2025-07-30 17:23

#1522. 「英語史」の講義を終えて --- 2025年度前期版

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- ぜひ Amazon よりご予約ください:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 詳しくは研究社のHPをご覧ください:https://www.kenkyusha.co.jp/book/b10135166.html

- 7月13日(土) に朝日カルチャーセンター新宿教室にて著者3名が記念出版記念講座をハイブリッド開講します.詳しくは https://www.asahiculture.com/asahiculture/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=8388868 をどうぞ.


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の10号が公開されています


- 第10号(2025年7月28日):https://note.com/helwa/n/nb4e7746663b5


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼2025年第2四半期のリスナー投票が7月10日までオープンしています


- 投票会場:https://app.sli.do/event/weRify7g2SvDa89mZh7k1A


▼2024年9月8日(日)に12時間連続生放送の「英語史ライヴ2024」を開催しました.英語史界隈では前代未聞のイベントとなりました.詳細は以下の配信回,あるいは khelf の特設ページを! イベント後は,数ヶ月間かけて各番組をアーカイヴで通常配信していきました.


- heldio 「#1119. 9月8日(日)「英語史ライヴ2024」を開催します」 https://voicy.jp/channel/1950/1296042

- khelf 特設ページ: https://sites.google.com/view/khelf-hotta/英語史ライヴ2024特設ページ


▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

https://twitter.com/i/communities/1679727671385915392


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

英語史の講義を通じて、学生たちは英語の語源や歴史的な変化を学び、特にグリムの法則や古英語の特徴について深く理解します。受講者からのコメントは、授業の内容の魅力や学びの意義を確認する貴重な機会となります。このエピソードでは、英語史の面白さや価値が強調され、特に英語の大文字と小文字に関する疑問について議論されます。また、英語が他の言語から影響を受けている点や、日本語との類似性についても触れられています。

講義の開始と受講者の感想
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語史ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語史の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のほったりゆちです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語史をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく、毎朝6時に配信しています。
本日は7月30日水曜日です。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
私の方はですね、大学がほぼほぼ前期終了いたしまして、ほっとしているところなんですけれども、この前期の間に
慶応義塾大学文学部英米文学専攻にて、メインの科目の一つであります英語史の講義ですね。こちらを反起続けてきたんですけれども、その最後にですね、受講者100人ほどいるんですけれども、いつもですね、感想を求めているんですね。
コメントと言いますか、感想と言いますか、大体がですね、大学2年生ということで、これまで数年以上英語の学習をしてきた。
そして大学に入り、英文科に入り、そこで英語史という、おそらく初めてであろう、人生で初めて受けるであろう授業ということで、
この英語史を受講したという学生が多いわけですね。 そこで反起受けて、どんな感想を抱いたかというのは、私にとってもですね、非常に重要な情報となるということで、これ毎学期コメント寄せていただいているんですね。
そしてこのヘルディオでも、下年度の受講生からのコメントですね。これを紹介するというような回は、これまでもですね、お届けしてきたんですね。
主に学年末が多かったかなと思うんですね。つまり1月、2月ということですよね。 今回はですね、反起を得てどうでしたかと。
4、5、6、7月という4ヶ月ほど英語史に触れて、どうでしたかということなので、これまでの回とはちょっとですね、条件が異なるかとは思うんですけれども、非常に面白いと言いますかね。
私にとっては新鮮なコメント、感想を寄せられてきましたので、そのうちいくつかをですね、もちろん匿名という形なんですが、読み上げるなどして紹介したいなと思った次第です。
英語史の内容と学生の発見
ということで夏休み始まり企画ということにもなりますかね。 どうぞお聞きいただければと思います。
今日のお題は英語史の講義を終えて2025年度全期盤ということでですね。 私の所属しております慶應義塾大学文学部英米文革専攻では、主にですね、英語史関連の授業を私は担当しているんですね。
その中の一つ大きなメインの科目と言っていいと思うんですが、それが英語史というズバリの名前なんですね。講義です。
1年かけて、古英語から現代英語、さらに21世紀の将来の英語はどうなるかという話題まで持っていくということですね。
そして始まりはですね、厳密に言うと古英語ですらなくてですね、もっと昔の引用祖語とか言語の起源みたいな10万年前ぐらいの話から時を起こすんですけれども。
そしてこの前期半分が終わってですね、終わったのはどこまでかというと、なんと古英語の終わりまでということでですね。
いつもですね、これ中英語のせめて中盤、後半ぐらいまではいければなぁと思うんですけども、ダラダラとしてここで力尽きてしまうっていうのがですね、この数年続いてますね。
なかなかこのですね、私の病気っていうんですかね、治らないですね。
やっぱり古英語もですね、話すことが多いので、ただ全体として1年で英語詞をちゃんと描ききるというのが本来の仕事なわけなんでね。
この辺のタイムスケジュールはですね、ちゃんとしなければいけないなと思いつつですね、ついついですね、いろいろな余計なことと言いますかね、私はもちろん余計なこととは思っていないんですけれども、話しちゃうんですよ。
しかもですね、初回とか第2回ぐらいにですね、その受講している学生の皆から素朴な疑問を寄せてもらって、それに答えるという千本ノックをやっちゃったりしているんで、1回2回不意にするんですよ。
これも不意ではなくて、もちろん面白いと思いますし、これで関心を掴むというのね、そういう目的があるんですけれども、この辺のタイムスケジュールがうまくいかないなぁというところがありまして、
ちょっとですね、私も不本意なところはあったりはするんですけれども、まあ今期もですね、とにかく何と言おうとですね、時間は過ぎ去ってしまいまして終わりました。
そして最後にですね、学生の皆からコメントを寄せてくださいと、今期の英語史の授業の中で印象深かった回であるとか話題ですね、そこから学んだこと等を自由に記述してくださいというようなことでですね、これは毎期毎年やっていることで、今回もですね、いろいろと上がってまいりました。
その本の一部なんですけれども、読み上げたり紹介したりしたいなというのが今日の回ですね。
これ、英語史全体をですね、カバーしたわけではなく、先ほど申したようにですね、まだ小英語の終わりまでしか言ってないというところで、何かこう歴史を通覧したという形にはならないんですけれども、
授業の振り返りと感想の共有
私がこの授業で伝えようと思っていることの何割かですね、伝わったのかどうかというところもですね、私自身も知りたいということもあって、こんなことをしているんですよね。
はい、ではですね、本当は2、3になるかと思いますが、読んでいきたいと思います。いくつか本当にピックアップしたんですけれどもね、ご紹介できるのは本当その何分の1です。
はい、端折りながらですね、書いてくれた文章を読んでいきたいと思います。
ではまず最初ですね。 私が英語史の中で最も印象深いと思ったのは、グリムの法則。
今までの人生の中で特に英検の順1級に出てくるような、何単語は覚えるのに非常に苦労してきた。
しかし、講義を踏まえて家に帰って単語帳を開くと、今まで何の繋がりの見えなかった語同士の繋がりに気づける瞬間の感動といったら、
この時のために英語、そして英語史を学んできたのだと思わせるものだった。
一見関係のない語同士の繋がりは、私が将来教員として生徒の教育の立場に立ったとしても面白い豆知識として話せそうだということで、
これは受け取り側が先生になりたいというような目標を持っているということで、余計に響いたということなのかなということですね。
こういうコメントをいただくと、本当に嬉しいというか、やっててよかったなっていうね、教員にやっていて報われる瞬間っていうのがね、たまにあるんですけどね。
実は頻繁ではないっていうね、たまにあるんですけども、嬉しいです。
それからですね、次です。
私は最初、英語史と聞いて身構えていた。しかし、英語を学習し始めた頃から抱いていた疑問。
例えば、ラテン語由来やフランス語由来と辞書に書かれているのはなぜかについて、英語史を学ぶ中で解決していくことができた。
学べば学ぶほど面白くなるのが、この英語史だと感じたということで、これも嬉しいですね。
やはり、英語学習の段階から何か気になっていたということがあって、そのしこりみたいにあったものが、英語史の授業を履修することでですね、解決したっていうのは、一番嬉しいタイプのコメントなんですよね。
やった!っていう感じで。私自身もそうだったからっていうことがありますね。
はい、ありがとうございます。それから次です。
初回から第2回にかけての千本ノック、例のですね、千本ノックと、そこでお話しされていたことが印象に残っているということですね。
そして、ちょっと飛ばしますけれども、同じ学生からのコメント。
一つの視点にとらわれず、全く逆の見方や2つの相反する視点を同時に持つことが大切とおっしゃられていたように思う。
ということでですね、通常的な視点を持つと、教授的な視点から見ると、異なった答えと言いますか、解決法というのが立ち現れてくるっていうことが多いんですよね。
で、どちらがより正しいか、より真実かということはですね、あまり私はですね、関心がなくて、むしろですね、この両者の視点を切り替えるっていうことが大事なんじゃないかっていうことを、このヘルディオでもお話ししていますし、同じ人間なんで、教団だって同じこと言うわけですよ。
はい、あの授業でも同じことを言っていますね。
はい、この辺りを拾ってですね、コメントを書いてくれたというのは本当に大変嬉しいことですね。
それからですね、たくさんあるんですけれども、
じゃあこれいきましょうかね。ちょっと専門的な話題になりますかね。
現代英語からは想像できない語尾屈折という現象も、これ古英語の語尾屈折という現象も、英語詞を学ぶことによって理解でき、言語がただの文字として存在していたわけではないことを想起させる。
これは言語というものがそれ単体としては成り立たず、社会と歴史と深く関わりがあることを証明する良い例であろう。
言語を遡るという行為は人間の豊かな歴史的育みを可視化させるものだと感じた。
英語史の興味深い側面
ということで、言語の歴史の面白さ、価値というものに気づいてくれたということで、これもまた嬉しいですよね。
はい、それから、今期の英語史の中では英語の素朴な疑問に答える回が印象的だった。
特に面白かったのは、なぜ大文字と小文字があるの?という疑問だと。
当時はすべて大文字だったが、走り書きをするために小文字ができ、その後は威厳のある文字は大文字、走り書きは小文字と用途に分かれていったというのが面白かったということですね。
素朴な疑問回が印象に残っているっていうのは他にも多くありましたね。
やはりそこから入ってですね、英語史の奥深い世界に飲み込んでいくという、これ私自身もそうでしたしね。
やはりこの順序、ルートっていうのが王道なのかなというふうに思いますね。
このヘルディオでもそんな回をこれからもお届けしていければなというふうに思っています。
それからですね、これもいいですね。
英語がいろいろな言語からの影響を受けているという、その前期の講義ですね。
これを受けて、日本語も中国語から影響を受けていて、ひらがなも元をたどれば漢字であるというのに少し似た感覚なのかなと思った。
私は単語やつづりを覚えるのがとても苦手で苦労している。
しかしその単語の一つ一つに注目し、これは〇〇語の由来かな?
いや、こういう経緯でこのつづりになったのかな?と考えを巡らせれば、英語学習もより楽しくなるのではないかと思った。
学びの楽しさ
私を学んだことで英語学習がより面白くなると思う。
ということで、これまた嬉しいコメントですね。
こういったコメント本当にですね、たくさんもらいまして。
そうですね、じゃあ次、最後いきましょうかね。
英語史という学術領域がしっかりあるということに興味を持って取った授業だったが、
そうして学問としての面白さ、過去の歴史から現代を見つめ直す面白さを知れたと思う。
その中で初回の授業であった英語に対する純粋な疑問を受講生から集めて、それを解説していく回は、
学問に対する率直な姿勢と純粋な疑問から展開される学問の面白さを実感したということですね。
いやーありがとう!っていう感じで本当にありがとうございます。
そのためにですね、この純粋な疑問とか千本ノックもですね、授業に導入するということを始めたのはですね、
この大石ヘルディをやり始めてからなんですよね。
はい、ということで、それが故にですね、前期の進みが遅かったというようなマイナスポイントもあったりするんですが、
多くの受講生が初回とか初回に第2回あたりのですね、あの素朴な疑問千本ノックを楽しんでもらって、
そこでこの歴史の面白さを気づいてもらえたっていうのは、これはやっぱりやった甲斐があるかななんて思ったりして自分を慰めております。
ということで今期もですね、なかなか熱い英語史の授業を展開できたかなというふうに思っております。
学生、履修者の皆さんもですね、これ聞いている人もいるかもしれませんね。
ありがとうございました。皆さんの熱い質問寄せていただいたおかげでですね、こうやって前期走り切ることができたわけですし、
これからこの前期で培ったその関心の種、興味の種、これを育てて大きくしていってもらえればと思います。
そんな感じでヘルディオ沖の皆さんにもこのあたりの雰囲気をですね、共有いたしました。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
いや、半期終わるとですね、私もまあほっとはしますね。いろいろと改善すべき点はあるなというふうに学期が終わるといつもあるんですけれども、
こういうふうにですね、面白かったであるとか、その素朴な疑問、ここから展開する英語史の醍醐味に触れたみたいな、
先ほど読み上げたようなコメントをもらうとですね、やはりやってきて終わったな、半期走り切ったなという感じがするものなんですよね。
ということでヘルディオ沖の皆さんにもこちら共有させていただきまして、受講生からの生の声をお届けいたしました。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
ご意見のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。
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それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように。
英語史研究者のほったり打ちがお届けしました。また明日!
17:23

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