2025-09-12 17:32

#1566. 英語史の用語辞典? --- まずは『英語学・言語学用語辞典』を紹介します

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- ぜひ Amazon よりご予約ください:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html

- 7月13日(土) に朝日カルチャーセンター新宿教室にて著者3名が記念出版記念講座をハイブリッド開講します.詳しくは https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8388868 をどうぞ.


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の10号が公開されています


- 第10号(2025年7月28日):https://note.com/helwa/n/nb4e7746663b5


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2025年第2四半期のリスナー投票が7月10日までオープンしています


- 投票会場:https://app.sli.do/event/weRify7g2SvDa89mZh7k1A


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

英語の歴史に関する用語辞典の必要性について考察し、英語学・言語学用語辞典を中心にその存在を紹介しています。また、英語史に特化した用語辞典が存在しないことが残念であり、広める必要性についても触れています。このエピソードでは、英語史に関する用語辞典『英語学・言語学用語辞典』の特徴や内容を紹介しています。特に、大母音推移(great vowel shift)などの重要な用語の記述方法について詳しく解説しています。

英語史に関する用語辞典の必要性
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語シェルブブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリウイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史を茶の輪に思っとうに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は9月12日、金曜日。いよいよ明日に英語史ライブ2025が迫ってまいりましたが、皆さん、明日のご準備いかがでしょうか?と言いますか、私どもの方が準備まだ整っていない状態で、今ですね、バタバタと明日のために動いているところなんですが、いずれにせよですね、
前代未聞の英語史に関するラジオ配信、早朝から夕方までということで、なかなかのイベントになるかと思います。ぜひこのチャンネルフォローした上で、明日お時間ご都合のつくかたは、なるべく長く私どもにお付き合いいただければと思います。
もし明日、当日にお聞きになれないという場合もですね、おそらく収録するセッションの多くは、後日アーカイブという形で配信することにはなるかと思います。ですので、9月そして10月にも漏れ出てくることになるかもしれませんが、英語史の熱気を感じ取っていただければと思います。
さて、今日の話題なんですけれども、実は先日ですね、コメントをいただきまして、それに反応する形でのお題設定だったんですけれども、英語史に関する用語辞典というのはあるんでしょうか、というコメントをいただきました。
これからですね、いろいろ辞典の話をこのヘルディオでも取り上げていきたいなというふうに思っていた矢先ということもありまして、まずこの問題、英語史の用語辞典というものがあるのか、これについてお話ししたいと思います。
あるといえばある、ないといえばないということなんですけれども、まずはご紹介したいのが英語学、言語学用語辞典、こちらなんですね。今日はこの本の主に紹介となります。どうぞよろしくお願いいたします。
このチャンネルでは英語史という分野を専門とする私、堀田隆一が主に語源の話題を取り上げているんですが、実際にはですね、単語の語源にとどまらず広く英語史あるいは歴史言語学、言語変化そのあたりの話題を取り上げているんですね。
英語史、History of the English Languageというのは比較的狭いエリアであると、専門領域であるとみなされていると思うんですね。実際、確かにマイナー感はありますが、中に入るとあまりに豊かな、そして深みのある領域だということがわかりますので、中に入ってしまうとですね、これのどこが狭い領域なのと思ってしまうんですが、
まあ、一歩二歩引いてですね、俯瞰すれば小さな学問の一領域に過ぎないというのもまた確かなんですね。
言語学の中に各個別言語を扱う分野がありまして、例えば英語の場合には英語学、日本語の場合には日本語学というふうに分かれていきますね。
そして英語学の中も細分化されていまして、考え方によってはおそらく何十というレベルのですね、階分野が設けられていると、そう見ることもできると思うんですよね。
英語学の中でも歴史部門、歴史的に英語を見ていこうというのが英語史です。
そうしますと各時代を専門とする専門家がですね、いるわけですね。古英語時代とか中英語時代、近代英語時代というような時代区分によって分けられているということもありますし、
さらに英語史の中でも特に文法変化を専門としているであるとか、語彙変化、意味変化を専門としているなどいろいろと分かれるわけなんですよね。
こうして学問分野というのはどんどん細分化されていくわけなんですけれども、ある分野が成熟してきますと、用語辞典なるものが必要とされるようになってくるわけですね。
大きな括りですと、例えば言語学用語辞典、これありますね。さらに英語学用語辞典というのもあります。
では、その下、改句文の場合はどうなんでしょうか、ということなんですが、これはまちまちなんですけれども、英語史に関して言いますと、
ズバリ英語史だけに注目した用語辞典というのは、私が知る限りありません。
これはですね、作る意義は私はあると思うんですね。英語史をお茶の間にということで広めていきたいと思いますし、それぐらい語るべきことがたくさんあるということは重要な概念やキーワード、用語ですね。
これもたくさんあるということなので、これはですね、完全に作ることはできます。 ただもちろん、需要と供給というバランスがあったりしますので、
皆さんがこのチャンネル等を通じてですね、ヘルかつ英語史をお茶の間にを広めていただいて、英語史という分野がですね、もっともっと広く知られるようになれば、もちろんそのための用語辞典の需要も増してくるはずなんですね。
ですので、これはですね、皆さんにもかかっていると、こういうふうに捉えていただければと思うんですね。
英語史だけの用語辞典はないんですが、 一つ上の区分であると言いますかね、英語学の用語辞典は先ほど述べた通り、いくつかあります。
英語で書かれたもの、それから日本語で書かれたものも複数あります。 関連書紙を作ったことがありますので、そちらへのリンクを貼っておきたいと思いますけれども、
その中からですね、私もしばしば使っているものとしましては、 日本語で書かれたものいくつかあげますと、寺沢よしお編、英語学用語辞典。
こちらが2002年に研究者から出ております。 さらに同じ研究者からですね、より古いものになりますが、1982年、
大塚仲島館集の新英語学辞典。 ありますね。
それからほぼ時を同じくして、今度は大週刊書店より出ました、 1983年の松並池上今井編大週刊英語学辞典。
これは英語学全体の辞典という事典となっておりますが、 実際にはですね、キーワードなどを扱った用語辞典の意味合いもありますので、含めて良いかと思いますね。
英語史用語辞典の可能性
このようなものの中に、かなり詳しく英語詞もですね、 扱われていますので、いわば英語詞用語辞典として使うことができるわけですね。
私はその趣旨で 引くことが非常に多いわけですね。
いわば大は小を兼ねるという事でですね、英語詞用語辞典はなくても、英語学用語辞典にはこと書かないので、その意味では困らないという事になるわけですね。
英語で書かれたものですと、もう少しですね、英語詞に特化したものと言いますかね。
この場合にも英語詞という言い方よりも、歴史言語学という風に少し広い括りなんですが、例えばですね、
キャンベル&ミクスコ編のA Glossary of Historical Linguisticsというものが2007年にユタ大学出版から出ております。
これなどは割と英語詞に特化したと言いますかね、半特化した用語辞典と考えて良いと思うんですよね。
グロッサリーというのは小辞典ということですのでね。
他には、用語辞典と銘打ってはおらず、むしろ一般的な英語詞解説書だったりするんですけれども、
比較的ページ数のあるものは、後ろの方にですね、やはりグロッサリー、用語集がついているものがあります。
そうしますと、一冊の本として独立させるほどではないけれども、一章分くらいにはなるという分量で、やはりいろんな解説書の中でですね、
末尾に用語集がついていることが多いです。
このように、いろいろな形で実質的に英語詞用語辞典と捉えることができるものというのは、パラパラといくつかあるんですね。
その中でも今回お勧めしたいのは、というのは私自身も関わっているからということになって半分宣伝ではあるんですが、
中野ハットリオの西原勘集の最新英語学言語学用語辞典というものなんですね。
こちら開拓者より2015年に出版された本です。いろいろな方が関わっておられまして、題名でお分かりかと思いますが、英語学言語学の用語辞典というふうに括りの範囲がですね広いんですよね。
広いんですけれども、その中の第7章というのが、実は英語史、歴史言語学の章ということで、つまり分野別にですね、それぞれ章が立てられていて、
事実上その章だけを切り抜けば、英語史用語辞典と言って良いという、そんな仕上がりになっているんですね。
全部で11章ありまして、せっかくなのでざっと紹介しますと、第1章音声学隠立論、第2章音韻論、第3章形態論歴史根、第4章統合論、第5章意味論、第6章雇用論、そして問題の第7章が英語史、歴史言語学。
さらに続けて、第8章社会言語学、第9章認知言語学、第10章英語教育心理学、応用言語学、最後の第11章がコーパス言語学、辞書学となっているんですね。
用語辞典の紹介
この第7章が英語史、歴史言語学の用語集となっておりまして、ページ数で言いますと、第7章が始まるのが238ページ、そして終わるのが270ページということですので、ざっとですね、33ページほどですか、
あるわけですよね。まあなかなかの分量ということで、この中で英語のキーワードになってましてね、AからZまで辞書のように並んでいるということなんです。こちら、複数名の英語史研究者が関わって執筆しました。私もその一人に入っているんですけれども、
もう10年ほど前なんですね。懐かしいなという感じで今開いているんですけれども、例えばですね、英語史では書かすことのできない大母音推移、great vowel shiftの部分を引いてみますと、どんな感じで書いてあるかと言いますと、great vowel shiftと英語でスペルアウトされてまして、後ろに括弧して大母音推移とあります。
そして数行の説明書きがありますね。 後期中英語から初期近代英語期に共生を持つすべての長母音に起こった大規模な音変化を言う。
正規する環境の遺憾を問わず、非後母音は上昇し、後母音は二重母音化した。後母音の二重母音化と狭い中母音の上昇のいずれが先に起こったかについて意見が分かれる。
そもそも大規模な連鎖推移であったかどうかについても異論が出されている。矢印でドラッグチェーンとプッシュチェーンも引いてくださいねという指示があります。
こんな感じなんですね。 もちろんこの項目についてもっと詳しく書くことはできるかと思うんですが、それぞれ用語辞典というのはスペースのもちろん制約というのもありますし、どのくらい何をどういう観点から細かく記載するかというのはその出版企画それぞれの話なのでなかなか争うことはできないんですけれども
今ご紹介しています最新英語学言語学用語辞典についてはこのぐらいのレベルの記述だということなんですね。
英語史の学び方様々ありまして一つの歴史ですから流れを置いたい。その中で用語を覚えていきたいというタイプの方もいらっしゃれば
先に用語から学びたい。用語辞典をくる中で英語史にだんだんとなじんでいきたいというタイプの方もいらっしゃるかもしれません。
それぞれなんですけれども、いずれにしてもですね用語辞典を身近に置いておくというのは学びの一つの重要なステップではあると思うんですよね。
ということでですね10年ほど前のものですがそれほど変わるべきものはですね出てきていないという点では頭についている最新
英語学言語学用語辞典のこの最新というのは決して嘘ではありません。 どの用語を辞典に採用するかという洗い出しの作業からですね
そして複数名で分担して執筆したということで、ではどのように分担しようかという作業をしたことをですね
なんとなく思い出しながら今日お話ししてみました。 英語学言語学用語辞典。他にもいくつかあります。このチャプターに
学び方と展望
書紙、情報を貼っておきますので、ご関心のあるものをぜひですね手に取っていただければと思います。 エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
英語学言語学用語辞典の話でしたが、このような特殊辞典も含めてですね 辞典の話、辞書の話というのも取り上げる機会を増やしていきたいなというふうに思っております。
どうぞこれからもよろしくお願いいたします。そして冒頭に求めた通り、いよいよ明日 朝6時から英語詞ライブ2025が1日中ですね
繰り広げられることになります。会場参加されるヘルワの有志の皆さんですね 会場でお会いできることを楽しみにしていますし、そうでない多くのリスナーの方もですね
1日英語詞付けの時間をお楽しみいただければと思います。 このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。 SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
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その更新情報が皆さんに間違いなく届くように是非フォローのほどよろしくお願い致します。 それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように
英語詞研究者のホッタルユウチがお届けしました。 また明日!
17:32

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