2025-06-04 26:58

#1466. 時制とは何か?

▼緊急告知! 2025年6月18日に本が出ます


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▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


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- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


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- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


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▼X(旧Twitter)上で「heldio コミュニティ」が開設しています.


Voicy 「英語の語源が身につくラジオ (heldio)」のリスナーさんどうしの交流と情報発信の場です.heldio やそこで配信された話題を「待ち合わせ場所」として,英語史やその他の話題について自由にコメント・質問・議論していただければ.heldio が広く知られ「英語史をお茶の間に」届けることができればよいなと.今のところ承認制ですが,お気軽に申請してください.

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▼「英語史の古典的名著 Baugh and Cable を読む」シリーズ(有料)を展開しています.


英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

https://voicy.jp/channel/1950/570931


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして2025年6月18日に発売予定の英語語源ハンドブックの著者のホッタリュウイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間にをモットーに、英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は6月4日水曜日です。英語語源ハンドブック発売まであと14日、2週間後の水曜日に発売ということですね。
皆さん、ぜひお楽しみにしていただければと思います。
さあ、この英語語源ハンドブック、いよいよ2週間後ということになるわけなんですが、それまでですね、いろいろな形で皆さんに
このハンドブックの魅力をheldioにてお届けしていくということでですね。
あさってしあさってという今週末ですね。 実は
日本中西英語英文学会西支部の例会が京都の立命館大学で開催される予定です。
土曜日午後に開催されるんですが、そこでですね、セッションとして新刊紹介があるんですね。
まさにそちらで英語語源ハンドブック 強調者3名
会場に集まりまして、40分ほどこのハンドブックについてお話しさせていただくことになっております。
そして京都入りはその前夜の金曜日、あさってということになりまして、まだ完全にはいろいろと確定していないんですが、
なにせ強調者3名が集まる、一堂に会するということでですね、おそらく何らかのheldio収録を行う予定です。
そしてなんとなればですね、生配信も行う可能性が大ということで、金曜日土曜日あたりですね。
ぜひお楽しみにお待ちいただければと思います。 現時点で確定的なことは申し上げられないんですが、
その場の行き当たりばったりで生配信、金曜日の夜あたりですかね、する可能性あると思うんですよね。
from 京都ということで多分テンション上がっていると思いますので、このあたりですね、 もし配信することになるようでしたら、ぜひですね
多くの皆さんにお聞きいただきたいと思っております。 そんな形で英語語源ハンドブック
発売まで2週間なんですが、まだまだですね 盛り上げていこうと思いますので、ぜひお付き合いいただければと思います。
03:05
さて今日の本題なんですが、ちょっと後半に行きたいと思うんですね。 時勢とは何か。
言語において時勢点数というふうに英語では言いますけれども、 これは非常に重要な役割を果たすわけですよね。
英語においても現在形と過去形というのがあります。 そしてwill、shall、be going toを使った未来表現になるものもあります。
この時勢というのは一体何なのか。 最近改めて考え直しているというところですので、
皆さんとも情報共有しながら、この時勢、 言語における時勢という問題についてお話ししたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。 皆さん、言語における時勢ですね。
時に制度のせいと書くわけなんですが、英語で点数。 これを聞いて何を思い浮かべるでしょうか。
このヘルディをお聞きの多くの方は英語学習者かと思うんですが、 英語においては当然ながら現在形と過去形という区別がありますね。
現在形のgoに対して過去形のwent。 これは不規則変化なんですが、
例えばstudy、visitという動詞。 これ現在形に対して過去形はstudied、visitedのような形になるということで、
英語学習の早い段階で過去形というものを文法で習うと思うんですよね。 さらに今では中学校何年生ぐらいでやることになってるんですかね。
未来表現というのがありますよね。 これはあえて未来形と言わないところがみそなんですけれども。
というのは現在形と過去形の場合は、動詞、その語尾に何をつけるか。 0の場合には現在形、そして典型的にedをつける場合には過去形というふうに動詞そのものの形を変える。
つまり語尾を付け替えるということでですね。 現在と過去を区別するということなんですが、未来表現、未来を表す場合には、
動詞そのものの形をいじるという方法は取らないんですね。 そうではなく、無限的に、無限というのは遠回しに。
別の言い方をすれば、 他の独立した単語を持ってきて、
未来を表すということなんですね。 これが助動詞と言われるwill、shallであったり、
06:07
あるいは準助動詞と呼ばれるbe going toとかbe about toのような
言い方ですよね。これに 動詞の原形を接続させる。これによって全体として未来の意味を表すんだというようなものがありますよね。
なので英語学習では典型的に現在形、過去形、そして未来形と言っていいのかわかりませんが、未来表現のあるものがある
ということを前提としてですね、 学ぶことになっていくんですね。
これが英語の時勢という話題なんですけれども、そもそも時勢って何なんでしたっけというところから今日は解き起こしたいと思うんですね。
これ1回で終わるような話ではないですし、理論言語学的には非常に大きな問題なので、
時勢、テンスというこれだけで本が書かれるくらいですね、非常に豊かな話題なんですが、今日は基本中の基本のところを抑えていきたいと思います。
時勢というのはですね、 文法範疇と呼ばれているものの一つなんですね。
言葉にはですね、文法範疇なるものがいくつもあります。 例えば英語という言語で言いますと、
動詞に関わる文法範疇として、認証があります。 主語にあたるものが何認証なのかっていう話題ですね。
それから、 単数複数という数の違いがあります。
これはですね、典型的には単数か複数かっていうのは名詞に所属する範疇なんですけれども、動詞にも呼んできます。
主語が単数か複数かによって取る語尾が異なるというのが伝統的な英語の在り方だったんですね。
現在では三単元のsという単のところですね。 三っていうのは三認証ですね。単っていうのは単数複数の単ですね。
そしてもちろん、動詞には時勢、今日の話題ですが時勢という範疇も組み込まれています。
他にはですね、法っていうのもありますね。これはムードです。 直接法、仮定法というあれですね。
さらにはですね、体っていうのもあります。 能動体、受動体。
あのような英文法用語として学ぶ、 日本語としては漢字1文字とか2文字というカタクルシー言い方になるあの用語群ありますよね。
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認証、数、時勢、法、体
っていうことですね。 他にもですね、名詞の文法範疇としては
格っていうのがあったり、かつては性、文法性の性っていうのがあったりですね。 それからもちろん数もありますよね。
こういうふうに品詞に応じてということもあるんですが 漢字で1文字2文字ぐらいで格ですね。
あの四日爪らしい概念ってありますよね。
あれのことを文法範疇というふうに呼んでるんですね。
グラマティカルキャテゴリーと言います。 あるいは文法カテゴリーとも言いますね。
グラマティカル範疇とは言いませんね。 不思議ですね、これはまた。
まああのどうでもいい話なんですけれども、文法範疇と訳されるグラマティカルキャテゴリーというものが言語にはあるんですね。
その文法範疇の一つが今回注目する時勢ということなんです。
ですので他の文法範疇にも当てはまるような話題、特徴っていうのがですね、出てくるかと思いますのでそのあたりを意識しながら
今日の時勢という文法範疇についてお聞きいただければと思います。
ちなみにですね、言語における範疇、カテゴリーって何?
今日お話ししている文法範疇って何?という話題についてはヘルディオで1136回で語っていますので、こちらリンクを貼っておきます。
そちらから聞いて復習、予習していただけるといいんではないかなと思いますね。
さあ、時勢という文法範疇の話、本格的にここから始めたいと思うんですけれども、
文法範疇っていうのはですね、文法の話題ですから言語に属する世界なんですね。
言語世界の用語なんですよ、時勢っていうのは。それに対して言語世界の反対は何かっていうと現実世界です。
現実と言語っていうこの対立をですね、今日は意識していただければと思うんですが、言語側の時勢という文法範疇があります。
ではこれに対応する現実側のエンティティ、存在は何かっていうとこれが時間なわけですよね。
時と言ってもいいです。つまり現実の時間っていうのがありますね。
過去、現在、未来へと流れていく現実の時、時間というものがあります。
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これも細かく言えばですね、哲学的に論じることができまして、人間がどのように時間、時というものを認識しているか、
これ語り出したら本当に哲学になってしまいますので、ここでは最大公約数としてですね、
現代日本人、これを沖のほとんどの方だと思うんですが、が常識としている時間間というものを据えたいと思うんですね。
これは先ほど述べたように、時間というのは数直線で表せて、現時点というのが点で表される。
そしてそれより前の時点、典型的には図で言うと数直線が横に伸びていて、左の方向ですね。
これが過去っていう関例がありますよね。
過去と、そして今の時点、現在と、そして右手の方に伸びていく矢印の先、これが未来という、
こういう三分法で捉えていることが多いと思うんですね。
これは決して時間間のユニバーサルな考え方であるとは言えません。
いろいろな時間間とか哲学がありまして、例えば輪廻転生というのは直線ではなく、丸、円なわけですよね。
ぐるぐる回っているっていう考え方だったりしますし、
これはですね、論じ始めたらもうきりがない時間間、哲学の話題になってしまいますが、
ここでは典型的なあるいは平均的な現代日本人の時間間隔ということで、とりあえずフィックスして考えたいと思うんですね。
そうしないと先進みませんので。
典型的な時間間として、現在、今生きている、我々がいる時間を現在という点と捉えて、
その前は過去、そしてその後、これから来るべき時間というのを想定して、それを未来と呼ぶ、直線的な時間間ですよね。
これをまず時間、現実の時間と考えたいと思います。
考え方はいろいろあるんですが、これでフィックスしておきますね。
さあ、これを念頭に置いた場合、では言語の側、言語世界の側でこれにどう対応させるかっていうマッピング問題っていうのが生じるんですね。
現実世界と言語世界っていうのは別なんですね。
なるべく対応していれば便利かなというふうに直感的には思うんですけれども、必ずしもきれいに対応しているわけではないんですね。
そこそこは対応しているっていうのが事実だと思うんですけれども、やはり別世界ですからマッピングするときにですね、必ずしもきれいにいっているとは限らないっていうことなんですね。
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ここが面白いところなんですよ。
現実世界の方の流れを時間とか時と言います。
英語ではタイムと言っておきましょうかね。
そして言語世界における対応物を時世位、点数というふうに言っておきたいと思います。
これ対応するものだとはいえ、別世界に属するので違う用語、違う言い方を設けていた方が頭が混乱しないんですね。
なので現実世界の方を時間と呼んでおきます。
そして言語世界での対応物を時世位というふうに呼んでいます。
時間の制度ですよね。
これなかなか上手い訳語だと思うんですけれども、つまり現実の時間に対して言語制度上を何にマッピングするかっていう決まり事なんですよ。
なのでたまにずれていたとしても、それは言語側の決まりだからねというふうに言ってのけられるんですね。
同一物ではありません。あくまで対応物なので、現実世界の時間、タイム対言語世界の制度としての時世、点数、これをですね、分けて考えておくことが非常に重要なんですね。
基本としては2つが上手く対応とれていることが多いです。
例えばですね、現在のこと、現在起こっていることですね、現実世界の時間の中で現在に起こっていることを言語世界における現在時勢で表すということは極めて典型的です。
同じように過去に起こったこと、現実のですよ、現実世界の過去、つまり今より前の時間に起こったという現実がある場合、それを言語表現する場合に過去時勢と呼ばれるもの、英語では典型的にedをつける形ですが、これで表現するということは極めて自然なんですね。
同じように未来に起こるだろうことというのを未来時勢、英語では典型的にwill be going toを使うことが多いんですが、これで表現するということは極めて自然なので、多かたですね、きれいにマッピング、対応してますよね。
ですが、稀にですね、この対応がずれるということがあります。例えば、あくまで現在のことを聞いているのに過去形を用いるっていうこと、実はあるんですね。例えば、人の名前を聞くときにですね、この人会ったことはあるんだけれども、名前忘れちゃったなっていうときに、
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What's your name?つまり、What is your name?っていうふうに、is、be動詞の現在形を使うとですね、ちょっとドギツイんですね。なので、柔らかくするという目的で、What was your name?何でしたっけ?っていう日本語でも言うので、感覚わかると思うんですが、あくまで今聞いてるんですよね。
で、昔から今にかけて、その人の名前が変わっているとは思いませんが、基本的には、今、あなたの名前は何ですか?というふうに聞きたいわけなんですよ。ですが、丁寧さを出すという過去形の持っている機能を利用するために、過去形、過去時勢を使うということがあるわけですね。
意味的には、What is your name?と何にも変わらないんですが、過去形にすることで得られる効果というのがあるので、現在のことなのに、過去時勢を使うというチグハグが生じます。
現実世界の時間、タイムとしては現在に相当することなのに、言語上は過去時勢というちょっとずれたものを使うということになっているわけですね。こういう例があります。
他にはですね、歴史的現在という文法項目がありまして、聞いたことがありますでしょうか。歴史というぐらいですから、過去に起こったことなのに、つまり本来的には過去形、過去時勢が要求されるところなのに、なんと現在形、現在時勢の表現を使ってしまうということがよくあります。
一番の典型は何かと言いますと、新聞の見出しなどですね。例えば、99歳の男性、富士山に登るということなんですが、新聞の見出しにあった場合、これは過去に起こった事実を報告しているわけですよね。
新聞記事ですから、既に終わっていること、過去のことですので、
A 99-year-old man scaled Mount Fujiというのが正しい記述のはずです。
実際にその方が富士山に登ったのは過去のことですから、過去形、過去時勢を使うべきなんですが、新聞では典型的にこれを現在形、現在時勢で表現しますよね。
その方が、ヴィヴィッと表現が生き生きとして、今まさに登っているかのような光景が思い浮かぶということで印象的だからです。
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つまり、現実には過去に起こったことなのに、表現上、レトリック的にですね、歴史的現在と言いますが、過去のことなのに現在形、現在時勢を使うという例がたくさんあるわけですよ。
このように、現実と時勢、言語上の扱い方っていうのがずれるケースというのが起こるのが言語なんですね。
改めて言います。典型的には、確かに現在のことは現在時勢で示すし、過去のことは過去時勢で示す、未来のことは未来時勢で示す。
これがデフォルトであり一番普通の形だということは間違いありません。
ただ、現実の時間とですね、言語上のその反映である時勢というのは、完全に100%マッチングしているわけではない、あるいはマッピングされているわけではないので、
ここはですね、100%のイコール関係で捉えてはいけないっていうことになりますね。
現実の時間とそれが言語上に反映されるところの時勢というものは、
多方対応しているという言い方をして良いと思うんですけれども、時に例外的なことがあり得るって言うんですね。
これ実は時勢のみならず、言語における文法範疇の特徴なんです。
現実世界をだいたい影のように反映しているのが文法範疇と言えるんですが、それは完璧な一致ではないっていうところがポイントです。
小英語なりですね、インドヨーロッパ諸語には名詞に性、文法性っていうのがありますね。
典型的には男性を表す名詞であれば男性名詞だし、女性を表す名詞であれば女性名詞ということなんですが、中にはwife、wifeですね。
これ女性を意味した小英語の単語なんですが、これがなんと中性名詞になっているということがあるんですね。
なぜと確かに問いたくはなりますが、このように不一致が起こることがある。
必ずしもきれいに自然の性と文法上の性がマッチングしているとは限らないわけですね。
確かにこれなぜと問いたくなる気持ちはわかるんですけれども、そしてずっと遡ればですね、これ何らかの動機づけがあってこうなっているんだよっていうことは説明つくのかもしれません。
ただですね、今となってはなかなかこれ解くのが難しいっていうことですね。
結果としてうまくマッチングしていない例っていうのがものすごく多いわけではありませんが、やっぱり現れるんですね。
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時勢という動詞に関する文法範疇も同じです。
現在のことであれば現在時勢で、過去のことであれば過去時勢で、未来のことであれば未来時勢でというのがデフォルトであり、
十中八九あっているんですが、うまくはまらないこともあるっていう、このずれこそが実は言語の大きな特徴なんではないかというふうに私は考えています。
完全に一致していたら、自然世界、つまり現実世界と言語世界がピタッとくっついているわけなんで、あまり分ける必要もないっていうことになっちゃうんですよね。
ですが、歴然とこの2つの世界は分かれています。
2つの異なるエンティティなんです。関連はしているけれども異なるエンティティ。ここに言語が持っている創造性みたいなものも含まれているんではないかと思ったりするんですよね。
全く同じだったら存在価値がないんですよ。このずらしみたいなところが実は面白いんではないかなと。
文法範疇の議論の面白さはここにあります。今回はそんな文法範疇の一つ、時勢について考えてみました。
時間と違うっていうことがこれでわかったと思うんですね。時間というのは現実世界に属する用語です。
一方、時勢というのは言語世界に属する用語です。
時間と時勢がどのような関係にあるのか。90%ぐらいイコールで結んでいいんだけれども10%ぐらいずれてるんですね。これが時勢の面白さなんですね。
引いては文法範疇の面白さ、言語の特徴ということになるわけです。
エンディングです。今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。
最近の配信会の中ではなかなか広派な回の一つになったんではないかと思いますね。
私も話しながらですね、どこまで話を進めようか、どこで止めようかということを考えながらお話ししておりました。
この時勢の話題、さらに広げて言えば文法範疇の話題というのは本当に面白い話題だと私も昔から思っておりますので、また取り上げていきたいと思います。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。
Voicyのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。SNSでのシェアもよろしくお願い致します。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように。英語子研究者のほったりうちがお届けしました。
また明日!
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