2025-11-07 17:44

#1622. 続・日本食と言語景観 --- NZ のスーパーより

▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページがオープンしました


- https://user.keio.ac.jp/~rhotta/helhub/

- heldio, helwa はもちろん hellog や YouTube 「いのほた言語学チャンネル」などの様々な媒体での英語史コンテンツの新着が日々集まってくるページです.


▼2025年10月15日に新刊書が出ました


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


- Amazon での予約注文はこちら:https://amzn.to/4nmDn6Y

- 本書を紹介する特設HPはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze

- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました

- Amazon 新着ランキングの英語部門で第2位を記録


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の12号が公開されています


- 第12号(2025年9月28日):https://note.com/helwa/n/n7754627fffb2


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- Amazon 新着ランキングの英語部門で第1位を記録

- 発売3ヶ月で早くも3刷が決定

- 「本格的な語源本」としてご好評いただいています

- Amazon での購入はこちら:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/lp/hee.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


- https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

今回のエピソードでは、ニュージーランドのダニーデンにおける日本食の品揃えやスーパーの言語景観について話されています。特に、そばやうどんが見つかったものの、麺つゆがないことに困惑している様子や、多言語で表示されている印象的なゴミ箱の例が紹介され、地域による言語政策の違いについても触れられています。また、ニュージーランドの公共の言語景観において、日本語がどのように表記されているかに焦点が当てられ、資源ごみの表記が持つ第一義的および第二義的な意味合いが探られています。さらに、言語景観は観光に訪れる外国人の文化的選択に影響を与えることが示されています。

ダニーデンのスーパーの特色
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリュウイチです。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平・ホッタリュウイチ長 言語学ですっきり解決英語のなぜ
ハッシュタグひらがな6文字でイノホタなぜとしてご意見やご感想をお寄せください。 特設ホームページも概要欄のリンクからどうぞ。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。英語詩をお茶の間にをもとに英語の歴史の面白さを伝え、
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。 本日は11月7日金曜日。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
近くをカモメが飛んでいて、ガーガー騒いでおりますが、 今私クライストチャーチから南に350キロほどの
都市ダニーデンに来ています。 この街はですねスコットランド移民
によって植民された都市ということでですね。 ニュージーランド内では最も古いオタゴ大学という大学もあります。
私この街は2度目なんですが、1回目はですねだいぶ前なのであまり記憶が明確に残っていないんですが、
来てみてですね本当に美しい街だな。そしてスコッティッシュな街並み、雰囲気が至るところにですね、感じられるというそんな街ですね。
そこの展望見晴らしに来ておりまして、眼下にダニーデン市街を見下ろすことのできる絶好の地ですね。
海も近いということでカモメも飛んでいるわけなんですけれども、そんなところからですね、改めて昨日の話題に続きまして言語景観の話題をですねお届けしたいと思います。
続日本食と言語景観 ニュージーランドのスーパーよりです。どうぞお聞きください。
昨日の配信会でニュージーランドのスーパーの日本食棚って言うんですかね。 アジアの食材が集まっている棚の様子を写真でお伝えしたんですけれども、
これスーパーの種類によって、そしてもしかするとですねニュージーランドでも土地によって多少品揃えが異なるんだろうなということが予想されますが、
いくつかのですねスーパー巡りを私しておりまして、やっぱりですね異なっているんですね置いてあるもの。
そしてですねダニーレンに着いたということで一番街の中心にあるウルワースというスーパーに入ってみまして、こちら画像を貼り付けておりますが、眺めていただければと思うんですね。
ちょっと広角で撮ったので一つ一つの品物であるとかラベルっていうのは読めないかもわかりません。
拡大するとですねいろいろ見えてくるかもしれないんですが、大体同じものを置いてあると言えば置いてあるんですね。
これも言語景観のパートとなってニュージーランドの広い言語景観あるいは言語環境という呼び方もありますね。
これを形成しているのかなと思うわけなんですが、ここにですねそばとうどんを発見したんですね。
昨日掲げた写真のあのスーパーにはそばがなかったんですけれども、そば好きとしましてはこちらでそばが手に入るのであれば多少値が張ってもということでですね喜んだんですね。
3点何ドルですかね、3和ぐらいのものなんですけれども、高くはないということでこれは閉めたと思ったんですけれども、うどんもそうなんですけどね、麺つゆが売ってないんですよ。
そうするとですね、逆にこっちの人はどうやって食べてるのっていう素朴な疑問が浮かびまして、これはですね生地じゃあそばがあるんであれば麺つゆも欲しいわけですよ、美味しく食べるわけには。
っていうかそれ以外の食べ方あんまり思いつかないんですけれども、そうするとですね、そばはあるんだけど麺つゆはない、缶詰はあるんだけれども缶切りはないみたいなことでですね、むしろですねモヤモヤするんですね。
最初からそばを置いてくれてない方が良かったというようなところなんですね。
みりんはなんとか手に入るので、醤油も普通に手に入りますね。
あとはですね、出汁、鰹なり昆布なり鰹を欲しいですね。
ですが鰹節がないんですよ、これ私出国の時に慌ててパッキングしたので本出汁を入れるという大失態を犯してしまいまして、要するに手元に出汁がない状態なんですね。
で、鰹の缶詰とかあるかなと探したんですが、ツナばっかり。
そうするとツナで出汁とったらどうだろうとか、どんどんですね、話が違う方向に行って、
皆さんこの限られた環境で限りなく麺つゆに近い代用品を作る方法、あるのは醤油からみりんですね。
そこまではある。
あと通常の調味料はあるということなんですが、うまくいく方法、同じようなですね、悩みに付き合った方がいるんじゃないかなというふうに期待しまして、
何かですね、方法があったら教えいただければと思うんですけれども、
いやーこれちょっとびっくりしましたね、蕎麦、うどんはあるけれども麺つゆはないという、このちぐはぐ感なんですけれども、
このようにスープは異なればですね、品揃えが異なるということで、
辛ラーメンみたいなのが見えますけど、これはどこでも売ってますね。
韓国物も領域を広げてきている、韓国海苔なんかもだいたい置いてありますね。
言語景観と文化の交差
さあ言語景観の話としてはですね、街中に繰り出してみますと、標識であるとか書かれているものすべて、
ある意味言語景観のネタであり、このヘルディのコンテンツにもなるということでですね、
日本にいる時よりも話題探しはですね、非常に楽なんですけれども、もう一つですね、写真を貼っております。
これは普通の街中のゴミ箱ですね。
ここにですね、ラビッシュとリサイクリングとグラスボトルというような3つですね、
分別して捨ててくださいという表記があるんですが、ここですね、多言語表記になっているんですね。
まず真ん中の黄色のリサイクリングというところを見てみますと、まず英語でリサイクリングですね。
それから次にマオリ語でハカルワとあります。
その下なんですけれども、少し文字は小さくなっておりますけれども、中国語、そしてハングル、そして日本語で資源ゴミというふうにあるわけですね。
その下には、例えばこういうものがここに捨てられるべきものですということで、ここは全部英語で書いてあるということなんですが、
この資源ゴミという日本語に出会うとはあまり思わなかったんですね。
いわゆる英語圏の西洋諸国では、他のヨーロッパの言語とかですね、フランス語とかドイツ語とかスペイン語というのはヨーロッパにはよくある風景なんですけれども、
ニュージーランドにおいてはアジアとの連携を深めているという意味合いもあるんでしょうかね。
それから、移民系、そして観光客とか滞在者も日本人、中国人、韓国人等を含めてですね、東アジア系の方が多いということ。
だからダニエルは観光地ということの配慮もあるのかもしれませんけれども、こういう形で資源ゴミと日本語で書かれているとは思っていなかったので、
ちょっとお!と思って写真を撮った次第なんですね。
言語政策の意義
これは町によっても国全体というよりは町による施策、いわゆる言語政策という話にもつながるんですけれども、
この態度、姿勢はですね、町によっても地方によっても異なるのかもしれません。
クライストチャーシであまり見なかったような気がするんですよね。
このような言語景観というのは、都市の空間、都市だけではないんですけれども、
主に都市の空間を形作っている言語環境のパートなんだという見方を昨日紹介したわけなんですけれども、
もう少しこの考え方、言語景観とかあるいは広く言語環境という、
Jean Calvéというフランスの社会言語学者と言っていいんでしょうかね、
言語環境というようなより広い概念を使っているんですけれども、
これですね、2つ意味があるんですね。
資源ごみというふうに、このダニー遺伝子のゴミ箱に資源ごみと日本語で書いてあることの意味といいますか、
これ2種類あると思うんですね。
一義的には日本語を理解するもの、例えば私にとってですね、
これが資源ごみのゴミ箱なんだということを伝えるという、いわゆる第一義的に意味を表す。
例え英語であるとか、マオリ語、中国語、韓国語、ハングル、読めなかったとしてもですね、
資源ごみという日本語を読むことができれば、このゴミ箱の役割といいますかね、
意味を示すことができるという意味での、いわゆる知的な意味、意味論的な意味といいますかね、
すごくストレートに資源ごみのゴミ箱だよということを伝えるという、
これ言うまでもない当たり前の意味ですけどね、これが第一。
次にですね、第二義的にこの資源ごみと書かれていること自体がですね、どんな意味を持つかというと、
ダニー電子は日本語をこのような公共の場で使うということを選択したという、
いわゆるダニー電子の言語政策とか言語に対する姿勢みたいなものを、
この資源ごみの表記によって表しているというそういうメタ的な側面ですね。
記号論的な側面と言ってもいいかもしれませんが、
ニュージーランドの言語景観
これはですね、多くのニュージーランドの英語ネイティブたちは資源ごみという部分、
日本語を勉強していない限り読めないはずなんですね。
もちろんどんなことが書かれているかということは、推測することは十分に可能なわけなんですが、
実際にこれを資源ごみと発音できるかというと、これ読めないわけですよ。
とすると、帰水のニュージーランド人、英語ネイティブにとってはですね、
資源ごみというのは日本語なので意味をなさないといえば意味をなさないです。
第一義的には意味をなさないんですが、第二義的には日本語っぽい文字でどうも書かれている。
つまり日本語という言語を公共の場で表記することを自分たちの志、ダニー・デン氏は選んだんだ、
その志の一員なんだというような、どこまでその態度表明をですね、強くするかということは別にして、
第二義的な意義があると思うんですよ。
この言語景観というのは、この二つの側面があると思うんですね。
まずは純粋にそれが何て書いてあるのか、その文字を読める人にはストレートに伝わるという意味。
だから日本人にとっては資源ごみと書いてくれていて、ありがたいという側面ですね。
二つ目は、このダニー・デン氏が資源ごみと日本語で書くことを選んだという、
その表明、試作の表明にもなっているということなんですね。
この二つの意味が言語景観の中にはあるんだろうと、二つの側面といいますかね。
便宜上第一義的、第二義的というふうに順番をつけましたが、
これは本当に便宜的であって、本当は逆順かもしれないんですね。
これはどういう思惑なのかとかですね、色々状況によって異なりますが、
例えばですね、日本に観光に来た外国人、日本語は全く分かりません。
だけれども日本語で何でもいいですね、寿司とか藤山とか書かれたTシャツ、
これを着て楽しんで喜んで観光楽しんでいるという場面を想像すると、
その人にとってそこに何が書かれているのか、文言ですね。
これは分かっているかもしれないし、分かっていないかもしれない。
そこはあまりポイントではなく、日本語で書かれたものを選んで着ているんだという、
そこに自ら喜びを感じているということなので、むしろそのTシャツを着ていることの第一義的な機能っていうんですかね。
それは自分はこのTシャツを選んだんだぞ、日本に来ているぞとかですね、
日本のものを買ったぞというようなことであって、その次にですね、もし関係するのであれば、その文言は何を意味するのかということですね。
逆に日本にいる日本人で英語とか何語かで書かれている横文字の入ったTシャツを着ているんだけれども、
その意味は考えたことはなかったという、これは非常によくあることじゃないかと思うんですね。
その場合、先ほど前提とした第一義的、第二義的といった順番はですね、むしろひっくり返っているのではないかと。
なので、これは第一、第二というのは本当に便宜的でですね、二つの側面があるんだということなんだろうと思うわけですよね。
そう考えるとですね、その文字の背後にある、今日の配信では第二義的といった記号論的社会的な意義、
こちらを探ってみるというのが面白い試みになるのではないかなと。
看板であるとか標識であるとか、そこにどういう表記を使うのか、多言語表記になっているのか、
そして多言語表記の場合、その順番はとか、あと文字を全部同じ大きさにするのか、今回のゴミ箱のように中間、日についてはフォントを下げて小さめに表記するのか、
このあたりもですね、全体的にどういう考え、思惑があって、このような書き方、表記の仕方になっているのか。
これ考えると、これ面白いんですね。話題の方向ということで、言語景観の話題はですね、
これはいくらでも作っていけそうだなという感じがしますので、2日連続となりましたが、皆さんもぜひこの言語景観、
さらには広く言うと言語環境なんて言い方もありますので、ご関心持っていただければと思います。
日本食とリスナーの反応
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
日本食の話はですね、どうしても出てしまいますね。
I miss Japanese food っていう感じなんですけれども、
めんつゆに困っているという話題から始まりまして、
Linguistic Landscape 言語景観の話にまで再び持っていきました。
ぜひですね、めんつゆの作り方を教えてください。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。
SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように。
英語詞研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日!
17:44

コメント

スクロール