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こんにちは、心理師のはるかめです。この放送では、あなたが自分に優しくしていけるように、セルフコンパッションやセルフケア、心理学などについてお伝えしています。
今日は、子供の心理についてお話ししたいかなと思います。ちょっと珍しいですかね、私の場合はね。
お子さんがいる方なんかは、書籍とか雑誌とかで見聞きしたことがあるかもしれませんね。心の理論というものについてです。
昔々の欧米では、子供は大人をサイズ的に小さくしたもの。大人の縮小版ですよね。そういったふうに考えられていて、実際そのように扱われてきました。
ですが、皆さんご存知の通り、子供っていうのは決してそんなような存在ではないですよね。
実は、子供っていうのは大人とは全く別の生き物だっていうふうに言っても過言ではないんですね。
それは、もちろん成長期にあって未発達な部分が多いからなんですね。成長期にあるっていうことは、出来上がっていない物理的な機能がいくらでもあるよっていうことなんです。
今回の話で言うと、程度の違いはあっても、よく私たちが自然に行っている人の気持ちを察するとか、思いやるとか、相手の立場になって考えるっていうもののことを言っているんですね。
これが子供には存在しないんです。間違いを恐れずに言うんであれば、大人が他人の心を想像する力が100だとしたら、10とか20とかそういう話ではなくて、ゼロだと思っておいた方が大人は子供に接するときにイライラしにくくなるかもしれません。
じゃあ、いつまでそういう状態が続くのかって言うと、こういった機能、心の理論はですね、大体4から5歳頃ぐらいに急激に発達すると言われています。
ここで脳の発達が進んで、人の立場になって考えるっていうことも理解し始めるんですね。
それまでは存在しないということになります。出来ないんですね。
仮に出来ているように見えたとしても、その実際の中身っていうのは大人とその4歳から5歳以前の子供では中身が異なっているんですね。
能力が低いとか経験がないとかそういう次元の話ではなくて、脳神経の発達がその段階に至っていないっていうことなので不可能なんですね。
もちろん個人差がありますので予測より早くできるようになる子もいれば、今一つ発達しないっていう子もいると思います。
なので幼稚園くらいまでは子供は自分中心の世界にいて、そこを出ることができないと思っておいた方が大人にとってはいいかなと思います。
そうすると、幼稚園の年齢設定って絶妙ですよね。
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いいタイムで小学校に切り替わっていくと。
昔の方々の経験値とか研究の賜物だと思うんですけれども、なかなかそういうものも的外れとは言えないものですね。
ここまでの話から、もし子供がまだ心の理論が発達しないと思われる年齢であったなら、
人の気持ちも考えなさいとか、あの子の立場になってみなさいっていう言い方は、
例えばそうですね、空を飛びなさいっていう風に言っているのと変わらないっていうことになります。
なので私たち大人が注意をしたりとか何かお話をするっていう時は、気をつけた方がいいポイントですね。
あくまでその子の視点で考えてあげる必要があります。
一人称の世界に生きているので、一人称の話がやっぱりしっくりくるんですよね。
その子はどう感じたのかっていうことを、その子っていうのは、例えば誰かを傷つけてしまった子とかいたとしたら、
その傷つけてしまった子の視点でそれを中心に話を聞いてあげるっていうことがいいんですね。
そしてその子がしたことで、例えば大切な人、お母さんとかお父さんとかね、
そういった人がどう思うかっていうことを伝えていったり、
ご褒美などを使って行動を変えていったりとか、心の理論が発達するまではそういうふうに対応していくこともいいかなと思います。
子どもの気持ちを無限にしないで受け止めて聞いてあげるっていうことが、いずれ成長した時にね、いい糧になってくれるはずです。
またダメなことがあったら、それはちゃんと理由を伝えて、ダメだっていうその理由も含めて伝えて、
それがわからなかったとしても伝えていくっていうことが大事なんですね。
こちらもやはり発達が進んだ時に、そういうことだったのかっていうふうに思える日が来ますので、
もちろんなるべく穏やかに伝えられるといいんですけど、なかなか子育てっていうのはそうもいかないですよね。
なので、一緒に困ったり、一緒に楽しんだり怒ったり、感情的になってもいいので、
親は愛情を持っているんだよっていうことだけは伝わるようにしていきたいですよね。
それでは今日もあなたが自分に優しくありますように、心理師のはるかめでした。