2025-10-07 13:03

#1591. 声の書評 by khelf 寺澤志帆さん --- 寺澤芳雄(著)『聖書の英語の研究』(研究社,2009年)

▼heldio 2025年第3四半期のベスト回を決めるリスナー投票 --- 10月7日までオープン


3ヶ月に一度の恒例企画となっています.今年の第3四半期にお届けしてきた配信回(全92回)のなかからベスト回を決めるリスナー投票イベントを開催しています.1人10票まで投票できます.投票会場は10月7日(火) までオープンしています.この機会に聴き逃した過去配信回を聴取いただき,じっくり選んでいただければと思います.


- 投票会場はコチラ→ https://app.sli.do/event/dDPcpDJFQxnbQsM2m5kP74


▼2025年10月15日に新刊書が出ます


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました

- Amazon 新着ランキングの英語部門で第2位を記録

- Amazon での予約注文はこちら:https://amzn.to/4nmDn6Y

- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- Amazon 新着ランキングの英語部門で第1位を記録

- 発売3ヶ月で早くも3刷が決定

- 「本格的な語源本」としてご好評いただいています

- Amazon での購入はこちら:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/lp/hee.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


- https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の11号が公開されています


- 第11号(2025年8月28日):https://note.com/helwa/n/n2415c5e4db5e


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

寺沢義男著『聖書の英語の研究』では、英語文化における聖書の影響とオーソライズドバージョンの成立過程について詳しく解説されています。特に、オーソライズドバージョンの言語の特徴や歴史的背景が紹介され、近代英語における重要な事例としてシェイクスピアとの比較も行われています。寺澤志穂さんは、この『聖書の英語の研究』の内容を解説し、聖書と英語史研究の深い関連を紹介します。読者は聖書の英語をより深く理解するための視点を得ることができます。

00:00
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、
そして、6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリウイチです。
加えて、来る10月15日に夏目社より新刊書が出ます。同僚の井上一平さんとお届けしているYouTubeチャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平・ホッタリウイチ著 言語学ですっきり解決英語のなぜ
ハッシュタグはひらがな6文字でイノホタなぜとして広報しております。 こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。英語詩をお茶の間にをもとに、英語の歴史の面白さを伝え、
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。 本日は10月7日火曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今日はですね、連日お届けしておりますGELFメンバーによる声の書評を続けていきたいと思います。
9月13日の英語詩ライブ2025の当日に収録されたものです。 GELFの大学院生メンバーたちが
英語詩関連の本を声で紹介書評するというそんな企画です。 本日は
声の書評 by GELF寺沢志穂さん 寺沢義男著、聖書の英語の研究
研究者より2009年に出版されております。 こちらの寺沢義男先生の
聖書の研究ですけれども、こちらをたまたま生が同じ GELFメンバーの寺沢さんにご紹介いただきたいと思います。
本編に入る前に一つご案内です。 本日10月7日の深夜23時59分を締め切りとしまして
Heldioの2025年第三四半期のリスナー投票を 開催しております。
今晩が締め切りということですので、まだ投票されていない方はこちらのチャプターに貼ったリンク先
投票会場となっておりますので、全92回の配信会の中からお一人10票までということで
ご投票いただければと思います。 投票の結果は後日Heldioでお届けしたいと思います。
ぜひ投票をお願いいたします。 それでは本編行ってみましょう。
聖書と英語文化
「聖書の英語の研究」という本を紹介いたします。 どうぞ。
はいじゃあ次は寺沢さんお願いします。 寺沢志穂です。
なぜこれを強調するのかというと、私が紹介するのは寺沢義男先生が書かれた
「聖書の英語の研究」という本になります。 苗字がたまたま一緒ということで、血縁関係は多分ないんですけど
ちょっと恐れ多くもご紹介させていただきます。 なぜこの本を紹介するに至ったかと言いますと、去年の英語誌ライブ2024で
実はこちらの「聖書の英語の研究」の本がリスナープレゼントとして研究者の方からご提供いただいて、それをリスナーの方にプレゼントするという本になっていたんですよね。
だったんですけど、その時に当選されたリスナーの方がぜひ陰性の方に読んでいただきたいということでありがたく陰性の方でいただきまして、
厳正なるじゃんけんの結果、私がいただいたということになりました。
あの時いためんその中では一番持っておくべき人の手に当たったのかなという感じではありますね。
はい、ありがたい限りです。
寺沢義男先生といえば、英語語源辞典の編集主管をされた先生ということで皆さんご存知かと思うんですけれども、
その英語語源辞典の中でもシェイクスピアと並んでオーソライズドバージョン、いわゆる聖書の英訳版のものがかなり
英語語源辞典の中でその使用についてがかなり取り上げられておりまして、そのオーソライズドバージョンという
英訳聖書としては最高峰とされている1611年にできた本と、その周辺の現代にまでに至る聖書の様々な英訳本について
いろいろ紹介されている本ということになっております。
出版が2016年でして、寺沢義男先生が亡くなった直後に出版されたものになっております。
吉尾先生は東京大学の学部のときの卒業論文からずっと修士課程の修士論文までこの聖書の研究をされていて、
その後も生涯にわたって研究されたものがこちらの方にまとまっているということになっております。
今回どのように紹介しようかなって悩んだんですけど、各章に分かれていまして、
オーソライズドバージョンの特徴
それを見出しを読み上げながら紹介するのがいいのかなと思ったので簡単にご紹介させていただきます。
第1章が序論で英語聖書と英語文化ということで、英語圏の文化に聖書がどう関わっているのかというところから導入が始まります。
その第2章で近代英語記にあたりますオーソドライズドバージョンがどのように成立したのかというものが挙げられまして、
第3章でオーソドライズドバージョン初版の移動比較ということで、
そのオーソドライズドバージョンの後に様々な改訂版の聖書が出るんですけれども、
意図的あるいは非意図的にいろんなスペルの違いだったり、あるいは単語が違っていたりとか、
会員してはいけないっていうフレーズがノットが抜けてしまって、会員しなさいになっちゃってたりとかっていうエピソードも出たりするんですけど、
そういういろんな、どういう違いがあったのかということが第3章で紹介されています。
第4章はアメリカにおけるオーソドライズドバージョンの授業、ウェブスターバイブルを中心にということで、
ウェブスターといえばアメリカの英語辞書を変算したことで有名ですけれども、
アメリカにおけるオーソドライズドバージョンはイギリスの聖書になりますので、アメリカ版の約聖書を作ろう、改訂版を作ろうというのがウェブスターのまた別の側面になってまして、
どのように何をウェブスターがオーソドライズドバージョンから変更を加えたのかということが詳しく取り上げられています。
一番私は言語を研究しているので面白いなと思ったのは第5章でして、オーソドライズドバージョンの言語の特徴ということで、発音から名詞、漢詞、名詞、代名詞、関係代名詞、形容詞、長いんですけど、
動詞、仮定法、助動詞、副詞、前置詞、接続詞、語順ということで、ほぼ英語にまつわるさまざまな側面についてオーソドライズドバージョンがどのような特徴になっているのか。
近代英語記にあたりますので、例えば関係代名詞のwhoとwhichとtheとどのように使い分けているかですとか、助動詞のdoがそろそろ出てくる時代が来ます。
オーソドライズドバージョンだと使われているのかどうかということが、英語史上大きな事件が近代英語記にいくつかありますので、それの中にあるオーソドライズドバージョンだとどうなのか。
その聖書って現代のイメージでちょっと古い表現とかが残っているイメージがあるかもしれないんですけれども、この時代の中で例えばシェイクスピアと比較してオーソドライズドバージョンがどう違っていたのか、あるいは同じだったのかということがかなりこと細かに書かれています。
聖書の言葉の理解
最後、第6章がオーソドライズドバージョン用語集ということで、重要のように語集なんですけれども、オーソドライズドバージョンに出てくる単語の中で現代人が読むと読み違えてしまうであろう、辞書的に説明が加えられています。
これかなり勉強になるといいますか、英訳、聖書を読むときにも勉強になりますし、それ以外の近代の例えばシェイクスピアとかその辺りを読むときにも参考になりそうだなと。
聖書特有の部分と時代的な部分で特有な点というのがよくまとめられています。
例えば、クイックと聞いてどんな意味かと言いますと、藤原さんどうですか?
最初に出てくるのが素早い。
クイックという形容詞の形になると、生きているとかそんな意味で主に用いられていますよ、みたいなものがたくさん載っています。
確かにそれはあんまり英語史をやっていないと、その意味だと水銀ぐらいでしか話せないですからね。
それはあると便利かもしれないですね。
近代英語記だとその古英語と異なっていて、ぱっと見現代英語風に見えてしまうので、現代語の意味で読んでいくとちょっと意味が違っていたり、誤解してしまったりというのが起こるので、すごく便利なありがたい章だなと思いました。
クイックはありがたい。
実際第7章で主要英訳、聖書の年表がきれいにまとめられています。
聖書を知らない人でもどういうふうに英訳、聖書ができるに至ったのかですとか、意外と聖書も完全ではないというのが面白くて、いろんな回転が減るに至ってちょっと誤食があったりとか、
聖書って完全なものであるべきというイメージがありそうなんですけど、実はいろんな問題があってとかそういう裏話もありますし、
近代英語記の特徴、あるいはオーソライストバージョンの中の使用されている英語の特徴というのが、かなり専門的な本ではあると思うんですけど、
一般の方でも何度か読めるぐらいにはわかりやすくまとめられているので、近代英語記のことをいろいろ知りたいよ、聖書のことを知りたいよという人はぜひ読んでいただけるといいのかなと思いました。
聖書と英語の研究
エンディングです。
今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました。いかがでしたでしょうか。
ケルフによる声の書評シリーズ第3弾ということで、今回は寺沢志穂さんに、寺沢義男著、聖書の英語の研究、研究者2009年をご紹介いただきました。
聖書に関心のある方は非常に多いと思いますし、聖書の英語に関心がある方も同じくらい多いんではないかと思うんですね。
実際、英語史研究と聖書というのは関わりが非常に深いんですね。
同じ一つのテキストが様々な時代に映役されているということで、その英語を縦に比べる、通時的に比べるのに適したテキストなんですよね。
今回紹介してもらいました、聖書の英語の研究、本格的な研究書ではありますが、ご関心のある方、ぜひ手に取っていただければと思います。
最後に、テイストは全く異なるタイプの本ですが、冒頭にも述べました、「いのほたなぜ?」こちらもよろしくお願いいたします。
そろそろ見本が届くはずですね。10月15日に夏目社より刊行されるということなんですが、
大体1週間ぐらい前に著者には見本が渡されるということなんですが、私、海外におりますので、その冊子体、見本そのものはですね、すぐには手に入らないかもしれませんが、
出来上がり、ドキドキワクワクといった感じです。どうぞ、「いのほたなぜ?」よろしくお願いいたします。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見、ご感想をお待ちしています。
おいしいのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは、今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語式研究者のほったり打ちがお届けしました。また明日。
13:03

コメント

スクロール