2025-06-25 15:42

#1487. add の「中身のない」語源 --- 『英語語源ハンドブック』と「英語語源辞典でたどる英語綴字史」

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ます


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- ぜひ Amazon よりご予約ください:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」が2024年10月28日に創刊しています.第4号まで公開されています.


- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

今回のエピソードでは、英語語源ハンドブックをもとに「add」という単語の語源を多角的に探求しています。この単語がラテン語からどのように変化してきたのか、また語源の面白さについて語られています。また、英語語源ハンドブックと英語語源辞典を通じて英語の語源や語彙の広がりについて解説されています。さらに、寺沢志穂さんの記事を参考にしながら、これらの資料の相互関係について考察されています。

英語語源ハンドブックの紹介
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリウイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio、英語詩をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は6月25日水曜日です。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
昨日のheldio冒頭でですね、英語語源ハンドブック、先週の水曜日に刊行されたものなんですけれども、こちら
マルゼン丸の内本店にて英語コーナーで週刊ランキング第4位というランキングとなった胸、喜びとともにお知らせしました。
なんとですね、昨日の晩また朗報が届きまして、今回は日の国屋書店新宿本店、先日書店巡りで我々も回った店舗なんですけれども、
こちらの週刊ランキングでなんと第1位!
いやーこれはですね、本当に驚きました。昨晩ですね、研究者さんから連絡が入りまして、もう2日連続で目と耳を疑いました。
発売からまだ1週間経っていないというこのタイミングでですね、2つの店舗、週刊ランキングに入賞をしており、
しかも日の国屋書店新宿本店ではなんと英語部門第1位ということで、これは本当に信じられない結果です。
本当に皆さんありがとうございます。そして書店の方々もですね、いろいろと工夫されて置き場を考えていただいたりというその様子をですね、
先日の書店巡りでしかと私も確認させていただいたわけなんですが、こうした書店さんの努力もありまして、
さらに出版社さんであるとか、著者の皆さんの応援、そして何よりもこのヘルディオ大ききの皆さんの応援のおかげだと思っております。
このように盛り上げにご協力いただきまして本当に皆さんありがとうございます。まだですね、始まって1週間、
発売後1週間ということで、これからが本番だというふうに思っている矢先にですね、このような嬉しいニュースが入ったということで、
今後の英語語源ハンドブック、こちらの広報にも力が入るというもんですね。
いつも申し上げておりますが、これを通じて英語史の世界、英語語源の深い世界にお入りいただければと、こちらの沼においでいただければというのが最終目標なんですね。
もちろん英語語源ハンドブック単体でも十分に面白い、読んでためになる本、読める本となっておりますが、
その親辞典といって良い英語語源辞典、それからですね、英語史を広く知ろうと思ったら、説聴となりますが、
英語のなぜに答える初めての英語史、こちらもですね、合わせてご覧いただければと思います。
addの語源の探求
これ、三点セットと私読んでいます。勝手になんですけれども、ぜひですね、お聞きの皆さん、この機会に英語史の世界にどっぷりはまってみてはいかがでしょうか。
さて本日はですね、英語語源ハンドブックより話題をお届けします。
取り上げる単語はadd、足す、加える、付け足すという、ADDと書くaddですね。これについて多角的にお話ししたいと思います。
参照するのは英語語源ハンドブックだけではありません。ここがポイントなんですけれどもね。
さあ本日のお題です。addの中身のない語源、英語語源ハンドブックと英語語源辞典でたどる英語つづり辞書、どうぞお聞きください。
本日の話題はadd、ADDと書くあのaddという動詞に注目します。
この3文字の非常に短い単語ですね。一音接語なんですけれども、これがですね、語源なかなか面白いんですね。
お持ちの方は英語語源ハンドブックの4ページを開きください。
ABC順ですので最初の方にありますね。4ページにaddとありまして5ページにまたがって書かれておりますが、
部分的ではありますが読み上げていきたいと思いますね。こんな感じで記述がなされているんだということをですね、ご確認いただければと思います。
お持ちの方はそのままじっくりと読みいただければと思いますし、まだ英語語源ハンドブックをお持ちでない方は、
例えばaddという単語についてここまで面白く語源が書かれているんだという参考にしていただければと思います。
まずですね、addそして発音記号addとありまして、動詞、そして意味が書かれています。
加える、足す、足し算をする。ここまではいいですよね。
そしてこの英語語源ハンドブックの最大の特徴の一つが、各見出し語にキャッチコピーがついているんですね。
これにどういうキャッチコピーがついているかと言いますと、変化が加わらない語というキャッチコピーがついています。
さあ何のことかお分かりでしょうか。
加わらないのところは鍵カッコでくくられていますね。
もちろんこの単語の意味が加えるということに引っ掛けたある種のシャレ、ジョークに近いキャッチコピーとなっています。
これはワクワクするんではないでしょうか。
語源由来という込み出しがありまして、2行で端的に説明があります。
14世紀にラテン語より釈用、引用素語、道、dou、与えるに基づく。
なるほど、引用素語のdouと書く道と発音するんですかね。
与えるという単語に関係するということですね。
そうしますとaddのdが2個ありますけれども、通り事情は2個ありますが、このdがどうもdou、引用素語の与えるに関係するんだなと。
意味的に加える、足す、足し算をするですから、与えるという動詞の意味と関連はしそうですよね。
さあ続けて、歴史、失われた、本来の動詞互換という見出しが立っております。
この元にこの単語、addの語源、エッセンスが詰め込まれていますね。
6行弱ほどの短い文なんですが、ここでですね、addという単語の語源の一番面白い部分が詰まっているということになります。
この部分、読み上げます。
釈用当初から意味も綴りや発音もあまり変化せず、現代に至っている。
接頭詞add、ad、〇〇に、という意味の接頭詞ですね。
と、誰、与える、からなるラテン語の動詞addare、ますに由来するが、英語では事実上このラテン語動詞の接頭詞の部分だけが留められた形になっているということなんですね。
これは驚きですよね。
というのは接頭詞addというのはadですね。
これはラテン語で〇〇にを表す、英語的に言えばtoに相当するものなんですね。
それに動詞互換の誰、与えるを意味するラテン語の動詞ですね。
これが先ほどの引用詞語どう、与えるに遡っていくものなんですけれども、ラテン語では誰という形になっていました。
addプラス誰ということで、addareというのがラテン語でます、〇〇に与えるという意味なんで、つまり〇〇に上増しして与える、増す、増やすということですね。
加えるという意味になるわけで、addareが加える、足す、足し算をするという意味になるならわかるんですが、
これが英語に取り込まれた際にaddareのあれの部分が落とされて、いわばですねaddの部分だけ取られたということなんですね。
事実上発音はですねaddなので、ラテン語の接頭詞addと同じ形です。
つまり接頭詞だけ借りてきたような格好に結局はなってしまった。
英語的に言えばtoという接頭詞あるいは前置詞に由来するものですが、これだけが一人歩きして加える、足す、足し算をするという意味になってしまっているという驚きの語源なんですね。
誰という本来最も重要な動詞互換の部分というのが英語では消え去ってしまっているということですね。
与えるも何もないということになっているのがなかなか印象的です。
関連情報の紹介
さあ英語語源ハンドブックここまでで十分面白いんですけれども、その後関連という込み出し。
引用素語どう与えるに関していろいろと派生語関連語が載せられています。
どうラテン語では誰に相当しますが与えると関連するたくさんの単語が列挙されているんですね。
簡単な説明とともにたくさん挙げられております。
ひたすらその英単語だけを読み上げたいと思います。
ドネーションのドの部分ですね。
ドーナーのドの部分です。
エンダウ
デイタム、デイト、ダイ
このダイはサイコロの方のダイですね。複数形がダイスとなります。
他には、エディット、エディション、パーデン、コンドーン、レンダー、サレンダー、レント、トラディション
それから予想もできないかもしれませんが、Dも入っていないので、なんで?と思うかもしれませんが、語源的には
Betray, Treason, Traitorも関係するということなんですね。
そしてギリシア語も絡んでまいりまして
Dose, Anecdote
ほとんど今読み上げた単語でDが出てくるわけなんですが、この部分がラテン語ダレ、さらに遡ればインヨーソ語のドということになるんですね。
与えるという基本的な意味ですから、確かに応用範囲が広そうなんですが、まさかここまで語彙の世界が広がるとはと、びっくりしますよね。
しかもですね、これどこに載っているか改めて確認してくださいね。
Addのコーナーですよ。
Add自体は、誰の部分が切り落とされてできたっていうことは先ほど述べた通りなんですが、
切り落とされた誰もですね、英語語源ハンドブックは見逃しません。
むしろそこからグイグイ追求してですね、広がる語彙の世界に皆さんを誘う。
このような作りになってるんですね。
ここでAddの項目は終わりまして、次のAddressに移っていくんですが、
Addについてもう少し知りたいなという方はですね、
ぜひ親辞典とも言うべき英語語源辞典、こちらの方も参照していただければと思うんですね。
そしてこの単語については実はですね、英語語源ハンドブックと親辞典の英語語源辞典、
この2つの単語を見比べたというコンテンツがweb上に公開されております。
これは我々ケルフの仲間、寺沢志穂さんが書かれている記事なんですね。
そこでまさに英語語源辞典と英語語源ハンドブックが言及されておりまして、
2つで読み比べてみましたという、そういう趣旨の記事なんです。
ですので、英語語源ハンドブックだけの記述ではまだ満足できないというあなた、
ぜひですね、寺沢志穂さんの記事、読んでいただければと思います。
英語語源ハンドブックが出たのは1週間前ですので、この寺沢さんの記事自体も書き立て、ホヤホヤということですね。
6月20日時点で書かれたものです。
この記事の最後にですね、こんな言葉があります。引用させていただきます。
まさに英語語源ハンドブックのキャッチコピー通り、基本語から広がり深まり繋がっていくめくるめく英語の世界である。
英語語源辞典と英語語源ハンドブックを併用すれば、鬼に金棒になりそうだ。
語源の歴史と重要性
くぅー!
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございます。
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このちっちゃな単語だけでですね、これほど語ることがあるというのは、これほんと素晴らしいことですよね。
すべての単語に語るべきことあるんですよ。語るべき歴史があるということです。
もちろん中にはですね、比較的語ることが少ないもの、めちゃくちゃ多いもの等のデコボコはありますが、どんな単語でも歴史を背負ってます。
これは英語のみならず。日本語でもそうです。何語でも同じです。単語は歴史を背負っています。
Every word has its own history.
これを心に刻んで、ぜひ皆さん、英語語源ハンドブック、語源の世界を堪能してください。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見、ご感想をお待ちしています。
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それでは、今日も皆さんにとって良い一日になりますように。
英語字研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日!
15:42

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