高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
まさに大谷が毎日、今、彼の一挙手一投足がどうだって見てるのと同じように、ホームランを打つのか、ストライク取るのかって見ながら、
同じような目線で高市首相の動きをフォローしてるっていうのは、案外今ほとんどの人がそういう見方してるんじゃないかなって気がしますけど。
高木 恵子
そうですよね。だって大谷君はホームランを打つのが当たり前。ここで打つだろうみたいに、みんなが思ってて打つっていう。
田中 愼一
変な言い方すると期待を超えてますよね。
高木 恵子
そう、ずっとそれを。だからある種、高市さんに関しても国民みんながそういうふうになりますよね。
田中 愼一
たぶんね、2人に共通することは期待に応える、超えるんですよ。期待に応えるじゃなくて、期待を超えてるんですよ。
特に高市さんには僕はそれものすごい期待よりも全然上行っちゃって、え?って。
たぶん期待を超えてるっていうふうに感じてる人が結構多いんじゃないですか、高市さんとか。大谷もまさにそうですよね。
打つだろうなんて思いながらも、まあでもなーなんて思ったら打っちゃったとかね。
なんか期待を超えてる。だから両人とも共通項っていうのは、期待を超えるっていうのがやっぱり非常に大きなキーワードなんじゃないかなっていう感じがしますね。
昔アメリカでまだ僕はホンダにいたんだけども、いろいろ活動してたときに、Exceed Your Expectationという言葉が出てきて、それがキーワードになってましたね。
期待に応えるじゃ不十分なんだと。というかね、期待を超えろっていうのがあったから、ある程度そういう考え方がなぜかあの頃、
その当時のアメリカのホンダのオペレーションの中ではそういう発想を持つ人間が多くて、要するに期待に応えてもしょうがないよと。期待を超えろよと。そこに新しいものがあるんだよっていうね。
本当の価値は期待を超えない限りは価値はないって。
この発想ってのは結構その後もずっと今日に至るまで、やっぱりお客さんの期待にミートするって言うんだとお客さん本当に喜ばないんですよね。
だって期待通りなんだもん。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
ところが期待を超えるっていう風になると、おーって感じでね感激するんですよ。
だからやっぱり今回の高市にしてもあるいは大谷翔平にしても、絶えず期待に応えるんじゃなくて期待を超えていくっていうシーンが多分ねすごくあって、
そういう一つのものの考え方を具現化してきたのかなっていう気はしますね。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
だから期待を超えるっていうのはもしかしたら我々にとってこれからやっぱりしっかり考えていかなきゃいけないもので、期待に応えるじゃもうだめで、
応えるんじゃなくて超えるっていう言葉っていうのはこれからやっぱり我々なりに考えていく必要があるんじゃないかなと思うんですよね。
昔僕はよく立ち位置作るときは、立ち位置ってのはどう周りから見られるかっていうことなんだけども、まずはとにかく役に立てて、周りの。
周りの役に立つっていうことが重要で、それが自分の引いた存在そのものを規定してしまう。
だから人の役に立っている限りは見捨てられないよと、絶えず目にかけてくれるよと役に立つ人間っていうのは、逆の立場でそうですよね。
やっぱり役に立つ人間っていうのは、こいつちょっと気にかけておこうとか、こいつ知っといたほうがいいなとかね、仲良くしておいたほうがいいのかなとか、役に立つってそう思いますよ。
でも役に立たない人間はさっさと削られますよね。削っちゃいますよね。
だから人間社会の実は鉄則ってそういうところにあって、それによって人間は自分の存在っていうのを確保してるんだろうなってことを考えると、
相手の期待を超えるっていうのは確かに強かな手法ですよね。
相手の期待に応えるだけじゃダメなんだよと、お前もちゃんとね、相手の期待に応えるんじゃなく、超えていくっていう。
同じ「こ」で始まるんだけど、応えるのと超えるのとは全然もう雲泥の差だぞっていうね。
そういう発想がやっぱり今回の高市さんと、それから大谷翔平の、あえて共通項とするんであればそうなんでしょうね。
たぶんそこあたりっていうのが、共通項っていう視点でこの2人を比較すると面白いかもしれないですね。
けいこさんはどうですか、そこあたり。2人を見てて共通項で。
高木 恵子
どうしてこの運が訪れてるんだろうっていうところから考えると、よくここでも会話に出ますけど、運もやっぱりその人のスキルというか力っていう。
田中 愼一
実力のうちってことですよね。
高木 恵子
そうですよねって考えると、でもその運もやっぱり、私は頑張ってる人に運ってやっぱり訪れるんだろうなって思いますよね。
だから2人とも実はいろいろと、大谷君なんかも天才って見られてるかもしれないけど、もともとのもちろんね、素質というかそういうのはなければここまでは来ないかもしれないけど、
でもそこにプラスしてそのすごい努力をきっとしていたっていうところでのこの今の大谷君がいるんだろうなって思うから、きっと高市さんもいろいろ苦労されて、
結局は2回も総裁選落ちてるわけだから、そこの落ちたっていう、負けてるっていうところからやっぱり3度目の正直じゃないけど、
今首相になったっていうところのいろんな思いとか葛藤っていうのは当然彼女の中にはあるんだと思うんですよね。
田中 愼一
そうするとある意味彼女の過去、培ってきたものっていうのが、今日の高市を支えてるっていう。
だからいろいろな失敗も敗北もいろいろな経験っていうものを通じて培ってきたっていう。
多分そういう姿を見せてきたんですよね、ずっとね。
高木 恵子
なんかちょっと仕事っていうか、私たちPRの仕事をしてるんでPRっていう仕事のところからで、
そこら辺の話をちょっと触れてみると、もうかなり前から私驚いたことがあって、
特に例えばテック企業のPRを日本でやってると、記者が喜ぶそのコンテンツ、その情報って、
実は成功事例なんですよ。例えばテクノロジーの会社ってどんどん新しいテクノロジーが出てくると、
結局この企業が持ってるサービスとかテクノロジーで、いかに例えばこの会社が成功したかとか、
誰々が成功したか、例えば政府がとか自治体が成功したかみたいな、
そのやっぱり成功事例っていうのを日本の記者はネタとしてすごい求めるんですよ。
だけどそういう話を、例えばグローバルの他のエージェンシーの人とかグローバルのPRの人たちとそういう話をすると、
もう特にアメリカなんか、アメリカでそんなケーススタディなんか記事のネタにはならないわって、
すごいもうずっと昔から言われたことがあって、いまだにそれって日本ではもうキラーコンテンツなんですよね、事例って。
でももうほとんど同じ多分アジアでもあんまりそのケーススタディ事例がそのキラーコンテンツになるっていうのもあんまり聞かなくなって、
でまだ日本だけなんだっていう、もう20年前も20年前ぐらいからずっとやっぱ日本は事例がキラーコンテンツなんですよね。
でもそれって結局日本人が成功事例を聞きたがるっていう、それをそこから学ぶべきことをやっぱ自社に取り入れて、
また日本で何かビジネスに活かしていくっていう、きっとそういうカルチャーなのか日本人の思考なのか、
っていうのに関係するのかなと思う。
田中 愼一
でもカルチャーに近いかもしれないですね。日本人は知識を尊重するんですよ。
アメリカ人は、これヒロさんの意見聞きたいけど、自分で開発をしようとするんですよ。
要するにあんちょこを見るような気持ちってのが日本人にはあるんだけど、他の人が成功した例をちょっと学んでねっていう傾向は強いんだけど、
自分でまずは発想してみるっていう。
中川 浩孝
日本人が成功事例が好きなのは、日本人がというよりは日本の会社が好きなのですよ。
なぜかというと失敗したくないから、この製品を取り扱うようになったときに、
これは先例があるのか、うまくいった例があるのかっていうのを知らないと、
その会社はリスクを犯してまで新しい製品を使いたいと思わないんですよ、やっぱり。
なので成功事例が必要になる。
田中 愼一
そう、成功事例が必要。だから成功事例を教えてくれって言われて、成功事例って言うと向こうが引くわけですよね。
要は今まさにヒロさんが言ったような、そういう思考はやっぱり日本人は強いですね。
だからしっかりしたものは出てくる可能性はあるけども、アメリカ人はいろいろ自分で考えていろいろな。
中川 浩孝
そう、自分がいいと思えば取り入れるんですよね。
日本人はやっぱり他の人がどうやってるかとか、業界的にどうなのかとか、
自分のコンペディターはやってるのかやってないのかとか、すごいそういうのが気になる。
セールスフォースが日本で成功した理由の一つって、
日本の大企業の成功事例をたくさん作ったっていうのが理由だっていうふうに一つ言われてるんですよね。
高木 恵子
それ私がやりました。
中川 浩孝
まさに皆さんが知っている、名前が知っている会社もあそこもやってるから、うちもやれますよねっていうふうに持っていくっていう、
あの持っていく方はやっぱりもう日本では王道なやっぱりですからやり方ですよね。
田中 愼一
でもこれからはそれでいいのかっていうと、そうじゃなく、やっぱり自分で発想してやっていくっていうチャレンジング精神持ってないと、
ケースタディカルチャーっていうのははっきり言って過去のもんだから、
イノベーションっていうのは未来のことを見て見つけ出すものであって、
過去は確かにイメージ系とかそういう意味での役割はあるけれども、過去のケースの中に答えはないんですよ、基本的に。
未来に対する答えはない。
だからやっぱり日本人も知識偏重型から脱却していくっていうのはこれからすごく重要かなって気はしますよね。
高木 恵子
そうですよね。
田中 愼一
だから、でも一つね、今の話すごく面白いなと思ったのは、
いわゆる外国のマスコミと日本のマスコミ両方に共通項もあるんですよ。
で僕はいつもね、昔から使ってるのは新しい技術っていうのはあるんだけど、
どんどんどんどんこっちも紹介、いろんな意味で記者に紹介するんだけども、
新しい技術だけを紹介するんじゃなくて、その技術がどう生まれてきたかという失敗談をたくさん、
つまり課題解決に失敗して、いわゆる新しい技術を作るのにこれだけ失敗したよっていうね。
それはもう事実で、どんな技術でもものすごい失敗の積み重ねの中から出てきてて、
これはね、両方外国も国内もマスコミは興味を持ちます。
高木 恵子
確かに。
田中 愼一
だから成功例よりも失敗例の方が、逆に言うとね、
こっちにしてもそっちのほうがストーリー性が上がるんでね。
この新しい技術はこういう失敗例でこういう馬鹿みたいなことをやって、
こうやってストーリー性を上げることもできるし。
だからそれは両方とも共通するっていうのが僕の経験ですよね。
でも面白いのは、ケーススタディ偏重の日本の記者っていうのは面白い。
高木 恵子
そうなんですよ。
田中 愼一
ってことは逆に言うとそうか、けいこさんが成功したみたいに、
そういうケースをどんどん作っていっちゃえばいいわけですね。
高木 恵子
そうなの、そうなんです。
田中 愼一
そこがキーポイントですね、日本。
高木 恵子
そこがキーポイント。
でも一方で、これもだからすごい、これも日本社会、日本人なのかなと思うのが、
自分たちは学びたいんだけど、他人の成功事例を。
でも自分たちの成功事例を出したくないんですよ。
日本企業って。
だって自分たちが成功したことを、なんで自分たちの手の内を明かすんだって言って、
意外と、意外とじゃなくて、成功事例に使わせてくださいよって言っても、
イエスって言ってくれる企業が実は少ない、日本って。
田中 愼一
でもね、強かな、外資系だとどっちかっていうのは傾向ですよ。
外資系は全てそうだって言わないですけど。
外資系で優れてると思うところって、開示してるようで開示してないんですよ。
要するに開示してるレベルは別に他の競争相手が知っても全然問題にならない開示にするんだけど、
ただその開示したものを使って、俺たちすごいんだって見せ方をするわけですよ。
いかにも開示してるように見せてるんだけど、競争相手から見ると、これじゃあ役に立たねえよって話で。
ただ一般受けとしてはね、すごいなってこういうそのレベルの開示を明確にして、
実際もうコアになるものは絶対外に出さないっていうしたたかさはあると思いますよね。
特に日本の企業は外資系ですよ。一般的には言わないけど、外資系の開示の線引きのところが下手なんですよ。
だから下手すると開示しちゃいけないものを開示してたり、
開示してもいいのに開示しなかったり、これが弱みなんですね。
だからそこに対する考え方が不足してる。
高木 恵子
そうですね、そこだな確かに。
おっしゃる通り。
田中 愼一
だからちょっとそこがね、自分たちで考えないんですね。
何を開示すべきか開示しちゃいけないか。他社の例を勉強するんですよ。
そこにまたケーススタディが入ってきちゃうんですよ。
じゃあ他社では何やってるんですか。どうやって開示基準作ってるんですか。
自分で考えるって話なんですよ。こんなの基本的に。
高木 恵子
確かに確かに。
田中 愼一
じゃなきゃイノベーションなんか絶対生まれてこないんですから。
高木 恵子
ほんとそうですよね。
田中 愼一
なかなかいろいろ話出てきますね。高市さんと大平さんの共通語で。
中川 浩孝
今高市さんの話とかにまたちょっと戻ると、今成功体験の話とか成功事例の話が出たのでまさにそう思ってたんですけど、
やっぱり表現力を出すためにというか、非言語のところを強くするためには、
やっぱり失敗をどれくらい経験してるかっていうのはすごいやっぱり大切だなと思って、
そこから立ち直った時とか失敗したからこそ今があるっていう、