2025-10-03 32:48

#1587. Lilimi さんと語る続・登山用語 --- 「英語史ライヴ2025」より

▼2025年10月15日に新刊書が出ます


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


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▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


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▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


- https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の11号が公開されています


- 第11号(2025年8月28日):https://note.com/helwa/n/n2415c5e4db5e


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


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「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


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 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

英語史ライブ2025では、リリミさんと登山用語に関する興味深い対談が行われています。特に、「ロープ」と「ザイル」の呼称の変遷やその背後にある文化的影響について深掘りされ、登山用語の歴史的背景が明らかにされています。また、「アンザイレン」や「ラペリング」といった用語の使われ方や語源についても考察が行われています。さらに、英語やドイツ語からの影響が登山用語にどのように反映されているかについても触れられています。このエピソードでは、登山用語に関する語彙の変遷と関連する社会言語学的な観点について深く掘り下げられています。特に、ザイルに関する言葉の変化や、その背後にある文化的な意味が探られています。

英語史ライブ2025の紹介
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の、ホッタリュウイチです。
加えて、来る10月15日に夏目社より新刊書が出ます。 同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
井上言語学チャンネルから生まれた本です。 井上一平・ホッタリュウイチ著、言語学ですっきり解決英語のなぜ
ハッシュタグは、ひらがなで井上なぜ として広報しております。こちらもどうぞよろしくお願い致します。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。英語史王チャノマニオ・モットーに英語の歴史の面白さを伝え、質問を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は10月3日金曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日も連日の話題ではあるんですけれども、 9月13日に開催されました英語史ライブ2025で取り置きした配信会を改めて、こちらアーカイブで配信したいと思います。
対談なんですけれども、コアリスナーでヘルメイトさんのリリミさん。
毎月28日に発行されておりますウェブマガジンヘルヴィリアンの編集委員のお一人でございます。
このヘルヴィリアンの企画を最初に提案された重本人ということで、このヘルディオ・ヘルワ界隈でも影響力を行使されている
本当にコアなリスナーさんでいらっしゃるんですが、 英語史ライブの日にですね
事前に書いて公表されていましたノート記事 ヘルワコンテンツですね。こちらの記事に基づいての対談ということになります。
しかもこれがですね最初ではないんですよ。これ続編なんです。 1年前にヘルワコンテンツ2024として
実は登山用語に関する語彙の歴史。 舞台は日本語ではあるんですけれども、これが非常に面白いんですね。
そして1年越しにその続編を出されたということで、これがヘルワコンテンツ2025として出展されたということなんですね。
先日のヘルヴィリアン10月号にも 掲載されております。
俗登山用語その維新とした見やすさ という意味深なタイトルがついているわけなんですが、このあたりについてじっくりとお話を伺いました。
私も本当に楽しい対談だったわけなんですけれども、皆さんにぜひですね 聞いていただければと思います。
ヘルディオ1587回 リリミさんと語る俗登山用語英語シライブ2025より
と題してお届けいたします。 各チャプターに昨年の記事も含めて関連するリンクを貼っておりますので、そちらぜひですね
眺めて、そしてじっくり読んでいただきながら この対談会を聞いていただくと効果大
なんではないかと思います。 それでは行ってみましょう。
登山用語の変遷
英語シライブ2025にてリリミさんと対談いたしました。 どうぞお聞きください。
こんにちは。今日はですね、英語シライブ2025の午後の部ということで、いろいろの収録しているところなんですが、このセッションのお相手はヘルアのリリミさんでいつもお世話になっております。
今日もよろしくお願いします。よろしくお願いします。 今日はですね、ヘルアコンテンツとしてですね、今日までの期限、締め切りみたいな形で
実習研究と言いますか、いろいろ調べられたことをですね、ご自身のノートの方に、リリミノートというノート記事の方にアップされまして、これが1年前のヘルアコンテンツ2024の続編となっているということでですね、こちらチャプターにリンク貼っておきたいと思うんですが、前回1年前が土山陽吾
その維新と親しみやすさだったんですが、今回続、土山陽吾その維新と親しみやすさということで、前回の議論をベースとしてかなりリサーチしたということで、これ大レポートになっていまして読ませていただきました。
これはですね、前回からですね、ロープのことをロープと呼ぶか、ザイルと呼ぶかというような、日本語側の問題ということでもあるんですが、いろいろとそこから広がって面白い話になっているかなと思いますよね。
そもそもこの話題を取り上げたきっかけというのはどういうことなんでしょうか。
はい、私は趣味で登山とかクライミングをしていて、最近はちょっとしてないんですけれども、結構クライミングを始めた初期の段階で、ロープっていう言葉を普通に使ってたんですけれども、逆に登山しない人からロープのことをザイルって言うんでしょっていうことを言われたことがあって、そういえばどうしてなんだろうと思ったり、あと年配の方でザイルって言ってる方もいるので、
どうしてこの2つの言い方があるんだろうっていうところが、すごく昔、本当に最初に抱いた素朴な疑問だったんですけど、ずっと何年もそれを疑問のまま思ってたんですけど、ちょっと調べたいなと思ったっていうのが1年前で、調べはせずに去年は、そういうことがありますよっていう、
起きている事象だけを書いたんですけど、でもやっぱり自分が昔から思っている疑問なんで、ちょっといつか自分である程度のところまで調べてみたいなと思っていたっていうことなんです。
【佐藤】今回、リサーチと言いますか、この100年ぐらいですか、のタイムスパンで、1919年あたりからということで、まさに100年ですよね。これをいくつかの区分に分けて、当時の山岳系、登山系雑誌をベースにサンプルを取りながら調べてみた、
結果、どういうことが出たかということで、これは非常に実証的な研究だと思うんですけれども、これロープあるいはザイルと縄、綱を表す単語に関しては、どういう事実が日本語において分かってきたっていうことでしょうか。
【上杉】まず、見れる限りで一番古かった1919年頃の資料を見たら、実はロープっていう方がよく使われているとか、あとは単純に縄と言ったり、いろんな言い方があったんですけど、ロープが割と見たものでは多かったんですね。
1930年代くらいになると、もう一様にザイルと呼ばれているということが観察されまして、たまにロープっていう言葉を使っているところもあったんですけれども、
だいたいザイルが主流という時代が1970年代後半くらいまで続いたんですが、そのあたりからクライミング色の強い、ロッククライミング寄りの内容の雑誌などではロープという言葉に切り替わり始めて、それにつられるように90年くらいまでに登山の雑誌でもロープという言葉が主流になっていたという結果があります。
これ本当に綺麗な結果で、そして昨年の第1弾を書かれた時も、こういう仮説を、仮説までたどり着いた感じでしょうかね、仮説どこまで前回は言っていましたか?
前回はロープという言い方が自分は親しんでいたんですけど、年配の方とかがザイルと言っていたから、昔はザイルという呼び方が主流だったんじゃないか、である時に今ロープに変わったんじゃないか、きっとそれはアメリカのクライミング文化の影響だろうというのが自分の仮説でした。
それを聞いてかなり説得力があるなと思っていたんですが、ファクトみたいなもので今回固めたということだと思うんですよね。
今回本当に驚いたのは、私もザイルが年配の方で、新しい方が英語化してロープなのかなと思っていたら、その前段階に一応ロープという呼び方があった時代もあったと。
他のバリエーションもありつつというのはちょっとびっくりでしたよね。最初から最後までこういう用語ってドイツ語っていうイメージが私の世代もあったりしたんですけど、これが最初ロープだったものがある時を境にザイル一変等になり、そして比較的最近のフリークライミングみたいな文化の交流とともに、
アメリカ初だったということもあり、英語化してきたんじゃないかというところが、雑誌、その調査対象の資料はサンプルとはいえ、研究こうやってサンプルを取るものなので、その意味でいくとその時代の流れとも符合していて、
社会言語学的な意義がある語彙交代っていうんですかね。これが起こっていることがわりとはっきりわかりましたよね。グラフの形でも色分けで示してもらいまして、どこらどこらのジャンルによってとか、たまにその時代と合わないものが、側のものが出てくるっていうことは、これあったとしても全体の傾向としては一般的になった。
ということですよね。これは面白いですよね。今回はわりと明らかにきれいに出たのかなと。さらにサンプルを増やすということも可能だと思うんですね。
そうですね。より整地化するという方向もあるんですけれども、やっぱりここまで来ると、前回でしたっけ、結局ザイルだけではなく、最初にも触れてますけど、寝袋、シュラフ、スリーピングバッグとか、この辺りの言い換えのバリエーションから、いつ何が主流になってきたのかっていう、これ全体、登山ジャンル用語全体にっていう、なんか夢は膨らみますよね。
言語と文化の関係
そうですね。実は、シュラフっていうのと、寝袋ですね、あとリュックサックっていうのがバックパックとかザックとか言うんですけど、それの変遷も途中までデータを取ってたって調べてたんですけど、ちょっとこれをやってたら、英語シライブに間に合わないという。
じゃあ、第3弾も。
気づいて、ちょっとロープとザイルだけにしてもこんなに大変なんだっていうことがわかったので、途中でやめたので、残りのアイテムについてもやりたいなと思ってます。
アイテムっていうことで言うと、シュラフとか今回のザイルっていうのが話題になるんですが、最後の方で議論している、それが動詞化されたもの。私、登山とか詳しくないんですけれども、
犯罪連が、ドイツ語の犯罪連っていうのが、ロープを身体に結んで確保するっていうんですかね。例えばスリップとかして、滑落しないようにするっていう状態。反対は何かっていうと、ロープを結んでない状態。自分の歩行だけで、もしその状態で落ちたら滑落してしまうという、安全が確保されていない状態の対立。
こちらについては、登山業界では普通に使い続けられている?
いや、人によるかもしれないんですけど、私は使ったことがないけど、有名な言葉なので知ってはいるという感じですね。
なるほど。自分で用意はしないけれども、重要ボキャブラリーって感じですかね。パッシブボキャブラリー的なところで。じゃあそれを言いたい場合は、例えばどういう言い換えというか、今普通にするんですか。
ロープをつける。
そのまんま。わかりやすいですよね。わかりやすいですね。
で、一方、ロープを使って降りる、アップ罪連。
そうですね、アップ罪連。
登山用語の理解
これも同じ状況ですか。
これは私はこの調査をするまで知らなくて、アップ罪連の意味を。なんか聞いたことはあったかなと思ったんですけど、なんかアン罪連の逆で、ロープを解除する、つながれていない状態になることだと思ってたら、その懸垂加工のことだったということがわかったぐらい馴染みのない言葉だったので。
そうですね、あまり使われてないのかもしれないですね。今は懸垂加工というか、ラッペリングって言っている人なら聞いたことはあるんですけど。
英語ですよね。
英語ですね。ただそれもちょっと後半の方に書いたんですけど、フランス語のラペルの名詞形を引くと、私の持っている普通話辞典には、呼び戻すとかの後に続いて、こっそり懸垂加工って書いてあったので、ちょっとどうしてなのかわからないんですけど。
ちょっと不思議なあれですね、それ自体がラペル、R-A-P-P-L-E、ラペル、E-Lかな、最後。
E-L-Eですね、多分そうです。
英語語源辞典を引いていますが、それは載っていない感じですかね、今のところね。
一般的な用語というか、何かちょっと癖があるんですかね、途端の専門用語としてもあれですけど。
これ英語でも何というかっていうのはちょっと色々気になってきちゃいますね。
そうですね、そうなんです。アンザイレンを何て言ってるかがわからないんですけど、少なくともアップザイレンはその記事の中に書いたんですけど、
イギリス英語ではアプセイルっていうドイツ語をそのまま使っていて、アメリカ英語はラペル、ラペリングっていうのを使っているっていうのは、自分が持っている英語辞典にも書いてあったし、
実際ちょっとネットで調べてみたんですけど、SNSとかでも確かに両方使われていました。
そうですね、これそれぞれの主要なヨーロッパの言語で何て言ってるのかっていうのはちょっと興味が湧いてきますね、この業界用語ですけれども。
ザックもやっぱり言わなくなりましたかね、バックパックが多くなりましたかね。
それも雑誌とかカタログに表記している、賢かった時の言い方、目録として書く時の言い方と会話の中で出てくる言い方で2種類あるような気がしていて、やっぱり話し言葉だと私はまだザックと言ってしまうんですけど、
雑誌ではあまり見なくなっているかなと思います。雑誌の本文の中ではなくて、今年の新作の商品みたいな紹介ページとかだったら、あまりザックとは書いていないと思います。
今回と前回もそうなんですけど、複大にその威信と親しみやすさっていうのは、ここはやっぱり面白いなと思う。
どっちかが買って別のものが捨たれるみたいな単純な関係ではなくて、並び立っていて、ただ今話し言葉ではこうだけれども商品カタログでこうだみたいな、こういうジャンルと言いますかね。
この使い分けみたいなものが出てきているっていう、これがなかなかやっぱり面白いなと思うんですよね。
威信と親しみやすさはめっちゃ範囲的な関係ですかね。
そうですね。最初は調べる前は、威信を誇示したい人はドイツ語なのかなとか、もっとラフな感じでカジュアルに言うっていうのがロープなのかなと。
なんとなくアメリカのフリークライミング文化って結構ヒッピー的というか、リベラルな思想っていうのがあると思うので、そういう感じなのかなと予想してたんですけど、なんとなく逆かもしれないっていうことも思い始めて。
言語の使い分け
というのは、ザイルっていうのがかなり一般の人にも知られている用語だったっていうのが分かってきたので、逆にあなたたちが使っている用語とは違うのを使っているんですよっていうのを見せたくて、あえてロープというのも考えられるのかなとちょっと思ったりしました。
難しいですね、そこはね。威信と親しみやすさって、その範囲的な用語ではあるんだけれども、その語の使い分けに関していう場合には、意外と重なったりするってあるんじゃないかなっていう、すぐ出ないんですけど。
例えば日本語の算数構造って言ったときに、和語が一番下、元にあって、漢語があって、横文字のカタカナ語があるっていうときに、カタカナ語っていうのは、どう思います?威信があるっていう側面もあるし、一方で軽さがあるじゃないですか。
そこの午前中もね、科学の分野でのということで、ヘルマンの無職さんとお話ししましたけれども、科学の分野だとは明らかに横文字っていうかカタカナ語を日本でも使うっていうことは、威信があるっていうことなんですけど、一方でカタカナ語って軽い雰囲気もあるし、
その単語にもよる、あるいはどういうジャンルの語によるかみたいなものと関係してきているし、今みたいな思想が入り込んでいる、登山をめぐってのいろいろな派閥の争いみたいのが入ってくると、これよく中のことを知っていないとそこも分析できないぐらい。
だからそういうのって各業界とか社会にありそうな気がするんですよね。
そうですね。材料もドイツ語でちょっと馴染みがないから一心かなと思いきや、でも現役で山に行ってて材料を使っている人が材料って言うとなんか親しみみたいな、愛着みたいなものも感じないでもないというか、それは一心なのか違うかもしれない。
広く言うとスラングの問題というか業界用語、ジャー語とかスラングの問題で、それを使うことによって仲間意識が芽生えるみたいなところがあるので、一心親しみやすさですね。これやっぱり裏腹なんですよね。
一心と親しみやすさ。ポライトネスという言語の議論でもポジティブとネガティブがあって、基本的にポジティブが親しみやすさでネガティブが一心なんだけども、果たしての役割はポライトネスということでまとめてるんですよ。
手段と方向が違うだけでというようなこととちょっと関係してくるなっていう。裏腹の反対語と言えば反対語なんですけど、裏腹で同じような一元高いレベルで同じ役割を何か果たしているっていうか。
それは多分共同体意識とか。内を固めると対外っていうことになるので、内にこもるのと対外的に威圧的になるっていうのは結構近い状態だったりするので、業界内の分野としては面白いんですけど、
スラングと語彙と業界共同体みたいな、多分そういう社会言語学の話題だと思うんですよね。
【佐藤】シュラフはもう今言わないですか?
あと英語長くないですか?
【上杉】そう、長いんです。
【佐藤】ロープ材料はいいとして。
【上杉】言ってないと思います。会話では。シュラフは私だったら使っちゃうと思うんですけど、寝袋も使われてると思います。
字の文とかを読んでると、山に行った時の記録ですかね、ルポみたいなのだと寝袋に入ったみたいなのが出てくるので、別に最近のものでも。
なのでスリーピングバックは普通は言わないんですが、やっぱり目録とか、文字もの一覧とかに書くときはそれだけどっていう感じですね。
【上杉】気になったのが、材料知ってるんですけど、私は普段使う用語ではないんだけど知ってるだけなので、発音するなら材料なんですよね。
【佐藤】りみさんずっと材料材料って言ってるんで、平板化ってことは業界人なんですね。
【上杉】業界用語なので平板化、ロープもロープって言いますね。
ロープはどっちだろう。
【佐藤】物によって違うじゃないですか。用途によって。
【上杉】そうですね、ロープはロープかもしれないですね。
発音の問題も含めてこれ面白いですし、私としては英語側ではどうなんだろうかと。
そのドイツ語の登山用語の影響力というのはどれくらいあって、あれかつてあったけど抜けてきたのかとか、この辺も比較してみると対象言語史ですね。
スラングと共存
対象言語史的に面白いかなということですよね。
他にこういう業界いくらでもありそうですけどね。英語化してきてるとか、なんでしょうね。
【上杉】スキーはあるんじゃないかと思いますね。スキーもやっぱりドイツ語由来が多いんですが、今はどうなんでしょうか。
スキー用語なんて日本語でしか知らないんで、スキーのことを英語で喋ろうとするときに下伝でとか言って通じないんですよね。スキングフィールドとかいうのが。
なのでこれはありますよね。
なかなかこの登山用語という、ヘルワにはメンバーには仲間はいない感じですかね。
まだまだ掘り進める方向はいろいろあるかなという感じはしましたね。
スラングなんだと思うんですよ、一種の。スラングというと業界用語とか、ジャーゴンとか、何が近いですかね。
ジャーゴンとか、そっちが一般に漏れ出てきたときに、業界外に出てきちゃったときに、どういう現象が起こるかみたいなところですよね。
そうですね。最後の方にちょっと書いたのが、
SNSのXとかで、ザイルとかロープとかって入れると、ザイルロープって使っている人がいるっていう、その全然登山する人じゃなくて、
なんかよくわからないけど、人形とかになんかそういう登山道具っぽいものを付けた時に、ザイルロープとか呼んだり、なんかゲームの世界っぽい話をしてて、ザイルロープっていうのが入ってたりするんじゃないかなって思って。
それはもう少年ボーイみたいなもんなんですけど、なんか、だからザイルって付けるとロープの中で登山用っていう限定できる、形容詞的な感じだと思っている人がいるんですよね。
なんか、すごくストレートに、単純に考えると、ザイルロープっていうのが入ってたりするんじゃないかなって思うんですよね。
そういうのができたときに、一気に転覆するっていうのではなくて、やっぱり共存する時期があるんですよ。共存しているときに、もちろん新旧の雰囲気とか世代差みたいなのが出るんだけども、それだけで留まらずに、ザイルロープっていうのが入ってたりするんですよね。
どういうことかはわからないんだけども、並び立ちますよね。それがそのまま2つとも並列するっていう場合と、こういうふうに両方あって、それだけで留まらずに、ザイルロープっていうのが入ってたりするんじゃないかなって思うんですよね。
こういうふうに両方あって使い分けが微妙に発生するときっていうのは、その次の時代に古いものがなくなっていく予兆だみたいな考え方ってあると思うんですよね。その予兆を匂わすのがザイルロープな気がするんですよね。
語彙の変遷と社会言語学
つまりザイルが死んでいく際に、いろいろと足掻くわけですよ。レジスターを変えたり、ザイルロープとしてみたり。かなり足掻きの感じで、最終的にはロープになっていくのかなみたいなケースって、これ語彙交代の時なんかある気がしますね。
このままレジスター、微妙な意味を違えて2つ並列していくのか、ザイルは本当に最後になってしまうのかっていうところの鍵を握ってる、もしかしたらキーワードかもしれない。ザイルロープはかなり危なそうな匂いが、ザイルにとっては危なそうな匂いがしますけどね。
なんかいろんな方向に本当に語彙論もいけますし、社会言語学的に社会的にいけますし、業界的にもいけると思うので、これは追っかけていただいて、広げたり深めたりできると思うんですよね。大変面白く、説得力を持って実証的にやられましたんでね。
はい、面白く読みました。ぜひ、去年の文と含めまして、お聞きの皆さんもですね、この力作を読みいただければと思います。
今日はいろいろとインスピレーション、語彙について学べたかなというふうに思います。
ありがとうございました。
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。
日本語の話題でありながら、フランス語、ドイツ語等をいろいろと展開しつつ、通じてき変化を扱っているという点では、やはり直接間接に英語心にも通じる話題なんですよね。
ということで、今回の本気の調査、りりみさんが行っていただきまして、1年前、そして今回と合わせての、いわばシリーズ企画というふうに結果としてなりましたよね。
ある意味では息が長いと言いますか、アカデミアというのは、こういうふうに時間を味方につけながら、どんどん理解が深まっていく、面白みが増していくということかと思いますので、
それをですね、字で言っているのが、りりみさんの今回の調査だったかなというふうに思っております。
第3弾もですね、出てくるかもしれませんし、他の分野に話を展開させていくかもしれません。これからもですね、ぜひ注目していきたいと思います。
りりみさん、これからもぜひよろしくお願いいたします。
そして、りりみさんと言えば、冒頭でも述べた通り、先日9月28日にウェブ上で公開されました月刊ヘルヴィリアン。
こちらを取りまとめていらっしゃる重要人物の一人なんですね。本当に感謝いたします。
ヘルカツにここまで賛同していただける方というのは本当にありがたい限りなんですけれども、
第12号までいきまして、つまり丸1年ヘルヴィリアンが続いてきたということになります。
次の10月28日に出る13号、これ出していただければというふうに思うんですけれども、
これは決してですね、りりみさんをはじめとする編集員の皆さん、機構者の皆さんにプレッシャーをかけるという意味ではなくてですね、本当に私驚いております。
いかにヘルカツに貢献していただけるか、これはですね、簡単に言い表すことのできないほどご尽力いただいております。
ヘルヴィリアンのSNS、とりわけXでの活動も活発にしておりますので、ぜひですね、そちらも覗いてみていただければと思います。
りりみさん、本当にこれからもですね、末永くこの活動、ご協力いただけるようお願い申し上げます。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
ご意見のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。
SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。
英語子研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日!
32:48

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