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こんにちは、72才 薬膳&料理研究家の木下賀律子です。
今日は、薬膳という言葉はいつ頃から使われ始めたかについてお話しします。
皆さんはいつ頃からだと思われますか?
これに関して少し長くなりますが、
味の素・食の分化センターが発行している機関紙、ベスタの記事を一部抜粋してご紹介します。
薬膳は、1980年代になって、中国本土、特に薬膳の美は四川にあり、と辞任する四川辺りで始まったものが急速に中国全体に広まったようである。
日本へは、それからちょっと遅れて薬膳を主とした中国料理書が出ており、薬膳を看板にする料理店も見られるようになった。
戦後、中国で発行された中国料理書の数はとても少なく、中でも1966年から1974年頃までの文化革命時の中国は全く不毛の時代で、発行されたのはたった一種だけ。
文化大革命終了後の1975年頃からは、料理書の出版が盛んになり、多数出版されているが、この時期までに薬膳という表題の書物は一種も発行されていない。
薬膳という文字を用いた名称の料理書が発行されるのは1983年以降である。では、なぜこの時期から急に薬膳が流行り始めたかについてははっきりしていないが、その理由の一つと考えられるのは、
1983年春に北京で全国伝統食品シンポジウムが開催され、これを機会に全国的に伝統食品を調整整理する動きが起こり、
中国の伝統的文化遺産である食療法、つまり食事で病を予防する、あるいは病を治すという考えが薬膳として取り上げられたことが、薬膳流行の火付け薬になったのではないかと。
当時、中国研究所で働いていた田中誠一さんは、このように記載しています。この文章はベスタ1号で、1989年秋号発刊のものです。
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今でこそ薬膳という言葉は調べればすぐ見つかりますが、当時田中さんは、薬膳という言葉は古い中国料理書には全く見られず、日本の大緩和時点、中日大時点、台湾や中国の時点にも全く出ていないと書かれています。
これらの件については諸説あるかと思いますが、田中さんは柴田書店から一位大水という中国料理の伝来詩や中国食物辞典をお書きになっている第一の中国通の方です。
私は田中さんの意見に納得し、薬膳はここ40年足らず前に使われ始めた言葉であると思います。
少し私のことをお話しします。
私は40年余り高校や短大で調理理論や調理実習の授業を担当してきました。
短期大学では定期的に発行する企業という学術雑誌があり、しばしばそこに研究ノートを投稿してきました。
それらの資料作成のために、東京港区にある味の素高縄研修センターにはよく通いました。
今回の記事はその時に見つけたものです。
今日は薬膳という言葉はいつ頃から使われ始めたかについてお話ししました。
最後までお聞きいただきありがとうございました。