2025-11-12 14:23

#1627. New Zealand の Zealand とは?

▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページがオープンしました


- https://user.keio.ac.jp/~rhotta/helhub/

- heldio, helwa はもちろん hellog や YouTube 「いのほた言語学チャンネル」などの様々な媒体での英語史コンテンツの新着が日々集まってくるページです.


▼2025年10月15日に新刊書が出ました


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


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- 本書を紹介する特設HPはこちら:http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/inohota_naze

- YouTube 「いのほた言語学チャンネル」が書籍化されました

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▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の12号が公開されています


- 第12号(2025年9月28日):https://note.com/helwa/n/n7754627fffb2


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


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▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


▼heldio のビデオポッドキャスト版を Spotify で始めていますので,そちらのフォローもよろしくお願いします.


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▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

リツイートなどを通じて「英語史をお茶の間に」の英語史活動(hel活)にご協力いただけますと幸いです.


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「英語史の輪」にこめる想い


1. レギュラー放送は,これまで通り,最大限に良質な内容を毎朝お届けしていきます.プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」のための課金の余裕がない方々(例えば中高生や英語史を真剣に学びたい苦学生など)は,無料のレギュラー放送のみを聴き続けていただければと思います.レギュラー放送では,皆さんに最良の放送をお届けし続けます.


2. プレミアムリスナー限定配信チャンネル「英語史の輪」で得た収益の一部は,レギュラー放送の質を保ち,毎日円滑にお届けするための原資とします.


3. また,収益の一部は,Voicy 以外でのhel活をさらに拡大・発展させるための原資とします.


4. ときに khelf(慶應英語史フォーラム)やプレミアムリスナーにも協力していただき,hel活の新機軸を打ち出していきたいと思っています.企画本部としての「英語史の輪」です.

5. ぜひとも「英語史の輪」のプレミアムリスナーになっていただきたい方


 ・ hel活を応援したい方(資金援助,広報支援,盛り上げ係りなど.研究者,学生,一般の社会人など職種や専門は問いません.)

 ・ 毎日もっともっと英語史に触れたい方,レギュラー放送では足りない方

 ・ 私(堀田隆一)の話をもっと聴いてみたい方

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 ・ パーソナリティおよびリスナーさんどうしで,もっと交流したい方


以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

本エピソードでは、ニュージーランドという国名の由来について詳しく解説しています。特に、オランダの探検家アーベル・タスマンがこの地を発見した経緯や、その名称がどのようにして定着したのかについて、語源や歴史的背景を交えて紹介しています。

ニュージーランドの名前の起源
おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語誌ブログの管理者、英語の謎に応える初めての英語誌の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者の堀田隆一です。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
井上言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平堀田隆一長。言語学ですっきり解決英語のなぜ。
ハッシュタグひらがな6文字で井上なぜとしてご意見やご感想をお寄せください。 特設ホームページも概要欄のリンクからどうぞ。
英語の語源が身につくラジオヘルディオ。英語誌をお茶の間にをモットーに英語の歴史の面白さを伝え、裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は11月12日水曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 今日はですね
先日もここからお届けしたと思うんですが、ダニーデン市内ほぼど真ん中にあります first church of otago という教会の敷地
芝生の弁地からお届けしたいと思います。 今日の話題はニュージーランドのジーランドとは
どうぞよろしくお願いいたします。 皆さん質問です。
ニュージーランドと言っておりますが、ニューはわかりますね。 新しい植民地につけることが多い、いわば瀬戸寺みたいなもので
問題は次に来る第二要素、ジーランドなんですね。 これ単体で聞くことっていうのはあまりないんではないでしょうか。
通常ニューがついてニュージーランドとして使うことが圧倒的に多いと思うので、 では元のジーランドというのは何だろうか。
タスマンの航海と判断
これクイズになると思うんですよね。 こちらについて今日はお話ししたいと思います。
話はですね、400年ほど遡りまして、まだ大航海時代ですね。
アーベル・タスマンというオランダ人がいます。 オランダではおそらく最も有名な、そして業績のある航海士、探検家として知られていると思います。
タスマンといえばオーストラリアのタスマニア島の名前にもなっています。 そしてオーストラリアとニュージーランドの間に横たわる海、これはタスマン海。
この辺りの名前からしてですね、このタスマンさんが発見したんだろうなということは想像がつくかと思うんですが、他にもなんとニュージーランドを発見しているんですね。
正確には再発見というべきですね。 原住民のマオリ人たちが先に到着していたわけですが、いわゆる白人として西洋人として
再発見したということになります。 他にはですね、フィジーやトンガの島々も発見しているということで、この辺りのエリア
オーストラレイシアというんですかね。 こちらを探検して
様々な島を発見した、そんな航海史なんですね。 1642年の航海でこうした島々を発見したわけなんですけれども
このタスマンさんですね、ニュージーランドを 西洋人として、白人としては初めて
発見したということになっているんですが、どうもですね、まだ当時は この南の地域の地図
はっきりとわかっていなかったわけですよね。 まさにそれを正確な地図を作るべく、こうした航海史たち、探検家たちが出かけていったわけなんですけれども
タスマンは 後にニュージーランドと判明するこの島を見つけた時にですね、これは島ではなく
当時南アメリカのもっと南にあると信じられていた 謎の大陸ですね、テラインコグニータ
これの先っぽなんではないかというふうに
考えたんですね。 それは結局ハズレだったわけなんですけれども
そこにですね、1642年の航海の時に、このニュージーランドを発見してですね 大陸の西の果てなんだろうというふうに考えた
この大陸に すでについていた名前といいますか、地域の名前なんですかね
地名変更の経緯
スターテンランド という名前で知られていたので、このニュージーランドを発見したこの新たな土地はスターテンランドの一部なんだろうというふうに考えていた節があるんですね
ですのでニュージーランドを発見したんですけれども、タスマンさんがこのニュージーランド という名前をつけた人ではないということがわかるんですね
タスマンは オランダの東インド会社に雇われて、そこで航海士として探検家として活躍していたわけなんですが
同じオランダの東インド会社と関係のある カートグラファー、地図作成者ですね
この人は匿名の地図制作者だったんですけれども、地図を作ったときにこのタスマンが発見した ニュージーランドに相当するこの土地ですね
ここにですね名前をつけたんですね それが
Zelandia Nova ラテン語で書かれていますが、いわゆるニュージーランドということなんですよね
というふうに書き込んだので、この匿名の地図制作者が 今ではニュージーランドという国語の一番最初の作り手、使い手ということになるわけなんですね
残念ながら匿名ということなんですけれども そしてこれはどういう動機づけで
ゼーランディア、ゼーランドというふうに名付けたかというと 当時ですねオーストラリアの西の部分のことを
ホランディアノアと呼んでいたんですね つまりニューホランド、ニューオランダというような言い方をしていて
でその同じ地図の中にですね西側にそれが書き込まれているんですね そのオーストラリアに対して東側にある
新たに発見された土地ということで明らかに この地図制作者は
ホランディアノアと 対比させる形で
ゼーランディアノアと 書き込んだということなんですね
意識しているのはホランディアノア、ニューホランドと それに対してニュージーランドということなんですね
これはゼーランドどこから来るかというと本国オランダです オランダには
もちろんオランダという地方名があったわけですが一方でですね オランダ南西部にゼーランドと呼ばれる
地方があるんですね ここに引っ掛けたということなんですね
つまりニュージーランドのゼーランドっていうのはオランダの ゼーランドだということなんですね
オランダ語ではz e e a l a n d tが最後に加わったりするのかな
そんな形でですね ゼーランド
などと呼ばれた土地がありまして これの
新しい版であるということで ニュージーランドということになったんですね
語源的にはオランダ語ではzと濁るだけでこれは英語で言うとこのsea 海なんですね つまりシーランド
ということである意味後にイギリスの所有権がですね
まあ唱えられるそういう土地に国になっていくということを考えると英語化して スイーランドになってもおかしくなかったんですね
そしたら今頃ですねニュースイーランドとなっていたはずなんですけれども ここは
発見者であるタスマンそして この名前をつけた地図制作者の母語であるオランダ語というのを尊重してかどうかは
わかりませんが 伝統的に正しくこのzの音がいまだに英語としてもですね
残っているっていうことなんですね ちょっと厄介なのはですね 実はヨーロッパには
ゼーランドとかシーランド つまり海の土地 海に面した土地 陸ぐらいの意味合いでですね
やっぱりですね同じような名前を持つ土地があるんですね それがオランダにほど近いというか隣の国と言ってもいいですね
デンマークなんですよ デンマークの首都コペンハーゲンが収まっているあの島
シェラン島って言いますね シェランというふうにデンマーク語では呼ぶんですが このシェランのシェっていうのがまさに
シーなんですよ 結局シーランドなんですね これもですねちょっと厄介で
今回話をしているニューゼーランドのゼーランドっていうのはオランダのゼーランド ということになるわけなんですが時にですね
こちら誤解が起こってデンマークのこのシェランの方ですね こちらと結びつけられるという誤解もあったようなんですよね
そっちになっていたら英語でやはり今頃 シーランドというふうに濁らないスで発音されていたのかもしれませんが実態としては
デンマークではなくオランダ ニュージーランドの発見であるとか名付けに関わっているのはオランダ人なんだと
オランダ語なんだということが今日のポイントということになるわけですね タズマンはですね
ニュージーランドを発見したわけなんですけれども 実際にこの土地とオランダが深い関係になるということはなかったわけですね
むしろ1世紀後にですね18世紀半ばに
ジェイムズ・クック キャプテン・クック イギリスから派遣された
クック船長がむしろ この島をさらっていったと言ってもいいわけですね
イギリスとの関係が深くなりましたが 地名としてはあくまでオランダのゼーランドだからZというふうに濁っているんだと
そういうことになります ちなみにこのニュージーランドは
先住民のマオリ語によりますと アオテアロア
として知られています これはthe land of the long white cloud
を意味する単語なんですね 実際ニュージーランドではですね
高い建物が少ないということで空が広くて そして横長の雲
出会うことが非常に多いんですよね まさにthe land of the long white cloud
アオテアロア という漢字がするんですよね
ということで 今日は今私が滞在しているこの国の国語に関するお話でした
エンディングです 今日も最後まで放送を聞いていただきましてありがとうございました 国語一つ辿るだけでもですね
いや国語だからこそと言えますかね やはりそこには歴史がある そしてこのような南半球の島国ではですね
現住民による名前もあれば ヨーロッパ人による発見を通じてつけられたヨーロッパ風の名前
オランダ語ですね そしてそれが英語風に発音されて今ニュージーランドとなっている
その経緯をお話しいたしました このチャンネル英語の語源が身につくラジオヘルディオではあなたからのご意見ご感想をお待ち
しています voic のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです sns でのシェアもよろしくお願い致します
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように 英語子研究者のほったり打ちがお届けしました
また明日
14:23

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