2025-11-20 14:06

#1635. torch か flashlight か?

▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の第13号が公開されています


- 第13号(2025年10月28日):https://note.com/helwa/n/n19b19fa03ec1?magazine_key=m82eb39986f24


▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページがオープンしました


- https://user.keio.ac.jp/~rhotta/helhub/

- heldio, helwa はもちろん hellog や YouTube 「いのほた言語学チャンネル」などの様々な媒体での英語史コンテンツの新着が日々集まってくるページです.


▼2025年10月15日に新刊書が出ました


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


- Amazon での予約注文はこちら:https://amzn.to/4nmDn6Y

- 本書を紹介する特設HPはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze

- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました

- Amazon 新着ランキングの英語部門で第2位を記録


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- Amazon 新着ランキングの英語部門で第1位を記録

- 発売3ヶ月で早くも3刷が決定

- 「本格的な語源本」としてご好評いただいています

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- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/lp/hee.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

ポッドキャストでは、懐中電灯を指す英語の表現「トーチ」と「フラッシュライト」の違いについて解説しています。ニュージーランド英語における使い方の違いや、日常生活と商業用語の分別にも触れています。今回のエピソードでは、英語における地域方言の違いとレジスターの関係を探求しています。特に、「トーチ」と「フラッシュライト」の使用の違いを通じて、言葉の変化と使用状況について議論しています。

00:01
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平堀田隆一著、言語学ですっきり解決英語のなぜ。
ハッシュタグひらがな6文字でイノホタなぜとしてご意見やご感想をお寄せください。 特設ホームページも概要欄のリンクからどうぞ。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間にを基に英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は11月20日木曜日みなさんいかがお過ごしでしょうか 今日は例によってダニエルの丘の上までジョギングに来ています
非常に気持ちの良い朝で風もなくてですね快晴ですね 朝早いので気温は6度体感もうちょっとあったかいいですけれども
8度くらいですかね上に登ってくるとちょうどいい感じに体も温まってくるわけなんですが今日はですね
日中も12度3度までしか上がらないということでこういう日がやっぱりあるんですよね で肌寒い日なんですけれども日は高くて
紫外線も強いのでこの散歩とかジョギングとか連日しているだけでですね まあ相当顔を焼けましたね
黒くなっているという感じなんですけれどもそんな 今日もですね朝日を眺めながらおたご飯の眺望の木久丘の上からお届けしております
英語の懐中電灯の表現
今日はですね トーチかフラッシュライトか
ということで両方とも懐中電灯を意味する単語なんですけれども 使われ方と言いますかね
分布が異なっているという話題でお届けいたします どうぞよろしくお願い致します
今日もニュージーランド英語に関する話題なんですがこれ私の感覚だとですね ニュージーランド英語に限らないなという気がするんですよね
ただまあ文献上はですねニュージーランド英語を扱っているBauerの解説より取ってきている話題ということなんですね
懐中電灯を意味する単語としてですね2つ思い浮かぶものがあってこれトーチ
一般にはこれ松明ということなんですが 近現代の電池で動くような懐中電灯のことも指してトーチというわけですね
そしてフラッシュライトこれはわかりやすいかなと思いますね 懐中電灯ということでこれ皆さんどちら使いますでしょうか
これもともとはですね英語のエイベーサというふうに言われているんですね
トーチっていうのがイギリス英語そしてフラッシュライトというのがアメリカ英語というふうに一般的にはされています
そしてニュージーランド英語はですね基本的には語彙についてもおおむね イギリス系列を使うということで日常使いとしてはトーチというふうに
言っているようなんですね ところがですね
例えば電気屋さんとかホームセンターみたいなところに行って懐中電灯のコーナーに行くとこれはフラッシュライトと書いてあるっていうんですね
ニュージーランド英語の特徴
つまりですねニュージーランド英語では両方使うだけれども使い方といいますかレジスターが違うっていうことですね
日常生活で普通に懐中電灯挿す場合にはトーチ だけれどもお店に行くとそこにはフラッシュライトのコーナーですというふうに書かれてあるというような
いわば日常使いと商業用の用語が異なっているということなんですよね
つまりエブリデイユースかコマーシャルユースかということで語彙の階層が分かれている
ちょっと大げさに言うとそういうことになります この懐中電灯に関するペアだけだとですね
語彙階層というのは大げさな気がするんですけれども 他にもこのようなものがいくつかあるというんですね
これ調べればもっともっと出てくるのかもしれませんが 例えばですね
カーテン これ日常使いなんですけれども
家具屋さんに行くとこれがドレープスというふうになる これはもともとはやはり英米さということに対応しているんですね
ただニュージーランドの中で英米さというのもないもので ニュージーランド英語の中では
レジスターさつまりエブリデイユースかコマーシャルユースかということで分かれているという そういうケースなんですね
他にはですね lift elevator
これはよく知られているエレベーターを指す単語の英米さということなんですが こちらニュージーランド英語ではこの使い分けがなされていると
そしておむつですね nappy diaper これなんかも典型であると
他には biscuit cookie なんていうのもありますね ただこれは微妙でですねもしかしたら指すものが微妙に異なっているかもしれない
ちょっと異なったお菓子ということで その場合にはですね意味的な差異があるということでこれは単純なレジスターさとか
英米さに還元できるものというよりは違う単語なんだと考えた方がいいのかもしれません この辺意味が関わってくるので確かに微妙なところではありますが
ポイントはですね レジスターさっていうことなんですね
基本的には同じものを指す同じ指示対象を指すんだけれどもどういう文脈で使われているかという これ広くレジスターさらに細かく言うとまあフィールドなんて言ったりしますよね
エブリデイユースかコマーシャルユースかっていうこのような違いのことですけれども これで語彙が分かれているという
語現象が一つのペアだけでなく今 四語を挙げましたけれども他にもですね探るといろいろあるんではないかと
いうふうに思われるんですよね なのでスーパーとかホームセンターなどで見かける語と日常使いされている語というの
これをですねいろいろ集めるとちょっと面白いリストができるのではないかというふうに 思っているんですね
こうした語彙があると仮定しますと 日常語が
イギリス系なんですね そして商用語がアメリカ英語の単語というケースが多いといいますか 今挙げたものは基本的にそうなんですよね
なぜその文法なのか逆ではないのかっていうのはちょっと面白いところですよね ニュージーランド英語では基本語彙がイギリス系なので
日常語はイギリス系になるっていうのはこれはわかりやすい話ですよね そして商用になるとアメリカンになるというこれもなんとなくわかるような気はするわけですね
実際ですね若者たちに聞いてみるとこんな反応が返ってくるそうです つまりアメリカ系の単語
トーチフラッシュライトといえばフラッシュライトの方ですね こちらの方が
ベターであるという感想なんですね このベターっていうのはいろいろな意味が含まれると思うんですね
響きとかかっこよさとかその辺なんでしょうかね クールであるみたいなそんなことを含むんだと思うんですが
あえてですね緩くベターというふうな言葉遣いでですね
私が参照した文献では記されているわけなんですけれども そんな互換があるっていうことだと思うんですね
地域方言とレジスターの関係
さあこの話題なんですけれどもね何が面白いかというと 本来は英語の英米差という地域方言の違いに依存する
ペアということだったんですね あくまで地域方言に依存する
対立ペアの単語だっていうことだったんですが それが一つの編集の中で使い分けられるようになるっていうことは
これはレジスターの際へと転化したんだ フィールドの際へと転化したんだというふうに考えられます
地域編集からレジスターへという方向で もう少しですね整理した言い方をしますと
ユーザーバラエティからユースバラエティへという言い方が綺麗にはまるんではないかっていうことですね ユーザーバラエティっていうのは使い手によって異なる
つまりこれ典型的には方言のことなんですね それに対してユースバラエティっていうのは使うとき
使用の現場でまさにレジスターを参照してですね使い分けるっていう場合 これをユースバラエティって言うんですね
なのでユーザーバラエティがユースバラエティへと転化した例というふうに 説明することができるのではないかと考えています
これはですねまあなかなか面白い話題だと思うんですがよく考えてみるとですね 英語史でよく知られている語彙の三層構造
これは下から英語フランス語そしてラテンギリシャ語系列みたいに表現されるわけなんですが これは方言ではないんですが異なる言語ですよね
本来異なる言語に属する単語が英語という一つの言語の中に集まってですね それが階層差をもって語彙を構成しているということで元々は異なる言語
今回は異なる方言ではなく異なる言語ということになるんですけれども これもいわばユーザーバラエティだったものが
フィールドによってあるいはモードによってですね あるいはメディアによってこれひっくり返ってレジスターと言っていますが
使用の現場において基本的には同じものを指すんだけれども どの言語由来の単語を使うかというのが振り分けられているという点では
これは本質的には同じ話題なんだろうと思うんですね
そして冒頭にも述べましたが これはニュージーランド英語に特有の話題ではないと思うんですよね
イギリス英語にもある アメリカ英語にもある それ以外の英語の世界にもあると思いますね
今話しながら思いついたのは fall autumn というこの秋を表す単語なんですが
アメリカではfall イギリスではautumnと一般的にはされますが アメリカでも実は詩的な文脈
ちょっと文学的な文脈ではautumnというのを使うんですね つまりレジスター差がここで生じている
一般的には英語のABA差というふうに地域方言別というふうに考えられる この二つの単語はですね
アメリカ内部ではレジスター差というふうに添加されていると そういうふうに見ることができると思います
例としてのTorchとFlashlight
これは広く扱うとですね 実は非常に普通に起こっている現象なんではないかというふうに思うんですよね
いろいろとこれからリストを集めていきたいと思っております
エンディングです 今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました
日本語で考えてもですね 方言と例えば標準語という分かりやすい二つの対立
これはですね 一般に地域変種 標準語 共通語の場合 地域変種というふうに言うのはちょっと語弊があるんですが
分かりやすく二つの明確に異なる変種と捉えられている 標準語 共通語というものと いわゆる地方の方言
この二つを考えた場合に 実は方言の中でも標準語をもちろん使う場合もあるし
標準語の中にはですね 方言の単語が入り込んできている場合がある
その場合 基本的に同じ単語を用いるんだけれども 使い方といいますか レジスターが異なるというようなペアですよね
今回のTorch Flashlight Typeというのは 探せばいろいろと出てくるんじゃないかなというふうに思ったりするんですよね
皆さん面白い例あったら ぜひお寄せいただければと思います
このチャンネル 英語の語源が身につくラジオヘルディオでは あなたからのご意見ご感想をお待ちしています
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それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように 英語子研究者のほったりうちがお届けしました
また明日!
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