2025-11-16 13:11

#1631. アメリカ英語は嫌われ者?

▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページがオープンしました


- https://user.keio.ac.jp/~rhotta/helhub/

- heldio, helwa はもちろん hellog や YouTube 「いのほた言語学チャンネル」などの様々な媒体での英語史コンテンツの新着が日々集まってくるページです.


▼2025年10月15日に新刊書が出ました


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


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- 本書を紹介する特設HPはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze

- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました

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▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の12号が公開されています


- 第12号(2025年9月28日):https://note.com/helwa/n/n7754627fffb2


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- Amazon 新着ランキングの英語部門で第1位を記録

- 発売3ヶ月で早くも3刷が決定

- 「本格的な語源本」としてご好評いただいています

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- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/lp/hee.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


- https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

ポッドキャストのエピソードでは、アメリカ英語とイギリス英語の歴史的背景や影響について議論されており、特にアメリカ英語が世界的に広まる中での一部の抵抗感が紹介されている。また、年配の世代と若者世代との間でのアメリカ英語に対する意識の違いも取り上げられている。

アメリカ英語とイギリス英語の背景
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語誌ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語誌の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平堀田隆一長、言語学ですっきり解決英語のなぜ
ハッシュタグひらがな6文字でイノホタなぜとしてご意見やご感想をお寄せください。 特設ホームページも概要欄のリンクからどうぞ。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。英語史をお茶の間におもっとうに英語の歴史の面白さを伝え、
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。 本日は11月16日日曜日皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今日の話題はアメリカ英語は嫌われ者? というお題でお話ししたいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
昨今、世界では色々な英語を耳にする機会というのが増えてきていますよね。 私今ニュージーランドにいますが、いわば喫水のニュージーランド英語。
これはですね、ラジオテレビなどから流れてくるものもありますし、ストリートから流れてくるものもありますが、非常に国際的な国と言っていいと思うんですよね。
今滞在しているダニーデンなども国際的な都市ということで、 移民もそうですね、それから留学生もそうですし、本当に色々なバックグラウンドを持つ人が集まっている、
都市だからということはありますけれども、本当に色々な英語が聞こえてきます。 そのような英語変種、ワールドイングリッシーズの話にはなりますけれども、
その中でもですね、とびっきり権威がある、そして通用度も広いという言い方をしてもいいと思うんですが、これは歴史的にも、
そして現代における影響力としても、二大変種というのがあるということは広く知られています。 いわゆるA、Bの英語、
特にそれぞれのスタンダードと言われるようなものですよね。 イギリススタンダード英語、アメリカスタンダード英語みたいなもの、これが一般に広く流通しているということで、
通常外国語として英語を学ぶ際にもですね、この2つのいずれか、あるいは2つをですね、 まとめ合わせたようなどっちともつかないというものもあるかもしれません。
日本の英語教育では基本的には、戦後はアメリカ英語ベースの教育がなされていると言っていいと思うんですよね。
歴史的には世界の英語は大きくですね、 イギリス系列とアメリカ系列に分かれると言っていいと思います。
もちろんこれはかなり大雑把な区分けで、 イギリスの植民地、アメリカの植民地という植民地支配の歴史と関連づけた大きな区分ということで理解いただければと思うんですね。
そしてニュージーランドであるとかオーストラリアあたりはですね、 イギリス系列ということで実際に話されている英語もイギリス由来、
アメリカとてイギリス由来といえばそうなんですけれども、途中から大きな影響力を持ち始めたという意味で、 アメリカは別扱いというのが一般的な理解だと思うんですけれどもね。
オーストラリア、ニュージーランドでは話される英語は完全にイギリス系である。
そしてスペリングなどもイギリス系ということで、 街中に何とかセンターって見かけますがSENTREというふうにこちらでは綴られているわけですよね。
そのように歴史的な背景としてはイギリス英語のほうがですね、 もちろん歴史も長いですし、しかも世界を覆っている範囲としてもですね広いんですね。
日本にいてアメリカ英語っぽい教育を受けているとこのあたり気づきにくいんですけれども、 圧倒的に多くの英語を話す地域、
アメリカ英語への抵抗感
これは母語であれ非母語であれ、これはイギリス系が多いわけですね。
アメリカ系というのは本当に数えるほどしかありませんね。
アメリカ合衆国、そしてフィリピンなどもそうですけれども、 あとリベリアですかね、アフリカです。
もう数えるほどしかないのがアメリカ系なんですが、 アメリカ合衆国の20世紀、そして21世紀にかけての世界的覇権、
この力によってアメリカ英語そのものも力、影響力を持っているために、
この面積比とか歴史の長さとはまた別個の次元でですね、 イギリス英語系列に張る、対抗する一つの勢力として、
アメリカ英語というものが出てきているわけですよね。
そして、その圧倒的な影響力によりメディアなどでも、 アメリカ英語が広まっていてですね、耳にする機会というのも多いので、
多くの世界人口がこのアメリカ英語にも馴れ親しんでいる、 いやむしろイギリス英語よりもアメリカ英語に親しみを覚えているっていう人口もですね、
どんどん増え続けてきたというのが、これまでの歴史なわけですよね。
さあ、威信のあるイギリス英語、歴史的に威信のあるイギリス標準英語のしゃべり手であるとか、
それに審判を委く人にとっては、このアメリカ英語が広がっているということはですね、
気に食わないと言いますかね、現実の力関係ですので、受け入れざるを得ないところはあるといえ、
やはりどこかに抵抗感がある、スッと受け入れるには抵抗感があるという人口もですね、一定数どうやらいるということなんですね。
いわゆるイギリス標準英語の審判たちということなんですけれども、
これがですね、ニュージーランド、オーストラリアあたりでもやはり一定の割合いますね。
ニュージーランドについてはですね、特に年配の世代の方で保守的な傾向がある方はですね、
心のどこかでアメリカ英語のことをですね、一台低く見ている、あるいはそう見たいというような考え方があるのではないかと思うんですね。
一方ですね、若者世代はあまりそのあたりはですね、意識が高いわけでもなく、アメリカ英語を由来の語法、アメリカニズムと言ってますけれどもね、
アメリカニズムをアメリカから来たと、知ってか知らずかということで通常に使っているわけですよね。
そうした表現を年配の人が聞くと、最近の若者は言葉遣いがなっとらんというような、アメリカに対してというよりもその若者に対してですね、
批判の矛先を向けるというようなことがあるわけですね。
これがどのくらいこのアメリカ英語依頼がですね、今ニュージーランド限定の話ですけれども浸透しているかというのはあまり調査がないんですが、
偽的なレベルで言いますかね、これは間違いなくあるだろうなというところですね。
どれくらいこのアメリカ遣いの裾野が広がっているのかとか、あるいはその程度が深いのかっていうのは、これなかなか調査難しいのかもしれませんけれども、
これは常にですね、様々な新聞への投書みたいな形で、言葉への批判、最近の英語はなっとらんという批判は断続的にですね、投書みたいのはあるんですね。
ずっと古来あってですね、これは complaint tradition なんて言うんですよね。
言語に対する、使われている英語に対する不平不満というような伝統がですね、英語圏にはずっとあるわけなんですけれども、新聞などの投書にはアメリカ英語は良くない、
英語が悪くなったのはアメリカのせいだというような言い方がたまに目につくわけですよね。
これは世界的なある意味、減少、特に英語圏、なかんずくイギリス英語系列では、アメリカ英語は嫌われ者になるというような役回りが決まっているわけですよね。
それも実力ゆえと言えば、そういうことなんだと思うんですよね。実力のあるアメリカ英語、それに対して実力あるかわからないけれども歴史と威信があるという建前になっているイギリス英語という構図なんだろうと思います。
イギリス英語系列にはヒエラルキーがあるということですよね。
世代間の意識の違い
そしてそのトップである、これがキングズイングリッシュとかクイーンズイングリッシュと呼ばれているものなわけですけれども、そのトップにいるのがチャールズ国王ということになりますが、
チャールズさんは若い頃、皇太子の頃からアメリカ英語を批判というのを割と公然とやってきている人ですので、
これがあったから見ると、ヒエラルキーの守り手を辞任しているんだなというふうに見えるわけですよね。
私、一個人としては、英語学習者、英語使用者としては、イギリス英語系列だろうがアメリカ英語系列だろうが、どちらでも良いと、
アメリカ英語で英語教育を受けた方かなと思いますね。で、一方でイギリスにも留学して慣れ死んだということもありますし、
一つの道具ですので、その異心云々というよりも、通じること、学びやすいことが重要だと思っている口ですので、
どちらでも良いという感じで、第三者的にこのアメリカ英語嫌いとかですね、イギリスの異心取りマウントみたいなものを眺めているわけなんですが、
ただ、英語史研究者としてみると、いかにしてこのようなヒエラルキーができたのか、そしてそのヒエラルキーにある意味アメリカ英語が揺さぶりをかけてきているという構図があるので、
なぜこのような状況になっているのかという、このメイキング、それから現状、そして未来には関心は非常にありますね。ということで、このあたりのアメリカ英語嫌いであるとか、イギリス英語侵破みたいな状況についてはウォッチし続けていきたいなというふうに思っております。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
皆さんはどちら系列の英語侵破でしょうか。そして逆の方についてどんなイメージをお持ちでしょうか。
さらに二大変種と言いましたけれども、もちろん他にもマイナーなと言いますか、この二大変種に比べればマイナーな変種たくさんありますので、むしろ何々英語が好きだとかですね、そういうご意見もあろうかと思います。
色々お寄せいただければと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
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それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語史研究者のほったり打ちがお届けしました。
また明日!
13:11

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