2022-03-17 20:55

#11 ASOMANACTIVE 日景太郎さん(中編)「探究しようぜっ!」

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2人の経験した探究授業 / 夏休みに文化祭の企画書を作ってきた / 国語には「学校生活をより良くする」という単元がある / キャッチコピーは「創新超越」 / 運営の面接も本気 / 先生が作ったわけでも考えたわけでもなく、生まれたものだった / まさに社会に出てから必要な要素 / 子どもを子どもと見てはいけない / 答えのないものを作り上げるプロセスを忘れない / セクシャルマイノリティーの方の授業 / 現場のリアルに立ち会う学び / 本物であり本気でもあった / お父さんが作った「はちみつの授業」 / 売り上げて修学旅行に行く / 本気で本気になれる場をクリエイトしたい / 「探究にケガはつきものだ」


《 ゲスト:日景太郎さん 》

1996年生まれ。秋田県出身。
認定キャリア教育コーディネーター、謎解きクリエイター、ASOMANACTIVEリーダー。
法政大学経営学部卒、新卒でおもちゃメーカーを経験し、現在は独立しキャリア教育コーディネーターとして小学校〜大学まで幅広く授業運営・構築を行う。
その他、謎解きイベントの企画や、街の施設を舞台にした謎解きプログラムを企画・開発などを行なっている。

Twitter : https://twitter.com/asomanactive


《 つぼけん 》

1982年生まれ。東京都出身。
大学の自主映画サークルで映像制作の面白さを知り、2005年に映像の制作会社に入社。カメラマンディレクターとして多くのテレビ番組に携わる。
子どもが小学校に入ったことがきっかけで、日本の学校教育に関心を持つ。人生の目標は「Happiness Creactor」(=自分も他人もしあわせにできる創造力をつくる)


《 大ちゃん:大野大輔 》

1991年生まれ。東京都出身。
学校と自分が嫌いだった小学生時代を、当時の恩師が幸せに変えてくれたことがきっかけで教師の道を志す。
現在は東京都北区立赤羽小学校の研究主任として、児童に自己決定のある授業や、みんなが幸せで働きやすい職員室づくりに挑戦中。
人生の目標は「全国の共育者と子どもを幸せにすること」
座右の銘は「最高のNo.2」「認任」

○ともはぐ(共育)代表
○教育の窓口 共同運営
○REACHER BASE 共同運営
○先生の幸せ研究所 第3期
○オンライン市役所 東京都会幹部


感想はTwitter「#ほぼ教」でつぶやいていただけたら嬉しいです!
【つぼけんTwitter : @tsuboken_mol】

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いやでも、キーワードが出たところで、2人がどんな授業を、探究っていうキーワードでこんな授業したなっていうのを具体例を聞けたら、めっちゃいいなっていうふうに思ってまして。
じゃあ、大ちゃん先生から簡単に伺ってもいいですか?あの授業って探究的だったし、子供の表情も良かったなみたいなの聞いてもいいですか?
ありますね。これがですね、私から提供してないものだったんですよ。
だから、突然現れた、生まれたっていうイメージなんですけど、子供がですね、夏休みの自由研究で企画書を作ってきたんですよね。
そこに文化祭って書いてあるんですよ。文化祭なんてないんですよ、うち。
ないのに?ないのに企画書を書いてきたんですか?夏休みに。
ないんですよ。作ってきたんですよ。それで、一体これは何?って、すごい私もテンション上がったんですけど。
あえてちょっと冷静に、これは何?って聞いたんですよ。先生、文化祭やりたいです。って子供が言ってくるわけですよね。
どんな文化祭なの?って聞いたら、もうなんて面白そうなんだって、私は思ったんですよ。
で、そこで、やれませんか?って聞いてきたから、どうやったらやれるんだって、私はあえて冷静に問い返していくわけですけど。
私、そこで気づいちゃったんですよ。これ、きっと学びにできるなと思ったんです。
で、一緒に担任している先生と相談して、これ何の学びとして位置づけられますかね?って。
探してったらですね、国語の教科書に、学校生活をより良くするっていう単元があったんですよ。
これだと思って、じゃあもうこれ国語でやろうって。
で、その提案してきた、企画書作ってきてくれた子供から全体ですね、6年生全体に提案をしてもらったんですよね、プレゼンです。
実際にその子がGoogleスライドを使ってプレゼンをするわけですよ。
もうね、みんなもう心震えるわけですよ。先生、この国語最高です。
で、そこから始まって、みんなでじゃあどんな文化差にするかっていうので、キャッチコピー決めようって。
で、創新超越って言って作る新しいこえるこえるっていう、なんか四字熟語。
子供たちが作ってですね、先生ポスター作りたいですって言って、運営の子たちがポスターを作り。
で、なんか面白かったのが、なんかね、運営を募集しますっていう、なんか張り紙が貼ってあったんですよ。
で、そこにオーディションしますみたいな。
僕何も聞いてないんですけど、オーディションします。いついつどこに行ってくるかって書いてあったんですよ。
で、僕そこ行ってみたら、なぜあなたは運営をやりたいんですかって、面接ってあったんですよ。
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面接して。
子供と、しかもね本気なの。
で、来る人も、私どうしても謎解きの要素をパンフレットに入れたいんですとか、
体育館イベント作りたくてとか、その本気の面接があるわけですよ。
で、なんか5秒ぐらい、では5秒間で、今から考えますって言って、1、2、3、4、5、採用ですとか言って。
即決。
即決かいって。それでね、運営やったりとか。
で、それで運営たちでいろいろ問んで、子供たちにまた、じゃあ今からお店を作っていくんですけど、このテーマにあるように、
送信超越にふさわしいお店を考えてくださいって問いが来るわけじゃないですか。
これ答えないですよね。
これ先生じゃなくて子供から出るかって。
で、みんなグループで送信超越をテーマに考えるわけですよ。
そのまままさにプロセスが、探求だなって思ったんですけど、
それ別に私が作ったわけでもなく、考えたわけでもなく、生まれたものっていうところが、かなり僕は嬉しかったですね。
めっちゃいいな。熱いですね。
これは良かったですね。これは良かった。
なんならポスター作ったら美術だし、送信超越を筆で書いたら書道ですし。
組織組んでオーディションやってとか、文化祭を実際に実行まで持っていくなんて、
まさに社会に出てから必要となる要素というか、コミュニケーション能力とかいろいろあるじゃないですか。
ありますね。
それ5、6年生とかですか。
6年生ですね。
6年生、音出すよ。音だと思います。
子供を子供と見ちゃいけないみたいな。
本当そうだと。一人の人間としてやっぱり尊重しなきゃって思って。
私がすごいなと思ったのが文脈ですね。
主催の子に、なんでやろうと思ったのって聞いたんですよ。
そしたら、コロナでいろいろなくなったと。だから作りたいんだって言うんですよ。
その動機って多分本物で、その子にとってはもう本当に解決したい課題なんですよね。
で、やっていくのがワクワクするし、答えがないものをみんなで対話しながら作り上げていくっていうプロセスに私はかなり心動いて。
これ多分一生忘れないですね、僕ね。見ていた自分も多分忘れないし、子供たちの中でも刻まれたんだろうなと思います。
めっちゃいいなあ。本当それこそ一生忘れないだろうし、仲間の絆もきっと深まるんだろうな。
まあもちろんね、喧嘩したりとかももちろんあるんでしょうけど。
それも含めて本当にオーセンティック、本物の学びっすね。
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そうですね。
ありがとうございます。
では、太郎ちゃん。
はいはい。
こんな単純的な学びの場、作ってみたなっていうのをぜひ伺いたいです。
そうですね。今の大野さんの話の後で、何か語れるかなってずっと考えてたんですけど。
そうだな。
単純にこれ入るかわかんないんですけど、先ほどのオーセンティックと関わってくる文脈の一個として、
それこそ印象に残っているのが、このコーディネーターとして研修生で入っているときの後半の高校での学習なんですよ。
何やったかっていうと、ちょうどコロナ真っ盛りだったんで、
オンラインで全国の先生であったりとか、NPOの代表とか呼んで、その人たちの話を聞くっていう舞台ではあったんですけど、
その中で、LGBTを世界に広めますみたいな代表の方を実際にお呼びして、
その方自身もセクシャルマイノリティだったんですよ。
僕自身もいろんな経験してきましたみたいな授業の中で、
当時、Zoomでつないでチャットで質問をするみたいな授業だったんで、
授業の最後の方に代表の方が、実際誰にも言えないけど、この中でいますか?みたいな声をしたんですね。
そしたら、僕ら自身も一緒にZoom入ってたんで、どうなるかなって思って見てたんですけど、
3人手挙がったんですよ。
それ、名前わかる誰かもわかる状態なんですか?アンケート的なことなんですか?
いや、匿名かな。匿名で手挙げてもらう。
ああ、匿名で。
で、それ見て、まずああってなって、これはすごい場に出くわしたなって思って。
ただ、その後に語ってくれる代表さんの言葉が、
そうだよねって、今僕らみたいな立場に置かれてる人って誰にも言わないんだよ。
親にも言わないんだよ。
言っても信じてくれないのもあるし、みたいな話をすごくしていて、
じゃあ、逆に今手挙げてくれた人以外の方たちに質問したいと思います。
今、3人手を挙げてくれました。
その方たちについてどう思いますか?って質問して。
で、ただすごく、わあ、よかったなって思ったのが、
その残りの人たちからのチャットというか、リアルな声として、
いやもう、普通にその人ありのまま受け入れますとか、
友達です、みたいな、っていう空気になって、
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で、なんて言ったらいいんだろう。
実際に、いわゆる先ほどのSDGsとかっていう言葉がいっぱい出てきて、
受け入れようとか、認め合おうみたいな、言葉ではよく聞くじゃないですか。
じゃなくて、現場で、もうその場に立ち会った瞬間、みたいなので、
オンラインで繋がったんですけど、その講師の方も真剣だったし、
教室の中の生徒さん、30人ぐらい、もうすごい本気の空間になってて、
学ぶっていうか体験するって、その現場のリアルに立ち会うってこういうことなんだなっていうのをすごく実感したっていう経験があって、
ちょっと3級とは添えれちゃうかもしれないんですけど、本物に触れるって、
こういう多学反応というか効果があるんだなっていうのは、すごくその場にいて学んだことでしたね。
おそらく、もちろん本物でもあるし、本気だったんでしょうね。
その場の空気はすごかったです。
だって難しいじゃないですか。1時間の授業でってことですよね。
そうです、そうです。
1時間の授業の中で、自分自身の経験も話しつつ、他のLGBTの状況も話しつつ、
自分の気持ちにも引き込んでいって、じゃああなたはどうなのっていうことを立ち帰ってもらって、
3人上がって、それについてどうなのまで1時間の間でいけるって、
なかなかパッと考えてできるようなことでもないでしょうし、
すごい覚悟と準備と真剣さが生んだ空間だったんじゃないかなっていうのは想像できますね。
ありがとうございます。
本物の人が喋る言葉による現場の空気感みたいなのがピリッと変わったんですよ。
その問いの瞬間に、他人事じゃなくなったみたいなのがあって、
僕もすごい、なぜか泣きそうになっちゃいました。授業終わった後に。
こういうことか。
そのぐらいの生徒さんだったら、ホモとかオカマみたいな悪口とか、
じゃれ合うようなことで言ったりとかもする世代もするでしょうけど、
それ知ってしまったら軽々しく言えなくなりますもんね。
私、すごい素敵な生徒さん方でしたね。
すごいその後、あったかい空気になって、みんな大丈夫だよみたいな。
それはすごいところに立ち会いましたね。
そうですね。
受賞が受賞なだけに、何て伝えていいか僕もすごい迷ったんですけど、
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それが直近で感じることにできた、すごいいい体験だったなと思います。
なるほど。ありがとうございます。
太郎ちゃんが秋田県の子供の時に体験した、
あのプログラムは探究に近い気がするけどね。
ひまわりのプロジェクトですか。
あれ実は僕が卒業した後に始まったプロジェクトではあるんですよ。
これちょっと自分の親父の話にもなってくるんですけど、
最近知ったのが自分の父親が、それこそ秋田で授業をやってる人なんですけど、
小学校の校長先生とタッグを組んで、
そういういわゆる本物のキャリア教育授業を10年間やってましたっていう経緯があって。
お父さん別に先生とかじゃなく。
もう全く関係ないです。
どちらかというと地域人ですね。
地域全体を元気にするために地元でちっちゃい会社作って授業を営んでるみたいな。
そういった中で何やってるかっていうと、
僕の生まれ育った釈迦内小学校って小学校あるんですけど、
一学年60人とか70人ぐらいの、今もたぶんそんなにいないかな。
学年全体で、5年生とかで始まるのかな。
夏に地域の人と巻き込んで、ひまわり畑、釈迦内地域にバーって植えるんですよ。
そしたら夏めっちゃ綺麗に花咲くじゃないですか。
秋になって花が枯れて、種が取れます。
そこから面白いのが、その種も子どもたちと地域の人連携して油に変えるんですね。
加工して食用のひまわり油に変えます。
その間に子どもたち自身がプロデュースして、
油のパッケージ考えたりとか、瓶の形考えたりとかして、
秋以降に実際にそれを地元のスーパーで子どもたち自身が販売をする。
売っちゃう?
売っちゃう。
生産から加工、販売まで子どもたちが実際に自分の手でやりながら、
最終的に頑張って売り上げたお金使って、
次の年の修学旅行に行っちゃう。
稼いでる。
自分の旅費を稼いでるわけですか。
稼いだ分で、通常1泊2日とかの2泊3日に遠泊して、
そこで北海道行くんですけど、民泊なんですよ。
民泊して、
僕の地元って秋田県の内陸で畜産業とか漁業に触れる機会少ないんですね。
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だから修学旅行の場を使って、
普段経験できないことを経験しましょうって言って、
漁師さんのとこ行ったりとか、畜産やってる人のとこ行ったりとか。
すごくないですか、これ。
自分の汗水垂らしたお金で、稼いだお金で、
学びに行ったら、そりゃあ真剣に勉強するでしょうねって思いますし。
わかるわかる。
すべてのプロセスが最高っすね。
すごいですよね。
これを10年間やってましたみたいな。
パパ。
パパ、いい意味でムカつきますよね。
負けてらんない。
負けてらんないっすね。
原動力。
正直そこも原動力なんですよね。
僕もそれに負けないくらいの、子供たちが本気になれる教育の場を作りたい。
だから自分自身が何か教えたいとかではなくて、
本当に本気になれる場を提供というか、クリエイトしてあげたい。
用意してあげたい。
そこでさ、子供たち踊れみたいな。
好き勝手学んで本気になってくれ。
そういう思いでこの2年間は動いてもがいてます。
なるほど。
キャリア教育コーディネーター。
かっこいい。
なんか結構わかってきた部分があって、
ひまわり育てて綺麗だねとてもいいことですし、
理科の授業でもあるわけじゃないですか。
それをイラストをつけたいとかする美術ですし、
で、売るってなったら当然計算も必要ですね。
数学も必要になってきますし、
じゃあどこの修学旅行行こうかとかだったら社会にもつながっていくわけですし、
地域のことを知るっていうのは社会でもあったりすると思いますし、
いろいろたくさんキーワードが出てきた中で、
探求の強化横断っていうのもまずドンピシャですもんね。
そうですね、まさに。
そしてやっぱり心震える瞬間でもありますね。
絶対忘れないですもんね。
忘れないし、
一個思い出した言葉があって、
水手先生って方、かなり改革者の先生がいるんですけど、
その先生が、探求に毛皮つきもんだっていう話をされてるわけですよ。
で、どういうことですかって聞いたら、
簡単じゃないんだと。
それを解決していく子どもたちは本気だけど、
難しいんだと。
だから途中、例えばトラブルがあったりとか、
うまくいかなくて、
つまずいたりとか、
だからこそさらに本気になって、
友達と共同して、
で、いろんな人の力を借りて、
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それを成し遂げていくんだと。
その怪我がつきもののプロセスに、
本物って言葉がつくのではないかっていうのをね、
私今新しい発見しました。
確かに。
修学旅行のために行ったと思って、
10年やってるから、
前年もその前もめっちゃうまくいったから、
大丈夫でしょって、
もし軽に思したら、
すごい霊化で全然育たなかったみたいなことはあり得るわけですよね。
あり得ますよね。
それは悲しいだろうなって思うし、
でもそんな学びってないですよね、きっとね。
ないですね。
あえて戻ると、
文化祭もうまくいかないとこいっぱいあったんですよ。
それ、普通のお店じゃないかって考論してる。
なるほど。
いいこと言うなと思って、
僕ちょっと様子見たんですよ。
それじゃあお楽しみ会でできるじゃないかって。
違うよって言って、
そのお店考えた人たちは、
じゃあもう一回考えるかって言って、
考える。
で、もう一回提案して、
で、それもダメだったんですよ。
ダメっていうか、
いや、もっとできる、もっとできるみたいな。
それじゃないってなって、
最終的にすごい素敵なね、
最高のお店ができたんですけど、
そこにもやっぱり怪我があっただろうし、
口論もあったし、
そこでさらに本気になっていったっていうのが、
あったんじゃないかなって思いました。
そうですよね。
僕も今のさっきのひまわりプロジェクト、
めちゃめちゃ端的に、
綺麗な部分だけつまみ取って、
今お伝えしたんですけど、
絶対にその過程とかでは、
現場の先生だったり地域の方の、
なんかもう、
綺麗な部分だけじゃない感情も
たくさんあったと思うし、
でも、その上にある、
活動の成果みたいなのがあると思いますよね。
うん。
作りたい。
負けてらんない。
ちょっと、
ふとね、
ごめんなさい、ここで早くさんでいいですか。
お願いします。
今ね、子どもたちの学びを、
探究的な学びを、
どうするかって考えた時に、
大人である、
私たちがね、
大人である私たちが、
探究的な学びを、
してるのかなって、
今ね、思ったわけですよ。
思っちゃったわけですよ。
来たぞ。
来たぞ。
いや、子どもにほら、
探究的な学び良いぞって言ってて、
あれ、大人の自分探究しとるんかって。
我々。
我々。
どうですか。
耳痛いっすかね。
そうだなあ。
確かに。
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