2025-11-14 15:57

#1629. yam を食べたけれど,語源のほうがおいしかった --- NZ食レポ

▼hel活のハブ The HEL Hub のホームページがオープンしました


- https://user.keio.ac.jp/~rhotta/helhub/

- heldio, helwa はもちろん hellog や YouTube 「いのほた言語学チャンネル」などの様々な媒体での英語史コンテンツの新着が日々集まってくるページです.


▼2025年10月15日に新刊書が出ました


📕井上 逸兵・堀田 隆一 『言語学でスッキリ解決!英語の「なぜ?」』 ナツメ社,2025年.


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▼helwa リスナー有志による月刊誌「Helvillian」の12号が公開されています


- 第12号(2025年9月28日):https://note.com/helwa/n/n7754627fffb2


▼2025年6月18日に新刊書が出ました


📙唐澤 一友・小塚 良孝・堀田 隆一(著),福田 一貴・小河 舜(校閲協力) 『英語語源ハンドブック』 研究社,2025年.


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▼パーソナリティ,堀田隆一(ほったりゅういち)の詳しいプロフィールはこちらの note 記事よりどうぞ.


- https://note.com/chariderryu/n/na772fcace491


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▼2025年7月7日に『英語史新聞』第12号がウェブ発行されています.


khelf(慶應英語史フォーラム)による『英語史新聞』第12号がウェブ公開されています.こちらよりアクセスしてください


- 第12号:https://drive.google.com/file/d/1eQawDu2njFNMMVKDUr4JRZdIWTNHDdha/view?usp=drivesdk


第12号公開については,khelf 公式ツイッターアカウント @khelf_keio (https://x.com/khelf_keio) を通じても案内しています.

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以上,よろしくお願いいたします.

サマリー

このエピソードでは、ニュージーランドにおけるYAMイモの食レポを通じて、YAMの歴史や語源を探ります。食べた感想は、甘味のあるさつまいもと比べてYAMの味や調理方法に言及しています。ポッドキャストエピソードでは、YAMの味があまり良くなかったものの、その語源についての探求が興味深いと述べられています。特に、英語でのYAMの発音やスペリングの変遷について詳しく説明されています。

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おはようございます。英語の歴史の研究者、ヘログ英語紙ブログの管理者、英語のなぜに答える初めての英語紙の著者、そして6月18日に研究者から刊行された英語語源ハンドブックの著者のホッタリウイチです。
加えて10月15日に夏目社より新刊書が出ました。同僚の井上一平さんとお届けしている youtube チャンネル
イノホタ言語学チャンネルから生まれた本です。井上一平ホッタリウイチ著言語学ですっきり解決英語のなぜ
ハッシュタグひらがな6文字でイノホタなぜとしてご意見やご感想をお寄せください。 特設ホームページも概要欄のリンクからどうぞ
英語の語源が身につくラジオヘルディオ 英語紙をお茶の間にをもとに英語の歴史の面白さを伝え
裾野を広げるべく毎朝6時に配信しています 本日は11月14日金曜日皆さんいかがお過ごしでしょうか
今日も鳥の鳴き声が聞こえる場所からお届けしております
最近気候陽気も良くて 今日は特に晴れているということで気持ちが良いのでこういう日はもう間違いなく
外撮りがいいですね 外での収録ということでですね
YAMイモの紹介
今日はニュージーランド食レポシリーズでお届けしたいと思います
YAM 皆さん 知ってますか
英語ではYAMと書いてYAMですね これYAMイモのことなんですけれども
食べてみました 食べたんですけれどもね
ちょっとイマイチというところでこれからお話いたしますが 語源の方が美味しかったというお話になります
それではどうぞよろしくお願い致します
皆さんYAMイモはご存知でしょうか
私も名前は知っていまして どこかで口にはしているだろうなとは思うんですよね
ただ意識してこれがYAMだよという感じで食べたことはなかったですし
そもそもスーパーに普通に売っているんですね
その姿 つまり調理された後の姿というよりは 実といいますか根茎なんですけれども
根茎の姿でゴロゴロとダンボールの中に入っている姿を ニュージーランドに来てからスーパーでよく見かけて
いやなんかすごい形だなぁと思いながら いつか手に取ろうと思いつつですね
先日買って料理してみました ということでそのニュージーランドの食レポといいますか
こちらで日本ではそれほどスーパーに見かけるものではないものを いろいろチャレンジしていこうというシリーズなんですけれどもね
スーパーの野菜のコーナーですね そこにそこそこ見たことあるようなものが大半なんですけれども
中には日本の通常のスーパーにはあまり見かけないなというもの これがあるわけですよね
前回もデイツの話もしましたけれども その一つですね これヤムなんですね
YAMイモの調理と感想
ラベルがあってヤムとあるんで ヤムイモかということなんですが こんな形と色とは知らなかったんですね
これ写真に載せていますが オレンジ色といいますか 朱色といいますか
ボコボコしていてですね ちょっと太い親指っていう感じですかね
親指の太い人の親指っていうぐらいの形で 大きさはまちまちだったりするんですけれども 平均的にはそんな感じで
いぼいぼ表面がしているということで 見るとですね これ何の食べ物だろうということなんですが
これが名前は知っていたヤムというものかということだったんですね
これをいくつか買いまして 調理してみようということなんですね
これはですね サツマイモに似ていると 形とか大きさは全く異なるんですけれども 甘みがあってということで
原産はインドであるとか東南アジアあたりらしいんですが この熱帯 亜熱帯あたりに本当に広く分布していて
西アフリカからですね そのインド 東南アジア それから南太平洋の島々ですね
メラネシア ミクロネシア ポリネシア 広く分布しているということで
そんな都合でニュージーランドにも よく見かけるのかなと思っているわけなんですけれども
数百種類あるようで 色とか味とか いろいろ異なるらしいんですけれども
私がニュージーランドのスーパーでよく見かける このヤムという名前がついているのは
大体この色のこれなんですよ
帰ってきて 料理してみようということで調べて
まずこれ皮を剥くんですけれども 皮が硬いんですよ
その点ではさつまいもとは異なっていますし 全体が小さいので 大きい包丁しかないので 皮を剥きづらいんですね
非常に剥きづらい
なんとか剥きましたというのが 3つ並べた中の右の一つが剥いた状態のものも 写真に載せておりますが
こんな姿 芋っぽい色をしていますよね
これじゃあどうやって食べるんだって いろいろあるらしいんですけどもね
ローストにするとか
ただ今回は初めてということもあって
無難に野菜炒めの中に 他の野菜と一緒に混ぜ込むということにしようということで
これをスライスにしたんですね
そのまま生のまま食べると非常にえぐくて 甘みなどは全く感じられないという感じなんですが
炒めてしんなり柔らかくなると 確かにさつまいもっぽくなるんですね
ちょっと小さくスライスしすぎて 存在がちょっと消えかけた感じで
探さないとヤムを発見できないぐらいに 他の人参とか玉ねぎの間に埋もれてしまったという失敗はあるんですけれども
こんな感じかと
ほんのり甘いかもしれないんですが
これならさつまいもの方が甘いし剥きやすいし
これはさつまいものの介護官だなというのが 今回私ヤムの結論という
初回なんでね いろんな食べ方
ちょっと地味な料理にしちゃったから あれかもしれないですね
中にはもうちょっと狙って一つ丸ごと ローストにしてベーコン巻きにするとか
こうすると甘みが引き立ちますよ みたいなレシピもあったりするので
機会があったらやろうかと思いますが
私の中ではさつまいもがヤムの上位護官である みたいな認識に至ってしまったというところがありますね
皆さんヤムはお召し上がりでしょうかね
日本でも種としては長芋とかとろ芋
ああいう粘っこい系のものが 広い種としては同じ族っていうのかな
らしいんですけれどもね
だいぶ味触りとか食べた感じ 見た目も違うなというところですね
このままだと本当に食レポで終わってしまうわけなんですが
YAMの語源と歴史
ヤムというのは原産がインドだったり あるいはよく食されているということなんですかね
西アフリカに起源がありそうだということなんですが
調べてみた限りはっきりした究極の語源はわからないと
ただ西アフリカとセネガルの言葉で 食べるという語感があって
それが比較的近いということなんじゃないか
みたいなことは 英語語源辞典の方でも書かれているんですね
ただちょっと気になるのが
最初に英語に入ってきたのが1588年ですかね
英語のみならず ヨーロッパ諸国に入ってきたわけなんですが
その際に イニャーミみたいな形
イニャーメとか スペリングで言いますと
I-G-N-A-M-I とか こんな感じですね
現在でもフランス語ではイニャーム ということになっていて
I-G-N みたいな形でスペリングは始まると
音としてはニャッという 高校外美音だと思うんですけれども
これで伝わっている
どっちにしろ 二音節なんですよ
最初に入ってきた時代 1588年では
これがイナニーみたいな形ですね
I-N-A-N-Y というスペリングで
英語での書類もですね
これもやはり二音節といいますか
これ後ろにYもあるので
三音節で発音されていたぐらいですかね
ヤムの語源探求
こんな形から始まっているんですね
1588年ですよね
その後 世紀が変わって
17世紀あたりも含めて
最初の方の例をOEDで追いかけてみますと
いろんなつづりと そしてその背後には
いろんな発音があったんだろうなと思われるものが
続出して集まるんですよ
YAMSとかYAMOESとか
YAMES YAMUS YAMMES YAMBUS
YUAMSとかですね
発音するとそんな感じなのかなと
思わせるようなつづり字があってですね
516通りのスルーとは別の意味でですね
ある意味これバリエーション相当集まるぞと
ちょっとエキゾチック感が満載な
スペリングなんですよね
本来の英語では明らかにないっていうような
なのでこれはですね
意外と面白い単語だなというふうに
思った次第なんですね
で その17世紀半ばぐらいからですね
少なくともOEDの例文で見る限りは
だいたいYAMという
その現代のYAMの形に落ち着いてくるんですね
スペリングが標準化されたということもあるんですが
それ以上に語形が2音節
場合によっては3音節でスタートしたものがですね
YAMという1音節になっていく
この語頭のIGとかIGNあたりですよね
これで綴られる部分がどうして脱落したのか
ということは
英語語源字典にも載っていませんし
さらにOEDにも載っていませんでした
他に語源字典組まなく騒がしたわけではないので
どこかに載っている可能性もありますが
これ何でなんだろうなというところで考えて
まずすぐに英語史をやっているとすぐに思いつくのが
語頭とか語頭音節にあるNが脱落するというと
これも典型的に異分析なんですね
メタナリシスということです
このヘルディオでもいろいろご紹介していますかね
ニックネームのNというのは本来はなかった
アンニックネームと言っていたのが
アニックネームというふうに
不定関詞と語の本体との間で
Nがどっちにつくのか問題みたいなことですよね
これ勘違いが起こりやすいということで
エプロン
エイプロンというのもそうですね
もともとはネイプロンというふうに
Nは単語の一部だったわけなんですが
その直前にアという不定関詞が来た場合に
アネイプロン
これはアプラスネイプロンなのか
アンプラスエイプロンなのか
ということで誤解が生じるということで
このNがどっちにつくか問題みたいなね
これにちょっと近いのかなと思います
英語内部に今回話を限っているんですね
フランス語などではインニャームということで
いまだに二音節発音で
Nの音が残っているということで
もし私の仮説が正しければ
これは英語内部で起こった異分析の結果ですね
インニャームという形が元にあって
そしてこの語頭母音が弱まって曖昧化して
ウンニャームなどになったと仮定してみる
そうするとですね
このウンニャームのウとか
あるいはンという部分も合わせて
これが不定漢詞というふうに返されて
誤って返されて
残る本体はヤムなんだという具合ですね
Nがどうして消えるかっていうのは
これだけじゃやっぱり説明できないですかね
どうして一音節になってしまったのかなというところは
やはり謎は残るといえば残るんですけれども
ぜひ皆さんお考えいただければと思います
リスナーとの交流
ということでヤムの味はイマイチだったんですけれども
スペリングであるとか語源については
なかなか美味しい語だったなと
そんな結論になります
エンディングです
今日も最後まで放送を聞いていただきまして
ありがとうございました
皆さんのヤム体験
ヤムにもいろんな種類がとにかくあるということなので
別のヤム体験もされた方がいらっしゃるかもしれませんので
前のデイツの時もコメント欄が
デイトのうんちくで埋め尽くされたという
面白いことが起こりましたので
今回もヤムに引っ掛けて
皆さんがご存知のうんちく等を
コメントにお寄せいただければと思います
面白いことが出てきますと
もう一回食べてみようかなということになるかもしれません
今のところ私はサツマイモの貝五感という位置づけになっております
このチャンネル
英語の語源が身につくラジオヘルディオでは
あなたからのご意見ご感想をお待ちしています
ボイシーのコメント機能を通じてお寄せいただけますと幸いです
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それでは今日も皆さんにとって
良い一日になりますように
英語史研究者のほったり打ちがお届けしました
また明日
15:57

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