2025-05-03 43:52

#95 リーダーが持つべきコミュニケーションの能力 6 つ

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日本のリーダーの発信力も上がっているのですが、海外リーダーとの差がさらに広がっているという田中さん。リーダーが持つべきコミュニケーションの能力 6 つについて話しています。しかし、発信力が必要なのはリーダーに限ったことではありません!

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

このエピソードでは、リーダーに求められるコミュニケーション能力について語っています。特に、日本のビジネスリーダーの発信力の現状や弱点を分析し、効果的なコミュニケーションの原理や方法を提案しています。リーダーにはコミュニケーション能力が必要であり、とりわけ人格とエモーションの重要性が強調されています。日本の企業文化ではこのような人格が発信されにくく、リーダーは自身の性格を示すことが求められています。また、米国のリーダーシップスタイルとの比較を通じて、持続的なコミュニケーションの重要性がさらに明らかになります。リーダーに必要とされるコミュニケーション能力は、欧米と日本でのアプローチの違いや、リーダーシップにおける情報整理の重要性を際立たせています。特に、強いコミュニケーションスキルを持つリーダーが、戦略的なメッセージ発信を通じて組織の発信力を強化する必要性が浮き彫りになっています。リーダーが有事対応時に重要なコミュニケーション能力について議論し、受信、戦略、発信の一元化の重要性を強調しています。

コミュニケーションの重要性
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
皆さん、こんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。 コミュニケーションの世界に携わって、はや40年以上、コミュニケーションが命。シン・田中こと田中愼一 です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPR、コミュニケーション業界に転職して約30年、高木恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住ですが、現在日本に滞在中の中川浩孝です。
田中 愼一
いくつか経験してるんですけど、ちょっと愕然としたことがあって。
前もいろいろ話してますけど、僕の一番主担当というか、今の仕事の中核になってるのが、リーダーの発信力をどう強めるか。
ビジネスリーダーやポリティシャンとか、いろいろな政治家とか、いわゆるリーダーですね。ことを起こす人たち。
もともと今所属しているオペレーションという会社を立ち上げたのは四半世紀ベース。四半世紀ぐらい経ってるのかな。
25年以上経ってるんですけども。
そのとき、当時このオペレーションを立ち上げるときの一つの指針というか、ビジョンというか、ミッションというかっていうのは、
やはり日本人はコミュニケーションのリテラシーが低い。コミュニケーション力が低い。
あるいは発信力が弱い。っていうような、特にビジネスの世界でね。危機意識っていうのがあって。
少しでもそこを高めるためのトレーニングプログラムが絶対重要だなっていうので、その当時からやってたんですね。
その当時はそれだけの危機感があって。
このうちの会社の社是もね、コミュニケーションの力で、パワーで日本を変えようっていう感じで。
その具体的な意味っていうのは、一人一人の日本人、特にビジネスリーダーの人たちの発信力を高めようという思いでやってきたんですね。
先週に限らず今年に入ってからですね、やっぱりリーダーシップトレーニングのあるものがですね、結構リクエストが入ってきてるんですね。
基本的には日本語でやる部分と英語でやる部分って二つの、二種類のトレーニング方法があるんですが、その両方をやってきて。
先週ちょっと外人のエグゼクティブのトレーニングをしたときに、
あまりにも見事に発信力を使い分けるっていうか、その能力にですね、驚いたというか差もあらんとは思ってたんですが、
それ以外のトレーニング、つまり日本語でやってるトレーニング、日本人向けのトレーニングなんかも合わせてやってるんですが、
それを考えるとですね、25年以上も前に、いわゆる日本のビジネスリーダーの発信力が弱いと思っていたのが、
さらに弱くなってるっていう実感って言ったほうがいいかな。これをちょっと得て少しショックだったんですね。
実は日本のビジネスリーダーの発信力は下がってるっていうことじゃないんですよ。
日本のビジネスリーダーの発信力も上がってはいるんですが、それ以上に、
欧米人を特に中心としてのエグゼクティブが力量をさらに上げてる。
中川 浩孝
差が離れちゃってるってことですね。
田中 愼一
差が離れちゃったっていうね。これがすごいショックで。
これはやばいぜっていう。日本人ってね、日本人やばいよこれって。
これは別にリーダーに限らずね、一般の人たち一人一人にとってもそうなんだけども、
やっぱり日本人はコミュニケーションに対するリテラシーを上げないとだめよと、
一生懸命トレーニングでそれを上げようと思うんだけども、
なかなかやっぱり一人でやっても上がんないもんですから、
そこに対する危機感が非常に強く感じたもんですから、
今日は皆さんの意見をちょっとお聞きしたいかなというふうに思ってます。
リーダーに必要な能力
田中 愼一
かいつまんで言っちゃうと、じゃあコミュニケーションにリテラシーって何よと。
リーダーが持つべきコミュニケーションの能力ってどういう能力って言うとね、
ぶっちゃけ6つあるんですよ。6つしかないの、意外と。
一つはコミュニケーションの原理原則を知るということがまず第一。
我々コミュニケーション、特に日本人はもしかしたらコミュニケーションをあんまり意識してない。
せいぜい人から悪く見られるの嫌だなとか、あの人と付き合うの面倒だなとか、
仲良くするかしないかのレベルで留まっていて、
コミュニケーションっていうのはもっと根源的に原理原則があるんですよね。
で、それは一つ目。その基本的なところ、ここが一番日本人のリテラシーが低いところです。
それから2番目はですね、メッセージを構造化する能力。
メッセージってみんな重要だって言うんだけども、メッセージ持ってたってダメなんですよ。
何の意味もない。
そのメッセージを相手に伝わりやすく相手を動かすように構造化する能力っていうのが二つ目に絶対的に必要なんですね。
ここも非常に日本のリーダーの方々は弱いです。
それから三つ目がですね、いわゆる対話をマネージするっていう能力です。
対話をマネージする能力っていうのは、必ず対話するときは自分の土俵の上で対話しなさいと。
決して相手の土俵に乗るなと。
相手の土俵に引きずり込まれたらすぐ自分の土俵に戻れる能力を身につけなさいと。
これが対話をマネージする能力なんですよ。
ここはね、日本人でもできる人はいるんで、
あまりにそれほど原理原則の話とかメッセージを構造化するっていうところから比べると、まだ日本の場合は平均的にあります。
四つ目がね、これもまた弱いんですけども、非言語をコントロールする能力が必要なんです。
ほとんどの人は非言語を意識してません。
でも非言語が相手にこちらのメッセージを65%伝えるのは非言語なんですよ。
特にクライシスになったら90%になっちゃうんですよ。
非言語をコントロールできないと、人を動かせない。
つまり人を動かせないってことはリーダー失格なわけです。
次がですね、いわゆるリスク感度を持ってるかどうか。
逆に言うと日本人が、もしかしたら良いとは言わないけど何とか標準以下ぐらいかなっていう感じなのが、
リスク感度って何かって、自分が言ったことが周りに伝わってて、
そのときに誰が喜び、誰が悲しみ、誰が怒るのかっていうことをイメージする能力です。
だから目の前にいる人だけ見ててもダメなわけです。
目の前にいる人に言ったときに、それがどう広まっていくのか。
例えば目の前の人が上司にそれを言いつけるとか、あるいは部下に何か言うとか、
あるいは家庭で家族に話すとか、いろいろなルートで、こっちが相手に話したことが広がっていくんですよ。
特に今、良い意味での多様化の時代もありますけど、悪い意味での多様化ってのは価値観の分裂ですね。
それがあるために発信することは危険な時代なわけですね。
だからリスク感度をしっかり持った上で発信するって心構え、ここがですね、やっぱり弱いですね。
最後がですね、これが圧倒的に弱いって言ってもいいぐらいに、いわゆるナラティブを語る。
ナラティブって言うと難しい言葉になるのかもしれないけども、
ストーリーを語ることができないんですね、日本のリーダーたちの人たちに。
だから人間を動かす商売をしてるリーダーがですね、人を動かせなかったら意味ないわけですね。
そういったときに人を動かすための最大の彼らが持っている武器っていうのは、
コミュニケーションという武器なわけですよ。
さっき言ったように、最後ストーリーが語れないっていうのは日本人には非常に語れないですね。
事実を語ることはできるんだけど、事実はしっかりと語ることができるんですよ、日本のリーダーっていうのは。
事実は語れるけどストーリーは語れないっていう。
この大体6つぐらいのポイントですからね、基本的にリテラシーが低いっていうのは。
ここをなんとかしないと、これから勝っていけないんですよ、グローバルで。
トレーニングの重要性
田中 愼一
だからすごい先週から危機意識があって、しかしとは言ったってね、限界あるしね。
だから少しポッドキャスティングで訴えたいと。
中川 浩孝
これでももちろん聞いたら全部納得いきますし、そうだなって思うんですけれど、
実際にそれを実行するっていうか、トレーニングで意識をまず持つことがもちろん重要だと思うんですけど、
でもこれを実行していくのってめちゃめちゃ大変というか、
それをトレーニングするのって、知識としては持っていても実行できるかっていうのは別の能力が必要そうですよね。
田中 愼一
別ですけどね、でも手法は欧米の連中がやってるわけですよ、もう。
なぜかというと差が開いちゃったってことか。彼らは持続的にこれをずっとやってるわけです。
じゃあ何をやってるかというと、トレーニングをやってるんですね。
もちろん根本的な原因ありますよ。
いわゆる小学生っていう、小学生ぐらいから、あるいは幼稚園生ぐらいから、
つまり教育の始まりからコミュニケーションというものをやっぱりしっかり教えて、
人間社会で生き抜くための力として、コミュニケーションというものをしっかりと教えるっていうのは根本的なところはあると思います。
ただ、今活躍している欧米のビジネスリーダーたちはどうやって身につけてきたかというと、
もちろん根本的な教育は受けてるにしても、やっぱりトレーニングを受けてますね。
日本人に日本語でトレーニングをやったんですけども、上手いんですねこの人が。
あれ?って思うほど上手く、今言った6つのことを、かなりそれに近いレベルでやってるんですね。
終わった後、トレーニング受けたでしょって言ったら、ありとあらゆるトレーニング受けたってことです。
例えば、メディアトレーニングも受けたし、リーダーシップのコーチングも受けたし、
だから、欧米は間違いなく組織的にトレーニングを施して伸ばしてる。
日本にはそれがないんですよ。
中川 浩孝
それだけトレーニングを受けている人が、まだトレーニングを受けるっていうこと自体がすごいですよね。
田中 愼一
すごいです。特にコミュニケーショントレーニングっていうのは終わりがないんですよ。
中川 浩孝
ほんとそうですよね。
田中 愼一
コミュニケーション力のコアになるっていう、トレーニングのコアになるっていうのは、実は2つのコアがあって、
1つはツールですね。
だから、今僕が言った6つのポイントのうち、初めの5つっていうのはどっちかというとツール、手法、方便なんですよ。
で、最後のストーリーを語るっていうのは、ここには人格が影響してくるんです。
人格と出来上がった人格、しかもその人格がどういうエモーション、つまり感情の複合体みたいなもんですね、ストックですね。
どういうエモーションを持っているかによって、ストーリーが語られるか語られないか出てきちゃうんですよ。
そうすると、人格っていうのは、はいここまでで大丈夫ですよってことはないんですね。
日々鍛えていくっていうか培っていくっていう性質のもんだから。
だから基本的には持続性が続くだけじゃなくて、より向上していかなきゃいけないっていう。
こういう意識を持ってみんなトレーニング受けてるから、欧米の人たちは。
だからどんどん強くなってるんですよ。
中川 浩孝
そうですね。
コミュニケーション能力とその重要性
田中 愼一
日本人はどんどん弱くなってきて、相対的に弱くなってるんです。
新しいジェネレーションの人たちはもう少し気が利きますよ、コミュニケーションに対しては。
高木 恵子
あー、たしかに。
田中 愼一
僕の世代なんてもうダメですよ、完全に。
高木 恵子
なんかやっぱり日々ね、SNSとかで叩かれてるの見たりとか、そういうのがあるからすごい。
田中 愼一
リスク感度も発達してるしね。
高木 恵子
そう、リスク感度の方が強いかもしれないですよね。
たしかに。
田中 愼一
だからなんとかなりません?皆さん。
中川 浩孝
いやーでも本当に子供の頃からというか積み重ねですから、これは難しいです。
だからトレーニングっていう一過性のものではなくて、本当にプログラムというか毎月なのか3ヶ月に一遍なのかわからないですけど、
本当にそういうふうに繰り返しやっていくしかないですし、
そういう意味では田中さんにとってはビジネスチャンスなのかもしれませんけれど、
そういう本当に継続的にやっていくっていうのがめちゃめちゃ大切っていうのは間違いないですよね。
田中 愼一
大事だというのは、基本的には人格とその人格が持っているエモーションサイドですね。
人格をどう定義するかにもよるんだけども、基本的には人格ってキャラクターですよね、英語で言うと。
人間である限りそのキャラクターと表裏一体にあるのがエモーションというか、
その人のエモーショナルなアスペクトというかアセットといったもんやろうかな。
だからそれをどれだけしっかりと人格とそのエモーションというものを育てていくかっていうのが、
いわゆる日頃のコミュニケーションのフローを、
どれだけ意識してるかしてないかで決まってきちゃうんです。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
だからもうある意味、悟りの境地を求めるじゃないけども、終わりがないんですよ。
だからある意味、僕が仏教思想にちょっと共鳴するのは、コミュニケーションと似てるんですよ。
つまりそのフローをしっかり意識することっていうのは、
仏教で言うといろんな手法があるんだけども、それを意識することによって、
僕から言わせると受信・発想・発信なんですけども、
そういうふうに見ると、基本的にはストックができてきて、
そのストックが、基本的には仏教では悟りの境地をどれだけ作るか。
仏教でも悟りの境地は、「はい、ここまでできました。」っていうのはないんですよ。
死ぬまでずっと追い続けなきゃいけない境地なんですよ。
だからそれも逆に言うと、人格っていうのを伸ばしていく、培っていく。
それに付随した、一体になっているエモーショナルな側面も育てていく。
これが教育っていうことなんでしょうけども、
そういうのをずっと続けていくっていうことで終わりがないっていうね。
もう終わりがないってことは、どんどん上にまでいけるわけですよ、逆にね。
でも逆に言うと、下に落っこっちゃう場合が多い。
だから少なくとも持続性っていうのはすごく重要なんだなって今回実感しましたね。
日本企業のリーダーシップの課題
中川 浩孝
そうですよね。
高木 恵子
あとは何だろう、言葉にするっていうことが必要なような気がする。
田中 愼一
重要ですね、言葉ね。
高木 恵子
やっぱり、日本って、何だろう、何も言わずにわかることが美徳みたいな、なんていうのかな。
背中を見て学ぶとか、なんかそのなんて言うんだろう。
非言語、そういう意味で言うと非言語からの吸収は得意なのかもしれないけど。
田中 愼一
そうですね。
高木 恵子
なんかこう、ちょっとそういうカルチャーがありますよね。
田中 愼一
非言語に対してすごい敏感なんですよね。
だからこれ言うと怒るかな、これ言うと喜ぶかなっていうのを相手の表情で見るでしょ。
僕なんか、日頃から人種差別的な発言じゃならないようにしますけども、
例えばアメリカ人と会議するわけですよ。
最近はもうそういう会議には出ないようになってるけども、
いろいろなグローバル会議に出ていくと、
これなんかヒロさんなんかもっとそこあたりわかるのかと思うんだけども、
無神経じゃないんだけど、あまりにも無神経に感じちゃうんですよ、日本人から。
もう少しちょっと気配りしたらどうなのかね。
もう少し表情をもっとよくしろよとかね。
つっけんどんだろそれは。気になるんですよ、もうすぐ。
アメリカ人たちの非言語ってところが、突然変わるんですね、彼らの非言語ってのは。
演じ始めるとすぐ変わるんですよ。
彼らほどある意味わかりやすい言語が、わかりやすいところはなくて、
だからそういう意味で、わかりやすいってことはそれだけ単純っていう話になっちゃうんで、
そこを日本人は逆に深読みしちゃって、
逆にシンプルというよりももっと複雑系になっちゃってて、悩むっていう。
だから両方ともそれぞれ違うんですよ。どっちが上か下じゃないんですよね。
中川 浩孝
そうですね、たしかに。
田中 愼一
やっぱり持続的にコミュニケーションして、
自分の人格とエモーションアセットを伸ばしていくっていうのが、生きることだよっていう教えっていうのが、
宗教全般的にも言えることだと思います。
中川 浩孝
人格とか性格とかキャラクターっていうのは、
日本ではあまり良しとされないというか、目立つこと自体があまり良くないっていうところがあるから、
そこがすごい難しいなと思うんですよ。
でもやっぱりパッと今までの起業家とか、
創業者的な人を考えると、やっぱりその人の性格が見えるというか、
最近で言えば、例えばユニクロの柳井さんとか、ちょっと古いけど、京セラの稲守さんとか、
多分もちろん田中さん的にはホンダさんとか本田宗一郎さんとか、まさにそれだと思うんですけど、
やっぱりそういう人たちって、発言から性格が見えるっていうか、なんとなくこういう人なんだろうなっていうのが想像できるというか、
それがない経営者がやっぱり今は多いかなっていう気がするね。
例えばじゃあ今ちょっと具体名を言うとあれなんですけど、
なんかあまりこう、自分が関係するような大きな会社の人の社長を名前さえ知らない場合も多いし、
知っていたとしても、この人ってどういう性格なのかなっていうのが多分見えないっていう、
そういう感じはすごくあるのと、やっぱり比べるとマイクロソフトであったりとか、
もちろんアップルもそうですし、なんかこうなんとなく顔も見えているし、
なんかこういう考え方の人なんだろうなっていうのが想像できる。
やっぱりそういうのって会社との距離感がすごく近まった感じがするし、
なんかそこがやっぱり日本の企業がトップが見えないっていうのはまさに、
見えないっていうのは本当に見えないんですけど、
多分その性格が現れてないからつかみどころがないというか、多分そういう感じなのかなっていうのはあるんですよね。
田中 愼一
それすごく重要なポイントで、日本の企業に顔がないってよく言うんですけど、
あれは言い換えると人格がないって話で、もっと言うならば人格、個性、エモーションがないっていう感じですよね。
無機的なんですよね。
僕が一番初めにそれを経験したのは80年代の日米通商摩擦で、
毎今日みたいに、違った意味での日米通商摩擦で、
そのときに発信するときに、とにかくアメリカのトップが、
たとえば生産のトップ、販売のトップは日本人なんですよ。今でもそうだけど。
日本人がトップなんだから、日本人の顔を出してその日本人が語りゃいいじゃんっていう話で、
それがすごく重要だと。
なぜかというと、その当時の日本の自動車会社各社はですね、
全部顔にはみんな外人出してたんですよ、アメリカ人。
でもタイトルは副社長みたいな立ち位置で、
お前社長出せって話ですよね。
そうするとそういうのは傀儡だってすぐわかっちゃうわけですよ、外から。
そしたらやっぱり人格を持った、とにかく個人として発信させるっていうんで、
日本本社とロサンゼルスのアメリカ反社の本社は、大反対という発信のやり方に。
冗談言うなと。
一方、生産会社のほう、これはオハイオにあったんだけども、これは大賛成。
ここにもその当時の状況の認識の差が出てくるわけですよ。
販社はその頃売れてたんで、反日感情はすごかったんだけど、
車は売れてるんですよ、飛ぶようで。
だから何の心配もしてない。危機意識が全然醸成されてない。
ところがものづくりになると、採用しなきゃいけない。
地域社会との関係がある。ありとあらゆるアメリカの部品を使わなきゃいけない。
もうさまざまなものが出てくるとなると、人格がないとダメなんですよ。
世論の味方に作られない。
そこで結局結論は人格で走りました。
そのときは販社の社長が基本的には英断を下して、日本の本社と談判して、
それでそっちの方向に降っちゃったって感じで。
そこからはどんどん日本人を出すようになった。
でもあれは正解だったと思います。
それによって世論がついてきて、最終的な人格が誰だったかと、
本田宗一郎になりました。
だから本田宗一郎を見れば、いかにも今ヒロさんが言ったように、
彼の個性とか性格とか、あるいは彼の感情。
彼のやったスピーチっていうのはすごかったんだけども、
アメリカ人でもその三つ三味一体を感じる人格、個性、エモーション。
これがグワッと伝わるようなスピーチ。
15分ぐらいだったんですけど。
やっぱりやったっていうのが重要だった。
その後、もう何十年以上経ってるんですかね。
米国との比較とリーダーの役割
田中 愼一
それなのに日本の企業のトップは、まだ世界で顔を持っていない。
これはさっき言った、リーダーのコミュニケーション力が逆に相対的に遅れをとってるっていうのと同じことで、
いわゆる顔になるような人格、個性、エモーションを持ったトップが、
日本には数が圧倒的に少ないってことでしょうね。
高木 恵子
なんかこう、自分が顔になるっていうか、自分が有名になろう、
有名って言い方、ちょっとね簡単な表現になっちゃうけど、
でも顔になる、要は知られる、有名になるっていうことが一つ、
社長の仕事のように欧米の人って思ってるような気がする。
そうなんですよ。でも、日本の社長さんって、あんまりそうじゃないですね。
中川 浩孝
どっちかっていうと個人を殺しますよね、どっちかっていうと。
高木 恵子
数字をちゃんと作る。
田中 愼一
基本的にはですね、自分が目立つっていうのは間違いだと思ってるんですよ。
男は黙ってサッポロビールじゃないけど、とにかくしっかりと仕事をやりきればいいことであって、
でしゃばってCEOがベラベラ喋るっていうのは、これは大人げないっていうか。
しかも自分が有名になりたいっていうのは自我の欲求だろうと、煩悩だろうと。
事実そうですよ。やっぱり有名になりたいっていうのは誰もが持ってる煩悩ですから、ある意味ね。
だからそういうのはっていうのが底辺にあるわけですよ。
煩悩とリーダーシップ
田中 愼一
でもそれはそれでね、僕は尊重しますけど、でもそれだけじゃやっていけないっていう。
例えば欧米流のその煩悩を利用して、俺プライドあって有名になりたいんだっていうのをうまく使ってますよね。
だから煩悩もレバレッジしてるっていうひたたかさ、これはやっぱり欧米のリーダーには強く感じますね。
煩悩さえも利用してしたたかにやるっていう。
日本人は煩悩は消さなきゃいけないと思ってるから、煩悩は否定派なんですよ、ほとんど。
中川 浩孝
逆にそこは仏教のせいかもしれませんよ、そしたら。
田中 愼一
逆に言うと仏教なんですよ。
仏教も後半戦になると、そこあたりに気づいて煩悩を生かすっていう発想になる。
これが密教ですね。
だから仏教はまさにその通り。
いわゆる煩悩をいかになくすかで走っていく。
だからそういう意味であるんだけど、そこはもっとしたたかにならなきゃダメですよ、日本のリーダーは。
高木 恵子
そうですよね。
あと私もほんとあんまり詳しいことは言えないんですけど、
外国人のトップの方の、ほんとすごい有名な方で、
記者からの記者発表会があったときの、ほんと数秒前ぐらい、会場に入る数秒ぐらい前に想定QAをもらって、
パパパパって読んで、多分秘書なのか、本社の広報のトップの人と、
この質問はどういう意味?これでいいの?これでいいの?パッパッパって確認して、
で、会見のとこにボンって会場に入っていったんですよ。
その中の質問、それって当然我々PR代理店というか、外部の人間がある程度クライアントと準備するじゃないですか、QA集みたいなの、想定QA問答っていうのをすごい時間かけて作るんですけど、
実は実際こんな直前にもうこれしか使われないのかっていうので、ちょっと私は自分の仕事に対しての少し残念感は感じたんですけど、でもほんとその数秒で
パンパンパンって確認して、これってこうだよねっていう。で、多分これっても日頃、そのだからまあ社内というか広報担当ときちんと、
何て言うんですかね、意見が合ってることなんだと思うんですよ。で、その中のもちろんわかりやすいのは、このトランプの関税問題。
で、どうやっぱりインパクトがありますかって、今って絶対どこの企業でも聞かれるじゃないですか。
だからそこは当然もう、あの社内でもこう議論があったり、あとそのもちろんトップ自体の考えっていうのが、もうきちんと言語化されてて、それが社内に、
まあその社員の末端まで降りてるかはわからないですけど、ある程度のもちろんあの
マネジメントチームぐらいにはきちんとシェアされてて、そこでこれってこうだよね、これでいいんだよね、こういう回答でいいよねっていうのがもうポンって数秒で、
はいそうですみたいなことでバッとこう会見上に入ったっていう、やっぱそこの私数秒間を見てて、まあ数十秒間かな。
これってやっぱりだからプリパレーションが違うんだろうなっていうのと、やっぱりそのトップの、
トップが常に自分が何を聞かれてもきちんとこうやって回答できるっていうのを自分も用意してて、それがちゃんと同じなんだろう目線で社員の人たち、社員というか周りのチームとシェアされてるっていうのがもう準備をされてるのはやっぱ素晴らしいって思って、
これがいわゆる日本企業、日本リーダーっていう大きなチームになったときに一番欠けてることなんだろうなーっていうのを、すごい目の前にしちゃいましたね。
田中 愼一
すごい経営者っていうのは、これは日米問わずだけども、広報を単なるスイッチオンの役割とか考えてないんですよ。
たぶん広報が持ってる知識レベルよりも圧倒的に、トップが持っている、優れたトップはですよ、プルーフポイントが全部整理されてあって。
よくQ&A早く作れってよく言うんだけど、Q&Aを作れって言っているリーダーほどダメなリーダーはなくて。
あくまで広報にそういうのを出させるのは、いわゆるスイッチオンするためにパッと見て記者が誰かっていうのを知る。これは広報なんですけど。
あとそれをどういうプルーフポイントを使ってどういうメッセージを打ち出すかっていうのは、もうすでに頭の中に広報以上に持ってるわけですよね。
中川 浩孝
そういうことですよね。
田中 愼一
そういう人は決してQ&Aなんていうのはいちいち見ませんよね。
パラーッと見て、自分をスイッチオンにすれば自動的に流れてるように話が出るっていう人たちっていうのはかなり優れてますね。
ただ日本のビジネス経営者の人たちは逆なんですよ。広報に頼っちゃってるわけですよ。
だから本当の優れたリーダーって広報に頼っちゃいけないんですよ。
自分の日々の対話とかミーティングとかいろんな場での情報収集だけじゃなくて視点の収集とかいろんなものを、
自分で直接受信し、自分の頭の中に数多くあるサポートデータとかプルーフポイントっていうのを整理する。
自分のメッセージ構造の中に整理してちゃんとできてるんですよね。
だからそこに大きな差、事象面での差が出てきます。
日本のトップはそういう人いない。トップでいたかな、日本人でそういう人って今まで。
ちょっと今思いつかないからいないかもしれないですけど。
情報整理と準備
田中 愼一
欧米のエグゼクティブには舌を巻くことありますよ。
高木 恵子
そうですよね、ほんと。
田中 愼一
そうすると広報のトップの役割が変わってくるんですよ。
高木 恵子
あー確かに。
田中 愼一
つまり役に立たなきゃお前って言われちゃいますから、広報部門ってのはどっちかというとCEO直轄に近いってところなんですよ。
そうするとやっぱり広報の在り方もガラッと変わってきて、
もちろん従来通りQ&Aをちゃんと整理してなんとかっていうけど、
でも重要ですけどその違いはありますよね。
高木 恵子
すごいもう目の当たりにしちゃいましたね。
田中 愼一
そこの差って大きいですよね。それはやっぱりトレーニングやってるんですよね、たぶん。
高木 恵子
年に1回とか2回のトレーニングじゃなくて、
たぶん常にちゃんとコミュニケーションをチームととってるんだと思うんですよね。
田中 愼一
実際に現場でそれを回してるんですよね。
先週やった外人の人はさすがにだなと思ったのは、
僕が言ったときに、これは今日習っただけで知識を得たからってできるもんじゃないよって。
大事なのは今日は型しか教えてないんで、
型を日々のコミュニケーションで回していくことが、
より自分の中にあるプルーフポイントを強化する。
さらにその精緻化と同時に整理をする。
さらに自分の基本メッセージって何かっていうのを確認する。
さらにはその基本メッセージを伝える上での自分のストーリーっていうのがどう進化するのか。
ここあたりを絶えず考えていくためには、
日々の、たとえ部下との対話でも、あるいは新入社員との対話でも、
家族との対話でも、ありとあらゆる対話でそういうふうに検証し続けるとか、
適応していくっていうのがやっぱり持続的な力を取っていくわけですよね。
優れたリーダーの家族に対するコミュニケーションの緻密さっていうのは僕はよく驚かされるんですけども。
子供や奥さんに対するコミュニケーションが、これはアメリカ人の例ですけどね。
ここまで緻密にやるんだっていうのに驚かされた。
だからたぶん彼はその態度っていうのは、仕事してるときも同じ態度なんですよ。
だからたぶん今僕が言ったようなプロセスを、誰に対しても一つ一つの人との対話っていうのを、
家族であれ仕事であれ大切にしながら進んでるっていう習慣がついてるんでしょうね。
高木 恵子
そうですね。確かに。
田中 愼一
なかなか面白いですね。
ただそういう可能性を持った人は増えてると思うんですけどね。
高木 恵子
だから逆に本当は若い人たちにもっと今から磨いてもらって、早くそういう人たちがリーダーになったら、
なんかこう日本人のコミュニケーション、その対外的なコミュニケーションが変わってくるような気がしますよね。
田中 愼一
そうですよね。日本も国策として発信力っていうね。
高木 恵子
そうそう。
田中 愼一
もちろん軍事力を強めるとか経済力とかありますよ。
でも安全保障という視点に立って、いわゆる日本は単に軍事力を作るだけで日本を守れないわけで、
であるならば発信力っていうのを戦略的に作り上げていく。
組織なのか、機関なのか、インスティチューションなのか。
あるいは現在ある教育機関に対する改革。
カリキュラムの変更とかいろいろなものをして、組織的に発信力を強めなきゃいけない時代になってますよね。
だから開国して、いわゆる明治維新のときに、
日本はやっぱりなんて言っても海軍国ですから、とにかく海軍力をどれだけ作るかっていうのに必死になって、
短時間で世界の5大海軍力を持つ国になったわけですよ。
戦前ね。
それで日露戦争に入っていくわけですけども、
それと同じような発想で発信力を構築していくのは絶対的に必要だと思いますけどね。
イメージで言うと、受信・発想・発信を一元化したような組織って言うんでしょうね。
ホワイトハウスがそれに似たような構造を持ってるんですけどね。
あそこもオバマのときの話かな。今はトランプは知らないけども。
かなり人数の人間が何百人単位で、
受信機能と戦略機能と発信機能。
受信機能はアメリカのほとんどの情報局がどんどん情報を入れて、
それをホワイトハウスで分析して、自体を掌握する。
そこを今度は戦略会議みたいなのがあって、
そこには大統領と主席補佐官とコミュニケーションのヘッドがいて、
そこで今日本日の大統領のメッセージを作る。これも戦略ですよね。
大統領がホワイトハウスから発信するメッセージは強烈な影響力がありますから、
ミサイルを発射したと同じ威力ぐらいはあるわけですよ。
だからそこで今日の大統領のメッセージを決めて、
今度決めたら今度発信ということで、それをどこで発信するのか。
ホワイトハウスかローズガーデンでやるのか。
さらには各マスコミにはどういうふうに伝達するのか。
そのときのスピーチはどうするのか。
ととの舞台が動いて、基本的にはそこで発信されるっていう仕組みがあって、
結構かなりの人数が選挙活動をやったときのチームが入ってくる。
選挙はコミュニケーションの戦いですからね。
だから受信、戦略、発信を組織的にやってる組織としてはホワイトハウスの中にあるだろうなと思います。
けいこさんがおっしゃってた、各担当社内に通達する方法。
みんながトップのメッセージと、社内もそのメッセージを共有するってお話されてましたよね。
あれすごく重要で、少なくともオバマのホワイトハウスのときは、
大統領のメッセージが決まると、トーキングポイントっていうのが作られて、
これが本日大統領のメッセージです。
トーキングポイント、つまりこの範囲を越えて言うべからずっていうのが出てきて、
それが各長官に伝達されるわけですよ。
それが日本でできてない話ね。
発信力の重要性
田中 愼一
日本の政府っていうのは、大臣が勝手なことを結構言う。
中川 浩孝
バラバラですよね、本当。
田中 愼一
第一、本日の首相のメッセージなんて作ってないんですから。
だからこれを取っても、ホワイトハウスと首相官邸取っただけでも、
この力の差って感じません?
高木 恵子
確かになるほど。
田中 愼一
そうですね。
中川 浩孝
特に僕なんか、有事対応のクライシスコミュニケーションやってるから、
田中 愼一
だいたい有事対応で失敗する企業って、共通項がたくさんあるんですね。
全部7つか8つぐらいあるんだけど、
そのうちの一つが、受信、戦略、発信を一元化できない。
クライシスのときほどこれを一元化しなきゃいけないんですよね。
一元化っていうのは、ほとんどが受信が別の広報部がやってて、
戦略は経営部がやってて、
発信が弁護士事務所とかPRエージェントとか、
それぞれがバラバラになって、完全に一元化されてないんですよ。
一元化してないと、とてもじゃないけど有事対応には生き残れません。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
全部一元化されてない。
だからクライシス始まったら、まずは一元化できる体制作らなきゃいけない。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
だからやっぱりそういうことから見ると、
ホワイトハウスと首相官邸比べていいのかどうかわかりませんが。
首相官邸の仕組みもいろいろと。
中川 浩孝
だいぶ昔よりはまとまったのかなと思ってたんですけど、まだまだやっぱり進んでますね。
田中 愼一
昔よりはいいと思います。
昔よりはいいけど、でもやっぱり受信戦略発信の一元化って誰が言い出さなきゃいけないかって言うとトップなんですよ。
じゃないと、みんな勝手に利害関係持ってるから。
例えば受信だと警察から自衛隊から公安が飛び出してくるし、
戦略となると誰だって言うんで、それで官邸に行くと、
経産省の流れとか、いやこれは環境省だとか、外務省、経産省、あと財務省ね。
ここあたりが暗躍して、みんな送り込んでるでしょ。
送り込んでる人たちっていうのは、ボスは首相じゃなくて、
自分が出身母体の事務次官ですよ、はっきり言うと。
こういう意識はまだ強いと思いますよ。
僕はある程度関係したときは、そういう意識が強くて、
やっぱり一元化は首相が明確にそれを断言しないとダメなんですよ。
だからそういうことと同時に、やっぱり官邸機能を強化しなきゃいけない。他の各省と比べて。
これは安倍政権ではかなりやってた。
だからやっぱり一元化っていう、戦略発信の一元化は有事対応の場合は絶対マストで。
今このトランプ現象なんかにも見られるように、世界は有事ですから。
だから有事対応にギアチェンしなきゃいけないんですよね。
まだ平時のつもりでいるとね
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