トランプのコミュニケーションスタイル
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
みなさん、こんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。 コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーションが命。シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPRコミュニケーション業界に転職して約30年、高木恵子です。
中川 浩孝
外資企業でマーケティングを経験してきた、アメリカ在住中川浩孝です。
田中 愼一
毎週そうなんですけど、やっぱりトランプが抜けないんですよね。 なかなかね。面白いことばっかりやりすぎて、今日の朝もね、基本的には株価、逆にやばいって言って下がったと思ったら、
いわゆる追加関税90日停止するって、えーって話で一挙に株価が上がっちゃうっていうですね、実に目が離せない。
やっぱりトランプ見てると、少なくともコミュニケーション40年、下手すると半世紀近くやってる人間からするとですね、
トランプのコミュニケーションの特質ってのは、やっぱり非言語コミュニケーションだと思うんですね。
例えば、動き。彼自身が大統領令を受かった瞬間にも、その次の日から大統領令をどんどんサインしている映像をどんどん出してきて、
かつ、そういう動きをどんどん可視化してて、
なんとなくですね、多くの発信は全部ね、執務室から出してるんですよ。
つまり俺の事務所からやってるぜ。つまり仕事やってるぜってね。
だから執務室からの発信、この前の大谷翔平呼んだやつね、あれも執務室に入れたんですね。
はじめ大きなフロアで、その後執務室で。
で非常に発信がホワイトハウスを中心に、自分の仕事場って大統領の仕事場ってホワイトハウスですから、
そこでやってるっていう自分の動きをどんどん示している。
それから、ローズガーデンでというね、ホワイトハウスの中の一部を使ってるっていうのはね、
やっぱりね、実に見事だなと。
トランプが動いてるってのはみんなイメージしてますよね。
何かやってるって。騒がしいし、いろいろ騒ぎを起こしてるけども、
でも少なくとも何かやってるっていう、これの受け取り方がアメリカではある程度、
下手すると人口の半分ぐらいは、何かやってる評価しようっていう流れで動いてるんじゃないかと思うときもあります。
ただそれ以外でも、例えばSNSを直接どんどん出すっていうのも、
あれもある意味、直接話法なんですよね。
本来選挙って間接話法のはずだったのに、
今までは物理的な制約があって、物理的制約の中で発信してたんだけど、
SNSっていう一気に世界に広がっちゃうところで、間接話法を展開すると、
実はより身近に感じるんですよね、受けたほうがね。
だからつまり、選挙の投票率がそれほど高くないってのは間接話法だから、
直接政治家の声聞くってのは、駅で何か街頭演説やってるときぐらいで、あとテレビぐらいで、
SNSで個人の声でボンボン出していくってのは今こそ流行ってるけども、
それでもね、やっぱり内容が面白くないからみんな聞けないんだけど、
トランプのすごいところは、直接話法にちゃんと面白いコンテンツを入れるわけですよね。
みんな聞きたがって、マスコミまで一生懸命聞いてるわけですよ。
しかも閣僚連中もみんな始めてるでしょ。
だからSNSを利用した直接話法の妙というか、
追加関税の影響
田中 愼一
これも彼の非言語の一つの手法だと思ってるんですね。
それからやっぱり、今回のディールって言葉で彼をまとめてるけど、
発動してから交渉する。逆なんですよね。
交渉してから発動するっていうのは、彼は発動しちゃってからね、交渉するっていう。
これ発動しちゃうと行為でしょ。だから非言語なんですよ。
だから彼は行動しちゃうんですよ、先に。
行動して周りがびっくりして、やばくなったって言うんで、
みんな駆けつけてくるわけで、直接交渉しようと。
70カ国か何か知らないけど、日本もそうだけど、あわてふためいてみんな直接交渉し始めるわけです。
そこで一挙に、交渉してから発動する。
つまり交渉っていうのはどっちかというと、語ってるっていう、議論してるっていうステージで、
ことは起こってないわけですよね。人も動いてないわけです。
でも発動するっていうのは、もうことが起こっちゃって、人が動いちゃってるわけですよね。
それを先に持ってくる彼の発信セオリーというのはすごいし、
中川 浩孝
動いちゃいましたよね、実際。
田中 愼一
これ発動したから動いたんだよ。発動しなかったらね、反対してるだけで終わるわけですよ。
でも発動しちゃったから、実害がやってくるっていう恐怖感の中で、こういう感じですよね。
これもある意味彼の非言語で、今日も株価が突然上がったっていうのは、
追加関税に関して猶予を与える、つまり停止するっていうのを90日入れたっていうことです。
株価がボーンと上がって。
印象ですよ、あくまで。実質的に下がったり上がったりは当たり前なんだけども、
印象的にまた株価がボーンと上がったって言うんで
また今日も威勢がいいんじゃないですかね、彼の発信は。
だからいずれにしても、彼の非言語コミュニケーションを扱う妙っていうのは、
これは正直個人的にすごく関心があるし、
オバマのときのコミュニケーションとはまるっきり違ったタイプのコミュニケーションが出てきてるんで、
やっぱりコミュニケーションっていうのは力学だって、前もお話ししましたけども、
いい悪いじゃないんですよ。一言で言うと人が動くか動かないかなんです。
コミュニケーションの力学っていうのは人を動かす力学なんで、
こう見てると少なくとも問題はあるにしても、
国が動いてるっていう世界が動いてるっていうことは間違いなく言えるんですね。
いい方向に動いてるかどうかは別問題です。
だからそういうことで、オバマのときもそうだったんですけど、
オバマを見ていろいろ学んだ人がいるんですね、力学を、コミュニケーションを。
コミュニケーションの力学
田中 愼一
それと同じことが今たぶん起こってて、
トランプのこのやり方を見て、たぶんそこからこれ力学なんだって見つけ出すやつがたくさんいると思うんですね。
問題はそういう人たちが、世界各国でいろいろな産業でいろいろな分野で、
それらを使い始めると思うんですね。
そうしたときに世の中がどこに行くのかっていうと、
やっぱり大切なのはですね、
いい方向に行けばそれはもちろん素晴らしい力になるんですけど、コミュニケーションの力学っていうのは。
でも悪い方向に行くと、非常に社会を破壊するような方向に行ってしまう。
だからそうなると、やっぱり我々としてすごく重要なのは、
コミュニケーションの力学を理解する、絶えず意識する、
絶えず新しいものが出てくるんですよ、今回のトランプに。
そういうのを見つけ出して、自分の認識の中にしっかりとセットするっていうのが、
免疫性を上げると思うんですね。
だから例えばトランプのコミュニケーションのやり方を見てると、
それを真似しようとした人たちの動きっていうのは逆に透けて見えるようになってくる。
ここに狙いはこうなんだなとか、あいつあえてこれだけやばい状況を演出してるなとか、
ブラフをかけてるなとか、いろいろね。
そういういい人も悪い人も、少なくともことを起こすっていう人たちの
コミュニケーションに対する免疫性をちゃんと見極める力が我々一人一人に、
これから求められていくんだろうなって気がする。
高木 恵子
確かに。
中川 浩孝
もちろんトランプさんの場合は、アメリカ大統領という巨大な力を持った人がこれをやっているので、
みんなもオタオタしちゃうっていうところがあるので、
いろんな社長とかのレベルだったら、そういうパワーがもしかしたら活用できるかもしれませんけれど、
これは一般の人が使った時にどういう影響を与えるのかっていうのは全然別の考え方があると思うので、
難しいですよね。
パワーがあるからこそ使える手だっていうのはありますよね。
田中 愼一
でも例えば今回の彼の特徴、発動してから動く交渉っていうのは、
これかなり日常的に使われている手法ですよね。
要するにトップが自ら動いちゃって、こと決めちゃって、
で、ワーワーって言ったときに社員が慌てふためいて、ちょっと待ってくださいって。
で、そこで社長がおごそかに、わかったと。
90日間は停止しようと言ってですね、こういう場面って実は結構我々の日常生活の中で起こってて。
ただそれをね、認識してないんですよ、その作用を。
中川 浩孝
認識してないのか。それはまた全然違いますよね、そうすると。
田中 愼一
認識してないんですけど、トランプみたいな現象が起こっちゃうと認識せざるを得なくなってくる。
自分の日常生活でも認識できるようになってくるんですよね。
だからオバマが出たときはオバマのコミュニケーションのスタイルっていうのは認識されて、
それが日常生活で我々もね、いろんなコミュニケーションのプロポーザルを作るときにはオバマ流の考え方を取り入れてやると。
で、今度トランプが出てきたら、え、こんな世界あったの?って言って、これも作用だなって。
作用として認識し始めると、
たぶん間違いなく僕なんかも、トランプの力学の作用、認識した作用を今後のうちのビジネスにも活用していくと思います。
だからいわゆる作用を認識するっていうのが重要なのかなって気がしますね。
中川 浩孝
そうか、なるほどね。
田中 愼一
だから実証からその作用っていうものを、ある意味で言うと、
僕なんかの仕事、コミュニケーションに携わってる人たちは、我々みんなそうだと思うんですけども、
そういう作用をある程度認識できるように説明して、
一人でも多くの人のコミュニケーション力学に対する免疫性を高めるっていうことっていうのはすごく重要かなって気がします。
前に何か話したじゃないですか。何でしたっけ。
飲み屋に集まって、みんなが集まって、そこでコミュニケーション力学作用を語ろうって。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
そういう場を作ることによって、一人でも多くの日本人にコミュニケーションの力学の作用というものを認識してもらうっていうことが重要かなって気がするね。
中川 浩孝
そうか。
高木 恵子
だからその力学っていう表現をいつも田中さん使うけど、
やっぱりもう私たちも本当有事と平時が別に区別なく、自分のスタンスを決めとく必要がありますよね。
コミュニケーションの力学
高木 恵子
スタンスというか、何が起きてもね、どういうふうに自分が対応していくか、どう相手と向き合っていくかっていう、自分のスタンスというか、自分の指針を持ってないと流されちゃうんだろうなってすごい思いますよね、こういう動きを見ちゃうと。
田中 愼一
あとやっぱりそのコミュニケーションの力学の作用ってどんどん進化するんですよね。
これなんで進化するかというと、人間が変わってくるから。
要するにコミュニケーションっていうのは人を動かす作用なんですけども、人を動かす要素が変化していくんですよ、時代とともに。
そうすると、コミュニケーションの作用も変わってきちゃうんですよね。
だからさっき言ったコミュニケーションって作用っていうのは、物理学も今どんどん変わってきてるじゃないですか。
量子力学が入ってきて、いわゆる時空っていうのはもう絶えず歪曲って形が変わってるっていうぐらいに、
我々の頭の中では時間なんて永遠に時間だと思って、空間は空間だと思ってるけど、
実は時空っていう空間と時間が一緒になると、我々が思ってるような動きをしないわけですよ。
縮んだり伸びたり曲がったりっていうのが起こるわけですよね、時間時空っていうのが。
だからそれと同じように、現代物理学ってどんどん変わってきちゃったんですね、理論がね。
それと同じでコミュニケーションの力学っていうのも、ここはまだわかりやすいのは、人間を動かすっていうところに焦点があるんで。焦点がね。
だから人を動かすっていうことは、人が変わればその動かし方も変わってくるから、作用の仕方ってのは変わってくると思うんですね。
たぶん善人ばっかりになったら世の中、トランプのやり方は糾弾されるかもしれないですよね。でも悪人ばっかりになったらトランプのやり方っていうのは賞賛されるから
だからそういうところも、コミュニケーションの作用って絶えず変わるんだっていうのは理解したほうがいいんじゃないかなって気はします。
トランプと中国の関係
中川 浩孝
外交のところでは同じプロトコルで話してくださいよっていうか、同じやり方で進めてくださいよっていう気がちょっとするんですけどね。
そうしないと事務方の方々とかも、本当に大変だと思いますよね。
田中 愼一
大変だと思うし、前もこのポッドキャスティングで話したと思うけど、ディールっていう、商売、ビジネスで使うディールっていうのと、外交、政治交渉っていうのは違うんですよ。
つまりステークホルダーの広さが全然違うわけで、商売のディールっていうのは、もうステークホルダーが限定されてるからそこだけを視点にして、
配慮してやりゃいいだけの話で、非常にシンプルなんですよ、ディールっていうのは。
でもこっちの政治交渉や外交っていうのはそうじゃないんですね。
真っ向から基本的には360度で見なきゃいけないから、あの人怒らせちゃだめだ。
だからいわゆる細かい配慮が必要になってるんですよ。
トランプは楽なもんですよ、配慮しなくていいんだから。
中川 浩孝
逆に言うとね、でも中国だけが対抗してきたっていうのが、それもなんかすごいシナリオとしては美しいシナリオだなと思って、
まあ、でもこれで今回も結局は向こう側から交渉させてくれって言ってくるっていう
状態になってしまっているので、まあ思う壺もいいところで
逆に言うとねでも中国だけが対抗してきたっていうのがそれもなんかすっごいシナリオとしては美しいシナリオだなぁと思って
まさかここも計画されてないですよねって気がちょっとするくらい怖いんですよね
田中 愼一
中国はどっちが主体に今話しました中国アメリカどっち
中川 浩孝
アメリカ中心に考えた時に
田中 愼一
そういった時にあれはね上手い演劇だと思う
中川 浩孝
うん演劇に見えますよね、もうこうなってくると
田中 愼一
あれも非言語ですよある意味中国の動きを可視化して
中国があえて中国を怒らせて
で中国とバトルする
中川 浩孝
いやまさにそうなんですよねで今回やっぱり中国だけちょっと他と違って
おかしいでしょっていうなんかもうストーリーを完全に作り上げたなぁと思って美しいなぁと思っちゃったんですよね
中川 浩孝
ある意味
田中 愼一
思っちゃ困るんだけど
でもさあれは素晴らしいと思う
中川 浩孝
美しい敵対関係がだって現れたわけじゃないですか、これでこれによって
田中 愼一
あれはですね
基本的にトランプやるかなというふうに思わせるメッセージが出るんですよ
要するにあれだけ過激にね少しでもお前反撃するような素振り見たら
中国みたいになってしまうからなっていう
一つのこうなっちまいたいっていう他の国に対するメッセージですよ
中川 浩孝
見せしめですよね
心配の仏教的意味
田中 愼一
だから対抗措置取ってるところってないじゃないですか
ほとんど
中川 浩孝
そうなんですよね
そうなんですよ
田中 愼一
素晴らしいですよね、こういう
中川 浩孝
すごいすごいよくできたストーリーだなぁと思っちゃいますよね
田中 愼一
すごくねうまく今のところできてる
だからこれはまだ研究対象としては非常に面白いから
毎回ポッドキャスティングの時にはずっと出てくるんですよね
中川 浩孝
今日のトランプ
田中 愼一
でもそういう意味では確かに心の配慮っていうのがないですよね
高木 恵子
心の配慮そうですよね
中川 浩孝
まあでもそこがね日本は日本の人はいい人だみたいなのを言うっていうのがちょっと入ってたのが面白かったなっていうくらいですよね
田中 愼一
だから逆にねあのなんだろう
実はトランプ流の心の配慮があるのかなと
高木 恵子
彼なりのね確かに
田中 愼一
彼なりの多く大谷翔平を呼んで
中川 浩孝
あーそうでしたね
高木 恵子
そうそうそう
田中 愼一
なんか日本に対してなんか配慮してるなって気がしてますね
高木 恵子
そうそうねやっぱりあの大谷君を褒めるというか
こう持ち上げることできっと日本人がね喜んでくれるって
田中 愼一
日本人はあれ見てますからね
高木 恵子
そう喜ぶって絶対わかってるわけですからね
田中 愼一
だからあそこあたりの大谷翔平の使い方なんか
あれ全部報道されてますからね
中川 浩孝
そうですよね
高木 恵子
だから
なんかむしろこう正直にっていうか素直に
なんかこう優しい言葉とかいい言葉を性格的にかけれないんじゃないんですかね
トランプさんってもしかしたら
中川 浩孝
好きな子に意地悪しちゃうタイプですか
高木 恵子
そうそうそうそう
なんかいいとか悪いとか
いいねとか優しいとか
すごくいい言葉をやっぱり言えないんじゃないですかね
田中 愼一
たぶんそこは一つのトランプの秘密で
多分オバマに会うよりも
トランプに会う方が威厳を感じるはずなんですよ
高木 恵子
なるほど
田中 愼一
逆に言うならば会う人に緊張感を与える
高木 恵子
そっかそっか
田中 愼一
トランプの方が
何しでかすかわからないっていう
今言ってても10分後に悪口言ってるんです
だから予想がつかないとか何しでかすかわからないとか
言葉も悪いし
でもちょっとした言葉悪くても優しい言葉かけたら光っちゃうとか
だから逆に言うとね
オバマとか歴代の大統領以上に彼と会わないとわからないんだけども
でも会うと
いわゆるGAFAの連中とかITタイクーンの人たち
ある意味やっぱりそれにやられちゃったんじゃないかと思うぐらい
会ったことがないんでわからないですけど
高木 恵子
なんかギャップかもしれませんねギャップがあるのかもね
中川 浩孝
それは面白い視点ですね
高木 恵子
ギャップ確かに
ギャップって一番強く残りますよね
田中 愼一
いろんなリーダー見てるとそういうリーダーにもいますよ
高木 恵子
確かに確かに
田中 愼一
特に自民党の今の世代じゃない前の世代の人たちはそういう人多かった
名前は言わないけど
そのギャップゆえに
なんというか
神経使うっていうかね
中川 浩孝
なるほどね
高木 恵子
ギャップってやっぱりすごい
良くも悪くも印象に残りますもんね
田中 愼一
そうすると人が動いちゃうんですよね
高木 恵子
そうそうそうそうかもしれない
そうですよね
中川 浩孝
なるほどね
田中 愼一
そういう意味ではなかなか
それで実はある本読んでいたら
さっき心配
心配するの心配ってわかりますよね
中川 浩孝
はい
高木 恵子
心を配る心配ですか
心配
田中 愼一
心配そうそう
心配って言葉があって
心配って言うとどういう風にイメージしますか
中川 浩孝
気になるってことですか
田中 愼一
心配って言うと一番思いつくのは不安なんですよ
高木 恵子
あーまあ不安気になる
私も気になるかな
田中 愼一
心配になるな心配するって言うと
どっちかというとネガーの取り方で
中川 浩孝
悪い方向の確かに懸念を示す場合の方が多いかもしれないですね
田中 愼一
多いですよね心配する
いや今よく心配してるんですよとか言わないですよあんまり
高木 恵子
確かにね
田中 愼一
いや心配なんですよ
どうしてこんなに心配なのか
ある意味ちょっとネガティブな感じの時に心配って言葉が出てくる
中川 浩孝
確かにそうですね不安な感じは確かにありますね
田中 愼一
分かんない
ところがですね
確かに僕の場合は
いろいろその仏教書なんか読みますよね
中川 浩孝
はい
田中 愼一
突然今週だったかな
一つの言葉が出てきて心配って言葉が出てきたんですよね
これ仏教用語でもあるらしいんですよね
仏教用語のルーツでこの心配ってどういう意味かというと
今けいこさんが言った心を配るって話です
で実は心を配るっていうのが非常に仏教にとって重要な話で
大いに心を配れっていうつまり大いに心配しろっていう話なんです
いわゆる心配するっていうのは
例えばですね
自分の心を配るって言った時にどういう意味だと思います
配るっていう
中川 浩孝
いろんな人のことを気にかけるっていうことなんじゃないですか
田中 愼一
そうですねそういう一つありますね
相手に心を配るっていう
これ一つあるんですよね
これからねもう一つはね
自分に気を配る
つまり
いわゆるこれは僕の言葉で言うと自分との対話に近いんですけど
自分の心の奥に何があるのっていう形で
自分がなんであの時怒ったんだろう
なんで自分は今悲しんでるんだろうっていう
そういうことを探る配る
自分に対して心配っていくっていう
っていう配る
それから
あとこれは仏法
宗教の場合仏教の場合仏法って呼ぶんですけども
仏法に気を配るっていうこともあるんですよね
仏教で言ってる心配っていう
これ仏教用語らしいんですけども
3つの意味があって
相手に気を配るというか心をね
配る相手に配る
ある意味慈悲とか
親切にするとかそういうことですね
心を配ることの重要性
田中 愼一
それから自分に心を配る
自分の中に心を配る
それから仏法という一つの
思想というか
そういう思想に対してそれを理解するためには
その中で問われている様々な事柄に
心を配って
より深く心を配っていくっていう
心をどんどん刻んでいくような発想なんですね
この3つの心を配るっていうのが心配ということで
表現されていて
基本的にですね
ある有名な
これは誰が言ってるのか
禅師だな
禅のお坊さんがですね
真理に接するにはできるだけ深く心を配る
つまり真理っていうもの
さっき言った仏法っていうのは真理なんですけども
あるいは真理っていうのは別に仏法じゃなくてもいいんですけど
我々にとって真理っていうのは
この真理に接するにはできるだけ心を配れと
心は決して痛めてはいけない
それから心
さらには心にとらわれてはならない
ここからが面白いんだけど
コロコロと流れるように
心を配らなければならない
高木 恵子
えー、なんかよくわかる
田中 愼一
よくわかんないと思ってね
高木 恵子
なんかよくわかりますよ
田中 愼一
わかるすごいすごいすごい
高木 恵子
わかる
なんかよくわかる
田中 愼一
もう一回読みますよ
真理に接するにはできるだけ深く心を配る
心は痛めてはいけない
高木 恵子
すごいよくわかる
田中 愼一
心にとらわれてはならない
高木 恵子
よくわかる
田中 愼一
コロコロと流れるように配らなければならない
以上
高木 恵子
すごいよくわかる
田中 愼一
これ言ってすぐわかった人
やっぱり霊感新たなるというか
すごいね
けいこさんね
ひろさんどうだった今の
中川 浩孝
うーんなんか
わかるところもあるし
よくわからないところもあるしって感じですかね
田中 愼一
けいこさんの解釈を教えてください
高木 恵子
でも日々自分でやってるからわかる感じです
田中 愼一
すごいね
これは禅僧の言葉ですよね、有名な
高木 恵子
そうなんだ
でも相手にも自分の心も
だから気を配ってるってことですもんね
自分の
田中 愼一
まあ気を配りますけど
高木 恵子
だからあんまり自分の心にもとらわれないし
自分は何でこう思ったのか
ちゃんと自分のことも見つめたり
相手に対しても
心を配るっていうので
田中 愼一
いいですね
このコロコロ
中川 浩孝
コロコロと流れるようにっていうのが
ちょっとどういう感じのことなのかなと思って
高木 恵子
言い方変えると
だから流れに身を任せるってことですよね
中川 浩孝
そういう意味か
高木 恵子
私の解釈としては
中川 浩孝
とらわれないっていうか
そういう言葉も出てきてるから
高木 恵子
だってこういろんな状況が
世の中日々降りかかってくるのに
そこに自分の我をして
やらなきゃいけない時もあるかもしれないけど
起きてしまったこの流れって
多分もう必然的に起きてるわけだから
身を任せる
流れに身を任せる
だからそこはコロコロっていう
心をコロコロするっていうことなんだろうな
そうしとかないと
自分に執着してここで止まっちゃうと
その流れに乗れなくなります
逆に言うと
田中 愼一
心を痛めるしとらわれて
高木 恵子
そうそう痛めちゃうんですよ心
田中 愼一
真理がわかんなくなっていく
高木 恵子
だからもう降ってきた
もちろん衝撃はあるけども
ただこの流れに
自分をだから
身を任せる流れに乗せるっていうと
心がコロコロになるのかなと思って
田中 愼一
僕も納得今
腹落ちしたな
これからちょっとそういう言葉
結構あるんですよ
高木 恵子
そうですか
田中 愼一
なんとなく心を引きつけられるんですよ
引きつけられるんだけど
理解できないっていうかわかんない
もう少し腹落ちしたいっていう
不完全燃焼しちゃうんですよ
だから今度は
中川 浩孝
そういう時はけいこさんに聞けばいいんじゃないですか
田中 愼一
今日のポッドキャスティングでの
けいこさんからの解釈をですね
この言葉でお願いしたいと思います
高木 恵子
仏教の専門の人たちに怒られそう
そんな私の
田中 愼一
案外ね
仏教を専門にしてる人たちも
本質わかってないんじゃないかと思うくらいに
自然に我々の日常生活の中から
納得いくような説明っていうのがすごく重要で
日常生活からかけ離れたところにないわけですよ
真理っていうのは
心の流れを理解する
田中 愼一
そういう意味で言うと
心配っていう言葉っていうのが
これは別にネガティブじゃなく
逆に非常にポジティブな発想で
配ることが重要なんだと
誰に配るのって
相手に配るのは理解できたんだけど
自分に配るも
まあなんとかね
自分にも
そういう心を配らなきゃいけないんだってのは
わかったんだけど
それをやることによって
真理がよりわかるっていうのが
いまいち腹落ちせず
心がわからなかったというかね
だから
いま明快なお答えをいただきまして
どうもありがとうございます
これからけいこさんのことを
もっとちょっと別な呼び方で
高木 恵子
やめましょうよやめましょうよ
田中 愼一
でもびっくりしたのは
当たり前のように受け取ってたから
けいこさんが
高木 恵子
いやでも改めてなんかそうやって
言葉で言われると
ああやってるなっていう
あんまり別に
ああなるほどなるほど
そういうことかっていう風に
私は腹落ちがした感じでして
田中 愼一
なるほどね
なるほどね
高木 恵子
いやでも
いまなんかこんな風に思ってますけど
なんだろう昔はそれなりに私も
苦しい悩みっていう時期は
田中 愼一
でもそれをね
今みたいにそういうのは解釈できるようになるためには
どういうことを努力してきたんですか
高木 恵子
やっぱりその問題にちゃんと
逃げないで自分でこう
考えることですよ
何か起きた時に
田中 愼一
逃げないっていうことですよね
高木 恵子
そうそうそう
かな
田中 愼一
今逃げないの後に何て言いましたっけ
高木 恵子
だから問題に逃げないできちんと
この正面から取り組むってことですよ
田中 愼一
取り組むか
逃げないっていうのは確かに
僕の頭の中にも
逃げないって言葉を言った人がいて
ちょうど僕がホンダにいた時に
社長をやってた川本さんという人がいてですね
研究所のトップでその後社長になったんですけど
ホンダ全体のね
僕がアメリカにいた時にしょっちゅう来てて彼は
僕としては非常に尊敬する人だったんだけども
彼がよくね
あの当時アメリカに来るとしんちゃんしんちゃんって呼ばれてたんですけど
僕が聞いたのかわからないけど
記憶にあるのがですね
彼から逃げないことだっていうのが
一言が今でも頭にあるんですね
その場はたぶんねデトロイトあたりだったかな
だから結局世論と向き合って
いろいろな活動をしている中で
当然ある意味その人種差別的な発想っていうのが
紛れ込んでいくんですね
あの当時の80年代は
今ちょっとそれが変にまた出てきつつあるみたいですけど
アメリカで
その人種偏見っていう感じの部分が
もうすぐ貿易赤字と
いわゆる通商摩擦と絡んできたってことで
だいぶきつい状況にあったっていう環境もあったんでしょうけど
その時に彼が逃げないことだって
俺も社長になるとは思ってなかった
その当時はもう一人の副社長だった
入交さんが社長だろうって言われてた
だから入交さんで
川本さんじゃないだろうと
8割の本田の人間は入間尻さんがなると思ってたんだけど
基本的には川本さんだったんですね
その時にちょうど僕役員室に
広報だったからパッと用があって入ってって
社長になったっていうばっかりの
アナウンスがあったばっかりの次の日だったかな
ちょうど大部屋なんですね
役員室ってホンダ場合
席がないんですよ基本的に
社長の机があるだけで
代表権持った人たちっていうのは
あの時3人ぐらいだけど
小さな小学生並みの机しかなくて
それもオープンフロアの中にポンと置いてあるだけ
あとはロビーみたいになって座って
みんなで語り合うっていう
そういう場合になってた
行ったら他の役員との話で行ったんだけど
行ったらもう一人ポツンと立って
途方に暮れてるような姿で立ってたんで
あれやっぱり想定外だったのかなと思って
取材の打ち合わせということで
取材のときの社長の打ち合わせのときに
川本さんおめでとうございますって言って
話したらうーんって言い始めて
でもね俺やっぱりね
逃げないことにしてんだよって
あそこで一言言った
だからその川本さんから逃げない
逃げないっていう言葉がねあったから
あれは多分僕に対して
昔デトロイトにいたときに言った言葉だけではなく
やっぱり本人自分に対しても
それを言い聞かせてたんだろうなっていう
だから逃げないって確かにすごく重要なこと
今でも僕はなんか状況が厳しくなったときに
逃げないっていう風に
というか真剣に取り組むっていうのを
逆に自分に自己暗示かけてますよね
だからやっぱりそういうことなんでしょうね
恵子さんが言ってること
高木 恵子
逃げないっていうのは
なんて言うんだろう
問題に向き合う姿勢
高木 恵子
その困ったことをちゃんと考えるってことですよね
田中 愼一
なるほどね
高木 恵子
逃げないっていうのは
田中 愼一
(逃げるというのは)考えないってことですからね
高木 恵子
そうそうそう
考えないことが逃げちゃうことだから
いろんな問題とかに困ったことに直面したときに
あえてきちんと向き合って
自分で解決を見出す
それを別に誰が何を言っても
自分が納得する回答であればいいわけじゃないですか
だからその問題に対して
ちゃんと自分で向き合って回答を出す
どうするか
その結果として逃げるのが
もし自分が決めたことだったら
リーダーシップとクライシス対応
高木 恵子
それは私それでもいいと思うんですよ
もうその嫌なことから逃げるっていうのが
自分の結論だったら
それでもいいと思うんですけど
要は自分の今起きてる事象に対して
きちんと自分で
自分が納得する回答を出すっていうことを
やっぱりやり続けないといけないなっていう
田中 愼一
よくクライシス対応してるときに
トップの人が逃げる場合と逃げない場合で
クライシス対応が全然変わってきますよね
ここがね別れ道になるんですね
リーダーっていうのは多分
一番の別れ道って実はそこで
問題がボーンと出てきたときに
逃げるのか逃げないのか
で問題は
僕は逃げるという判断っていうのは
僕は逃げるっていうふうには解釈しないで
少なくとも考えた上で逃げるわけですよ
だから少なくとも向き合ってるんですよ
逃げてはいないと僕は思うんですね
だから基本的にはそういう事態にあったときに
やっぱり逃げてばっかり
だから今フジテレビの実証がたくさん出てるけど
あれは一回目の
対談っていうのは
完全に逃げ越しで設定してからあったわけです
考えてないんですよ
しかも考えるっていうことは
特にクライシスのときは
なるべく多くの意思決定者がいるわけで
一部の意思決定者だけで決定しちゃダメなんですよ
結局あの記者会見知ってた人っていうか
あれを発表する知ってた人って
3人ぐらいしかいなかったわけでしょ
他に意思決定者他にいたはずなんですよ
フジグループフジテレビグループなんて
それが一部の人間だけで考えて
しかも一部の人間は逃げ越しで
なんとか事なきを得ようって
誰が考えたかわからないけど報道機関は入れるなって
自分の報道機関のくせに報道機関入れない
バカがいるかよとね
あの映像抜きだっていう
ありえない判断が出てきちゃうわけです
あれ完全に逃げ越しだから
だから向き合って考えるってことやってないんですよね
そこはね結構リーダーの分岐点ですね
逃げるか逃げないかっていうのは
高木 恵子
確かに
田中 愼一
まあね向き合うって言葉もあるんだろうけど
何でもね
それを重ねていくと今みたいにコロコロがわかってくるわけですよね
了解しました
高木 恵子
まあまあコロコロそうですね
田中 愼一
これからコロコロって言葉を使いますよ
コロコロでいきましょうよコロコロで
高木 恵子
でもなんかそういう風にしてた方が
自分が苦しくならないと思いますよね
田中 愼一
そうですよね
心を痛めないってそういうことだと思うんですよ
高木 恵子
その方が
結果的には自分が楽になるような気がします
田中 愼一
そうですね
恵子さん見てるとあれだもんね
往生際がいいよね
高木 恵子
そうそう往生際
田中 愼一
思わない?
そう思わないですか?
往生際すごくいいでしょ
本当に
肝が座ってるというかね
驚かないもんねまずね
心では驚いてるのかもしれないけど
そういう風に全然出ないもん
高木 恵子
そうですか
田中 愼一
お客さんと話してて
こっちなんかもう
アップス&ダウンでも心が動揺しまくってるのにさ
顧客のコメントの一つに
高木 恵子
そうですか
田中 愼一
全然動揺してない雰囲気なんでね
非常にクライアントミーティングの時には
連れてった方がいい人ですね
高木 恵子
そんなことはないですよ
田中 愼一
多いにあると思いますね
コロコロ哲学ですね
心がけましょうコロコロ