2025-05-21 31:11

#1452. 著者と語る『英語という選択 アイルランドの今』 (3) --- 嶋田珠巳先生との対談

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ます


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」が2024年10月28日に創刊しています.第4号まで公開されています.


- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

アイルランドの現代的な言語交代に関する対談の最終回では、島田珠美先生がアイルランド社会におけるエスニシティの多様性や新しい世代のアイリッシュイングリッシュの変化について詳しく語ります。特に移民受け入れ政策や文化的影響、セントパトリックデーの影響など、多様な視点からアイルランドの言語事情を探ります。また、言語交代の過程において、嶋田珠巳先生と対談し、言語の変化とコミュニティの影響を掘り下げます。世代を超えた言語の移行やその社会的メカニズムについても考察されます。このエピソードでは、島田珠美先生がアイルランドの言語事情と歴史言語学の関連について深く掘り下げ、特に英語とアイルランド語の関係や理論と実践の双方向的理解の重要性が強調されます。

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして、2025年6月18日に発売予定の英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio、英語詩をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は5月21日水曜日、英語語源ハンドブック発売まであと28日です。4週間となりました。待ち遠しいところですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
昨日は生配信ということで大いに盛り上がったんですけれども、この様子はまたアーカイブで後日お伝えしたり、いろいろと話題にしていきたいと思いますので、ぜひこの英語語源ハンドブックの情報、このheldioでも毎朝流していきますので、ご注意いただければと思います。
言語交代とエスニシティの多様性
今日はですね、本題が著者と語る英語という選択、アイルランドの今part3島田珠美先生との対談ということで、3週間にわたってお届けしてきました、明海大学島田珠美先生とのトーク、最後の締めくくり会となります。
岩波書店より2016年に出版されております英語という選択、アイルランドの今、こちらの本が在庫が復活しておりまして、今入手可能になっております。ぜひですね、この対談会を通じまして、アイルランドに関心を持った方、あるいは言語交代に関心を持った方ですね。
いろいろな観点からですね、言語研究の魅力というのが感じられるシリーズとなったのではないかと思いますね。これからお聞きいただくお話もですね、かなり濃密です。私もですね、感激しっぱなしと言いますか、話していながら思いつくことが多い、インスピレーションが多いという、そういう会だったんですよね。楽しみに聞いていただければと思います。
特に言語交代、language shiftの話がありましたね。言語というのがこのHeldioの話題でもありますので、ちょっと強引なんですけれども、英語語源ハンドブックの話題をですね、毎日一つ何か出さなければならないという課題を自身に課しておりますので、language、これをですね、金冠の英語語源ハンドブックで引いてみると、結構驚きがあるんですね。
英語でですね、言語のことをlanguageっていうのが普通なんですけれども、もう一つ、例えばmother tongueという時のtongue、舌を意味するベロですよね。これを意味する単語がそのまま言語としても用いられるっていうことありますよね。
このtongueなんですが、これは本来の英語です。一方languageというのはフランス語から借りたものです。大元にはlinguaというラテン語があるんですが、このlinguaとかlanguageとtongue、なんと同語源なんですよ。結局舌という意味なんですね。
どうしてこれが同語源と言えるの?というところはですね、英語語源ハンドブック、Lの項目をお楽しみにしていただければと思います。ということで、じらして終わりということになりますが、今日の本題は島田珠美先生との対談会、最終回です。ぜひ楽しんでお聞きいただければと思います。それではどうぞお聞きください。
おはようございます。
本日はですね、3回目となりますが、明海大学の島田珠美先生にお越しいただきまして、改めてですね、英語という選択という本であるとか、アイルランドの現状、その他、アフタートークの回ですので、自由にいきたいと思います。本日もよろしくお願いいたします。
過去2回ですね、1回目に英語という選択、この本の概要をお話ししました。あの回だけでも、概要といってもね、かなりお話ししましたね。全然足りなかったですよね。なので、読んでいただければということでですね、皆さんすでに手に取っていただいたのではないかと思われますけれども。
そして先日の第2回では、最近アイルランドに行かれて、現状ですよね。特にアイルランド後がどのような状況であるかということを中心にお話し伺いました。2回でですね、それぞれ2、3チャプターだったんですが、全く話足りずにといいますか、お聞きしたいことがたくさんありまして、おそらくリスナーの皆さんもですね、
これ聞いてみたいということがあるかと思いますので、ぜひですね、コメント欄等で質問等を投げていただきますと、もしかしたらいつかですね、答えていただけるかもしれないということもありますので。
よろしくお願いします。本当今日は自由トークなんですが、この2回で言い残したことはたくさんあると思うんですけれども、その中でもこれ触れていなかったかな、みたいなことってありますかね。
本と直接というよりは、もしかしたら最近の動向として知っておかなければならない、言っておかないといけないのは、かなり多様化している人々のエスニシティの意味でですね、いわゆるその、そうですね、喫水のというか、いわゆる私たちがアイルランド英語話者として想像する人たちに加えて
ニュースピーカーズとでも言えるような、よその国から来て移り住んでアイルランドに長く住んで、それももう一世だけじゃなく、今度その人たちが結婚して新しい世代が生まれてくるっていうようなこと、人口構成ですね。
例えばアジア、それからポーランドなんて、ヨーロッパからだとポーランドが一番多いんですけれども、そういったところ、それからブラジルなんかも増えてますし、アフリカからもたくさん来て、今あるダブリンの学校では80何カ国語喋られている、80何言語話してるんだということが、もう普通にキッチンでそこの人と喋ってたら、今ダブリンでこうらしいよって。
私たちのところも結構な学生がいろいろいて、アラブの子もいるよねとかっていうふうに、非常に多様化しているということがあります。
移民政策と文化的影響
いろいろな事業、人口が増えているんですね、今。そういうこともあって、およそ2割が今、いわゆる外からの人たち、出身シップとかそういうカテゴリーの中で、外からというふうに考えていいんじゃないかって言われてます。
【佐藤】移民受入れに積極的というか寛容な国で、人口も増えているということですよね。
出ていく人も非常に多いんですけど、アイリッシュダイアスフォラというか、いろんなところにありますね。それで、3月はセントパトリックがあって、3月17日ですけれどもあって、アメリカ、あと日本でも各地でいろんなパレードが行われたり、もちろん本国でもそれぞれの都市で、私も今回、広区のセントパトリックに参加していたんですけれども、そういった形で、まず外に出ていくのもあり、
自分たちのアイデンティティを、そういうふうに表現する場を持っているので、3月17日のセントパトリックパレードというね。それで、例えば広区なんかでも、人種というかいろんな国のオリジナリティあるいはルーツを持つ人たちがパレードに参加して、というようなことで、本当にいろんなものが見れましたね。
【佐藤】なるほどね。国の在り方としても、その多様性とか、受け入れるし、自分たちも出ていくという、これ歴史的にもね、新大陸に渡ったりであるとか、この辺が非常に活力があると言いますかね。お隣、イギリスとはまたやっぱりだいぶ雰囲気が異なるというところかと思いますよね。
【森】イギリスとなんかも非常にですね、いろんな難言語も話す人がいて、というのが小学校、中学校なんかの様子であると思うんですけど、割と同じようにして多様化しているよね、という。それからアイルランドは非常に、例えばこの間のウクライナのああいった紛争の場合でも、そこの難民の人を、計算したらアイルランド語、話者が1点何%って言ってましたけど、同じぐらいの数をウクライナの難民を受け入れて、ホテルを開放してですね、その人たちを、
受け入れたり、あるいは学生寮を開放して、学生が後戻ってこれなくてヨーロッパに帰ったりしないといけないようないざこざも後で起こるんですけれども、そんな風にして一旦を受け入れてしまうっていうような、あるいはそのウクライナの方のペットをどうするか、女性を出したりですね、ウクライナの人の1人当たり、忘れましたけど家族1世帯、1犬っていうんですかね、1つの犬の、そういうことも女性を出してとかっていうようなことが、
いろいろ議論に上がったりするような国です。
【佐藤】すごいですね、それもまた。
アイリッシュイングリッシュというのも、一枚岩ではなくて、今はその国際化とか移民による変形を受けて、第2世代、第3世代の新たなアイリッシュイングリッシュが生まれている。
そこで面白いのが、彼らもやっぱり何を持ってアイリッシュとするかというか、そこのところ、今それが私の研究の半分というか、少しこれの選択には書いていない、今現在の研究の一部であるところなんですけれども、
新しくアイルランド英語を話している人が引き継いでいる特徴とか、あるいは彼らの思うアイリッシュネスですね、アイルランドらしさっていうのが、やっぱり習得する方だから、そこは強化されたり、あるいは彼らなりのイメージができたりしていて、そこら辺も見ていて面白いですね。
おだしょー 今のお話で思い出したのは、隣イギリスとは違うと今言ったばかりなんですが、やっぱりコックニーなんかも移民受け入れで、いわゆるロンドンの下町地域に色々な国際的な雰囲気が出てきて、コックニーも従来認識されているようなものではなくなって、バリエーションが出てきたというのと、かなり似ていますね。
何をもってコックニーというのか、みたいな議論も起きてきているので、かなり瓜二つですね、むしろそのあたりでは。
そうですね、ある程度似たような傾向をとるものかもしれませんね。従来の伝統的なところから、それが多様化していくときに生まれることというのは共通する部分があると思いますね。
今回の一連のお話の中でも、何度となく示唆はあったと思うんですけれども、私がこの英語という選択というお書きになった本を読んで、一番びっくりしたのは何かという、最初に読んだときですね、10年前ではないと思うんですけど、どこのページでしたかね。
要するにあなたの母語は何ですかっていうふうにアイルランド人に聞いたときに、英語モノリンガルだとしても、例えばMy native language is Irishみたいな答えが、かえって消えるということが、ネイティブラングウィッチって母語だよなって日本語で訳すと。
日本語の大きなズレがあると思いますね。まず彼らにとって、私のその中では、例えばさっきのアンケートなんかは自由回答形式なので、ズバリを聞いていないんですね。あなたのネイティブラングウィッチは何ですか。あなたのファーストラングウィッチは何ですか。
そういう聞き方じゃなくて、ただ書いてくれた回答を全部集めて見てみると、あるときに、それは司祭いただいてどこかで発表したときに、その先生にアイルランド語のことをどう言ってるか全部アワーとか入ってませんって言われて、確かにと思って調べたら全部アワー、アワーラングウィッチというふうに言われるのが、これはアイルランド語なんですね。英語に対してはアワーは使わない。
たまに100人いて、1人2人、My first language is English, but…みたいな感じで、そんなのは1人2人あるんだけれども、決してネイティブとは結びつかない。ネイティブと書くのは必ず英語であって、そうですね、Our native language, our own languageとか、そんな言い方でアイルランド語のことを言うと。
言語能力のねじれ
で、本の中では気持ちとその実際の言語能力のねじれというふうに表現したんですけれども、だから気持ちはあっても実際に言語能力が追いつかないというか、だから気持ちの上では母なる言葉は母語はアイルランド語なんだけれども、実際は英語話者であるということですね。
そういう意味で、Our languageとか、Our nativeも含めてネイティブタングとか、こういう言い方をするということ自体が驚きで、やっぱりねじれ、ある種の骨折とも言えると思うんですけれども、ここが面白いなと思った時代なんですよね。
もう一つ伺いたいのは、言語交代っていう、これLanguage shiftって訳すんですかね。これは多くの聞きの典型的な生まれ育ち日本という方はですね、経験したこともないと思いますし、要するに母語がA言語からB言語に変わると。
これは一人の人生の中で変わるというケースがなくとしても、基本的には世代を超えて数世代の間に、例えば日本語ネイティブだったものが、例えばアメリカ移り住んで、2世代3世代後にもうみんな家族もろとも英語話者になってしまったみたいな、こういうプロセスのことでいいんですかね。
今は個人ですね、個人が移り住んだ場合ですよね。それが国レベルでというか、コミュニティレベルでまず起こって、国全体として起こっているっていうのがアイルランドなんですけれども、これも本で言ってるのは、その3世代あれば言語は変わることができる。それもその変わるってこっちですね、交代の対の方ですね、リプレイスメントあるいはシフトですけれども、そんな風にして変わるっていう。
で、これも言語は一人でに変わるわけじゃなくて、今おっしゃったように、世代で徐々にということで、まず想像していただいたらというか、これいつも学生さんに確かにこれ想像しにくい現象なんですけれども、でもああって言って彼らと話している中で、いつも孫楽とか日本の村の話をすると非常によく分かってこられると。
おばあちゃんは自分は方言、おばあちゃんのは方言で喋ってたけど、お母さんになると方言が薄まって、自分は方言一切もう喋れないっていう子がいて、そうするとそれに例えば長野だったり岩手だったり、あるいはどこかの山野っていうようなところで、同じようなことは起こっていて、だからコミュニティレベルでは3世代あれば、1回絵を描いてもらったら分かるんですけど、こことここでこうなって、次の世代でバイリンガルになって、次にってなって、
そうすると子供の世代である時にBの言語の方が楽っていう状態が生まれたら、言語は一気にドタドタドタと傾くことが可能ですよね。
人間は話す時間、寝て起きてという起きている時間、話している時間は例えばある程度一定ですよね。そうするとその中でだんだん英語の面積が増えてきて、アイルランド語の面積が減って、あるいは混ざっているようなところが混ざり具合の中でだんだん英語が増えてきてっていうような形で、最初はおそらくドメインというような考え方で、どこどこの場では英語が用いられて、どこどこの場ではアイルランド語、
例えば家の中ではアイルランド語とか、学校とか行政だと英語ってなってたのが次第にどんどん混じったり、あるいはもうコミュニティ全体が変わっていきますから、家庭の中の言語も変わっていく。
だいたい答えが変わるときは台所の言語、キッチンの言語が変わるともうそれは危ない。
あとはお母さんと子供の間に非対称性が生まれるなんて言い方をしますけれども、お母さんは子供にアイルランド語で話しかけているのに、あるいはお母さんは子供に何とか弁で話しかけているので、
子供はお母さんに標準語っぽく話すとか、あるいは英語で話すとか、そういうような非対称が生まれたときにですね、言葉は一気にもうなくなっていく。コミュニティ、親の言語が引き継がれなくなっていくことが起こるという。
おだしょー 方言の話は確かにとてもわかりやすいですね。あるあるというか、ここは想像できそうな気がしますね。方言、噂でなくても、イメージとして。
社会的背景の変化
そうですよね。で、それが起こっているメカニズムは、ほぼほぼだから、親の心理とか、どっちの方が子供が育ちやすいかとか、選んでないとか、いちいち意識はしないうちに、そっちに偏っていくというような状況があるということとか、あるいはその時の親の心理とか、ある部分は非常に普遍的で、私たちがどういうふうに評価を下すか、ここの中では、
何だっけ、青ネギと、何て言ってたっけ、私。何か忘れましたね。半分。
おだしょー 本の中で。
そうでしたね。フランスパンと青ネギの例えがあったと思うんですけど、かっこいいとかかっこ悪いとかっていうようなジャッジメントですよね。それと記号なので言語もね、結びついていって、なのでかっこいいものが選ばれていくとか、そういうところは非常に普遍的なので、それは例えば言語感でもあっても、方言感であっても、あるいは例えばもう本当にバックを選ぶとかっていうところでも似たようなことは起こっている。
っていう話ですよね。だから何かすごく特別なことが起こったというふうに考えるよりも、いろんな条件が整ってしまえばこういうことは起こってしまうという。
おだしょー 個人の心理というところでは分かる一方で、その個人の心理っていうのは、その人を固有のものというよりは、やはりその社会の中の子ということなんで、社会からのプレッシャー、これは無言のプレッシャー、こういう場面では〇〇語を使うべきなのである。
社会の中でなんとなく共有されている常識感みたいなものが、やっぱり世代間でも変わってくるしということで、個人とその社会の間という、繋がざるを得ないということにはなってきますよね。
社会とコミュニティの雰囲気とか、だからある時に標準語化っていうのが正しい方向だ、あるいはみんなで統制しようという方向に赴くのであれば、例えば方言札みたいなものがあちこちで見られてますけれども、アイルランドでもやっぱり同じように罰札のようにアイルランド語を禁止された時代っていうのもあって、その時は社会はそういう雰囲気だからみんながそうで。
最近としてはアイルランド語もいやいや価値があるんだよということがわかっていると、それがまた奨励されるというような空調というんですかね、空気があるので、だからむしろ自分の子供がアイルランド語を習いに行ってるんだとか、今そういうイマージョン教育みたいなのもあるんですけれども、そういう合宿に行ってるよなんてことは自慢にもなったりすると。
だから社会の雰囲気が変われば、日本でも同じだと思うんですけれども、方言が例えば方言のいろんなドラマが人気が出たりですね、あるいはローカルな番組がちょっと流行ったりとかっていうのも、それが今はそういうものを良しとする多様性が重んじられたり、そういうものをクールだと思う空調というか空気ができてるからそういった方向に流れるということですね。
だからその評価のジャッジメントは時代において変わっていくということですね。
そうですね。同じ対象、似たような対象であっても、時代の雰囲気によって変わるという。この時代の雰囲気がどう作られるのかっていうのがまさに社会言語学の非常に重要なポイントかと思うんですよね。そのボトムアップ、一人の話者とか家庭という小さい単位から来るのか、上からの言語政策とか言語計画のように上からなのかというような古い議論がありますよね。
さらにそこに第三者と言いますか、例えば島先生は日本人として外から入っていってそれを眺めるみたいな構図もありますよね。
そうですね。そこら辺も非常に難しいところですね。研究者としてなのか、正直入っているととても距離が近くなりますので、友人となるとまた違う難しさというかもどかしさというかいろいろな難しい面もあったりするかもしれませんよね。
いやそれ絶対難しそうですよね。それこそ文化人類学者のフィールドワーカーっていうのも、だから外から来たんだけども中のような気がするし、だからどこまでもやっぱり外でしかありえないしみたいな葛藤とか。
基本自分の中では、何かあるときはやっぱり最後は自分は外だと思わないといけないと思ってます。だからまず属性が違うし、なのでそこはどんなに自分がそこに入り込んで分かろうとしても、どうせあなたは外の人でしょと。
例えば本当に真に迫ってね、アイルランド語を自分は本当に報じしたいんだという先生に会ってね、彼女なんかは、あなた言語学者だったら他にこんな例見てるでしょってそこでどんなことしてるか教えてよっていうか、あなたはこの自分たちのアイルランド語が戻ると思ってるって。
それって友達のレベルで私なんとなく答えて、そんなことないよねって、もう自分はその専門においてある程度考えられるとしたら、今アイルランド語がネイティブの状態で非常に盛んになるっていうことは難しいと考えているので。
やっぱりそういうことを言ったら、じゃああなた何のためにこんな調査してるのということになって、もう私はもうこんなので教えてよみたいな、それは真に迫ったような相手との対話ってなってくると、それはもう何というのかな、研究とか何とかということよりももう人として同士の付き合いというか、もう自分はどうするんだろうっていう、そういうことになりますね。
そうですね、誤聴症の中でも悩まれているってどうすればいいのかわからないというトロをね、されているっていう、わかりますね。
ありがとうございます。
いろいろとアフタートークも含めまして、お話しさせていただきましたが、今の最後の下りで島先生のこの本もそうですし、他のご研究なども読ませていただいて、関心は私も非常に近いなというのはずっと思っていたので、今回の対談シリーズ本当に楽しかったんですけれども、言語交代、言語接触、このあたり私もすごく注目していますので。
最後のところで多分逆に決定的に違うところがあるなと思ったのは、私は歴史をやっていて現在のことはやってないんですね。そうすると相手にする対象っていうのが文字で残されたものだけなんですよね。
なのでインフォーマントがもういないっていうか、アクセスできないところにいるので、例えばフィールドワークみたいなのも、私も若い時はやってみたいなみたいな、冒険心みたいな感じで入っていって、中に入ってどう見えてくるんだろうみたいな文化人類学的な興味みたいなのなくはなかったんですが、結果として私、文献学的なむしろ文字、過去から残されたものだけを見るっていうことになると、
これ全く対する相手が違うっていうか、私も和紙の真理に入り込めるならいいなと思いはするんだけれども、どうしても手が届かないっていうか、いないんでね。そこが対象している相手と言いますかね、対象にしている相手っていうのがかなり異なる、普通に言えば文献学っていうのはアームチェアの学問みたいなイメージ。
フィールドワークは本当に出かけていってということで、その姿もイメージもだいぶ違うと思うんですよね。ただ扱っていらっしゃるもの自体は言語交代、言語接触であるとか、そこで生まれてくる言語変化。
実際に見える人ができることっていうのがあると思うんですよね。そうすると、見えることによって微視的なところを見ていく。例えば歴史言語学とかで扱っている長いスパンのことでは、というよりは、私たちは逆に小さな教示的なと言いますか、今ここで起こっていることで、
言語事情の探求
例えばこういう私の場合だと、和社のそういった言語使用に関する意識だとか、そういうものが今のある程度固定的な知識のところでどうか変わっているのかを、ミクロに見ていくっていうようなことがしやすいという利点はあるのかもしれない。そういった意味での貢献というか、文献学でできること、文献学がやらないといけないことできることっていうのもそれぞれにあるので、言語の理解が補完的にというか、
そんなふうになされていくのかな、先生のご研究とかいろいろ見ていると、そんなふうに。
そうですね、補完的、双方的ということで手を結べるのが一番いいですよね。一方であれですよね、ミクロとおっしゃったんですけれども、それを組み合わせて積み上げていくと、いわゆる理論というようなマクロと捉えられるような大きな考え方になって、それが現代で固まると、じゃあ過去に応用したらどうかなみたいので、歴史言語学もまた面白いフェーズに入っていけますし、
過去と現代が違っていたら、またこれは理論がやっぱりおかしいのか、あるいは時代の変化っていうのはその理論的前提を覆すぐらいに、やっぱり大きい時間的変化っていうのがあるのかとか、いろいろ次のステップにつながるという意味では、双方的というのが一番良いかなというふうに思っておりますね。
そうですね、今回本当に対談で、それこそ双方的な方向に発展させていければということもありますし、私もこれからもアイルランドの言語事情ですかね、英語を含めた、アイルランド語を含めた、この辺にも注目していきたいと思いますので、ぜひThe Latestをたまにレポートしていただいたりとか、
この一連のシリーズに、もしリスナーの皆さんいろいろと反響をいただけるようでしたら、場合によってはシリーズ2みたいな形でまた新しくお知らせいただければと思います。
改めまして、いわなみ書店から2016年に出版されております島田珠美先生著、英語という選択、アイルランドの今ということですね。こちら、いわなみ書店さんにぜひお願いしてですね、増撮という形であれば、広告しがいがあるということですので、もしチラッとでもお聞きいただいていたら、これ本当に名著で、
これからも入試に使われる可能性が大ですので、受験生、聞いていましたら、ちゃんと読んでおいてください、みたいな感じですよね。皆さんもぜひ手に取っていただければと思います。3回にわたりまして、本当に貴重な、なかなか聞けないアイルランドのお話をいただきました島田先生、ありがとうございました。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきまして、ありがとうございました。私もこの配信のために一度、この対談を聞き直してみたんですが、本当にインスピレーション、改めて湧いてしまいましたね。
最後のチャプターでもお話しした通り、島田先生はフィールドワーカー、そして私自身はフィロロジストということで、どちらかというとアームチェア的な雰囲気が強いんですが、全く異なる角度から言語というものを見ているんですが、それでもやっぱり分かるところがあると言いますか、
なんで島田先生がここに関心があるのかっていうところは、結構分かってしまうっていうところが嬉しかったんですよね。今回は本当にためになるお話、島田先生に伺うことができました。ありがとうございました。
ぜひまた機会に島田先生、いらしてください。アイルランドのこと、言語交代のこと、そして言語接触のことですね。他にはフィールドワークそのものであるとか、いろいろとお伺いしたいことがたまったまま、今回時間切れとなってしまって、トークも打ち切りというような感じだったんですよね。
ただ本当に大きな刺激をいただいたと思っております。お聞きの皆さんもぜひ、いわなみ書店2016年に出版されております。英語という選択、アイルランドの今、こちら入手可能となっておりますので、手に取っていただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見、ご感想をお待ちしています。VCのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語子研究者のホッタリウイチがお届けしました。また明日。
31:11

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