2025-04-16 33:05

#1417. 著者と語る『ヴォイニッチ写本』 (2) --- 安形麻理先生&安形輝先生との対談

▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


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- 創刊号(2024年10月28日):https://note.com/helwa/n/ne2b999d5af72

- 第2号(2024年11月28日):https://note.com/helwa/n/n94e9d9a74706

- 第3号(2024年12月28日):https://note.com/helwa/n/na7394ab1dc4c

- 第4号(2025年1月28日):https://note.com/helwa/n/nb6229eebe391


▼2024年12月30日に『英語史新聞』第11号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第11号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第11号:https://keio.box.com/s/kk0jss15l22pz1rpuysa0ys4nkpc3lwr


第11号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

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- 第1位 「#1219. 「はじめての古英語」第10弾 with 小河舜さん&まさにゃん --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6049608

- 第2位 「#1212. 『英語語源辞典』の「語源学解説」精読 --- 「英語史ライヴ2024」より」 https://voicy.jp/channel/1950/6052858

- 第3位 「#1139. イディオムとイディオム化 --- 秋元実治先生との対談 with 小河舜さん」 https://voicy.jp/channel/1950/1298775

- 詳しくは hellog 記事「#5645. リスナー投票による heldio 2024年第3四半期のランキング」をどうぞ http://user.keio.ac.jp/~rhotta/hellog/2024-10-10-1.html をどうぞ


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英語史の古典的名著 Baugh, Albert C. and Thomas Cable. *A History of the English Language*. 6th ed. London: Routledge, 2013. のオンライン講座です.毎回1セクションンずつゆっくりと進んでいき,内容について縦横無尽にコメントしていきます.シリーズについて自由にご意見,ご感想,ご質問をください.皆さんで議論しながら読んでいきましょう.1回200円です.

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語詩ブログの管理者、 そして英語のなぜに答える初めての英語詩の著者のホッタリュウイチです。
英語の語源が身につくラジオheldio。英語詩をお茶の間に思っとうに、英語の歴史の面白さを伝え、 裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています。
本日は4月16日水曜日です。皆さんいかがお過ごしでしょうか。 本日は
著者と語るヴォイニッチ写本対談パート2となります。 安形麻理先生と安形輝先生にお話を伺うというシリーズものですね。
前回は初回だったんですが、1411回でですね、先週の木曜日にお届けしました。 こちらまだお聞きでない方はぜひ聞いていただければと思うんですが、
いいところで終わったんですね。その後、 続きを今日これからお聞きいただきます。
昨年末に正解者よりお二人が協調という形で、 ヴォイニッチ写本というタイトルの本をお書きになったということなんですね。
そこに収められています内容を対談形式で噛み砕いて要約していただく。 ただ一番面白いところ、本質の部分はですね、本でしか味わえないところですので、ぜひ皆さん手に取っていただければと思います。
前回の対談に引き続きまして、今回はですね、 テル先生によるクラスター分析、この論理と結論について分かりやすくお話いただいています。
さらに、ヴォイニッチ写本研究誌にも話が及びます。 最後にはですね、本書の後半にも出てくるんですが、シチズンサイエンスという取り組み方についてもお話を伺っております。
さらに本書の最後で荒又博さんとの対談の様子が収録されているんですけれども、 その対談の裏話についてもお聞かせいただきました。
30分弱の対談第2回となっております。お時間のある時にじっくりお聞きいただければ幸いです。 それでは行ってみましょう。どうぞお聞きください。
おはようございます。
おはようございます。
前回に引き続きまして、あがたまりさん、そしてあがたてるさんにお越しいただきまして、 近所ヴォイニッチ写本、世界一有名な未解読文献にデータサイエンスが挑むという正解者から、
昨年末に出版されました本の紹介をですね、著者対談という形で行っているんですが、 前回皆さんお聞きいただきましたでしょうか、とてもいいところで終わったかと思うんですね。
03:06
このラグさんという方が学術的にヴォイニッチ写本で書かれているものはデタラメであるという説を2004年くらいに論文を書かれて、その後テルさんがその論文を知り、
そしてそのちょうど頃別のお仕事を研究をされていて、クラスタリングでいろいろ分別するということをやっていて、このヴォイニッチ写本のトランスクリプトをそれに読ませてみたらどういうふうにクラスター分けするんだろうかみたいな遊び心でやってみたというのがこの研究のスタートだと伺った、そこまでなんですけれども。
具体的に言いますと、そのトランスクリプト、これ本書に詳しいと思うんですけれども、ざっくり言いますと、要するに絵がある部分があって、その絵の前後なりに文章らしきものがあって、ちなみにその文字というのは、いわゆる我々が知っているローマンアルファベットっぽいんだけれどもではないということでしたよね、文字的には。
他に同じ文字で書かれた資料は一つも知られていないので、ここにしかない文字。今にも読めそうなアルファベットっぽいわけですね、雰囲気は。
それを、まず文字部分を取り出したのがトランスクリプトと言われるものでいいんですよね。一方で、ページによって、フォリオによって書かれている絵が違うと。何があるんですか、植物だったり、他には。
天文学の絵じゃないかとか、たくさん池みたいなのがあって、ここに女性たちが水浴びをしているような、そういう絵から続くページもあったりして、それは何か生物学に関するような、医学とかそういうことに関するページじゃないかと言われていたり、
あとは、ほとんどのページには絵があるんですけれども、絵がないようなレシピじゃないかと言われているようなところですとか、かなり一定のページである似たような差し絵が続いて、次のセクションではまた違う、同じような絵が続いてという風な区分になっているので、いかにも何かセクション分けして書かれていそうな、そういう見た目です。読めませんけど。
一般の本と同じで、何らかのページごとにというか、チャプターごとにテーマがあって、その内容が文字で書かれているんじゃないかというのが、普通の本であればそういう風に想定できるというところからスタートするわけですかね。
それで、絵がだいたいそれぞれのセクションで、先ほど言いましたように似たようなモチーフで書かれていると思うんですかね。
06:06
そうすると、そこに書かれている文章もそれなりに似通ったテーマで、つまり書かれている絵に適合するような形で同じ単語が使われているのではないかとか、同じ並びで統合的に使われているのではないかとか、そういうところからまずスタートするわけですかね。
本来は文書クラスタリングの場合、ある程度の分量がないといけないので、文書といっても、例えば一論文だったり、一冊の本であったりという単位なんですけれども、今回の場合、文字文字で書かれた資料が他に存在しませんので、
しょうがなく1ページ単位というちょっとあまりにも小さい単位に分割して、そのページ同士の近さを見たというのが分析のところになります。
そうすると、ページ距離が離れていても、例えば1枚目と何十枚目、離れていても似通った絵が書かれていたりしたら、多分書いてある文書の内容もそこそこ似ているだろうからということで、計算すると近い値が出るのではないかとか、そういう考え方でいいわけですかね。
そうすると、そのプロセスであるとか、その計算の内容はまさにご専門ということでデータサイエンス的にクラスタリングという手法で書けるわけなんですが、結果として出た値がどういうふうに解釈されたかということですよね。
そうですね。それぞれのセクションごとに絵のモチーフが違うと言いましたけれども、セクションに対応したような形でそれぞれのページ同士がよくまとまるという結果がありまして、それごとそのものは書かれている文字が近いというところなんですけれども、
私自身がちょっと確信を得たのは、植物セクションと薬草セクションというですね、植物セクションの方は植物がど真ん中にあってそれを取り囲むようなテキストがあるんですけれども、薬草セクションの方は文章があってその隙間に薬草が書かれているようなセクションなんですけれども、そちらのページがいい感じにミックスされている部分がありまして、
これはこの植物を使った薬草壺を使った何かのページではないかというようなことを考えた時に、少なくとも中世の時代にこの現代の自然言語処理の技術を欺くような計算ができないのではないかと考えました。
なるほど、確信に迫ってきた感じですね、ミステリーの。そうするとやはり比較的自然にテーマごとに書かれた文章でもあり絵でもあるという配置になっているということなので、つまり有意味である可能性が高いのではないかという結論ですかね。
09:13
それで簡単な暗号であれば、暗号の専門家なり研究者がこれだけ100年近く手を出してきたにも関わらず解読できていないということは多分暗号でもないと。
さらに言うと複雑な暗号、第二次世界大戦時に使われたような複式漢字式暗号のようなもの、一文字ごとに暗号表が変わるようなものだと、私の方の行った処理では逆に言うと近さとかが出せなくなってしまいますので複雑な暗号でもないということですので、
残った可能性としては先ほどおっしゃったようにテキストが対応した有意味な文章であろうというふうに解釈しています。
ただそれがまだ解読されていないということは、本の中でもありましたが、その有意味なはずの言語があるんですが、その言語が現代の我々には知られていない言語、何らかの理由で死後になったのか、あるいは何の痕跡が他に残っていないのか、あるいは人工的なと言いますか。
そうですね。やっぱりある程度他にも使っている人がいるのであれば、もう少し同じような写本があってもいいはずなのに、一つもこれだけコウボーイニッチがそれなりにいろんなところで研究されてきているのに、一つも見つかっていないというと、どちらかというと最初に写本を書いた人が考え出した言語なのではないか。
そっちの方に考えるのが自然ではないかなとは思いますが、ただこれは新しく別の資料がもし明日に出てきたら、また仮説は変わるわけですけれども。
最後の定談のところで荒又さんもおっしゃっていましたかね、3人でお話しされている中で、やっぱりそういう物好きがいると、つまり自分にしかわからない言語を作ってしまって、一人で楽しんでいるような人が、おそらくコッコン東西なんですかね、いる可能性があって、そういったもののもしかしたら一例という可能性があるっていう。
そうですね、特におぼえ日記写本の作成者として、一人有力候補の錬金術師は、やっぱり錬金術なので、あまり他の人にネタがわかっては困るということで、自分で謎の言語、絵の具語というのを作って、それで書いた文章というのは残っているので、やっぱりそういう前例はあるわけですよね。
なるほど、ちなみに絵の具語というのは解読されているとかわかっているんですか。
絵の具語はされていません。
12:01
それもされていないという。
されていないです。
いやー、なんか怪しいですよね。そうすると、言う意味であることまではわかったと。そして、いろいろな可能性を絞り込んでいくと、今のようないくつかの少数の可能性に今のところ絞り込まれるのではないかというのが、お二方のお考えということですかね。
これはラブさんはお二人の論文は読まれたんでしょうかね。
日本語で出されてますので、読んでないと思います。
先ほどのお話にもありましたし、本書でも触れられているんですが、100年に及ぶ研究史があるという、そもそもボイ・ニッチさんが所有していたのが100年ちょっと前ですかね。
そこからも研究が始まっているというか、関心を持つ人がいてという流れで、驚くんですけれども、先ほどのマルタの国際学会であるとか、あとちょっと聞いたんですが、アメリカの暗語解読者というか、一線の人たちも臨んできたと。
それでも解けないということが、一つの大きな話題になったりしているということで、プロもいればアマチュアもいるということなんですが、先ほど怪しいげな錬金術の話とか、怪しい写本ではありますよね。
なので、プロフェッショナルとしてはどういう態度で付き合うのかというか、これで一生捧げて終わる可能性あるじゃないですか。私もこういうの好きなので、これをやっちゃったら、しかも言語研究やってるんで、入り込んでどうしようかなという感じになるんですが、解読する価値はあるということは一応証明されたということで受け取りましたので。
あれなんですが、身を持ち崩すというか、学者として。
一番最初の方で解読できましたって言ってた上島ロマニーニューヴォルトさんだったと思うんですけれども、ニューヴォルトさんは解読できた。でもその死後にやっぱり全然デタラメだったっていうのはわかって、とにかく評判が地に落ちるというかですね。
それこそヒエログリフの解読の方とか、解読してすごく名前を挙げた研究者がいた時に解読したって言いたかったんだと思うんですけれども、成功した人が、なんと言いましょうか、やっぱり解読がデタラメだったというと、皆さんちょっと面白く見てしまうところもあったりしてですね。
その後やっぱりまともな研究者が、とにかく手を出しづらい斜方になっているということですかね。
で、100年の解読の歴史というのもありましたけれども、こちらの帯にもありますように、やはり初期の頃のボニーチさんが再発見する前の、やはり最初期にも中世の暗号解読者の方が解読にトライはしてますので、それも含めると400年。
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400年と帯にありますね。
そうですね。まさに400年前もヒエログリフの解読なんかにもやっぱり取り組んでいたイエドスカイの石学のキルヒャっていう人が、これの解読を頼まれたんじゃないかと。ただ当時からやっぱり未解読だったので、タイトルもついてないですし、みんなあの写本とか読めない写本なので、このボニーチ写本のことなのかどうか最終的な確証が得られないけれども、おそらくボニーチ写本だろうと思われるものを研究して、
していたっていうふうな記録はいろいろ残っています。
なるほど。広い意味で言うと本当に400年で、実際マリさんが1章2章でそのあたりの解読の歴史みたいなの書かれていますので、確かに400年と言えば400年ですよね。
ボニーチさんが所有してからの比較的近現代的な手法も使いつつのっていうのは、本当に最近の数十年というような形になるんですかね。
20世紀の終わりぐらいからいわゆる科学的な手法みたいにもう一度みんなが取り組み始めたというのが20世紀終わりぐらいですかね。
それで去年の夏も、この本には若干間に合ってないところもあるんですけれども、最新のマルチスペクトラム分析で結構初期の所有者のマーカス・マルチさんがどうも解読しようと試みてメモ書きをした表が消された表があるページから浮かび上がってきたというところもありまして、
変な話、すごく前から本当にこの1年以内にも新発見が出てくるという意味では、この400年を簡潔的にというよりはずっと誰かの関心を得ているという400年はかなり重たいのかなというか、思います。
今後の研究といいますか、これには関与してし続けていくおつもりだということでしょうか。
そうですね、やっぱり何か新しい手法を思いついてそれを適用してみたら何か見れるんじゃないかというふうに思う限りは続けたいですけれども、そういうのなしだとやっぱりなかなか迷宮にさまよい込んでしまう形になるので、あくまでやっぱりいろいろ手法を考えながら取り組みたいと思います。
なるほど、いやロマンですよね。もうついそっちに行きそうになっちゃいますもんね。
あまり直視しないように、ずっと見続けないようにはしています。あくまでもデータとか分析対象にできる部分でないと、なんとなくそんなに絵は上手い絵でもないんですけど、なんとなく見ていると吸い込まれるというか、文字もなんとなくずっと見ていれば読めるんじゃないかというようなですね。
18:24
絵も言われぬ魅力がある写本なので、ちょっと若干斜めに見ているというか。
直視すると危険っぽいって、匂いが。
なるほど、本当にアマチュアの方も世界中でいろいろと解読に挑んだり、新たな手法みたいのを試みたりして、今はネット上だと思うんですけれども、とにかくそういうサイトがあったりとか、かなり盛り上がっているという話だったんですけど、今のお話と関連して、本書の最後の方にシチズンサイエンスっていう話があって、これなどはプロとアマが協力してこの問題に関心のある人が、
今、コンピューターをつないだりとか、いろんなことができ得るわけじゃないですか。で、実際そういう手法というのも他の分野で出てきてっていう。私は面白いなと思ったのは、その最後のシチズンサイエンスというようなところで、この毎日写本の話題に限らずなんですけれども、協力できること、つまり関心を持っている全ての人が何か一つの解決に向けてみたいなものっていうのは、
どんどんやりやすくなってきているという、アイデアとしてもそうだし、仕組みとしてもやりやすくなってきているのかなというところで、大変面白い動きだなというふうに思ったんですけれども、これについてちょっとお話をお聞かせいただけますでしょうか。
そうですね、今回特に若者、高校生ぐらいの年代の人たちを主なターゲットにしたっていうところも意識して、やっぱりこれからそういう活動がどんどん盛り上がっていくんじゃないかというふうな期待も込めて、この本の中に入れています。
特に本の研究をするとか、あるいは言語の研究をするっていうと、割とこれまでは一人でコツコツとやるタイプのものが多かったと思うんですけれども、やっぱり今いろんな取り組み方があるし、もちろん一人でコツコツやることも大事だし、
だけどそうではない、いろんな他の領域の手法であるとか、取り組み方であるとか、そういうのをうまく使うことで本当に新しい道が開けてくる、そういう時代なのかなというふうなことをすごく感じているので、
特に社本っていうのは本当に、まさにそういうことをいろいろやるのに非常に向いている、ある種の遊び場的なところもあるんじゃないかなということで、あえてちょっと本書のタイトルですとかテーマからはちょっと一見遠いように思われるかもしれないんですけれども、それでこの自然サイエンスっていうことについても触れています。
21:08
多くの方は関心がある、暗号解読というのは惹かれるところがあるし、しかも迷宮入りしているというか、だいぶ行き詰まったところに新たな手法を発見するのって、やっぱり一人二人の頭では無理で、いろいろ知恵を総合してみたいな新しい風っていうのはすごくわかるなというところですし、本当にいい話題ですよね、その目的に照らすというところはありますよね。
そもそもこの本であるとか研究をされたお二人も最初の回でお話しましたが、ちょっと違う方向で本であるとか情報というものを見ているっていうことだったんですが、これは最初は先ほど伺ったようにテルさんの方がたまたまこの話題と知り合ってやってみたというところで、マリさんはどういう形で参入してくることになったんですかね。
最初こういう写本知ってるって見せられて、画像を見た時には普通の写本っぽいけどこれがどうかしたのみたいな、割と最初はそんな感じでした。
そしてマリさんは写本をはじめとして本の外形であるとかそういうことに関心があるということで、この辺で関心が一致してきたみたいな、そんな流れですか。
もともと僕がやろうと思っていたのは、たまたまデータがあってそこのデータを分析してみたらある種の意味が見出せそうだったということなんですけれども、この毎日社本なり古い本の専門ではないので、僕だけであればデータ分析がありました。
これ面白い結果のようだけれども、これを説明するバックグラウンドがないということで、変な話ブログの記事だったり、どっかにこういう風なデータ分析できましたよっていう書き込みをしておしまいぐらいだったと思うんですけれども、
たまたま近くに書士学の専門家の方がいて、この毎日社本について聞くことができた。これによってまずは学会発表まで、つまり10分ぐらいでやった分析結果がまず学会発表しよう。
さらには国際学会で発表しよう。さらには論文化していくという流れになるんですけれども、学会発表から論文化まで実は2年ぐらいありまして、
その間にやはりその茶読によって茶読者というですね、論文審査する方からページ動詞がページ番号が近いものは内容も近いであろうという仮説は誰も立証してない仮説なんだから、それが検証できるようにしてくださいという指摘があったんですけれども、
24:16
先ほど言いましたね、こちらの毎日社本というのは同じような社本がこの世に2つとないので毎日社本なわけで、似たような社本を探すのに実はかなりかかりまして、
錬金術の第5性髄についてというですね、中性医学の社本に関するトランスクリプションデータがたまたまCD論化されていたものをマリさんが見つけてきまして、
それをやはり同じような手法でやったところをこの検証結果につなげられたと。ただその社本、錬金術の本を見つけるまでに多分半年以上かかっているかなというところで、とにかく普通の茶読結果に対する返事がですね、頑張って書くやるんですけれども、
その部分だけはとにかくアイデアがなかなかないというか、この検証してくださいと言われた部分がなかなかできなかったというのは正直なところなんですよね。
やっぱり当時はちゃんと社本そのものも見れて、トランスクリプションデータも見れて、それである種同じような社本なのかしらと思えるようなものを探すっていうのが、やっぱり当時は確かに結構大変だったんですけれども、今はやっぱりそういうものがすごくたくさん公開されているわけですね。
今回、もう一回この新書を書く中で、もう一度いろいろ調べ直したりしていると、昔は手に入れるのが難しかったデータが、今本当にたくさんあって、だから本当にさっきの話に出たような、出陣サイエンスの時代だなということをすごく感じたんです。
昔はそういう専門家とか何かにすごく詳しくないと、そもそもどこにどんな面白いものがあったり、データがあったりするのか、どんな研究手法があり得るのかということもさっぱり検討がつかなかったわけですけれども、もちろん今だってある程度知らないと全然検討外れのことをやっちゃうわけですけれど、でも何か真面目に取り込もうと思ったときにデータがちゃんと手に入る。
それも合法的に手に入る。そういうのは本当に素晴らしい時代だなと思います。
なるほど、そういう議論につながってくるわけですね。シーズンサイエンスみたいな。だけど当時は本当にたまたま専門、ちょっと異なる2人なんですが、ある意味ではオイニッチ社本みたいなものを媒介としてお2人の関心が合わさる点があったみたいなところですかね。
27:02
まさに分離融合的なところで最終的にこの新書も出されるに至ったということなので、やっぱりこれ1人でやらない方がいい話題っていうのはあるかもしれませんね。何でもそうなのかもしれないですけどね。
そうですね。今おっしゃった分離融合とかもそうですし、でも割と人文学はそういうのとはちょっと距離を置いてきたようなところがありますし、それぞれの良さはあるんですけれど、データサイエンスが世の中で取り上げられるときに割と経営的な側面から取り上げられることが多いというのも実はちょっと気になっていたポイントです。
だからデータサイエンスって言ったときにそれが人文学でもいろいろ広げてくれる可能性があるんだっていうところも結構これの裏テーマとしては。
デジタルヒューマリティーズというふうな言い方をしたりもしますけれども、その意味ではあんまり自分は本とか言語とかには興味があるけれども、データサイエンスとかは関係ないっていうふうには思わないでほしいなって、特に若い人には思わないでほしいなっていうところがあります。
そうですね、愛を補う関係だということが今本当によくわかりまして、結果として例えば数字で出てもその解釈する際にその歴史的なバックグラウンド、これをどう解釈していいのかっていうことを助けてくれるという人文系の意味合いっていうのがこういう歴史的なものの場合、とてもよくわかりますよね。
前提のように話してきたんですが、これそもそも何世紀の写本ですか?みたいな一番最初に話すべきことを、それも偽造説とかあったりしたんですが、だいぶ科学的には狭まってきたっていうことでしたよね。
そうですね、私たちが最初この研究に取り組み始めた時には、それこそ20世紀に作ったものじゃないかっていう。
偽書であるみたいな。
そうですね、だからもう本当にボイニチさんが作ったんじゃないかっていうのも結構ずっと言われた説ではありました。
でもその後で、用筆紙の成分分析が行われたんですね。
昔は結構やっぱり成分分析するときって、どうしてもものを切って分析器にかけるので、ものを痛めてしまう、破壊検査になるのでなかなかできなかったんですけれど、今すごく少量でもできるようになったということで、細く切って分析したら15世紀から16世紀にかけての格子の皮だとか。
ということが分かったので、少なくともその時代にあった皮に書かれたものだと。
インクの成分分析なんかもして、やはりそういう中世に使われていたインクと同じ成分が使われているということを合わせると、実際に作られたのは15世紀から16世紀にかけてで、ほぼ間違いないだろうというふうなことが分かっています。
30:05
一番最初に聞くべき話だったかもしれませんが、これは嘘ではないというようなところですよね、この時代というのは。
たくさんお話しいただきましたが、まだまだ詳しい話であるとか、ぜひこの本書の方をお読みいただければと思います。
そして今後この問題、5日社本の解読に向けてどういう可能性があるのかみたいなヒントもたくさん、先ほどもシーズンサイエンスの話もありましたし、出ていますね。
最後の定談も本当に軽妙で面白くてですね、これは御三方大学の中でどこかセッティングして定談されたんですか。
この正解者さんのオフィスというか、そうなんですね。これはなんか楽しそうなおしゃべりで。
いや楽しかったです。本当に原又先生の白色ぶりにずっと圧倒されっぱなしで、本当に楽しかったです。私服の関係で一部しか収録できなかったです。
そうなんですね。最後の方に原又博さんが、研究者って大変ですねみたいなくだりがありますよね。言いたいこと言えない、データとエビデンスがないと。確かにそれはあるかもしれないと思いつつ、アマチュアでこの問題面白がるっていうのも一つかもしれませんけれどもね。
はい、今回もですね、いろいろと研究の裏話みたいなところも含めてお話いただきました。今日もお越しいただきまして、まりさん、てるさんありがとうございました。
ありがとうございました。
エンディングです。今日も最後までお聞きいただきましてありがとうございました。対談第2回でしたがいかがでしたでしょうか。
いかにして尼先生と尼てる先生がこの研究に手を染めたのかというところもじっくり伺うことができました。ますますボイニッチ写本気になってきたのではないでしょうか。
近所の正解者より出されておりますお二人が強調のボイニッチ写本ズバリのタイトルですけれどもね、こちらを手に取ってお読みいただければと思います。
さあシリーズ対談はですね、もう1回続きます。第3弾まで続きますので、また数日明けてこちら皆さんにお聞きいただきたいと思っております。第3弾もアフタートーク的に楽しい回となっておりますので、ぜひご期待ください。
このチャンネル、英語の語源が身につくラジオヘルディオでは、あなたからのご意見ご感想をお待ちしています。ご一心のコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです。SNSでのシェアもよろしくお願いいたします。
それでは今日も皆さんにとって良い1日になりますように、英語子研究者のほったりうちがお届けしました。また明日。
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