2025-08-26 16:18

#1549. 『英語語源ハンドブック』正誤表の公開,そして yes の語源

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- ぜひ Amazon よりご予約ください:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html

- 7月13日(土) に朝日カルチャーセンター新宿教室にて著者3名が記念出版記念講座をハイブリッド開講します.詳しくは https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8388868 をどうぞ.


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の10号が公開されています


- 第10号(2025年7月28日):https://note.com/helwa/n/nb4e7746663b5


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2025年第2四半期のリスナー投票が7月10日までオープンしています


- 投票会場:https://app.sli.do/event/weRify7g2SvDa89mZh7k1A


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

本エピソードでは、『英語語源ハンドブック』の正誤表が公表され、特に「yes」という単語の語源について詳しく掘り下げられています。また、リスナーからの指摘に基づく訂正も取り上げられています。語源の謎や面白さが強調され、リスナーのサポートに対する感謝が述べられています。

正誤表の公表
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
英語の語源が身につくラジオheldio、英語詩をお茶の間にをもとに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は8月26日火曜日です。みなさんいかがお過ごしでしょうか。今日はですね、こんなお題でお話しいたします。
英語語源ハンドブック正語表の公開、そして yes の語源、です。
6月18日に刊行された英語語源ハンドブックですが、皆様にご指示いただきまして、発売から2週間で10版が決定したということはですね、すでにお伝えしておりますが、その10版もですね、すでに本屋さんなどに出ております。
ぜひですね、まだ手に入れていないという方はですね、入手をご検討いただければと思います。
そしてですね、10版の際に、初版に見つかった誤りを訂正する機会があったんですね。
10版ではそれが訂正された形で印刷されております。
ただですね、10版までの時間もですね、短かったということで、それほど多くの手直しを加えたわけではなかったんですね。
その時までに気づいたものということで、大きな変更はありません。
ですが、どの部分が訂正されたのかというのは知りたい。特に初版お持ちの方はですね、どの部分が10版で変わったのか知りたいという声も少なからず上がっておりまして、
研究者さんにもですね、相談した結果、これを公表しようということになりました。
リスナーの寄与
正語表ですね。
今日はそのお知らせと、そしてついでというのもなんですが、英語語源ハンドブックから一つ注目したい単語
yes を取り上げて、その語源をたどってみたいと思います。 どうぞよろしくお願い致します。
冒頭で述べました10版に際する初版との違いを明記した正語表、こちらですね。
おきの本チャプターにリンクを貼っておきますので、そちらからアクセスしていただければと思います。
研究者さんが運営しているサイト内で pdf の形で配布しております。
冒頭でも述べましたが、期間が短かったのでそれほど多くの訂正点が見つかったわけではありません。
訂正すべき箇所が少ないというよりはですね、訂正すべき箇所をまだ見つけられていないっていうのが本当のところだろうと思っております。
そして今回公表しておりますのは、内容に関する語記に関するものだけということになりますね。
いくつか苦闘点等ですね、細かなところで直したところを含めるとそれなりの数になるとは思うんですけれども、内容に関するポイントを絞ってということで、それほど多くあるわけではないんですが、ここで皆さんにお伝えすべきことはですね、このうちの何点かはなんと
ヘルディオリスナーよりご指摘のあったポイント、こちらを訂正することができたというのは私としても非常に嬉しいところなんですね。
具体的に言いますと、最初に上がっている2点などがその例なんですね。リスナーさんに寄せていただいたんですよ。
本文が始まる前の序文の部分ですけれども、23ページ、右段下から2行目、西ゲルマン語族というところが西ゲルマン語群、後者が正しいんですね。西ゲルマン語群が正しいということでここ訂正入っているわけなんですが、リスナーさんにご指摘いただきました。
そして次にですね、本文5ページ、左段の3行目、ラテン語の語源形でアッダレと書かれていたんですが、これはアッデレの間違いではないかというご指摘をリスナーさんからいただきまして、
10判で訂正することができました。この場をお借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。 本当に嬉しいことですね。
今後はですね、30判もちろん目指していきたいと思っておりますが、少し間があるかと思いますので、皆さんが日々英語語源ハンドブックを引く中で、これ何か誤記、間違いではないかなというようなことがありましたら、
どんな方法でも構いません。このヘルディオのコメントに投げていただくということでも結構ですし、私の方あるいは研究者さんの方に通じるような形でご指摘いただけますと、30判の際には訂正することができるかと思います。
そして、その折にはですね、また新たな整合表を作成して公表するというようなこともですね、やっていきたいと思っておりますので、皆さんでぜひこの英語語源ハンドブックの荒探しというよりはですね、より良いものにしていくためのご支援というふうに、私の方はですね、理解したいと思っておりますので、ぜひ気づいた点ありましたらお教えいただけますと幸いです。
yesの語源
こちらの整合表はですね、8月18日に公表されたということで、ちょうど英語語源ハンドブック刊行の2ヶ月後のことだったということでですね、タイミングも良かったなぁなどと思っております。
さて、今日はですね、この訂正ポイントとは関係ないんですが、私も色々とですね、この英語語源ハンドブックをペラペラパラパラとめくるのが日課になっていますが、これ常に発見があるんですよね。
他の著者陣営もですね、述べていたと思うんですけれども、自分が書いたところでもですね、すっかり忘れてしまうので、改めて読んで、あ、勉強になったなっていうこと、これ非常に多いんですよね。
ですので、人生の中で同じ単語の語源であるとか、様々な単語をめぐる物語ですね、これに3回4回と驚くというのは、これザラにありますね。
単語の数っていうのはとても多いので、一つ一つ色々と暗記しているわけでもないっていうことですね。
英語語源、私も長らく付き合ってきた方だとは思うんですけれども、それでも常に発見があります。
実際にはかつても同じ情報を見て、「へー、なるほど。」と言っていたものがですね、もう1回時を変えて、「へー、なるほど。」という機会が非常に多いんですよね。
今回はそんな中ですね、たまたまYの項目を眺めていたんですけれども、Yのところで、Yes, No この語源が目についたんですね。
ページで言いますと377ページ、右下にYes, No があります。もちろん意味はそれぞれはい、いいえということなんですけれども、
キャッチとして付けられているのが、Yesは英語特有の語というところですね。
これは英語以外にはない、ゲルマン系の他の言語にもないというところで、そういう意味では特殊な単語ということになります。
頻度も高いですし、英語を学ぶ前から知っている単語の一つでもあるわけなんですが、これが語源的には他に共通する言語がないっていうのが非常に面白いところですよね。
では具体的にはどういう語源だとわかっているかということなんですけれども、その部分読み上げたいと思います。
Yesは英語に特有の語で、語源は不詳、古英語のYes, Say またはYes, Were に由来すると考えられているとあります。
語源不詳なんですね。ただ、説としては今の2つあたりがあるんではないかと唱えられているということなんですよね。
古英語のまずYes, Say から行きたいと思うんですが、このYes, Say は2つの部分からなっておりまして、Yes と Say ですね。
Yeah というのは、古英語のgeaと書いたyeahに相当するのではないかということなんですね。これは現代英語でもyeaと書いてyeahという、まさにはいとかしかり、さようという意味の語がありますね。
今はあまり使わないかもしれませんが、これ自体がYesの意味を持っているっていうことなんですね。yeahです。
英語語源ハンドブックの公表
賛成投票の時にyeahなんていうことは現代でもありますかね。ちなみに否定投票の場合はねいということになります。yeahとねいで韻を踏むということでですね、これ使われることはありますが、一般的ではもうないですね。
ただ古英語ではYesを表す普通の単語としてyeahというのがあった。それにSayがついているんではないかっていうことですね。
Sayというのはこの場合何にあたるかと言いますと、be動詞の仮定法現在の形なんではないかっていうことなんですね。
つまり、現代英語風に解釈するとmaybeぐらいですね。
そうしますと、maybe soとかmay it be、そうであればねぐらいの意味になるっていうことですね。
yeahだけでもYesの意味を担うことはできるわけなんですけれども、さらに強調と言いますかね、少し長くしてですね、be動詞の仮定法現在形をくっつけて、そうあればいいですねぐらいの紀元文のようなものになります。
このyeah、SayがつづまってYesになってきたんではないかというのが第一の説ですね。
もう一つの説はyeah、soiがつづまったものではないかということで、前半部分は先ほどと同じ、それだけでもうYesを意味したyeahですね。
その後ろにsoi、これはですね、現代英語のsoに相当するんですね。Yes、so、そうそうって感じですよね。
これがつづまったのがYesなんではないかという説が紹介されています。
いずれの説にしても、yeahだけでもうYesを表すのに、その後ろに何かくっつけることで、全体を長くして、そして強調と言いますかね、Noではない、Yesの方だよということを示す表現になってきたというふうに考えられるんではないかと思います。
ある種の強調語だと考えるとですね、特に強調する必要のない時にはyeahとこれまで通り使い、そして少々長めに強調的に言いたい場合に、
Yes、SayなりYesはなりが結局つづまったYesを使う。yeahとYesというのは近代まで共に使われていたんですね。
yeahの方は発音はyeahという形で近代に伝わってくるわけなんですけれども、yeahとYes、これが共に使われていたと、シェイクスピアなどでもyeahはまだ使われていたんですね。
ただ、17世紀以降にこの強調形とおぼしき形に遡るYesの方が優勢になり、今ではNoの反対語としてYesということになっているわけですね。
他にも交互レベルではいろいろな異形がありまして、例えばyeahと書いてyeahっていうのは交互などでよく使いますよね。これなども小英語のyeahという単一の語形が少々音の変化を起こしてですね、
違う形になったぐらいのもので、異形などを探すと方言なども含めていろいろ出てくる可能性はあるかなと思いますが、現代ではSがついた形が一般化している。
さあ、このSは何に由来するのか。B動詞の仮定法現在の形なのか、あるいはスは、つまりSOのそうにさかのぼるのかという、このあたりが語源探求の謎、ミステリーであり、面白いところでもあるんですよね。
簡単な単語だからこそ語源が面白い、あるいは語源が不詳なんだということは非常に多いので、ジャセットの基本戦語、これを扱った英語語源ハンドブックはですね、その意味でも謎も多いし、面白さも満点というそんな本となっております。
yesの語源の考察
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
今日はイエスの語源をたどりましたが、その前に英語語源ハンドブックの正語表が公表されましたということもですね、この場を借りて正式にアナウンスしておきたいと思った次第です。
というのはですね、正語表を作って公表してくださいという声も様々な媒体からですね、私どもの方に入ってきたわけなんですが、そのうちの一つがオキノヘルディオでもあったんですよね。公表してくださいという声をいただきまして、我々も動き出したという次第です。
先ほども申しましたが、リスナーの皆さんのご支援をいただきつつ、そして温かい目で見守っていただきつつですね、この英語語源ハンドブック育てていっていただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
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それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように。英語詞研究者のホッタリウイチがお届けしました。
また明日!
16:18

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