2025-05-03 12:38

#1434. 『ことばと文字』18号が出ました --- 特集「語彙と文字の近代化」にご注目

▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」が2024年10月28日に創刊しています.第4号まで公開されています.


- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える、初めての英語詩の著者の、ほったりゅう一です。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間にをモットーに、英語の歴史の面白さを伝え、 裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は5月3日、土曜日です。皆さん、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、言葉と文字18号が出ました 特集「語彙と文字の近代化」にご注目、
と題しまして、4月25日に刊行されました、
本と言いましょうか、1年に1度この時期に出版される雑誌なんですけれども、 そちらの18号をご紹介いたします。
この中で特集記事がありまして、 語彙と文字の近代化対象言語史の視点から、
こちらに私も寄稿しておりまして、 またコーディネーターとしてですね、複数の論考をまとめるという形で、
特集企画に関わらせていただきました。 実はですね、4月9日のお聴きのVoicy Heldianにて、
一度取り上げているんですね。まだ刊行前だったんですけれども、 そして今回はですね、
刊行後ということで改めてご紹介いたします。 前回の配信会でおおよそのところはですね、概要は説明しましたので、
今回はですね、格論について少しご紹介していきたいと思います。 どうぞよろしくお願い致します。
4月25日に発売となりました言葉と文字18号。 この中で特集語彙と文字の近代化対象言語史の視点からと題しまして、
133ページに及ぶかなり大型の特集企画。 こちらに関わらせていただきました。
対象言語史という視点から、語言語、 日本語、中国語、英語、ドイツ語、フランス語ですね、
こちらの専門家とともに、 一つのテーマで、今回は語彙と文字の近代化というテーマを掲げたんですが、
それぞれの論考を集めまして、全体で12編の論文が 寄せられてきました。
このように一つのテーマではあるんですが、異なる言語の専門家がですね、集まって書くというのは、それほどよくある試みではないんですね。
03:02
しかもですね、歴史的というところがポイントです。 対象言語学ではなく、対象言語史というところがユニークで、
実際にですね、この対象言語史という視点はですね、 極めて独自のユニークなものなんですね。
このアプローチの狙いについては、前回の配信会などでもお話ししてきましたので、
今回はですね、格論につきまして、 本当に概要の概要という感じですけれども、どういった話題が取り上げられているか、
ざっと見ていきたいと思います。12編ありますのでね。 まずは日本語史・中国語史部門の論考ということで、
まずは田中牧郎氏。 日本語の語彙と文字表記の近代化と題しまして、
19世紀後半の西洋語翻訳を機に、新メディアの表現たちの工夫で語彙が近代化し、 啓蒙化や国家主導の言語改革で文字表記が近代化されたことをコーパスで実証しています。
ということで、こちら私がまとめた概要文章なんですけどね。 それを読み上げているという形になりますが、どんどんいきましょう。
次、木村はじめ氏による西洋言語との接触による文字の近代化 というタイトルで書かれております。
内容を1、2行でざっと振り返りますと、 16世紀にキリシタンがもたらしたローマ字は音説をより細分化して示す点で画期的でしたが、
日本語の文字詞に加わった仮定とその意義を考察しています。
3点目が高橋優太氏による近代語の表記の変遷から見る東洋漢字表です。 近代化に伴う教育普及の課題に対し、初めて実効性を持った漢字政策
東洋漢字表1946年がどう設計されたかを解説しています。 次、陳力英氏による日本語における漢語語彙の近代化。
明治初期に急増した漢語について、 早見漢語弁断を例に形態意味から検証し、
唐太と定着の要因を探り、近代化プロセスを考察しています。 次に千葉健吾氏による中国語における語彙と漢字の近代化
北京語の革新と中蔵活字の誕生です。 北京語彙に漢話語彙や新漢語を取り込んで語彙が近代化し、それを支えた活字創生と印刷書体確立の過程を後付けています。
さあ次に、英語史、ドイツ語史、フランス語史より西洋語に関する語彙と文字の近代化ですね。
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まずは私、堀田隆一が書きました。 英語語彙の近代化。英語史におけるギリシア釈用語。
英語語彙におけるギリシア語の存在感を歴史的に論じ、15世紀以降の釈用、18世紀以降の科学技術発展における信号形成が近代化、国際化に果たした役割を指摘しています。
次に、家入洋子氏の15世紀英語のつづり字のバリエーションとその収束、PEEPS2125写本の事例からつづり字研究の課題を考える。
と題しまして、特定写本から15世紀英語のつづり字変異を調査し、音韻変化だけでなく政治社会の変化や分布も考慮すべきことを論じています。
次に、中山雅美氏の後期近代英語記のつづり字改革挫折と成功。
18から20世紀のつづり字改革が英米で異なる動機で試みられたこと、その抜本改革は失敗したもののウェブスターの一部修正つづりは定着したことなどの経緯を記述しています。
次に、高田博之氏によるドイツ語の語彙とつづり字法の近代化です。
17世紀に注目された形態論理原理がつづり字法の近代化と語彙形成の両方で参照され、専門術語形成や語彙の時刻語化を促したことを指摘しています。
次に、大倉須南氏。ドイツ語史における文字の近代化、イデオロギー化された文字。
フラクトゥア諸体とアンティカ諸体の使用をめぐる論争から近代化が始まり、イデオロギーにより前者が長く保持された歴史を後づけています。
次、西山範之氏によるフランス語の近代化における辞書の貢献。
アカデミー・フランセーズ辞書、特にフランス革命期の第5版がフランス語の近代化に果たした役割を分析し、人為的な近代化と新語の精髄を指摘しています。
そして最後に、片山美希代氏による法上なる混沌、ルネサンス期のフランス語における語彙の拡張。
16世紀フランス語語彙の画期的な発展に注目し、ラテン語、イタリア語からの釈要が主因だったこと、また、世紀後半には独自の洗練を目指す意識の高まったことを論じています。
以上の、日中英読仏語言語からの論考、全部で12編ということでですね。
09:05
語彙、文字に限定してはおりますが、 このように5つもの言語の歴史をざっと振り返る機会というのはなかなかないんですね。
近代化と言いましたが、必ずしも近代期だけにとどまっておりません。
論考によってはもう少し早い時期、中世の時期に遡るものもあります。
各言語史をコンパクトに見通すことができる、そんな功用もあるのではないかというふうに思うんですよね。
お目当ての論文、特に関心のある論文をじっくり読んでいただくということももちろん、
だいたい同じ時代の〇〇語では、事情はどうだったのかな、のように比べて読んでいくということはですね、今回おすすめの読み方となります。
各論文読み比べていただきまして、知的刺激に満ちた対象言語史の世界に浸っていただければと思います。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。 前回の配信回、
1410回だったんですけれども、その時はですね、4月9日ということで、
この特集記事に関するあるイベントの数日前だったんですね。 4月12日の土曜日に京都大学で開催されました英語史研究会。
この中で実はラウンドテーブルを企画いたしまして、 今回の帰校者全員というわけにはいかなかったんですけれども、数名にお集まりいただき、
会場で口頭で議論することができたんですね。 それぞれの論考についてまずざっと解説していただいた後で、
対象言語史の実践を口頭で行ってみたということなんですよね。 時間が短かったんですが大変盛り上がりました。
その後、そのラウンドテーブルでのディスカッションなどの話も含めまして、 このヘルディオのコアリスナーであるカミンさん、
実際には12本目の論文をお書きになった片山美紀夫氏なんですけれども、がご自身のノートで、
京都大学での英語史研究会ラウンドテーブルについても記していらっしゃいます。 そのリンクをこのチャプターに貼っておきたいと思いますので、そちらも合わせてご参照いただければと思います。
12:08
ということで本日は、言葉と文字18号の観光のお知らせでした。 このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。 SNSでのシェアもよろしくお願い致します。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように。 英語史研究者のほったるゆちがお届けしました。
また明日!
12:38

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