2025-03-24 11:43

#1394. 白黒つけずにグレーで持ちこたえることが大事 --- 井出新先生の最終講義より

▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」が2024年10月28日に創刊しています.第4号まで公開されています.


- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2024年第3四半期のリスナー投票による heldio 人気配信回


- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼2024年8月26日より特別企画「helwa コンテンツ for 「英語史ライヴ2024」」が始まっています.ぜひ特設ホームページに訪れて,ライヴ当日まで毎日1つか2つずつ公開される helwa メンバーによる英語史コンテンツをお楽しみください.


- http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/etc/helwa_content_for_hellive2024/


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語詩の著者のホッタリュイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。 英語詩をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。 本日は3月24日月曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
本日取り上げる話題は、白黒つけずにグレーで持ちこたえることが大事 ----- 井出新先生の最終講義より、です。
おととい3月22日土曜日の午後に、 私の所属しております慶応義塾大学文学部英米文学専攻の同僚の先生でいらっしゃいます
井出新先生の最終講義が開かれました。 こちら私ももちろん参加してですねその後の懇親会ともに楽しみまして
残念ながら去られていく井出新先生にですね お祝いの言葉を
差し上げたというそういう機会だったんですけれども いやーこの最終講義そのものもですね本当に素晴らしい講義でそこからの今日は
インスピレーションと言いますか ちらっとお話ししたいなというふうに思っております
この最終講義自体はですね実はあの動画に撮っておりましたので 専攻の公式ホームページからおそらくですね
遠からず公式に上がってくることになるかと思いますが80分の本当に濃密な 講義だったんですねそれについて今日はお話し差し上げたいと思います
それではどうぞよろしくお願い致します 同僚の井出新先生の最終講義だったんですけれども
井出先生といえば実はこのお聞きのヘルディオにもですねご出演されております 934回シェイクスピアそれが問題だ
最終巻2023年著者の井出新先生との対談ということでですね こちらの本を2023年に井出先生が出されました
非常にこう啓蒙的なシェイクスピアの啓蒙書というんですかね 広くシェイクスピアの魅力を伝えたいという思いからですね
いわば一問一答シェイクスピアに関する素朴な疑問に答えていくというような本だったんですね 最終巻よりシェイクスピアそれが問題だというタイトルで出されております
この本についてぜひ対談という形でですねお話を伺って皆さんに紹介したいというようなことでですね
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私の研究室にお運びいただいてですね そこで楽しく対談をしたというのが昨日のことのように思い出されるわけなんですけれども
そちらへのリンクをこのチャプターに貼っておきたいと思います 改めてですねそちらの対談をお聞きいただければと思います
井出先生はシェイクスピア研究それから同時代のマーロという別の劇作家ですね あたりを中心に研究されておりまして16世紀
英国ルネッサンス期のご専門なんですね この時代の英語というのは初期近代英語と言われるもので私の専門はその1個前の中英語
あたりなんですがもちろんそこから接続してですね 初期近代に繋がっていくということなので私自身もですね関心のある時代ではあるので
このあたり関心の持ち方はですね井出先生は文学であるとか劇作という観点から 私はフィロロジー文献学英語史という観点からということで
角度は違うんですが非常に面白い問題を共有しておりまして これまでも色々と英語史上の問題をですね振っていただいたりとか
非常に親しくさせていただいたわけなんですね 今回の最終講義はですねタイトルがパルナソスからの出発
16世紀のケンブリッジ大学と演劇文化というこのお題で80分 濃密な講義を
くださったんですね こちら先ほども述べましたようにおそらくですね遠からず
英米文学専攻の公式ホームページからですねその最終講義の動画が上がってくるものと思われ ますので全貌はですねそちらが出ましたらぜひ見ていただければと思うんですが
この時代というのは宗教改革の時代ですねシェイクスピアの時代というのはいわゆる エリザベス朝の時代となって劇作が非常に盛んだった時代なんですが
歴史的背景宗教的背景はですねかなり分断の時代と言っていいと思うんですよね カトリックとプロテスタント英国国教会ですけれどもこの分断はもちろん
この英国国教会の内部でも保守派と 旧神派とですね様々な温度差があったわけですよね
この旧神派というのがいわゆる聖教徒ピューリタンと呼ばれる人々で
17世紀初頭にですねアメリカに渡っていくということになったわけですよね 新たな歴史のページを刻んだというのがこのピューリタンたちなんですね
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とにかく分断の時代ということはですねこの16世紀の特徴だということなんですね そしてこの黒か白かはっきり
分断されているという社会が2分3分されているという時代をですね 主にケンブリッジ大学とそのケンブリッジ大学を中心とする演劇文化
この背景を詳細に語った上でですね
この最終講義の最後の方にかけてですねドドッと結論と言いますかね今回の最終 講義の結論になだれ込んでいくこの筋書と言いますかね
このスピード感と言いますか井出先生の情熱みたいなものが本当に伝わってきたわけ なんですがその最後の方にですね
この黒と白はっきりと分断されてしまうっていう社会ですね についていくつかですねあの引用文を挙げていらっしゃいまして
そうですね差し障りのない範囲で井出先生のハンドアウトから読み上げさせていただき たいと思うんですけれども
デジデリウスエラスムス 渋針第3
渡辺和夫訳というその部分をですね 引かれているんですけれどもエラスムスというと当時の国際的識者で非常に広く読まれたわけなんですけれども
引用します彼らは自分たちだけが唯一の注釈者たろうとする 福音が野蛮な人間を穏やかにし悪行なすものを強化し
抗戦的なものを平和的にし神を汚すものを信者にした時代があった ところが今日では福音を盾にとる人々が物のけに疲れた人間のようにあらゆる種類の
騒乱を撒き散らし善人を罵っている ということなんですね彼らは自分たちだけが唯一の注釈者
正しい聖書の解釈者自分たちだけが正しいんだ 相手は間違ってるんだっていう黒か白か丸か×かという世界観があったわけですがこれを
エラスムスは強烈に批判しているということなんですね さらにですね
シェイクスピアハムレットからの引用もありまして こちらは
ちょっと飛ばしまして次は最後にですね この大学らしいところで締めくくっていらっしゃるんですが福沢幸知文明論の概略
自由の寄付はただ多次相論の間にありで存するものと知るべし これで締めくくっているわけですね
もちろん井出先生の狙いは16世紀のイングランドあるいはケンブリッジ大学 内部での黒白論争ということだけでなくまさに現代社会ですね
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日本あるいは世界の黒か白かはっきりと分断されてしまっている世界 この問題を考える
いわば糧と言いますか栄養にして16世紀を見てみるのも面白いのではないかという そういうメッセージと私は受け取りました
非常に濃密でですね 明確な論史で80分間ですね本当に関心しながら聞いたという次第ですが
皆さんこれぜひですね動画が上がってまいりましたら視聴していただければと思います エンディングです今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました
いや白黒つけずにグレーで持ちこたえることが大事というメッセージだったと思うんですけれども この話題についてはですね実はこのヘルディオでも取り上げたことがあります
しかもですねリスナーの皆さんに向けて とりわけ中高生に向けてという題をつけてですね
510回で類似するお話を私がしております 510回中高生に向けてもやり続けることが何よりも大事です
という回でこの回ですね比較的あの多く聞いていただいているようで とりわけあの卒業シーズンですし4月になったらですねこの入学であるとか新年度のシーズン
ですので中高生に向けてですねこれ私もですね 視聴したい強調したいという
まあ考え方なんですよね 今回で新田先生の最終講義で
主張されたこともですねこれにかなり近いんではないかと思っておりますので私の つたない510回の配信会の方も合わせて聞いていただければと思います
このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオではあなたからのご意見ご 感想をお待ちしています
vc のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです sns でのシェアもよろしくお願い致します それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように
英語子研究者のほったりういちがお届けしました また明日
11:43

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