2025-08-18 14:16

#1541. 英語史を通じて接続詞はどんどん増えてきた

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以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

このエピソードでは、接続詞の歴史とその増加について語られています。具体的には、英語の歴史を通じて接続詞がどのように形成され、外部からの影響を受けているかが考察されています。

接続詞の概要
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリュイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は8月18日月曜日です。お盆休みも終わったという方が多いでしょうか。新しい1週間の始まり。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日は、昨日に続き接続詞の話題です。昨日の回、皆さん聞いていただけましたでしょうか。
リスナーの皆さんの推し接続詞を紹介します。と題しまして、先日このheldioで募集しました。皆さんの好きな接続詞。
こちらコメントを読み上げるコメント返しの回をお届けしました。 さあ今日はその流れに乗りましてもう一つ接続詞の話です。
実はですね、英語詞を通じて接続詞はどんどん増えてきたという事実があるんですね。
今日はこれについてお話ししたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。 皆さんに接続詞について考えていただきまして、推しの接続詞まで上げていただくという事態になったわけなんですが、
改めまして接続詞、conjunctionと言いますが、どのようなものがあるか、この一覧をご覧になったことありますでしょうか。
heldio、そしてhelogでもですね、この話題をお届けしてきたんですけれども、 これですね、
上げ切ることができるんですね。 つまり閉じた語類と一般に言われる機能語に属するんですね。
内容語に対して機能語ということです。 文法的な機能を果たすことに特化した語群ということで、接続詞もその典型なんですね。
他には全知詞とか代名詞なども含まれますけれども、 閉じた語類であるということは有限なのでリストアップできるっていうことなんですね。
一般に接続詞は、 その統合的特徴、そしてそれに付随して意味的特徴も勘案してですね、2つに大きく分けられるんですね。
等位接続詞というものと、重属接続詞あるいは重位接続詞と呼ばれるものです。
等位接続詞というのは、本当に限られた一握りの単語しかありません。 すぐに唱えることができます。
and or but この3つが基本ですね。
他に、等位接続詞と見てもよかろうというものとして、for というのはという意味のあのforですね。
それから、so that。 that が省略されて、so だけになることも多いんですが、
これぐらいなんですね。 せいぜい頑張って5つ。
接続詞の増加
ということで、 これはですね、そう簡単に増えませんね。減りもしないと思いますね。
一方、重属接続詞、等位接続詞についてはもっとありまして、
ここで読み上げていると冗長になってしまうくらい数重はあります。 典型的なものをあげておきますと、
after, although, as, because, before, if, since, till, unless, until, whereas, while 等々ですね。
他にもですね、複合的に、つまり2語以上からなるものというのも色々とありまして、
in that, now that, as far as, as long as, as soon as。
色々と上がってくるわけなんですよね。 確かに数はそれなりに数重という単位でありますが、
基本的には有限です。ということで、リストアップしきることができるということなんですね。
確かに閉じた語類という感じはします。 ところがですね、
歴史的に見ますと、この接続詞というのは増えてきているんですね。
ということは、完全に閉じた語類ではなく、新しいものが入り込んでくるということになりますね。
そして、死んでいった接続詞というのもあるわけなので、厳密な意味での閉じた語類ではないということですね。
あくまで名詞や動詞などの内容語に比べれば、相対的に閉ざされているぐらいにとっておいた方が良いのだろうと思われるわけですよね。
それにしても、この歴史的事実、接続詞は昔から今まで増えてきているんだという事実はなかなか面白いですよね。
小英語の接続詞をですね一覧にしてみても、まあそれなりに数はあるんですね。
決して一桁というわけではありません。やはり二桁台はありますね。
その意味では激増、爆増したというわけではないんでしょうが、時代を経て着実に増えてきているということは確かなんですね。
一方ですね、小英語であった接続詞、特に複合接続詞、2語以上からなる組み合わせですね、これは割と死んでいってるんですね。
死んでいってるものもそこそこあり、ただそれを上回る数の新しい接続詞、代替接続詞がどんどん投入されてきているっていうことで、全体としてはプラス、つまり増えてきているというのが実態なんですね。
一見すると接続詞の種類、数が増えるというのは妙な感覚に陥りますけれども、
小英語記からですね、全知詞に相当するようなものですね、あるいは副詞も兼用しているようなものが多いんですが、これに後ろにザッとをつけて、つまり2語でですね、
接続詞を作るというようなトレンドがあったんですね。 小英語記からもありましたが、主にこれが
本格的に発動されるのは中英語記以降ということになるんですね。 こうして既存の語にザッとを加えることで接続詞を作った。
いわばですね、全知詞とか副詞、これにザッとを添えることによって、後ろに節が続いてよいよと、SVという塊が続いてよいよという合図になりまして、
全体として接続詞になったということなんですね。 全知詞と接続詞というのは、
言ってみれば、 兄弟みたいな関係なわけですよね。
全知詞というのは後ろにくがきます。 接続詞というのは後ろに節がきます。この違いがあるだけで、
文法関係を表す という点ではですね、
機能語として仲間なわけですね。 なので全知詞から接続詞が生まれるというのは、
理解できることなんですよね。 ただ英語の接続詞の歴史で面白いのは、
今述べてきたように既存の単語、典型的には全知詞とか副詞が多いわけですが、これを元にして新たな接続詞ができるというようなパターンですね。
既にあった語を元に接続詞が 新たにできましたというパターンが
あったわけですよね。 他にはですね、
ホワイルのように、 もともと名詞だったものが
接続詞になったという、いわゆる文法化の例として挙げられるような、そんな事例もあったりするんですね。
これも広い意味で言えば既存の語を元にして新たな接続詞を作ったということで、英語という言語内で完結している語形成なわけなんですけれども、
面白いのは外から入ってくる接続詞があったっていうことなんです。 さすが英語という感じですね。
他言語から多くの語彙を英語は借りてきたという経緯があるんですが、 接続詞に限ってみてもやはり外から入ってきているものがあるんですね。
例えば except というのが
一つ例として挙げられますね。 これはラテン語から入ってきたものです。
外部からの影響
何々を除いてという、同じような意味では save というものもありますね。 これは今度はフランス語から入ってきたものです。
さらにbecause については、 be の部分が by ですね。これは英語本来語なんですが、後半部分の cause
理由を意味する cause ですが、これはフランス語から入ってきてるんですね。 なので半分釈用語ということになります。
このような形で外からの要素を使って新たな接続詞を作るっていうことも起こったんですね。
これが英語らしくて面白いところだと思うんですよね。 このように中英語記、それから近代英語記にかけて
徐々に増えてきたわけなんですが、実はですね 厳密に言いますと
現代に至るまで増え続けてきたというよりは、どうも近代英語記あたりがピークだったらしいんですね。
とりわけ副詞節を導く接続詞。 これは接続詞全体の中でもかなりのシェアを占めるわけなんですけれども
副詞節を導く接続詞に関する限り、その発達のピークは初期近代英語記ということらしいんですね。
つまりそこでピークを迎えた後は 少し減ってですね。つまり作りすぎたと言わんばかりに
過剰供給状態が多少解消されて現代に向かってきているというそんな構図のようなんですよね。
いろいろと調べがいがありそうな面白そうな問題だと思いませんか。 ちなみに先ほど全知詞と接続詞は兄弟のようなものだと述べましたが
実は全知詞もですね、英語詞の中でどんどん増え続けてきているという歴史を持っているんです。
これにつきましてはオキノヘルディオの260回でお話ししております。 英語詞を通じて全知詞はどんどん増えてきた。
これはほぼ間違いなく連動していると考えて良いと思うんですね。 全知詞の増加と接続詞の増加。
このあたりは今後深掘りしていきたいなというふうに思っております。 エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
いかがでしたでしょうか。普段あまり注目しない接続詞という語類、 そしてかっこつきで全知詞にも触れましたけれども、こういったいわば閉じた語類というふうに伝統的には言われてきたもの。
これも厳密な意味で閉じているわけではなく、あくまで名詞や動詞などと比べれば閉じているというふうに言われるだけで、意外と増えてきた。
外から入り込んできたという歴史が見られるんだということですね。 ここが面白いところです。
死後になったものもそこそこあるよということも含めて、 こうした事実を知ると
画前興味が湧いてきますよね。 ぜひ皆さんも接続詞、全知詞などに興味をお持ちいただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。 SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは今日も皆さんにとって良い一日になりますように。 英語史研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日!
14:16

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