうところですかね。
ほんとおぼきょう始まって4年ですけど、
選ぶ、カスタマイズとかって言葉って始めからずっと出てるんですよ。
やっぱり先生たちもそうですけど、子どもたちにとっても選べるってやっぱりいいことですよね。
そうですね。やっぱり自分で選んだもののほうが気持ちが入るので、すごく積極的に取り組めるだろうし、
学年あがってそういう学習をさせていきたいって本校もやっぱり思ってるので、
1年生のうちからそういう当たり前に選ぶんだっていうようなことを習慣付けてほしいっていうのもあるかな。
なるほどね。
よしみ先生ご自身は、そんなふうに先生たちとみんなで、
子どもたちのためにはこんなふうにしてみようよみたいなことを提案されることが多いんですかね。
実はそういうのが言えるようになったのは、ここ数年ですかね。
割と私場を読むのが得意なほうなので、場を読んで黙ってしまうっていうタイプの人だったんですけど、
ここ数年はこういうのやってみませんかっていうのが、だんだん言えるようになってきた人間ですね。
きっかけはあったんですか?
きっかけは、私の子どもがすごく自分の意見言うんですよ。
さっきも一緒にすなさんでランチャー食べましたけど。
すごいですよね。このね、あったの実際2回目3回目で、あんな感じに想像できると思うんですけど、
あれちっちゃい時からね、公演デビューした時からガンガン自分の意見を言うんですけど、
私はちょっとなんか場を読む人間なので、そんなこと言ったら嫌な思いさせないのかなとか、ちょっと心の中で思っちゃうんですけど、
でも意外とそんな嫌な顔されたことなくって、みんなこう受け入れてくれたりとか笑顔を返してくれたりとか、
なんならその場で友達になって遊び続けるみたいなことを多く目にしてきて、
あ、思ってることって言っていいんだみたいなのを娘から教わりました。
わあ、それ面白い。だって我々にもゲストに出てくれた高橋陽平教育長のこと、陽平君って呼んでましたよね。
そうですね。陽平君、たぶんお散歩してくれるお兄さんだと思ってますね。
子供から学んだ。
じゃあ、もともとのご自身の性格であったり、仕事のスタイルっていうのをちょっと変えてみようっていうふうに思ったってことなんですか?
そうですね。思ってることは言ってみてもいいかもしれない。それで迷惑をかけちゃうって前は思い込んでたんですけど、
あ、それは思い込みかもしれないっていうのを最近思えるようになってきて、
そしたら、枠が外れたみたいに、私も楽しいし、周りの人も私が相談するので、相談してくれるようになったりして、
じゃあ、これでやってみようとか、あ、それなくしてもいいんじゃないとかを結構気軽に言い合える仲間になれたんですね、同僚が。
なので、今回のも提案しやすかったですね。
じゃあ、小1プロブレムがあるし、小学校1年生の先生になったからってことでスタートしたというよりは、
その前からの関係性がある程度できていて、お互いにも今こう思ってるんだよってことを言い合える仲間だったってことなんですかね?
そうですね。同僚がこれやってみたいよ、言い合える関係だったっていうのは大きいかもしれないですね。
たぶんね、気を使う私だったら調べて終わりみたいな。
良さそう、でも言えないから終わりみたいな形で、たぶんきっと胸にしまってただろうと思うんですけど、いいですよね。
思ったことを提案できる同僚って素敵だなと思います。