田中 愼一
ここ最近結構いろんなね、プレゼンテーションのトレーニングのリクエストが来てるんですね。で、僕もですから、コミュニケーションの視点からね、コミュニケーション的覚からプレゼンテーションというのはどういうものなのかっていうのを解きながらトレーニングを施してるって言うんですけど、
本当に立て続けにそれがあったんでね。昨日は結構ね、それを日本語じゃなくて英語でやらなきゃいけなかったんで、だから結構気づかれ、僕自身も一応帰国子女とは言っても別にネイティブじゃないんでね。だから結構それで疲れたと。
で、やっぱり英語でやるのと日本語でやるの違いっていうのは、英語では体全体で表現しないとダメなシーンが結構あるなって気がついたんです。だからどっちかというとですね、語るというよりも運動してるって感じ。
3時間半ずっと運動し続けて動き続けて走り回ってるってこういう感覚なんですよ。日本語で話すときっていうのはもう少し体の動きが穏やかなんですよ。ところが英語で話すときは後ろにタタタって走ってたりね。
やっぱり語学が違うと、言語が違うと、表現の仕方もノンバーバルのね、つまり非言語の表現の仕方も変わってくるんだなっていう。だから自分が英語で話してる自分と日本語で話してる自分の違いっていうのが多分かなりあるんだろうなっていうのにちょっと気づかされたかなと。
いずれにしても結構英語の方が疲れるっていうことはもう間違いないっていうのは昨日実証されました。
やっぱりそう考えていくと今まで僕はプレゼンテーションっていうのは一方的なもんだっていう。一方的なコミュニケーションと双方的なコミュニケーションって勝手に分けてて。
で、やっぱりそう思ってたんだけどここ数日ですね、その考えが変わってきて、プレゼンテーションとはいえこれ一方的ではなく、やっぱり双方向的な一つの対話の位置形態っていう風にちょっと思うようになってきた。
で、それはなぜかというと、例えば昨日なんか多くの人にプレゼンテーションして、僕がそれを評価していくっていう立場だったんですが、見ているとですね、25人全員というわけにもいかなかったんだけど、かなりの人数をこのプレゼンテーション見ていくと特徴が出てくるんですね。
で、いろんな特徴が出てきて、日頃のその人の表現の本質ってが見えてくる感じ。要するにプレゼンテーションっていうのはもちろん意識して緊張して、目的もこれを伝えなきゃっていうのがありながら、そういうフレームワークはあるんだけども、実はそのフレームワークをやっているうちにいろんな個性が出てくるって言ったほうがいいのかな。
人それぞれがあるんですよ。で、その中で僕がいくつかいい例があったのが、プレゼンテーションを始めると、「はい、皆さん、プレゼンテーションです。はい、スライド見てください。はい、こうです。」っていうふうに通常入っていくのがみんなイメージされるところだと思うんだけども、そういう入り方せずにですね、開口一番何言い出すかというと、来ているオーディエンスに対して直接質問しちゃうんですよ。
あなた何ですかとか言ってね。つまりプレゼンテーションっていう今まで僕は一方的なコミュニケーションと思っていたのが、初っ端から相手に質問を投げることによって相手をエンゲージさせるっていうね。
これをね、やった人間が何人かいて、人によってはですね、あの、登壇している場から離れてオーディエンスつまりの人たちの中に入っていく人もいるわけですよ。そっから話し始める人も出てくる。
つまりエンゲージメントを作ってるっていう事象がですね、何人か見られて、非常に上手い。もう何とかそれすることによってこっちの土俵に持ってきちゃうんですよね。
で、土俵に持ってきた上で自分のプレゼンテーションをこうやっていく。だからコミュニケーションの原理原則は非常に問えていて、まずは自分の土俵の上に相手を乗ってもらって、そこからどんどんプレゼンを従来のプレゼンをやっていくっていう。
で、結果としてどんどんエンゲージしていくんですね、双方が。で、オーディエンスを見てると、聞いてる人たちの表情を見てると、あのうなずきする回数が増えてくる。だからやっぱりそのエンゲージメントっていうのは非常に重要なんだなと。
これは正式なプレゼンテーションでも、対話ではみんなエンゲージメントやってると思うんだけども、そういう一方的なプレゼンテーションと思われたものにも、やっぱりエンゲージメントという一つの対話双方向的な要素っていうのは実はすごく重要なものなんだなっていうのを痛感したんですね。
で、面白いことに、ちなみに僕がプレゼンテーションするときどうなるのかなって見たら同じことやってるんですよね。僕はいつもね、質問から始まるんですよ。で、気がつかなかったら人がやってるのを見て初めて、あ、質問から入ってるなーなんて思って、自分は日頃からもう全然意識せずに初めから質問に入ってきちゃうんですよ。
はい、コミュニケーションって何ですか?とか言ったりして、相手に、自分のプレゼンテーションなんだけど相手に質問して相手をエンゲージさせ、どっちかというと相手、まさか質問されるとは誰も思ってないから、プレゼンテーション的に。一挙に不意打ちをかけるような気持ちで今まで僕はやってたんだけども、あれも一つのエンゲージメントなんだなって気づかされた。
だからやっぱり人の対話っていうか、これはもうプレゼンテーションも対話だっていうふうに位置づけると、実は対話っていうのはこのエンゲージメントをどう進化させていくのか、それによって共感していくっていうか、なんかそういうやったものがすごく重要で、
田中 愼一
そうですよね。で、今まで僕はどっちかというとコミュニケーションの視点からこのプレゼンテーショントレーニングを設計してたんだけど、逆にプレゼンテーションをしっかりやることによって一方的なね、通常のいわゆる我々が言うプレゼンテーションをやることによって逆に日頃の自分のコミュニケーションのあり方をね、あの洗練させていくっていう2wayでね、
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
考えていくと非常に面白いんだなと、双方向でっていう感じでね、っていうのが一つありますね。
けいこさんどうですか?けいこさんなんか、なんとなくいつの間にかみんなエンゲージされてるっていう。気がつかないうちにエンゲージされちゃって、もうね、大変ですよね。
高木 恵子
いや、そんなことはないです。
そんなことはないと思うんですけど、前もちょっとお話ししたかもしれないんですけど、私が新卒でIBM入って、IBMの教育って素晴らしくて、
多分今のこの私が仕事をする上でのいろんなベースって、その時いろいろトレーニングっていうか教育を受けさせていただいたものが全部、なんかこの社会人の基盤になってるみたいなところがあると思うんですけど、
本当いろんなことがあったんですが、仕事柄そのSEとか、PM、プロジェクトマネージメントっていうそのお客様のシステムを作るときに、まず私たちが最初にしたのって、まず全部お客さんの要件定義なんですよ。
だから全部まず、もちろん我々の製品とかサービスを宣伝というか、説明するよりも先に、まずお客さんの課題を聞いたり、ニーズを聞く、何に困ってて、で、ゴールは何かっていう、簡単に言うと、そこを徹底的にヒアリングするんです、要件を本当。
田中 愼一
要件定義ですよね。
高木 恵子
そうなんですよ。じゃあこうですねっていうのを、もう全部聞いた後に、まずそこを洗い出して形にしてあげて、そこからの、じゃあIBMとして何が提案できるかっていう、その提案が1,2,3なのか、いくつかっていうのをこう提示してあげるっていう。
田中 愼一
なるほどね。
高木 恵子
という仕事の仕方をずっとやってたので、何となくもう自分の、何て言うんですかね、人とコミュニケーションを取るとか、会話をするときって、きっとその流れ、プロセスっていうのが自然に身についているような気が、今田中さんの話を聞いてて、何かすごい感じましたね。
田中 愼一
いや、あのね、確かに要件定義っていうところで、まさにおっしゃる通り、そのIBMのやっぱり教育システムのすごさっていうのは、徹底的に相手視点に立つわけですよ。
高木 恵子
あー、なるほどね。
田中 愼一
要件定義ってまさにそこでしょ。ところがね、人間ってやっぱり自己中になっちゃうんですよ。こっちが伝えたいことを先行させちゃうんですよ。
でも、そこをグッと押さえて、相手視点に立てるかどうかってところを強調するっていうのは、やっぱりそのIBMがすごいなっていうふうにね。
IBMからいろんな人材生まれてるじゃないですか。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
結構活躍してますよね、あちこちで。
あれはやっぱり、グッと本来は自分の言いたいことを言いたいんだけど、その前にそれを押さえて、相手を知るっていうことで要件定義を徹底的に出すっていうのがね、たぶんね、すごいところだと思うんですね。
僕が一度ね、ビズコンの人間と話したときにね、そのビズコンの人間っていうのは、どうもうちとの仕事の関係があったみたいなんですね。
で、実はうちと仕事をしたことがあるんですよってそのビズコンの人がね、言うんでね。
本当に?って言って、それを話してて。
で、そのビズコンの人がね、言ってたのが、とにかく御社とやってたときに驚いたことは、もうすべて相手視点に、相手視点に、相手視点に、相手視点にって言ってるわけですよ。
徹底的に相手視点に行って、こっちは色々こうしろ、ああしろって言ってんだけど、すべて相手視点からそれをひっくり返される。
で、それやってるうちに何を気がついたかというと、自分に相手視点が欠落しているということを、そこまで相手に、中に入っていくのっていう、その貪欲さっていうのに、いやー感動しましたっていうね。
そこまで徹底して相手視点を追求していくっていう、相手を知るってことをね、追求していくっていうね。
で、一体うちの誰と話したんですかって言ったら、名前は言ったんですけど、ここで言うのもあれですから、いやーあの人とですね、ずっとやってたんですけど、いやーすごかったなっていう感じで。
田中 愼一
で、それは、だからなんとか、ビズコンだって相手視点に立つはずですよ、普通、頭では。
でも、その立ち方が貪欲なんですよ。うちの方がある意味。
で、彼はその貪欲さに驚いたと同時に、非常に一緒に仕事をしてて楽しかったっていう、勉強になったっていうことを彼自身が言って、優秀なコンサルなんですけどね。
で、だからそういう意味では非常になんていうのかな、なるほど、やっぱり相手視点に立つっていうのは徹底的にしてないとダメなんだよなっていうのは間違いなくありますね。
実際、そうなんだよな、相手視点っていうと、ここでも何回か話してるけど、本田宗一郎さんですよね。
自分をマイナスにできる人間っていうのは僕はあの人以外知らないもんな。
自分をゼロにする人間も滅多にいないんだけども、相手視点に本当に立つっていうのは自分を完全にゼロにしないと成り立たないんですよね。
高木 恵子
相手視点っていうか、人はみんな違うっていう、だから自分と同じ人はいないっていうふうに多分思った方がいいっていうか、私は思ってるんです。
結局、だって自分と同じ人っていないだろうっていう前提で、私なんかはいろいろ考えるから、
だからいくらいくら自分のこととか考えを言っても、同じでないっていう前提で多分話をしていかないと。
田中 愼一
多分ね、それすごい原理原則で素晴らしくてね。つまり、自分以外ではみんな違うんだっていうことを理解してる人が結構少ない。
要するに、自分がこう思ってるからみんなもそう思ってるだろうっていう発想ね。これ結構一般的ですよね。
中川 浩孝
ありますね、確かに。
高木 恵子
そう、だからすごいみんな悩むんですよね。なんでこんなことされちゃうとか、なんでこううまくいかないって。
そうやって全部自分と同じ基準で相手と向き合っちゃうから、なんで違うの、なんで違うのってなっちゃうから、違うのが当たり前、違うってところからスタートして、
逆にそこをどういうふうに、それこそ人それぞれのやり方で、何か差分で物事を考えるのか、何かいろんな考え方で、他人との距離を自分とどういうふうにしていくかっていうのを考えるんだと思うんですよね、きっと。
田中 愼一
だから人は自分とは違うっていう前提にまず立たないと、人間ってさっき言ったように自分の言いたいことが先行するっていうことは逆に言うと自分の言っていることがみんなにはわかるという前提で動いちゃうから。
そうでしょ、人にこれ早く話したい話したいって言えばみんなすごい感動してくれるだろうと思い込んじゃうんですよね。
人間そういう動物なんですよね、基本的に。そこをぐっと抑える。
中川 浩孝
しかも私はプロダクトマーケティングの仕事を結構長くやっていたので、そういう意味でいくと、相手がどう思っているか以上に、相手にも気づいていないことを気づかせるっていうのがすごい重要なんですよ。
私たちはペインポイントっていうふうに呼んでたんですけど、ペインポイントって私たちから見たらこうだろうって思うんだけれど、実は相手も気づいていないペインポイントっていうのがあって、
そう言われてみたらそれっておかしいなとか、それって今までこういうことしてたなっていう、そういう問題が実はあって、それを気づかせて、うちの製品って実はそこのペインポイントが解決できるんですよっていうのを伝えるっていう、相手さえ気づいていないポイントを与えるっていうところで、
その相手視点どころか、相手も知らない、まだ知らないことを伝えるっていうのがすごい大切だっていうのはずっとプロダクトマーケティングの視点っていう意味では。
田中 愼一
これは多分プロダクトマーケティングでもそうだし、あと我々のコンサル的な方でもお客さんに気づきを与えると、あ、そうかってなって。
中川 浩孝
絶対あると思いますよね。
田中 愼一
そっから入っていけるじゃないですか。
中川 浩孝
そう。
田中 愼一
だからそれすごく重要で、最近よく口に出すようになったことがですね、言葉がですね、言葉っていうか方法がですね、やっぱり対話にはね、そのステージングがあるっていう。
で、言い方変えるとエンゲージメントのステージングが変わってくる。
で、対話ってまず始め、どっから始まるかっていうと対立から始まるんですよ。
だってさっきね、けいこさんが言ったように、自分とは人は違うんですよね。
だから一番初めにその人と会った時っていうのは、相手は自分とは違うから、当然対立の構図になるわけです。
相手が思ってることと自分が思ってることが違うわけで。
で、それがステージ1です。対立の構造っていうエンゲージメントのレベルですね。
田中 愼一
で、そういう中で実はそこを可能に行っていく、つまり初めの対立の構造を何とか我慢して耐え切って、共感の構造に入り、さらには共感の構造から今度は創発の構造にどういくかっていうのを導くパワーがコミュニケーションだっていうふうに、最近は位置づけて説明してるんですね、コミュニケーションのパワーだっていう。
だからそういう意味で捉えていくと結構ね、なるほどな、面白い世界だなっていう形で、ですね。で、その時僕ちょっと思ったのはトランプは何なんだろうって。
トランプのディールってあるでしょ。
で、トランプのディールってどのステージに入るのかななんて思ってて、決してどうなんだろう、多分僕の位置づけで言うと対立の構図から共感に行く境界線にですね、位置するぐらいかなと。
で、彼のディールって見てるとギブアンドテイクでしょ、基本的に。
で、僕が思ってるそのギブアンドテイクっていうのは、案外みんなウィンウィンの関係になることが重要だって言ってるんだけど、
所詮ゼロサム世界でディールっていうのは、これあげるからあんたこれ認めなっていうギブアンドテイクでしかないわけですよ。
ところがその上のステージに上がっていくと、本当の意味でのウィンウィンが出てきて、で、ウィンウィンの時はテイクアンドテイクなんですね。
で、なんでテイクアンドテイクができるかというと、第3ステージでは新しい価値が生まれるんですよ。
だからギブアンドテイクみたいなゼロサムじゃなくなるわけですよ。
そうするとお互いが創発的に新しいものを生み出して、それをお互いがテイクしていけばいいわけで、ギブアンドテイクっていう発想じゃなくてテイクアンドテイクっていう発想になってくる。
だからそこまでエンゲージメントを持っていると結構外交もうまくいくんじゃないかなと。
だから彼らが今の限界、ディールの限界って多分そこでギブアンテイクでしかないから、ゼロサムの中でのギブアンテイクだから。
だからやっぱりそこが彼のトランプ流コミュニケーションの限界っていう感じなんでしょうね。
高木 恵子
何も生み出してないですよね。
田中 愼一
何も生み出してない。だからギブアンドテイクでしかないわけですよ。
なんか新たなものをちゃんと第三ステージのイノベーションステージで生み出していればお互いがテイクしてテイクしていける。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
トランプのコミュニケーションというのはそういう性質を持った感じだよね。
ギブアンドテイクじゃ外交ダメなんだろうと思うんですけどね。外交の世界。
いずれにしてもエンゲージメントというのと、我々人間全てエンゲージメントで生かされているわけですからね。
どういうエンゲージメントを周りと作るかっていうのがやっぱりすごく必要なことなんですよね。
だからステイクホルダーエンゲージメントって言葉が今チヤホヤされてるんだろうな。