1. Good News for Cities〜都市に関する炉辺談話
  2. 【#99】これからの都市を生き..
2023-01-17 20:14

【#99】これからの都市を生き抜くヒントを探しに、『すみだ向島EXPO』代表・後藤大輝さん

今回は、東京の下町、墨田区・曳舟にある元お茶屋さんをリノベーションした施設『CH-CHAYA』で行われた公開収録の様子をお届けします。ゲストは、2020年からこの街を舞台に行われている芸術祭・博覧会『すみだ向島EXPO』代表の後藤大輝さんをお迎えします。さまざまな創作活動や顔の見えるコミュニティが生き続けているこのエリアの面白さ、なぜここで活動し続けるのか、そこから「東京」というまちのこれからまでお話していきます。

◉トピック
・面白い「噂」を頼りにたどり着いたまち、向島
・すみだ向島EXPOとは?
・「東京」に住んで活動し続けるワケ
・小さな人間づきあいの深みのあるまち
・みんなで大地主になる挑戦

◉ゲストプロフィール
後藤大輝
2008年に京島へ移住。2010年より墨田区京島にて「爬虫類館分館」を開始。現在20軒程を運営。古い長屋だけでなく、新しい建物が街に馴染む建築のあり方も模索中。100年先の土地建物・長屋文化を継承する受け皿、八島花文化財団を立ち上げ準備中。暇と梅爺株式会社 代表取締役。
https://sdgs.yahoo.co.jp/originals/131.html

すみだ向島EXPO
https://sumidaexpo.com/
暇と梅爺株式会社
https://note.com/himatoumejii/n/nddf42fbc832c

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みなさんこんにちは、杉田麻里子と石川由加子です。
Good News for Citiesは、都市・建築・町づくりに関する様々なグッドニュースをザックバランに話す番組です。
今日は、4CITIESの2年間の活動報告会と忘年会を、今度は東京の向島の会場でやっています。
今日は、向島の町づくりだったり、今回私がこの場所に出会うきっかけになった、住田向島EXPOの代表である後藤さんに、
お越しいただき、お話を聞いていきたいと思います。よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
まずね、今日、結構みなさん、この町の人じゃないというか、初めてこの場所に来たという人も多いんですが、
まず後藤さんはこの場所でどういった活動をされているのかというのをお話し聞いてもいいでしょうか。
はい、今は地揚げに立ち向かう、小さなデベロッパーのように、マイクロデベロッパーのように、ちょっと前から呼ばれだして、そういう活動をしています。
後藤さん自体はいつからここの場所にいるんですか。
2008年春からです。
それはどんなきっかけで。
アーティストの噂ですね。
23区東京で最も古くて、古い建物残ってて空が広いみたいな、そういう噂の場所。
めっちゃいい噂ですね。
本当にそうやって聞いてました。
どんな界隈の人たちから噂を聞いたんですか。
夜中に集まる芸大初心者や、そういう小さなギャラリーで表現活動をやる人たちですね。
なるほど、面白い。
私、普段京都で今回初めてこのエリアに来たんですけど、京島、向島、このエリアについてもちょっと簡単にご紹介お願いできますか。
このエリアを向島とまずつくのは、ここは京島なんですけど、江戸の時代の浅草で遊ぶ人たちが墨田の川向こうをもっと秘めやかに、みやびに遊ぶ向島にいつか渡りたい、みたいに言ってたことから向島という地名になるみたいで。
要は花貝としての向島芸者につながる、そういう花貝だったっていう向島が広く、墨田の北半分なんですね。
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その中に京島はある。なんだけど、今は住所の京島と住所の向島が同時に存在しちゃうんで、捉え方がちょっと両方になるっていう感じ。
さらに京島はその中では新しい町なので、昭和の戦後の合併で生まれた京島は、いわゆる焼け残った町です。焼け残った町、京島というのが今日ここにいる場所。
なのでちょっと向島の花貝からは外れた職人貝だったり、江戸の時代の時代はまだ畑というか沼地だったような、そういう場所です。
そっか、沼地だったんですね。
この辺は沼地で、戦後日本の高度経済を支えた日本一の軽工業発祥の場所が、わりと京島は中心に工場がいっぱいある。そんな場所です。
今はどういった人たちが住んでるんですか、主に。居住区?
今は職人貝の雰囲気に誘われて、僕らみたいに来たそういうクリエイターや、何か自分で何か作りたいという人たちが、新住人としては噂が人を呼んで連鎖的に集まっているという人と、三世代で住んでいる地元の人ですね。
確かに。さっき彼もマレーシアから来た彼なんですけど、今回こういうところに初めて来たって、彼も建築をずっとやってる中で、こういう町に出会うことはなかったって話をしてて、
本当に知る人と知るみたいなところで、いい町だねっていう話をしてたんですけど、確かにさっきの噂みたいなものってすごい重要だなと思って、
結構町って今ブランディングして、こういう住民を呼び込もうみたいな感じで呼びかけたり発信するけど、やっぱ藤吉田の話もさっきあったけど、なんかじわじわ何故かわからないけど噂になっている町って、やっぱり行くといろんな魅力があるし、
なんか人々は惹かれる、なんか要素が散りばまっているな、そういう噂がやっぱある町なんだったんだなと、今聞いてても思いました。
じゃあちょっと墨田向島エキスポについてもぜひ教えてください。
墨田向島エキスポは2020年東京オリンピックの余波から守るためのバリアーのような、ちょっと目くらまし的な意味合いが今思えばあるなと思っていて、
そういう何かその開発的なことだったり、なんか人の注目を変に集めちゃうような時が近づいているから、目くらまししつつ、この胃の中の川沿いになっている僕らの決起集会
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っていう何かを2020年やりたいと思って、その当時は芸術祭、町中芸術祭として、でもエキスポという土地使津のイベントになったという、そういうものです。
なるほど、初年度はどういったことをしたんですか。
初年度もやっぱりコロナ禍の前に企画したものだったんですけど、コロナが来たんで、ちょっとやっぱり色々変えようというので、もう知っている人、知り合い住んでいる人、この町に既に関係していた人たちだけに声をかけて、会場を用意して、それぞれに
このエリアの次の町の選択肢、僕らが推した選択肢をそれぞれに博覧会で見てもらう、そんなイベントです。
実際私はまだ行ったことがないんですけど、町にダイブする形の芸術祭ということで、具体的にどういったところが舞台になっているんですか。
古い、主に僕が今運営、借りて直していろんな人に使ってもらっている、僕が運営する古い建物、20件ぐらいと、友人たちがここで運営する、それもやっぱり古い建物のお店やスペースが会場になって、そこをコロナの感染対策ができる
回遊式の初ニュースの博覧会、そういうものです。
この商店街とかも結構会場になっていたり、長屋とかも活用してやられていましたね。
そういう既に使っている場所と、僕らが借りたい、こういう博覧会を理由に借りたい、開けたい場所、両方を使う、そういう空き家探し、空き家活用とアートフェスバルが融合するみたいな、そういうふうに言われたりしています。
なるほど。物件20件っておっしゃっていました?
はい。
羨ましいなあっていうのと、実際そういうふうに持たれているデベロッパーとか事主さんとかが、それを開ける機会って全然ないんだろうなあと思って。
なので、そういったオーナーさんが日本に増えていったら、もっと面白くなるのになあとか思いながら聞いていました。
そうですね。オーナー、王や地主の、やっぱりさじ加減で、地のいろんなものが変わるので、非常に考えています。
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なるほど。
なんか、それこそカイロとか永田でも感じたんですけど、この間ね、後藤さんと話したときも、この街に残っているものとか特徴というか魅力的なものって何なんだろうみたいな話をしたときに、
私は小さな資源の循環があるのが魅力的だと思いますっていう言葉を返したなあと思っていたんですけど、本当に何て言うんだろう。
この間、向島エキスポの最中に、私がセブンイレブンの横のカイロさんがやっている矢倉みたいなところに出会い、そこで野宿したいってお願いをし、
2日後にもう野宿をするための準備を、街中のいろんな人が道具やアイディアを持ってきてくれて実現して、2、30人の人がそこに不思議と集まっているみたいな風景があって、
なんかこれってなんか、私がその永田とかカイロで感じてきた地域の力だったり、なんかこう顔の見える関係性というとよく言われている感じだけれども、何かやりたいときにすぐ
何かが起こっていくような街のエネルギーを感じてすごく惹かれたっていうのがありました。
それが、僕らも街に住んで、そんな希望はなかったけど、なんか打てば響くみたいな、なんか希望を言えば何かが動くみたいなのが、家の中だけじゃなくて起こる。
そういう面白さ。
いや、最高ですね。
なんかそれこそね、富士吉田で私たちが活動しているときに、いつもお世話になっている人が、家の中はみんなこう自分たちで手を加えて、なんかレイアウト変えたりとかするんだけど、
家から一歩出るとそれができないってすごい不思議なことだよねっていう話をしていて、まさにそういう街に染み出した芸術祭っていうのは、それができる一つのなんかあり方というか、
地域資源が小さく循環していくと、自分のプライベートの部屋以外にもできることが増えていくっていうのは、すごい豊かなことだなと思いました。
ホースシティーズの取り組みを見てて、すごい街の中で面白い、面白さを見つける、本当に遊びうまいなみたいな、そういう遊べる泉が出てるみたいな、いうのを感じたんですけど、
僕はエキスポの段階でかなり、僕らが胃の中のカワウソ的にぬるま湯のいい塩梅で、すごいちょっと幸せにいてずっと使ってられるみたいな、
そういう風呂みたいなのが知らぬうちに抜かれていってるみたいな、いうのがあって、あっちの風呂屋行こうとしたら銭湯潰れてるみたいな、そういうのが結構迫ってきていて、この街今そうなんです。
かなり今ポイント的にいけばすごいお湯が出てて、お湯に疲れるんだけど、ちょっと歩くともう完全に枯れてるみたいな状態が、歩いてもらった人は結構すぐ感じるレベルで、もうお湯が抜かれていってる。
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この間も案内してくださった、連なっている長屋の一軒があるデベロッパーによって壊されて、また新築の物件が建つのかもしれないですけど、どんどん風景が壊れていっていることが迫っているという感じは確かに足元に感じますね。
その中でね、結構本当に都市として東京で何でやってるか、そういう問いかけてずっと東京に住む罪悪感が僕もかなり強まっていたんで、地方にいて最先端ですごい豊かな場所を作っている人たちと、何で都市で東京でやってるんですかみたいな、これは本当にお二人にも聞きたいんですけど、何かありますか。
私はね、それで東京住んでたんですけど、引っ越して京都に行ったんですよ。なんかやりやすいんですよ、それこそ地域。なんかやりたいってなった時に家賃も安いし、協力してくれる仲間たちもいるし、実現したいっていうことが東京にいた時よりも早くできるようになったっていうのもあって。
でも東京、1ヶ月に1回か2回くらい来るので、東京っていう街を改めて考え直していて最近。今回ここに来れたのも良かったなと思って。正直私東京はもう終わってるみたいなスタンスだったんですよ。来るたびにワクワクすることもあんまり起きてきてないし、地方の方が面白いんじゃないかなと思ってたんだけど、まだこういう場所があるんだっていうすごい希望を今日持ったっていうのはあります。
私は東京生まれでもあるので、ある意味東京が、故郷が私はあまりどこにも感じないんですけど、東京っていう場所に遅延はあるっちゃあるみたいなところが1個大きいのかなとも思いつつ。
そうですね。なんかやっぱり発掘しがいがあるのは東京だなと思って。掘っても掘っても違うユニであってしまうみたいなところがこの街の面白さだなと思って。それはやっぱりいろんなところに行く中でも東京はやっぱりトップクラスで面白いなと思っていて。
なのでそういう意味で私はすごく東京に可能性も感じているし、ある意味多くの人が住むここを諦めたくないっていうのをすごくずっと持って活動している。だからなんか自分が経験するものを東京に投入したいっていうのはいつも思ってますね。
確かになんかフォーシティーズをやってると都市なので地方はしないんですかとかすごい聞かれるんですよ。東京とか大阪みたいな大都市だけなのかなみたいな印象を持たれてしまいがちなんですけど、結構もう地方とこういった大都市の違いって薄れてきているような気がしていて、みんな2拠点とか3拠点で活動もしているし、東京もそういう意味でどんどん更新して人が出ていったりとか逆に2拠点3拠点の片足突っ込む人たちが増えることで面白みも増えていくみたいな。
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ところで東京をメタに捉える。他との地方との関係その中でメタに捉えるっていうのは面白いなと思いました。
今日それこそみんなでこの後その東京議論はちょっとぜひしてみたいなと思いました。
東京はもともと田舎で不自由さ感じた人たちが出てきて、そういう自由度の高い場所を作ってたはずなのに、今東京が一番そういう閉ざされるようなことになっているし、
でも僕は本当に今いろんな東京以外ですごい最先端でバリバリやってる人たちがちょっと癒されるようなそういうふるさとみたいなことを東京で言い出してるんですけど、
これもやっぱりちょっと違うなというのもあって、もともと地方の人たちで作った、京都の次だろうけど、そういう都的なところで、
もっと小さな強いコミュニティという話が出たんで、もっとコミュニティはもともと小さかったから、そういう小さい何十人か百人とかの単位のコミュニティがちゃんと自立して成立するみたいなのを都市で小さくこっちの強いコミュニティ、向こうのコミュニティで、
文化までみんな隣近所の町会ごとでコミュニティが違うみたいな、そういう小さな人間付き合いの深みがあるのを僕としてはやりがいにちょっと思ってますね。
あと後藤さんが4分しかないんですよね。なのでちょっと最後に今仕掛けていることとか今後企んでいること、野望みたいなものがあればぜひ聞いてみたいです。
そうですね、今みんなで大地主という少し夢みたいなことがあって、京都にちょっと前に行ったら、京都の擬音のゲイコさんの組合はそこの地主は誰だって言ったらNPOって聞いたんですよ。
比叡の法人が擬音の町の地主。そういうふうに独特な文化や特殊な人たちは続けているっていうのを、僕この今エリアで八島花文化財団という市から作るコミュニティ財団のようなのを作ろうとしていて
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それにみんなで本当に寄付していく。初めはお金がかかるのでこの20年ぐらいは守りたい建物にみんなでお金を集めて20年ぐらいはローンを返すんですけど、20年後にそのローンがなくなって国に収める負担だけで済むみたいな
そういう場所が100件ぐらいここ数年で誕生すると、もうちょっとこの、そうですね、町がもう一個の姿に近づくんじゃないかなというのが
仕組みから変えていく。そういう意味でなんか2023年に4シティーズでちょっと試してみたいなと思ってたのが、実際に場所を持っているとか公園を作ってみるみたいなところをちょっと話してたこともあって、なんか4シティーズとか4シティーズに関わるみんなのコミュニティが持っている土地とか運営している場所みたいな、なんかこう主語がVになっていくっていう状況が作れるといいなと思っていて。
ちなみにそれは、どうやって外の人に関わったらいいとかありますか?財団に。
そうですね。財団の仲間になってくださいっていう声かけをずっとしていくので、そういう仲間になってもらえる、そういう入り口の出会いのものは必要ですよね。
はい。こうやって会って話を聞いてくれた人はだいたいそうだと思ってくれればもうそうだと思いますが。
小藤さんお時間です。まだまだたくさん聞きたいんですが、またぜひ皆さんも改めて向島に来て、小藤さん結構年末にはいらっしゃいますよね。
そうですね。
またぜひいろいろお話を伺えたらと思います。今日はありがとうございました。
ありがとうございました。
こんな感じで聞いてもらえてすみません。ありがとうございます。
グッドニュースフォーシティーズでは、毎週新しいエピソードを配信しています。次回もお楽しみに。
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