2025-10-14 17:36

#1598. khelf 寺澤志帆さんと allay を語る --- 「『英語語源辞典』でたどる英語綴字史」より

▼2025年10月15日に新刊書が出ます


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


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▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


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▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


- https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の11号が公開されています


- 第11号(2025年8月28日):https://note.com/helwa/n/n2415c5e4db5e


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


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「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

英語語源辞典に基づき、効果的に英語の綴りやその歴史を探求する対談が行われています。本エピソードでは、寺沢志穂さんが単語「alay」についての語源とその変化を詳しく掘り下げ、関連する言語の影響や方言の役割を探求しています。また、寺沢志穂さんと共に英語の綴りの歴史や語源について掘り下げ、「ALLAY」という単語の複雑な起源について議論し、語源に関する誤解や意味の変化についての洞察も提供しています。

英語語源の舞台裏
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、 英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして6月18日に研究者から刊行された
英語語源ハンドブックの著者のホッタリウィッチです。 加えて、来る10月15日、明日ですね、
夏目社より新刊書が出ます。同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。 井上一平・ホッタリウィッチ長。言語学ですっきり解決
英語のなぜ。ハッシュタグイノホタなぜ。ひらがな6文字で広報しております。 こちらもどうぞよろしくお願い致します。
英語の語源が身につくラジオheldio。 英語詩をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。 本日は10月14日。
皆さんいかがお過ごしでしょうか。 昨日の配信会で、ケルフ・ヒキタ会員さんによる
英語詩の名著グロース&ストラクチャーを読む連載がスタートとしまして、 ケルフメンバーによる新たなヘルカツ
が始まった旨、ご紹介いたしました。 もう一人、ケルフメンバーでこれより数ヶ月先に始められた
シリーズもの、ヘルカツがありますね。 既にこのheldioでも何度かお届けしておりますが、ケルフの大学院生
寺沢志穂さんが 英語語源辞典でたどる英語綴り辞詩
というタイトルでシリーズ記事、ブログ連載を書かれております。 今回はですね、その中から比較的最近取り上げられた、そして私も面白いなと思った
ある回、 単語に注目して対談いたしました。その単語は
alay という単語ですね。 柔らげるくらいの意味なんですが、alyと書きます。
寺沢さんはこの英語語源辞典をaから始めて読んでいるということで、まだまだ先は長く
aで始まる単語にとどまっているわけですが、それくらいじっくりと観察しているということかと思います。
今回の113回となります。 継続してますね。
alay この話題に迫りたいと思います。
関連するリンクを各チャプターに貼り付けておきますので、ぜひそちらをご覧になりながら対談会
お聞きいただければと思います。 それでは行ってみましょう。
1598回、ケルフ・寺沢志穂さんとalayを語る 英語語源辞典でたどる英語つづり辞詞よりです。お聞きください。
単語 'alay' の探求
おはようございます。本日もですね、先日に引き続きまして、ケルフの寺沢志穂さんにおいでいただいております。
今日もよろしくお願いいたします。 よろしくお願いします。
前回はですね、アリゲイターの話ということで、例のブログの方ですね、続けられているわけなんですが、もう一つですね、私も気になっていた単語で、こう読んだ時に面白いなぁと思ったものがありまして、これについてちょっと解説していただきたいなということで、113番の記事なんですけども
alayですかね、a-l-l-a-y 副題は、jとか言って、ヨットですね、発音記号のヨットへの変化と二重のlということなんですけれども、これがなかなか複雑ですね。
そもそもこのalayっていう単語も、そんなに現代語では使わない気もするんですけれども、これは軽減する、沈める、みたいな意味の動詞ということなんですよね。alay、これはそもそもどんな由来なんでしょうか。
語源としましては、古英語からある瀬戸字のaが付く瀬戸字に、置く、横たえるの意味の例が組み合わされた単語になっていまして、もともとは何々を置くっていう意味が原理というか、元の意味だったそうです。
例が基本で、あとは瀬戸字として強めの、ただの一文字のaですかね、これを加えて横たえる、置くということが本来の意味だった。現在では廃字になっていると。英語語源時点でも一応ダガーが付いていると思うんですけれども。
で、軽減する、沈めるの語彙は、後期、古英語から見られるが、これがちょっと何で発生したか、置くからね。軽減する、沈めるという、現代まで続く意味なんですが、これはどう考えればいいんですかね。
あの、ややこしいんですけど、英語語源時点によりますと、ラテン語のアレイとは別の語源にあたるアリビアーレという単語があって、そこから発達したフランス語のアレギエと呼んでいいのか、なんて呼んだらいいのかちょっと自信がないんですが、そのフランス語の影響を受けたものということなので、本来は語源としては軽減するという単語は関係なかったんだけど、
フランス語の釈用元の語形がアレイに似ていたので、意味だけアレイの中に入り込んでしまった。介入してしまった。
実際上は元々のアレイは死んだに近いんですかね。死んだというか言い方ですけれども、意味は少なくとも全く別由来のものにのっとられてしまったということで、本来の英語の奥という、霊の部分の意味っていうのは事実上なくなってしまったという。
こういう霊もあるんですね。体だけは残ったけど魂が完全に別のところから入ってきてしまって、その別のところっていうのは何かというとラテン語のアレビアレ。その後フランス語バージョンとか、あとこれ別途英語にもアリビエイトっていう単語で入ってきて、これは軽減するですかね。
なるほど。この小英語記の語形という、また別の話題に入るんですけれども、今のアレイみたいな単純な形ではなくて、語尾にシーンがあったと。
小英語だとアーレッチャンという単語だったんですが、このアーレッチャンから素直に現代語まで続いていれば、アレッジのような語形発音続り字になっていたんだろうと考えられるんですが、実際のところはそうならずアレイになってしまったということで。
このジュって音が軟化したというか弱くなって、いわゆるJの文字で表せるヨットという発音記号で表される音ですかね。これに弱まっていったという、そういう方言というか音変化があったってことですかね。
もともと小英語の動詞の活用からして、アーレッチャンのようなこのシーンが残るものと、直接法の現在2,3人称の単数でレイ、つづりとしてはL,E,Gが続くようで始まるような、そういう活用がありまして、発音もグっていうGとかシーンではなくて、ヨットに近いような発音がされていたものが小英語からあったんですが、
それが不停止の形と言いますか、そこになっていったのが中英語記号からと言われていて、なんでそのヨットの音がメインになってしまったのかというと、英語語言辞典によりますと、その北部方言のイングランドの北部方言の中で、ヨットの音がメインに使われるようになっていて、
それが最終的に南の方の方言にも広まっていって、標準としてアレイのようなヨットの発音、語形になっていったというような説明がされていました。
アレッジャンみたいなジュの音が、方言によってはこのジュが弱まったりしたものが出てきて、最終的には消えたに近いですかね。イの弱い音になって、現在のアレイにつながっているということで、これが北部方言に由来するんだっていうのが、私にとっては新情報で、
方言と発音変化
これかなりニッチなことを話しているような気がするんですけど、これ2段落目読んでいただけるとわかるように、現代に至る非常に重要な単語が同じ変化を遂げているというところで、むしろそっちに注目が行くわけなんですが、例えばどんな単語があるかというと、
買うですね。
これが小英語では全部ジュの音、先ほどのアレイと同じように持ってたってことですよね。
びゅっちゃん、りっちゃん、せっちゃんのように。
そうなんですよ。小英語をやっていると品質単語なんでね。
これしょっちゅうこのジュっていうのが見えていて、なんでこれ現代になって消えちゃったんだろうっていうのはずっと思ってたんですけど、ちゃんと調べたことがなくて、
単に語尾が落ちたのかなと思っていたら、今回アレイという項目で、北部方言の形、落ちやすいのは北部方言なんじゃないかみたいな示唆があって、これ方言形かというふうにちょっと納得したというか、面白いなと思ったんですよね。
これアレッチとなってもいいところが実際にアレイだし、バイもビッチとかね。
ビッチとかリッチ、セッチとなっていても今頃おかしくないわけですよね。
これ要調査ではありますが、北部方言ぽい意見、異なる発音みたいなものが影響力を高めて、現代の標準英語につながっていったという筋書きが本当だとしたら、ある意味、この生った発音で買うとか横たわる、言うっていうのを今我々は発しているっていう。
そのあたりはですね、いや面白いなぁと思ったんですけれども。
もう一つ、ここまでで私お腹いっぱいなんですが、寺沢さんはダブルのLとかですね、シングルのLとかこだわる人なんで、もう一段落追加されているのが、これが頭上げましたね。これはどういう話ですか。
ALLAYの語源の探求
えっと、現代の辞書の見出し語になっている綴り値はALLAYってことでLが二重になっているんですが、先ほど申し上げた通り、語源としては例に脅威の窃盗時のあがついているだけなので、本来だったらALLAYでLが一つになっていれば語源としてはストレートなはずなんですが、なんでLが二重になっているかといいますと、
ちょっと複雑なんですが、ラテン語の窃盗時にADDというものがありまして、アドベンチャーとかアドバイスなどに見られるADDなんですが、このラテン語のADDは後ろにLから始まる単語が続くと、そのDがLに同化してしまってALLで始まるような語形になる。
先ほど言ったアリビエイトの語源であるアレビアーレなんかもALLに。
そうですね。最初のLは本当はDなんだと。あれがLに化けたんだっていう考え方するわけですね。
なんですが、それと混同が起きて、本当はAにレイが、Aにレイがくっついているだけのはずなのに、ここにはラテン語窃盗時のADDあるいはALLが含まれているんじゃないかと誤解が起きて混同された結果、現代の続き時ではALLの二重のLになってしまったということのようです。
それで今LLっていうことなわけですね。
はい。
いや、よくわかりました。よくわかりました。皆さんお聞きの方、ついてこられましたでしょうかっていう。文章で読むと非常に明快で、このALLAYという、あんまり頻度も高いとは言えない、知らない人も多かったのではないかっていう単語なんですが、ここから意味変化の話、あるいは意味が乗っ取られるって言い方しましたけど、
それから、これね、もともと小英語でジュがあったのに何でないの?という問いを持っていると面白いので、これを知らない方には何が面白いの?と思ったかもしれないんですが、私はこの第2番目のポイントがめちゃくちゃ受けたんですよね。
で、追い打ちをかけてLLの話ということで、こんな単語2音節の、しかも低頻度のね、単語で3段落書いちゃいますかっていうところが、やっぱりこのシリーズの面白さじゃないかなと思いますが、寺沢さん的にはやっぱり3つ目が刺さる感じですか?
そうですね、馴染みがあると言いますかね。馴染みがあったのはLLの話で、そうなんだと思ったのはその意味が乗っ取られる話と、れっちゃんからレイになったっていう話は知らなかったので、すごく勉強になりました。
いや、なりましたね。この比較的ね、この短いぐっと凝縮されたあの記事で、これ9月12日のことで、これはあの英語詩ライブの前夜?
そうですね。
英語詩ライブの前夜にこういうことを書いてたんですね、ということで。
この記事につけられたキーワードは、アナロジー、フォークエティモロジー、エティモロジカルスペリング、アード、ジャマニック、フレンチということで、完全に寺沢職炸裂という感じで、この113番目の記事を選んでみました。ということで、今日ものみつの話ありがとうございました。
英語語源辞典の重要性
ありがとうございました。
フォークエティモロジカルスペリングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。いかがでしたでしょうか。
レイをめぐる対談でした。
英語語源辞典でたどる英語つづり辞書より113回を題材として、書き手の寺沢志穂さんとお話しいたしました。
この一語だけの歴史をたどっても、さまざまな言語変化のファクターが詰め込まれているなということがわかるかと思うんですね。
語の融合、意味変化、小英語の話題、そして方言、類推アナロジーなどですね。
一語だけでお腹いっぱいという感じになったのではないでしょうか。
これぐらいEvery word has its own historyということなんですね。
寺沢さんの英語語源辞典でたどる英語つづり辞書、ケルフメンバーによるヘルカツです。
こちら継続して書かれておりますので、リスナーの皆さんもぜひご注目ください。
RSSも用意されておりますので、ぜひですね、購読いただければと思います。
さて、明日10月15日、いよいよ井の穂田なぜが発売となります。
アマゾンなどでの配本は、少し遅れて17日という表記がありますけれどもね、書店等にはそろそろ並び始めるのではないかと思います。
ぜひご期待ください。
そして発売後はですね、井の穂田なぜの中身についても、いろいろとですね、内容を補足したり、裏話をお届けしていきたいと思います。
このヘルディオにも注目ください。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
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それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。
英語詞研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日!
17:36

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