おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリュイチです。
加えて、来る10月15日に夏目社より新刊書が出ます。 井上平ホッタリュイチ長、言語学ですっきり解決英語のなぜ。こちらもどうぞよろしくお願いいたします。井上本です。
英語の語源が身につくラジオ heldio 英語史をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は9月28日日曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日も2週間ほど前に開催されました英語史ライブ2025よりお届けいたします。
9月13日のこのライブイベント、ケルフとヘルアメンバーによる主催だったんですが、多くのメンバーが集まりまして、複数の収録会場でいろいろなセッションを収録いたしました。
まだたくさん表に出していないものがありますので、これをどんどんこれからお届けしていきたいと思うんですけれども、今日もその一つです。
英語語源ハンドブックにこじつけて学ぶドイツ語 with Y.Kagataさん、英語史ライブ2025よりと題してお届けいたします。
Y.Kagataさんはいつもお世話になっております。ヘルアのコアメンバーでございます。
ドイツ語を学ばれながら、英語史にも関心を寄せていらっしゃいまして、他にもいくつかの西洋の言語を学んでいらっしゃるという方なんですね。
この1年間ほどいろいろとお付き合いさせていただきまして、Y.Kagataさんの言語的センスと言いますかね、非常に鋭いものをお持ちで、ヘルディオ、ヘルアの対談はもちろん様々なオフ会でご一緒させていただいております。
6月18日に刊行されました英語語源ハンドブック、この3ヶ月間私も広報に勤めておりますが、Y.Kagataさん、この英語語源ハンドブックについてもいろいろな形で応援いただいております。
フォトチャレンジでも様々な書店に赴いて、英語語源ハンドブックが書棚に掲げられているところを写真に収めてアップしていただいたり、そして今回ご紹介するこのブログシリーズというんですかね、連載なんですけれども、これがものすごい力なんですね。
英語語源ハンドブックにこじつけて学ぶドイツ語というシリーズを8月10日、今から1ヶ月半くらい前ですかね、始められまして、英語語源ハンドブック全体を網羅するのはさすがに難しいということなんですが、
ABC順で1回1つの文字ですね、第1回はA、第2回はBというふうに、その文字で始まる重要な英単語、これを皮切りに英語語源の世界に分け入って、さらには同じゲルマン語の仲間であるドイツ語、Kagataさんが学ばれているドイツ語の話題へと誘っていく、
という異色のブログなんですよね。このような角度から英語語源ハンドブックをお読みいただいているんだというのが非常に新鮮で、著者の一人として大変嬉しかったんですよね。
そしてそのブログシリーズ企画はですね、英語しライブ2025のために始められたという趣旨もありまして、本当に嬉しい限りなんですよね。
今回はこのYKagataさんの連載をご紹介しながら、英語×ドイツ語の面白い語源の話題についてお話を伺うことができました。
英語と関連する様々な言語を学ばれている方からの英語への眼差し、これは本当に貴重なんですよね。このような対談会が増えていくと良いなというふうに思っております。
今回もお時間のあるときにじっくりとお聞きいただければと思います。それではどうぞ。
こんにちは。
こんにちは。
このセッションは英語しライブ2025の中で、お昼近くに撮っているんですけれども、お相手はKagataさんということでよろしくお願いいたします。
はい、Kagataです。よろしくお願いします。
この間は横浜オフ会もですね、懇親会とホストをいろいろ勤めていただきまして、多くのリスナーの皆さんが既にご存知の通り、Kagataさんはドイツ語も勉強されながら、他にラテン語も勉強しつつ、
どういうわけか英語誌というものにも関心を抱いていただいてですね、しかもアイルランド絡みのところでもいろんな活躍をされているということなんですけれども、今回はですね、私が毎朝のようにコールしております英語語元ハンドブック、こちらも3ヶ月ほど前になりますが、
観光されまして、研究者から出て広く読んでいただけているということでありがたいんですが、これをですね、強力にプッシュしていただいているブログシリーズをお書きでですね、こちら皆さんにもご紹介しつつですね、
英語語元ハンドブックにこじつけて学ぶドイツ語という、これはたまらない、こういうアプローチでやっていただくと本当に嬉しいなというところなんですよね。漏れ聞くところによると、この英語語元ハンドブックを手にしてくださっている方は、英語関係者とか英語の先生というのを念頭に置いたとはいえですね、
方々からフランス語を勉強しているんだけれども、その観点から読んでも得るところがあるみたいなコメントをくださったりしておりまして、確かにこれドイツ語でもいけるし、フランス語、ロマンス系、ゲルマン系、どっちでもいけるかなという側面もあったりしますが、こういうふうにシリーズ化してブログを書いていただいているというのは、本当に常に広報していただいているような。
そうですね。
感じになりますし、しかも角度がね、やっぱり書き手であるとか多くの読み手とは違うところから来ているというところで、しかも趣向としては、ただランダムというよりはどういうやり方かをご自身から。
そうですね。基本的には感想をするつもりで、頭から順番にというところで、Aから本当に順番に読んじゃうと、Aが頭の語がずっと続いて飽きるかなということをラコラコさんとかの取り組みで感じたところがあったので、じゃあ私たちはAを読んだら次はBの一つ目、Cの一つ目というような感じで一つずつ拾っているというような感じに進めております。
例えばAAで言うと、
アンから始まって。
アンから始まって、ドイツ語の対応語であるとか関連する話題に引きつけながら読み解いていただいているという。
そうですね。
これはこんなにありがたい読み方で、濃く読んでいただいているというものはないですね。
そして最新のものが24回の記事ということで、ちなみにブログの全体のホームへのリンクを貼り付けておきたいと思いますので、たどってお読みいただければと思うんですが、24がYということでyearになっていて、これでXとZがないということなので、
このブログシリーズの狙いとしては一順。
そうですね。
まずはこれからまた色々と自由にピックアップしていただいたりということで、本当にありがたい次第なんですが、じっくりと読ませていただきまして、後半のもこれから追っかけて読むんですけど、前半のところなどで、
私もやっぱり英語史の観点からも、ドイツ語をやられる方からの発想で、やっぱり面白いというか、新たな謎が湧くみたいに、そこから私も新たに調べたりしたこともあったりして、ブログに書いたりしたんですけれども。
そんなところで、今日はとりわけこれまで24回書かれて、ここが面白かったみたいな話題を、より抜き2、3を教えていただければと思うんですけれども、まずは。
そうですね。比較的わかりやすく、今後にネタに使えそうなものとしては、まず1つはCのケーク。
Cのケークですね。
がちょっと面白かったかなと思いました。
これね、英単語としてはなんてことのない、何か深みがあるんですかと言いたくなるような感じですけどもね。
これがどういう意味合いで、どういう角度から面白いっていう風に。
ケークに対応する同一語としては、クーヘン、ケーキという意味の言葉がありますと。
その語源をたどっている中で、類義語として、ビスケットぐらいの意味の同一語でケックスっていうのがあるんですが、これもケークとかクーヘンとどうも同根であるらしいという話が見えてきて、
というところから始まりまして、ケックスが何かというと、英語のケークの複数形のケークスを借りて、クッキーとかビスケットのことをケックスと呼んでいると。
さらにドイツ語の複数形語尾にAをつけて、ケックス、クッキーズってことですけど、複数形になるわけなんですけど、
これっていわゆるチャイルド・チルドレンで英語だと出てくるような二重複数のドイツ語の例を発見したなということで、いいものを見つけたなという。
確かに。ケックスのSを特に複数形のSとは取り入れる際に認識せずに、それが全体で一つの名詞なんだろうということなんですね。
それはどういう食べ物なんですか?ケックス?
要はクッキーとか平たくてサクサクした焼き出しのもの。
それをドイツ語では割と普通にケックスみたいな形にして、複数形はケックスっていう。
これは比較的新しそうな感じがしますかね、その釈応というか、勘違いの釈応ですけども。
英語からドイツ語に入ったのが19世紀っていうことだったので、かなり新しい言葉ではあるんですが、
どういうわけだかケックスと複数形を単数で書いたっていうことがどうやらあったということで、
このハンドブックの方にも用語として挙がっている二重複数の英語、ドイツ語で見つけられたっていうのが一つ収穫だった回ですね。
そうすると基本語一語一語が割と歴史を覆えるっていうことで、新書のある意味タイトルになるぐらいの意味合いでブログを24回。
そういうことにもなるかもしれないですが。
今ケーキの英語語源ハンドブックの方で見ますと、クッキーと同語源とか空編だし、やっぱり指すものはケーキ、クッキー、空編ってやっぱり違いますしね。
同じ語源ですということは言えてもね。
でケックスっていうのもドイツ語でも出てくるし、これはだから文化語ですけど意外と厄介ですかね。
面白いっていう見方もできますけど、追いかけるには厄介なのかなと思いましたね。
そうですね。何でもない語なんだけれども、語源を追いかけると全然何でもなくないなっていう厄介というか深みがありますね。
なるほど。ケーキからそこまで持っていけるっていうのは素晴らしいですね。
ただこの英語語源ハンドブックでもワンコラム使い切ってるぐらいのもっと短い項目はいくらでもあると思うんですが、意外と深みがあるっていうね。
今のように考えればまさに深みがあるっていうことですね。
こちらはドイツ語における二重語と日がかかっているという話題でした。
じゃあ他には。
他には面白いネタとしては、ティーのテーブルも何気ないですよね。
これも今後ネタにできそうだなっていう。
発見があった一つですね。
どういう話だったかというと、同婚のドイツ語としてターフェル、黒板っていう言葉があるんですけれども、
この語源になったラテン語のタブラってありますよね。
これがドイツ語の歴史の中で複数回借りられていて、
今の時点でどうやら55に近い状況を成している。
55?
クインプレットみたいな。
ターフェル、タベレ、タブレット、タブレテ、タブティブレとか。
5つのうち4つは四小字が付いちゃうので、ややズルをしているところはあるんですけれども。
異なる時代に入ってきたと考えてよろしいんでしょうかね。
ドイツ語を知るのがちゃんとあれですね。
ちょっと前後するものもあり得るのかもしれないですけど、
こちらで語源時点を引いた限りでは、今言った順番にどうやら入ってきた。
もう一度お願いします。
ターフェル、タベレ、タブレット、タブレテ、タブレテですね。
シーンがFとBで割れているというのも、時代差みたいなのを想起させる感じですよね。
これいずれも釈用語っていうところが面白いですね。
違った形で違う時期に、おそらく違う文脈で借りられてきたということですよね。
それぞれは意味というか何を指す?
一番最初のターフェルが黒板とか掲示板のようなものですね。
この綴りとかもめっちゃ似てるので、自分の中でもぐちゃぐちゃになっていくんですが。
全体として近い意味なんですか?かなり違うものを指す?
ターフェルが黒板で、次のタベレが一覧表みたいなもの。
タブレットっていうのが、料理を並べる大きな盆皿みたいな感じで。
タブレテは錠剤ですね。
最後のテブレットは、いわゆるタブレットPC、本当に現代でいうタブレットのPCですね。
英語だと全部タブレットの元に語義1、語義2みたいな感じが、
それがきれいに語義と語形の微妙な違いっていうのが揃って、55に近くなっているっていう、あれですかね。
割とずるい目ですね。
なるほど、微妙に変えてるっていうところが。
HEで挙げられているデスクの65が英語史上最多だっていう話があったかと思うんですけど、
あれだと結構形がかけ離れていて、ぱっと見同語言って見えないみたいな感じですけど。
今回のはね、大体ほぼ一緒っていうかね、何か付けただけっていう。
これはドイツ語の傾向としてありますかね。
つまりどの語尾を付けると、例えば何世の名詞になってみたいなものに関連付けて、語義の差を区別していくっていう傾向。
多いかは別として、割とそういうのはありますかね。
英語では単一語でやってるのにっていうのはすぐ出てこないんですが、ある気がしますね。
便利といえば便利ですか。どの意味で使われているか。
だから一つずつ覚えなきゃいけないって意味では一緒ですかね。
そんなに近い形でかけ離れた意味の単語がたくさんあって、大変じゃないのかなって僕に思いますけどね。
そうですね。
ドイツ語の語彙が豊富ということになりますよね。語数が増えるということになりますよね。
これはドイツ語では最多の可能性はありますかね。
日常語としては、日常語というか、ターフェルあたりなんかをベースとすると割とすごいですね。
そうですね。
結構あるのかもしれないですね、ドイツ語のほうが。
どうですかね。
どうなんでしょう、なんとも言えないですけどね。
何十語がやたらと多い言語っていうのも、それはそれでいろいろ問題ですよね。
そうですよね。
どっちがいいんだろうってありますね。語義1,2,3っていうのは文脈依存ですよね。
場によっては誤解を生む。
今回のターフェルの場合は、一つ一つははっきりと異なる意味に紐づけられているので、覚えてさえいれば誤解はないけど、その覚えるのが大変でしょということですかね。
どっちの生き方がいいかというところですが、なるほど。
面白いですね。
これもなんてことない単語で、それほど英語側ではですね、英語語形ハンドブックでも書くことがすごく多くはないなっていう感じですよね。
半コラムぐらいでやっていますが、ただ多義ではありますよね。
結局同じぐらいの複数の異なる語義を持っているっていう、その辺は仮物だから近くなるんですかね、この辺は。
なるほど、面白いですね。
今回取り上げられたというか、最初の方に書く文字というもので言うと、本来のゲルマン語も、さっきのケーキ絡みはそうですし、今回のテーブルは外からのものという感じですよね。
これどのぐらいの比率かっていうのは、この戦後で実はちゃんと数えてないかもしれないですね。
小塚さんが数えられていましたね。
基本戦後なんで、ゲルマン系は多いはずなんですよね、他の戦後に比べればという。
この辺りですね。
最後の問題、イヤーで来ましたかというところでしたね。
1順目最後ということなんですね。
これは君もこじつけようというのがいいですよね。
まさにどんなこじつけ方でも結構なんで、皆さんぜひシリーズでブログ書いていただければと思うんですけれども、この最後の話題なんかちょっとちらっと紹介していただけますでしょうか。
イヤーのところですかね。
イヤーに関しては、ゲルマンの文化のところでは、
イヤーという概念をもってして、年を数えていたということで、今のイヤーに遡る方法というのは、
ドイツ語でも英語でも今イヤー、イヤーということで、年の意味なんだけれども、
もともとは主要な年を指す方法じゃなかったみたいな話が、リュウデンの方言辞典にはあったところでしたね。
そこら辺が一つ発見だったかなというところです。
リュウデンの語言辞典は、これはドイツ語の世界では割と最高峰的な、よく参照されるって感じですかね。
最高峰というよりは。
一番強いやつはクルーゲっていう別のがあるらしいですが、おそらく主要なものの一つであると思います。
こちらでいろいろと参照されて、英語とはこう違うんだということがいろいろ発見がありますよね。
一方で、この語言辞典の記述の力点はどうにもよくわからないと思うが、
リュウデンの語言辞典とKDEや英語語言ハンドブック並べて読んでいると、KDEにしろHEにしろ、すごく丁寧なんだなということがよくわかるというか、
すごく語言辞典のくせにリュウデンの方は記述をはしょるんですよね。
ある単語を調べたときに、この語言は別の単語の項で言及したあれと同語言だよとしか書いてないであるとか、
ラテン語のこれという言葉と関連するみたいなことを言うんだけれども、
関連するっていうのは、それが語言になっていてそれを借りたっていう意味なのか、
それとももっと遡ったときに同じ語言に辿り着くっていう意味なのかが、あんまり読み取れないケースがあったりとか。
相当上級ですでにここは言わずともわかるでしょうぐらいの専門性を前提としているのか、どうなんですかね、確かにね。
なんかKDEとかだとちゃんとその一語を引いたときに一語のちゃんと語言を遡って、矢印はてなって行き着くところまで行ってくれるみたいな、
なんか親切設計になっていると思うんですけど、リュウデンがそれをしてくれないのがすごく困ったことだなというのが毎回思っているところですね。