2025-10-08 17:34

#1592. 声の書評 by khelf 泉類尚貴さん --- 滝沢直宏(著)『コーパスと英文法』(研究社,2017年)

▼2025年10月15日に新刊書が出ます


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました

- Amazon 新着ランキングの英語部門で第2位を記録

- Amazon での予約注文はこちら:https://amzn.to/4nmDn6Y

- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


- Amazon 新着ランキングの英語部門で第1位を記録

- 発売3ヶ月で早くも3刷が決定

- 「本格的な語源本」としてご好評いただいています

- Amazon での購入はこちら:https://amzn.to/4mlxdnQ

- 本書を紹介するランディングページはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/lp/hee.html


▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


- https://open.spotify.com/show/0xOyOIXBUrIZbnwSLeJsSb?si=zH5V2CjkS0ekqNz5ro7caw


▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の11号が公開されています


- 第11号(2025年8月28日):https://note.com/helwa/n/n2415c5e4db5e


▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


▼プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」 (helwa) も毎週火木土の午後6時に配信しています


「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

 ・ レギュラー放送のような一般向けの話題にとどまらず,もっと専門的な英語史の話題も聴いてみたいという方

 ・ レギュラー放送で言えない/配信できないような「低い」話題(対談のアフタートークや飲み会での雑談など)も聴きたいという方

 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

本エピソードでは、千類直樹さんが滝沢直博著の『コーパスと英文法』について解説します。本書はコーパスに基づく英文法研究を比較し、特に現代語の理解に重点を置いています。『コーパスと英文法』では、コーパスの利用法やその重要性、特に正規表現や統計的手法による分析が紹介されています。研究者にとっては、効果的なデータ収集やコーパスの理解に役立つ内容が含まれています。

書評の開始
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語詩の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリュイチです。
加えて、来る10月15日に夏目社より新刊書が出ます。同僚の井上一平さんとお届けしているYouTubeチャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平・ホッタリュイチ長 言語学ですっきり解決英語のなぜ
ハッシュタグイノホタなぜひらがな6文字で広報しております。こちらもどうぞよろしくお願いいたします。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。英語詩をお茶の間にをもとに英語の歴史の面白さを伝え 裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は10月8日水曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 連日続いておりますケルフによる声の書評
こちらの企画を ケルフメンバーたちが自主的に
考えてくれまして いくつかの本をですねすでに紹介してきたわけなんですが
今回はケルフの顧問である千類直樹さん 関東学院大学の千類さんに書評をお願いいたしました
滝沢直博著 コーパスと英文法研究者より2017年に出版されております
ズバリ英語詩の話題というわけではないんですけれども 広く英語詩英語学の研究で使われているコーパス
これと英文法を掛け合わせた本ということになります こちらは研究者から出ております英文法を解き明かす言葉の実際
というシリーズの2巻目ということになっております 千類さんがこの本について今回ご紹介くださいます
ぜひお聞きいただければと思います それでは行ってみましょう 声の書評シリーズです
コーパスの活用法
千類直樹さんにお願いいたします どうぞ
じゃあ 次の最後
最後はですね 滝沢直博先生が書かれた
言葉の実際にコーパスと英文法という本を紹介します これ書かれたのは2017年
これは英語詩の本かどうかというとちょっと微妙なところがあります この中で語彙語だとか中英語だとかの話は基本出てきません
ただ英語詩を研究している人は大体現代語にも関心があるだろうと 私はそうですね
結局現代に流れていく 結局今の英語ができるまでにどうなったかっていうのを研究するがと思うので
結局は現代英語の基本には返ってくる そうですよねなのでちょっと紹介をしようと思います
まずはコーパスなんですけど皆さん普段コーパスはどうやって使ってますか ここに3人
私含めているんですけど 僕は結構小英語なのでコーパスあるっちゃあるんですけど
あんまり使わないというか結局そのコーパスで見たものを そのエディションとか百聞まで戻れる量しか出てこないので
最初の検索手段としてちょっと使ってみるぐらいの感じですかね 私も同じようなものですかね時代は中英語が中心になってくるんですけど
1回全部コーパスで研究して対象の単語とかを調べて データが多そうだなっていう本を特定したら本に帰っていくみたいな使い方をしております
私は近代英語記を主に研究しているので アーリングリッシュブックソンラインとかかなりデータ量としては多い状態で調べていきつつ
本当にそのイーボのデータは正しいのかなとかちょっと疑いながら 確認しながら使っているような形です
今寺沢さんからイーボというのが出てきたんですけど イーボは使うときにどのインターフェースで使ってますか
大学生の間にあったんですけど
この4月3月ぐらいに終始論文を出したんですけど そこでも議論しなきゃいけないなと思って考えてたんですけど
イーボですごくたくさんいろんなインターフェースがありまして 一番有名なのはマーク・デイビスの検索所に入れれば
各年代ごとに10年おきに何例出てきますよっていうのが パッて表裏に出てくるっていうのがあるので
軽く使いたいというかちょっと調べ事したいとかだったらそっちを使うんですけど 私の場合はつづり字を研究しているので
本当にそれは印刷本のつづりと合っているのかとかを疑いながらやっていったので 結局はイーボTCPっていう書き起こしの元のデータをもとに
マーク・デイビスとかのインターフェースがあるので その大元の方を遡ってどちらかというとコーパスを自分で作る
みたいな形で終始論文の時は使ってました
この秋沢先生の本の一番の特徴はコーパスをすべてテキストデータで扱っているんですよね
例えば今出てきたマーク・デイビス
マーク・デイビス先生のサイトからは
グローブだとかBNCみたいな
いろんなコーパスを引けるんですけどあれ全部検索の窓がありますよね
それで引いてしまうと取りこぼしてしまう言語現象だとか
そもそも調べたいことが5ペースでしか研究できないんですよね
ただこの本で言っていることを使っているデータは全部テキストデータなんです
テキストデータを使うと何が可能になるかというと正規表現できるようになるんですか
できるようなエクスプレッション これを使って
今回はパルトを使って検索をしています
いろんな現象が扱われていて
全部で4分構成なのでちょっと長いんですけど
部のところだけ読み上げます
第1部はコーパスと語法文法研究
コーパスの利用意義と利用の方法論
第2部はLY福祉の語法文法
なんかちょっとタイムオリですね
第3部コーパスとコロケーション研究
第4部公文文法の記述とコーパスという構成になっています
正規表現のメリット
正規表現という風に聞いてちょっとイメージしづらいと思うんですよ
例えば正規表現を使うとどんなことが研究できるかというと
この本で扱われている現象なんですけど
LY福祉たす研究形容詞
これの連鎖をクラスター
コロケーションといってかちょっと微妙ですけど
クラスター・コロケーション
これをデータとして取ることができる
特定の番号を入れなくても
任意の当てはまる組み合わせが全部出てくる
そうです
その通りで
これが正規表現を使うメリットの一つという風に
滝沢先生は主張をされています
結構この本はどちらかといえば
専門書に近いと思うんですよね
いくつかの説明で
専門用語も宙がなしで結構出てきます
例えば対角同士でポンと出てきます
なのでちょっと読みづらい
一般の方には読みづらいところもあるとは思うんですが
コーパスをちゃんと使って研究してみようとか
そういう方には向いている
ぜひ読んでおきたい本かなという風に思います
難点としてこのくらいのコーパス処理するとなると
パソコンのスペックが固まってしまうことがあるので
それは
16以外欲しい
言語研究者がどういう風にデータと向き合ったり
コーパスを使っていろんな言語現象を調べているのか
という舞台裏が垣間見えるかもしれないですね
この本はある意味現代英語の語法文法を研究するときの
方法論のようなものを提示してくれると思うんですよね
もちろんコーパスを使うことも大事だと思うんですけど
それに加えて滝沢先生が実際に自分で観察されて
どんな風にデータを取っているかというところまで書かれているんです
この滝沢先生のデータの書かれ方で
すごく参考になるなというか
自分も真似したいなと思ったところが
全部で3ページ
3桁あるページだったら
P1ではなくてP001と書いてもらうとか
そうするときの細かいところ
確かに困りますねクリアしちゃうと
あとで自分でそれこそ
プログラミングとかでいかなくても
他のソフトで検索するときも
結構あの時あれで書いたほうが良かったな
というのが自分も過去にあったので
そういう方法論まで提示してくれているというのが
この滝沢先生の良いところの一つかなと思いますね
確かに卒論・修論の中でデータをまとめたときに
そのデータを後で見返そうとして見返すと
なんでこんな取り方をしているんだろう
というのが結構あるので
身に積もらされる感じですね
これ全部正規表現を書いてくれているんです
なのでこれをやってですね
滝沢先生は科学者はみんなそうしているという
それに近いことをおっしゃっているんですが
自分で同じファイルを入手できたら
この表現を入れれば
もちろん正規表現というのは
万能なやり方ではないんですよ
例で上がっていたのが進行形を集めたいときなんですけど
これ結構正規表現複雑でですね
例えばアムとイズとアがあって
その後にアイヌジがくればいいから
じゃあこれで書けばいいだろう
という風になると色々抜け落ちますよね
例えば否定が入れないとか
コーパスの重要性
後は交互のラビングがラビングになれば
そういうのが抜けてしまうとか
結構複雑な正規表現を作ったとしても
例えばビー同士と現在の虫の間に
副詞が入ってしまったらカバーできないんじゃないかとか
あとは疑問文をカバーできないんじゃないかとか
でも副詞をもし入れてしまうと
他のコーパスで言うゴミっていうのは
自分の研究データには一見必要ないようなデータのことですけど
それをまとめてしまうんじゃないかというところがあるので
だからこそ正規表現を書いておくということの
重要性を指摘されています
この本は英語誌と前面には押し出していないと言ったんですが
コーパスの中には今さっき聞いた
藤原くんが講英語のコーパスを使っているとか
そういう話をしてくれましたけど
この本で歴史的なコーパスとして
コーパスオブイストリカオナワカニングルシチュームを使っています
これで調べたところが一つあってですね
このコハを使って明らかにしている現象が
現代英語というのかな
後期近代英語から現代英語にかけて
フェイマスリーの新しい用法がどんどん増えていると
コーパスで指摘しています
気になった方はぜひこの本を買って読んでみてください
内容書に書かれています
本当に見るからに数値が増えていて
そうなんだというふうに分かると思います
コーパスって数字でもって
言い訳できない証拠が出るのがいいところですね
数字も出るところもあって
どうしても今藤原君の通りで
数字で出てくばくれるんですけど
果たしてその数字は本当に有意なのか
この辺でどんどんコーパス嫌いになる人はいるんですけど
この本でその数値の適切性
もうちょっと具体的に言うとコロケーションってありますよね
それがコロケーションとして認定されるか
されるべきかどうかというのを
MIスコアとTスコアというのを使って計算しています
話をすると大体言い上がられるので
この本は詳細に説明をされていて
自分はこの本を読んで
研究者向けの実用的内容
そういうことだったんだというふうに
分析したところもかなりあります
なのでどうしてもインターネットのコーパス
ここの本でwww情報コーパスというような
言い方をしているんですけど
それを使っているとやった気になるじゃないですか
全部集められたんじゃないかなとか
でもこういうふうに
マーク・デイビーズのテキストファイルって
結構高いんですよ
だからなかなか個人で入手するというのは
難しいところではあるんですけれども
コーパスを使うときの落とし穴とか
それから自分でですね
データを集めるときの方法だとか
割とあらゆることが書かれた
一冊になっている本かなと思います
なのでコーパスを使って
本格的に研究をしたいという方には
お勧めできる一冊です
エンディングです
今日も最後まで放送を聞いていただきまして
ありがとうございました
いかがでしたでしょうか
千類直樹さんによるご紹介でした
滝沢直博著
コーパスと英文法
研究者より2017年に出ております
ご関心のある方ぜひ
こちら手に取って
お読みいただければと思います
本編チャプターの方に
本書へのリンクを貼っております
さて声の書評シリーズも
4回まで続いてまいりました
もう少し続けていく予定です
長らく続けていきたいなと思っているんですけれども
9月13日の英語しライブ2025の
当日に収録したものとしては
あと残りが1、2本というところだったかと思います
また配信してまいりますが
それが終わった後も
この声の書評シリーズ
続けていきたいなというふうに思っております
今回取り上げた第1回シリーズというんですかね
こちらは英語しライブ2025で
お世話になりました研究者さんからの本に
限定集中しているということなんですが
今後は英語詩に関連の本
広い意味で英語詩に関わるような本を
この声の書評という形で
紹介していければいいなというふうに考えております
ケルフの新企画として始めたものです
4回まで終わったということで
このあたりでぜひリスナーの皆さんから
このシリーズに関するコメント
意見等ございましたら
ぜひ寄せていただければ
今後の励めにもなりますので
どうぞよろしくお願いいたします
それから昨日の夜
締め切ったんですけれども
2025年第3四半期のリスナー投票
こちら多くの方に
ご投票いただきましてありがとうございました
こちらはですね
集計した後に
お聞きのヘルディオにて
結果をご報告いたしたいと思いますので
しばしお待ちください
このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオでは
あなたからのご意見ご感想をお待ちしています
Voicのコメント機能を通じて
お寄せいただけますと幸いです
SNSでのシェアもよろしくお願いいたします
それでは今日も皆さんにとって
良い1日になりますように
英語子研究者のほったりうちがお届けしました
17:34

コメント

スクロール