2025-05-14 16:11

#1445. ラテン語と英語の関係とは? --- ラテン語さん『ラテン語でわかる英単語』(ジャパンタイムズ出版,2025年)

▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


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- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


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Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

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▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


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3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


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以上,よろしくお願いいたします.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、そして英語のなぜに答える初めての英語詩の著者のホッタリュウイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。本日は5月14日水曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日は本の紹介です。
ラテン語さんによるラテン語でわかる英単語という本を紹介いたします。
ジャパンタイムズ出版より今年1月に出版されている本です。
英語の語彙を増やすためのボキャビル本といえばそうなんですけれども、
いや、それ以上にですね、ラテン語と英語の関係がわかり英語詩もわかる。そんな本なんですね。
こちらご紹介したいと思います。ラテン語と英語の関係とは?
ラテン語さん、ラテン語でわかる英単語ジャパンタイムズ出版2025年。
どうぞお聞きください。今日ご紹介する本はラテン語でわかる英単語という本なんですね。
こちら、著者はラテン語さんという著者の方で、いろいろな本をすでにお出しなんですけれども、
去年2024年に世界はラテン語でできているという本をSBクリエイティブから出されておりまして、
これが累計で言うと数万部、5万部という売れ行きということで、ラテン語が大流行りしているということなんですね。
今回ご紹介するのは今年の1月に出版された本で、ラテン語でわかる英単語ということで、
ラテン語の語感や節等辞、節微辞などを利用して英単語のボキャビルを効率化するといった趣旨の本なんですね。
語源を利用したボキャビル本ということになります。
帯にはですね、ラテン語の語源知識を活用して上級英単語を身につける、
そして英検1級レベルの難単語を多数収録ということでですね、
さらに赤字でラテン語産の新刊、四角で囲って即重版という人気ぶりなんですよね。
X等でも活躍されているラテン語産による英語ボキャビル本です。
こちらですね、分厚い本でですね、460数ページという本なんですね。
中身、本体の大部分はラテン語の語感、あるいはラテン語の単語そのものを皮切りにですね、関連する派生語などを紹介していき、
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それが英語に取り込まれた時にどんな英単語に化けているのか、それを紹介しているという本なんですね。
もちろんボキャビルというのが最大の売りの本であることは間違いないんですが、
著者がはじめにのところでですね、なぜ語源を利用して語彙を増やす、英単語の語彙を増やすことにメリットがあるのか、
こちらを5点ほど挙げられているんですね。
1、一見難しい英単語でもその語源となっている単語の意味は優しいので苦手意識が薄れる。
2、英単語の語源を調べればその単語と語源的に共通する他の単語の意味を推測しやすくなる。
3、正確なつづりを覚えやすくなる。
4、昔の人の考え方や生活がわかる。
5、言葉への興味が湧く。
非常に端的に5点にまとめられていますが、まさに語源を探るということの意味、面白さっていうのはこの辺にあるわけですよね。
私のこのチャンネルですけれども、英語の語源が身につくラジオ、そして英語の単語のですね、かなり多くがラテン語から入ってきた単語であるということは、
これまでですね、何度も述べてきている通りなんですけれども、それを考えるとですね、この本、ラテン語でわかる英単語も同じ方向を向いているということがですね、
皆さんにも理解していただけるんではないかと思う次第です。
さあ、この本の全体の構成なんですけれども、大きくチャプター1とチャプター2に分かれていまして、本体はチャプター2です。
460数ページの本なんですけれども、その400ページ以上がこのチャプター2ということですので、辞書で言えばこれが本体部分ということになりますね。
ラテン語の単語がですね、それが名詞なのか動詞なのかというラテン語側での品詞に従って配列されております。
そこから英語に入ってきた時には品詞などが変わっていたり、別の意味になっていたり、形もですね少しずれていたりということはあるんですけれども、
ラテン語側の品詞で立項されているということなんですよね。
なので、チャプター2のタイトルがラテン語を通じて英単語を学ぶということですし、本書全体のタイトルがラテン語でわかる英単語ということなので、この順序と言いますかね、
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ラテン語の単語で立項されていて、そこから派生した英単語は何でしょうかという作りになっているということなんですね。
品詞別というのもなかなかユニークで、ここの部分もちろんですね、ボキャビルの本体なんですけれども、そのまま読んでいってですね、楽しいというそういう本になっております。
とは言ったもののですね、私のような語学好き、そして辞書好きにとってはですね、チャプター1であるとかその初め2の部分ですよね。
いわゆる本体からずれた部分にも同じぐらい関心が湧いてしまうんですね。
実際にですね、チャプター1は筆読です。
チャプター2に入る前にじっくりとお読みいただければと思うんですが、チャプター1につけられたタイトルはラテン語と英単語の関係を知るということで、5節中にあるんですね。
第1節がラテン語とはということで、ラテン語、そもそもこの言語何なんですかというところとかラテン語の歴史が概略されています。
そして2節がラテン語が英語に与えた影響ということで、ここはいわばですね、ラテン語の観点を押し出した英語史概論と言っていいところなんですね。
4ページ弱という短い記述ではありますが、ラテン語がいかにして英語に影響を与えたのか、その時代も含めてですね、ざっとしたラテン語語彙の導入という観点から見た英語史の記述になっています。
ということで、これはですね、部分的に英語史の本だと言えなくもないわけですよね。
このあたりはですね、皆さんにぜひお読みいただきたいところですね。
そして第3節が現代英語に生きるラテン語ということで、ラテン語が英語に入ってきて英語化した形ではなく、ラテン語のフレーズなどがそのまんま英語に入ってきている。
確かにですね、発音は英語的になることが多いわけなんですけれども、それでもですね、見た感じはラテン語そのものというようなフレーズですね。
これが数ページにわたって列挙されています。
a posteriori、a prioriなどから始まっていますね。
このようなラテン語の単語、2語くらいをですね、組み合わせたものが多いかと思うんですけれども、これがそのまま英語に入ってきているというようなものですね。
そして第4節がラテン語の主な接頭詞、接尾詞ということでab、abと書くabという接頭詞から始まって、最後はなんとかオースというような接尾詞で終わっている3ページほどのリストです。
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第1章の最後の節が第5節、ラテン語の文法用語ということで、例えば、性、格、能動体、受動体、官僚このようなラテン語文法で出てくる用語ですね。
これ最小限にはやはり出さずにはですね、書くことはできない本ですし、読み解くこともできないということで、ただ最小限にとどめてあるかなというような印象を持ちます。
そして第2章、チャプター2に入りまして、具体的な単語が品詞順に列挙されていくということなんですよね。
先ほども述べましたが、この辺りがユニークだなと、ラテン語ベースで単語を学ぶというこの方針にですね、沿った作りになっているなというところですね。
名詞、動詞、形容詞、副詞、前置詞、代名詞、数詞、接続詞のような、後半はですね、いわゆる機能語と呼ばれるようなラテン語の単語なんですが、これがなんと英語に入ってきている。
英語に入ってきた時には、これは名詞に化けていたり、他の品詞に化けていたりということの方が多いかと思うんですけれども、あるいは節当字、節微字ですね。
この辺りもじっくりとお読みいただければと思いますね。
そしてインデックスが完備されています。
英単語で引くことができるインデックスが用意されていて、最後には主な参考文献ということで1ページまとめられています。
もちろんこの中には研究者の英語語源辞典、私がいつも推しているあの辞典も入っております。
こちらの本、おすすめなんですけれども、ボキャビルに利用する際にもですね、ぜひ英語とラテン語の関係については理解しておいていただけると、何倍も効率よくこの本をですね、利用して学ぶことができるかと思うんですね。
ラテン語と英語の関係、これはですね、同じインドヨーロッパ語族の仲間であるといえど、派閥が異なるので、基本的には異なる言語、全く縁もゆかりもない言語と言ってもいいぐらい離れてはいます。
ラテン語はインドヨーロッパ語族の中でもイタリック語派に属します。
一方、英語はゲルマン語派に属します。語派というレベルで異なっていると、もう事実上は赤の他人と言っていいです。
ただ、かろうじて引用相語の語根を共有していたりということはですね、ありますね。
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かろうじてというのは結構たくさんあるんですけれども、それが認識できるかどうかというところで言うとですね、かろうじて認識できるかなとかできないかなっていうレベルぐらいのものですよね。
結縁関係の比喩で言うんであれば、かなり遠い関係と言っていいんですが、ただそれとは別に歴史上、特に英語の歴史上ですね、ラテン語と交わる機会が非常に多かったんです。
多かったと言いますか、交わっていなかった時代というのはないぐらいです。
ある意味では、クサレエンでずっとですね、英語の歴史を通じて、さらに英語が英語になる前の時代も含めますと、ざっとですね、2000年くらい英語の元となる言語と言っておきましょうかね、と、ローマ帝国の言語であったラテン語、これはずっと接触し合っていたと言えるんですね。
ですので、その分、ラテン語から英語に流れ込んだ語彙もですね、かなりの数に上ります。
英語語彙の中にはラテン語がたくさんあるっていうことなんですよね。具体的にどれくらいかというのは数え方にもよるんですが、英単語、英語語彙の3分の1が本来の英語です。
そして3分の1がフランス語あるいはラテン語です。
残りの3分の1がその他ざったな言語からです。
つまり英単語の3分の1がフランス語orラテン語ということなんですね。
フランス語とラテン語はですね、似ている言語、似ていると言いますか、ラテン語から派生した言語の一つがフランス語ということで、いわば血縁関係にあるわけなんですが、
ある単語がフランス語から英語に入ってきたのか、あるいはラテン語から英語に入ってきたのかというのが判明しないくらいにですね、似ているケースがあって、はっきりと数、ここで述べるわけにはいかないんですけれども、
とにかく英語語彙の3分の1がフランス語orラテン語ということになっているので、ラテン語風味のものというふうに緩く捉えると、
英語語彙の3語に1語、これがラテン語絡みのものだということなんですね。これでラテン語から英単語を学ぶ、英語語彙を学習することの意義、有用性というのはわかるんではないかと思うんですね。
本の帯にもある通り、上級英単語が多いというのがラテン語からの釈用語の一大特徴です。
レベルが高い単語ですし、かしこまったフォーマルな単語が多いということなんですね。まさに上級者レベルということでですね、このレベルにまで達した人、あるいは達しつつある人は、ぜひこの本でボキャベルを務めていただければと思います。
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そしてくれぐれもですね、英語史との関連を忘れずに。エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。今日は本紹介ということで、ラテン語さんによる詩筆、ラテン語でわかる英単語、ジャパンタイムズ出版、今年1月に刊行されておりますので、ぜひ関心のある方は手に取っていただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見、ご感想をお待ちしています。Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように。英語史研究者のホッタリウイチがお届けしました。また明日!
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