2025-05-13 26:46

#1444. 著者と語る『英語という選択 アイルランドの今』 (2) --- 嶋田珠巳先生との対談

▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」が2024年10月28日に創刊しています.第4号まで公開されています.


- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

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 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語詩の著者の嶺内です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間にをモットーに、英語の歴史の面白さを伝え、 裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は5月13日火曜日です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
本日は、著者対談第2弾です。 著者と語る英語という選択アイルランドの今 part2 嶋田珠巳先生との対談
と題してお送りいたします。ちょうど1週間前の回ですが、 嶋田珠巳先生、明海大学の社会言語学者ですけれども
アイルランドの英語事情、言語事情に関する本をお書きということで、対談の機会をいただきました。
その第2弾ということになります。 先週の第1弾は、英語という選択という2016年に岩波書店より出版されております本についてざっと概要を説明していただきました。
今回の第2弾は、アフタートーク的な雰囲気で自由におしゃべりしております。 今回の対談に至った経緯のようなことをお話ししております。
それからこれが非常に貴重なんですけれども、現代のアイルランドにおける言語事情、 最新の情報、現地情報をお伺いしました。
さらにはフィールドワーカーとしての島田先生の姿、この辺りにも話が及んでおりますので、楽しく聞いていただけるのではないかと思います。
先週の第1弾をお聞きでない方は、ぜひそちらから聞いていただけると楽しく聴取できるのではないかと思います。
2016年に出版された本で一時、在庫がなくなっている状態だったんですけれども、今回の対談をきっかけにということであれば嬉しいんですが、いずれにせよ今入手できる状態にありますので、リンク先から情報をたどっていただければと思います。
それでは島田珠美先生との対談パート2です。どうぞお聞きください。
おはようございます。
本日も先日に引き続きですね、明海大学の島田珠美先生にお越しいただきまして、前回は英語という選択というご著書を紹介させていただきましたが、今日もどうぞよろしくお願いいたします。
03:04
よろしくお願いいたします。
先日のこの本の紹介ということだったんですが、実はですね、今年の1月くらいにですね、このボイシーお聞きのリスナーのある方がですね、私の研究室の方に参りまして勘断してたんですよ。
そこでこの英語という選択がこの研究室に、本棚にあったんですね。これを見つけて指差して、これ私も読みました。面白い本でしたということで、これ面白いですよねと話になって、なんならこれは声がけしたらね、著者の先生に直接対談応じていただけるかもしれないみたいなことで、その方とリスナーの方と話をして勝手に盛り上がってたんですが、
その次の日かその次ぐらいにですね、思い立ってメール差し上げたということで、島田先生とは前にあの本当に学会でご挨拶したり、その他の機会にちょろっとお話ししたぐらいでですね、あまりちゃんとしていなかったんですが、私この本のファンでもありますし、いろいろとご活躍の研究者ということで一度こういう機会をということで、
1月に打診差し上げて、この対談の機会をといった時に、そのメールの返事で、この3月にアイルランドに調査であるとか行かれますということだったので、であればこれはお帰りになってきてからホットな現状の話を伺ったほうがいいかなということで、このタイミングになったという、そんな流れを説明させていただいたんですが、
この3月、3月に数週間という、
もう本当10日ほどだったのですよ。
10日ほど、割と定期的に行かれている感じですか、アイルランドには。
そうですね、毎年大体夏には行くようにしていまして、たまに春と夏両方行けたりとかそんな感じですね。
アイルランド英語のある言語事情の研究歴としては、前回もありましたが卒業論文の時から関わっているということなんですが、アイルランドに行き来しだして、どれくらいという。
そうなんですよ、実はそのアイルランドの時初めて留学していたところから始まりますと、同じずっとホストファミリーと長く付き合っていまして、20もうかれこれ7年くらいになるとか、26、7年ということなので、
それぐらいはですが、終始以降ですね、本格的にというかちゃんと言語学をやるようになってフィールドというか、そんな風にして生きているのは2002年以降ですね、2023年からということになると思います。
それベースとされているのは最初に留学に行った時であるとか、そこで知り合った方々ということで。
06:02
そうですね、言語学をこんなことするなんて思うもみじも思ってませんでしたので、戻ってその言語学をやりたいってなって、やるってなった時にですね、やはり自分がいたところに戻って、どういうことをすれば現地の生の話し言葉、話している言葉がわかるのかっていうところを友達に聞いたり、先生に教えてもらいながらですね。
そうしているうちに、ジョン・ビー・キーンという作家に出会ってとか、そちらをフィールドとして、アイルランドの南西部で調査を始めていくということになるんですけれども、そこからですね。
そうすると、ダブリン、首都のダブリンというよりは。
そうですね、より田舎の方というか、コークは日本で言うと東京、大阪で言うとダブリンコークみたいな感じで。
そうですね、私、トゥデイ・FMっていう、自分が留学生の時代に、そういうコンペティションがありまして、リバーダンスの、ウィナーが勝った人がリバーダンスを大阪に見に行けるっていうのがあって、私が大阪出身なもので、そしたらホストマザーがですね、電話をして、私の誕生日の日に、ハッピーバースデーって大阪の子がいるから言ってやって、DJの人に電話したんですよ。
で、そしたらハッピーバースデーどころか、今度は私の方に電話がかかってきて、で、大阪ってのはどういうところだって言って聞かれたので、私はそれがダブリンの放送局のものだとは知らずに、いやもう大阪はすごいフレンドリーなところで、東京とは違ってねとかって言って、これってアイルランドで言うとダブリンとコークみたいなものでさとかっていう風に言ってしまったんですね。
そうすると、コークの自分の友達とか先生聞いたよとかって言ってすごく好評だったんだけど、後で分かったのはダブリンの放送局で、なんとなく別引きするつもりはないけれども対比で言ってたって今思い出したんですけど。
なるほど、非常に分かりやすかったです。
そういったなぞらえ方ができるようなところで、コークの町ですね。
そして、南西部というのは、いわゆるゲイルタットという、いわゆるアイルランド語が少数言語として、今も息づいているとはいえ、かなりマージナルな存在になっている地域。
計画には、この選択のこの表紙にあるように、西側に寄っているというか、私がしているのはその中でも下の方というか南の方ですね、南西部。
西の部分にゲイルタットは広がっていて、これは2%ぐらいの人口の方、それで行政区として実際にそこでアイルランド語を話すように、あるいは教育の言語をアイルランド語としてそこでやっていきましょう。
あるいはもっとアイルランド語を話すということで優遇措置をとっているような地域ですね。
それは実は私がやっているところよりも広い地域は北の方にありまして、ゴールウェイというところがまだ第三の街ですけれども、その周辺が非常に大きなゲルタハトで、そこが標準アイルランド語にもつながっているというか、そこの編集が使われている、元になっているというようなこともあるんですけれども、そういったところがまたあります。
09:24
自分の場合は南西部ということで、リングル半島、あるいはケリー圏の辺りを中心に見ています。
本当に末端と言いますか、大西洋に突き出たヨーロッパの最西端に近いというようなね、そんなイメージのところですよね。
この3月に行かれて、今回もそういう地域を回られての調査という感じなんでしょうか。
ありがとうございます。南西部は10日しかなくてですね、ほぼ行ってタッチして帰ってきたに近いんですけれども、今回リングル半島にある小学校にタッチして帰ってきたというか、ゲルタハトですね。そこは状況がどうなっているのかって。
やっぱりコロナの時に非常に大変だったというお話はされていて、そこでオンラインとかだったので、学生とか生徒のですね、家での言葉がコントロールできないんだと。
今何が問題かというと、アイルランド語使用地域においても、お母さんとお父さんと両方がアイルランド語話者とは限らないわけですね。
そうすると英語に偏ったりすることがあって、でも学校では頑張ってアイルランド語で授業を行い、それを推奨しようとしているので、そんな時にコロナ禍で家庭学習が中心になると、家での言葉が英語だと非常に言葉が離れて先生方苦労されたというような話をして、それが今回行った時に新しくわかった話でしたね。
じゃあ言語事情にコロナ禍というこの出来事もかなり大きな影響を与えているということ。
そうですね、やっぱりコミュニケーションのやり方が変わって、実際に学校で集まっているの授業ができないとなると、そこでのアイルランド語使用が制限というか、それができないということがどうやらもどかしいというような声で、それが復帰してからもしばらく学年が、例えば小学校だと6年間ありますので、その中で、だから低学年の方が今状況がいいんだっておっしゃってました。
高学年で非常に苦労しているというふうにその先生はおっしゃっていましたね。
一般的な話と言いますか、基本的な話なんですけれども、このゲルタフトというアイルランド語がまだ使われているという地域について、そのアイルランド共和国の政府としてはアイルランド語をどんどん使うようにという、これはゲルタフトだけではなく、全土ですかね、国全土にアイルランド語が本来のこの国、島の言語なんだからということで推奨するような立場ですよね、政府としては。
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これはもう10年、20年というか、割と長い間に渡って、その政府の公式なプロジェクトとして立てられていると思うんですが、これ実態としてはどんな感じで、島田先生も20数年縦に見られているという、この効果と言いますか、実態としてはどんな感じなんですかね。
はい、そうですよね。なかなかその統計上はっきりと見えているというほどまではいかないんですね。例えばそのアイルランド語話者のパーセンテージで言うと、センサス、国勢調査ですかね、だとだいたい1.8%、1.7%あたりを揺れ動いていたり、ゲルタフトの地域によっては増えているところもあったりですね、そういったことなんですけれども、実感としてですね、例えば非常にテレビ番組で、
バイリンガルのものが多くなったりですね、アイルランド語の字幕を入れてみたり、また逆もそうですけど、アイルランド語でお話ししていて、それはそれで実は問題もあって、アングロサイズとされていると、英語化されたアイルランド語でゲルタフトの母語として話す人から見たら、それは偽物のアイルランド語だっていう、英語っぽいな、みたいな、ちょっと変だな、みたいな風に、
例えば私が日本語、日本人として母語として持っているときに英語を話したら、なんかジャパニーズイングリッシュっぽいなとか、発音が日本人っぽいなって気づくのと同じようなことが、母語話者からするとですね、喫水の母語としてアイルランド語を話す人から見たらおかしいな、みたいなこともありつつも、政府としてはそれを奨励しているので、そのバイリンガルのアナウンサーの人を取ったり、レポーターを起用したりしながらですね、やっている印象はありますし、実際新聞なんかでも、
最近はバイリンガルの広告なんていうのもよく、これ政府主導のことが多いんですけれども、よく見るようになりました。で、あとは気づくのは、アイルランド語を話す家としてのゲルタ派と、アイルランド語使用地域の役割というのを非常に強く感じていて、やっぱり非常に大きなものを背負っている、そこに背負わせているっていうような印象も一つあります。
これは政府として背負わせているというのと、あとゲルタ派と以外のところに住んでいるアイルランド人、多くモノリンガルの語話者ですよね、はこのゲルタ派と地域に、やはりそういう責任というか期待というか、
そうですね、責任よりは期待なんですよ。安心というか、自分たちは話さないけど、あそこにいれば誰かが話してくれているよという、アイルランド人として彼らが言うのは、自分はそれを話せないことが恥ずかしいという気持ちなんですね。
2言目にはですね、でもあそこに行けば誰かが話していて、田舎に行けばちゃんとアイルランド語を話しているから聞いてきなさいというような感じで、でも実際にはまたそれ難しかったりするんですけれども、やっぱりホリデーに行ったりとかして、みんなが英語を話しているっていう文脈において、彼らはアイルランド語を片言でも持っていることがちょっと嬉しいので、
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そのアイルランド語を観光地でむしろ用いるとか、そんなふうなことを聞いたことはありますね。自分たちにとっては大事な言語。
アイルランド共和国として、ゲルタフト以外の地域の多く英語モノリンガルに対して、アイルランド語、祖国の言語を教育するという、こっちの方面はどれくらい一生懸命やられているんでしょうか。
おだしょー かなりやっているんだと思うんです。それは例えば教科の一つとして、アイルランド語がゲル語というふうな、いわゆる国語ですね、私たちが言うところの、それとして入って英語という科目も別にあるんですけれども、そこで学んでいる。
これは教育レベルは小学校から。 小学校、中学校で、ただ教科の一つとして入ると苦手科目として認識されるので、それだったら言葉としてはフランス語のほうが英語に近いですよね。だからフランス語とかのほうが楽だという子もいて、アイルランド語は彼らが文句の面白いですよ。
フランス語は、フランス語を教えるようにアイルランド語を教えてくれたら、自分たちもうちょっとアイルランド語がうまくなったとか言うんですよ。会話とか中心のほうがいいと。詩とか文法とかね、ポエムとか文法ばっかりやってるからってどっかで聞いたような感じですけどね、日本の英語の。そんなばっかりやってるから自分たちは一向にアイルランド語がうまくならないんだっていうふうなのが世論というか世論というかみんなが割とそういう文句を言うんですけれども、
実際にはアイルランド語を話せても出口のところとして難しいので、18歳を超えるとアイルランド語使用話者がガクンと減るということになります。要は学校を離れてしまえばもう使う人がなかなかいないっていう言語になってる。
そうですね、やっぱりシンボリックな意味合いがどうしても強いということですよね。あとは、町の中の言語景観みたいなのありますが、文字のバイリンガリズムっていう点では、アイルランド、私も何回か言ったんですが記憶があんまりはっきりしてなくて、標識みたいなものは基本的にバイリンガルですか?
そうですね、まず国は全体としてバイリンガルで、ゲールタハトの地域はゲール語だけで、アイルランド語だけの表記っていう時もありますが、基本的に国道というか大きな道路は両方の表記ですね。だけど全員が英語をわかる国ですし、観光客も含めて英語わかるので、英語の方がわかりやすく目立つようにですね、大文字で書かれていたりします。
そうしますと全人口の1.7とか8とか%という極めて少ないわけなんですが、これ黄色信号、赤信号、いろいろ言語の消滅みたいな話題というのもご研究されているかと思うんですけれども、かなりの危機的な数字ですよね。
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危機をどこでもってみるかということもあると思います。例えば今学ばれる言語としてのアイルランド語っていう意味では、標準編集も確立して、一応これで学校教育やりましょうはできていたり、で実際そのリーヴィンガサーとかって言って、卒業時の教皇卒業試験みたいなところでも必修科目になっていたりするので、そんなに簡単に国が守るぞとやっている限りにおいてなくなったりはしない。
普段の日常的な言葉として話される母語話者の割合が、さっき2%以下というのはその割合ですね。第一言語としてアイルランド語が優勢な方が2%という話で、受動的なアイルランド語をなんとなくわかるとかっていうレベルだともっと広いし、国を挙げてもやっぱりバイリンガルの放送をしたり、あるいは最近よく聞くのやっぱり象徴的な仕様ですよね。
例えば何かの会をする時にみんなで乾杯っていうところはアイルランド語だったり、少し始めますっていう時のちょっとした挨拶の部分だけをアイルランド語のフレーズに変えるなんていうことをやってますから、維持をしていこうという意思がありっていうところもあるので、そんな簡単には危険だけれどもですね。
だから難しいのは、本当に生の人が喋るレベルのアイルランド語としてはかなり厳しい。それは生きていく人がいないと続かない言語というのはそういうものだから。でももう一つのところで、多くのなくなった、例えばハワイ語とかもそうかもしれませんけれども、そういった危機に瀕した言語でそれを守ろうとして取り組みの下で標準編集ができてっていうところではまた別の動きがあるというふうに考えます。
標準が出来上がっているっていうのはかなり大きいポイントかもしれませんね。そうすると正書法もしっかりと定まっていてっていうことなんですね。
その代わり淘汰される方言のいろんなバリエーションですね。アイルランド語も実は方言差がすごくて、これ北海道ほどのサイズなのにラジオ放送の方言で10種類以上の、これ多分本当だと思うんですけども、実際私には区別つかなかったですけど一回流してくれたので、いろんな方言でアイルランド語のラジオがされているんだよって言って、
ラジオナゲルタなんかそういう放送局がありまして、そこはいろんな種類の編集でアイルランド語ニュースを流しているっていうことがあります。なのでやっぱりあと面白いのはその高等試験ですね、いわゆるスピーキングのテスト、アイルランド語のスピーキングのテストも高校卒業試験ではありまして、その試験すごい興味があるじゃないですか。
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それ聞いたら、それは標準編集じゃなくてローカル編集で喋っていいんだそうです。それでその先生が採点するので、そこで伝わるレベルでオッケーみたいな。なのでバリエーションを非常に強要している意味では、アイルランド語におけるアイルランド語教育っていうのは非常に学ぶべきというか、面白い面もとてもあるなと思います。
その話は面白いですね。アイルランド語にもミクロコスモスが広がっているという。
そうですね、なのでそこはうまくやっているな、だから方言も保持しつつ、アイルランド語標準だけに固まることもなくですよね。やっぱり母語としてのっていうところも大事にされているのかなと思います。
この現状はなかなか入り込んだ、実際知っている方からしか聞けないことで、どこ読んでもあんまり細かく出てないですよね。
あと研究者としても、こういう話はとても今引き出していただいてできるんですけれども、実際にやっぱり都合の悪い真実みたいなのもあると非常に難しいところもありますね。
例えばゲール・ダ・ハットではこうするべきなので、それができていないということは。
なるほど、いろいろ複雑な事情があるということで、ありがとうございます。
本当に実態を知る非常に良い機会ということで、今回も対談させていただいたんですが、
ケルトの復興であるとか、広く言われるお隣のイギリスのウェールズなどでは、かなりこの復興といいますかね、教育政策などもあって盛り上がってきていると。
一方、私も留学しておりましたスコットランドでは、やっぱりハイランドとかヘブリディース諸島であるとか、一角でちょっと部が悪い感じかなという感じがあったりします。
けれども、やはり政府のバックアップであるとか、国民の支持がどれくらいかっていう、外からいくら見ていても、あるいは押してあげたいと思っていてもですね、その中の事情っていうのはいろいろありますよね。
先ほどの出口がないという、いわゆる就職であるとか、社会に出て○○5を習得していることがどれぐらいの意味を持つのかという、いわゆる社会経済的な話もあったりして、
一方でも個人としての、一話者個人としてのそのアイデンティティ問題っていう、非常に複雑ないろんなパラメーターが絡み合ってきますよね。
教育課程という、観光客相手とか、ツーリズムとの関係とか、すごく複雑な社会問題、課題といいますか。
そうですね、とてもあると思います。
これからも多分、まだまだウォッチし続けて、入り込みつつウォッチしていくということかと思うんですが、コロナの話なども含めて非常に勉強になりました。
24:11
やっぱりそういう実態がなかなか伝わってこないな、教科書で読むだけですもんね、アイルランドの言語事情。
そうですね、今度行ってやっぱり聞いた情報というか、なるほどそういうところかというと、やっぱり現地の人の声を聞くことによってのみ得られるものっていうのは非常にありますね。
行ってみないと、やっぱりその肌感とか、実際に、あと毎回同じ場所に1年あるいは2年おきに行っているとですね、そこの土地の変化とか色々、人はまた同じだったりしますけれども、いろんなコミュニティで起こっていることの様子なんかも見ることができますね。
はい、リスナーの皆さん、これアイルランドの言語事情について最もホットな情報を日本語で聞くことができるっていうのは、これ多分他にありませんので、いやこれ対談大成功というふうに思っております。
まだまだお話ししたいことがありますので、また色々お伺いさせていただければと思います。島田先生、今回もありがとうございました。
ありがとうございました。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。アイルランドトークということでお楽しみいただけたんではないかと思います。
本編でも述べましたが、現在のアイルランドの事情について直接専門家からお話を伺えるという機会はですね、なかなかないんではないかと思いますので、貴重な情報であり、貴重な対談会となっていると思います。
島田先生との対談は全3回ということで、まだですね、残すところ最後のですが、第3弾が待っておりますので、そちらも近日中に公開する予定です。
ぜひご期待ください。
英語という選択、アイルランドの今、島田珠美先生著で、いわなみ書店より2016年より出ている本です。
入手可能となっておりますので、ぜひ皆さん手に取っていただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
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それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語詞研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日。
26:46

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