2025-03-15 39:07

#88 トランプ現象・その後

spotify apple_podcasts

毎日のように話題を振り撒くトランプ政権。田中さんの見方もめまぐるしく変わっているようです。

---

仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(twitter / Facebook / LinkedIn / note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

トランプ現象やその後の影響について、特にトランプのコミュニケーションスタイルとその危険性が議論されています。ゼレンスキーとの会見を通じて、アメリカと国際関係の変化に焦点を当て、トランプの外交戦略とその反動について考察されています。トランプ現象がもたらす社会の変化と企業のコミュニケーションの重要性について論じられています。世論が企業のステイクホルダーとしての役割を果たす中で、日本人の自立心が試される時代が到来していると鋭く指摘されています。トランプの政治的動向は、マスコミに対する支配を強める一方で、映画『アプレンティス』を通じて彼の成長過程や考え方が検証されています。特に、ロイ・コーンからの影響と彼の人間関係における変動が指摘されています。

トランプ現象の概要
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
皆さんこんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーションが命。
シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
高木 恵子
SEからPR・コミュニケーション業界に転職して、はや30年近く経ちます。高木 恵子です。
中川 浩孝
外資系企業でマーケティングを経験してきた、アメリカ在住、中川浩孝です。
田中 愼一
今日はここ数日の動きを見てると、いくつかの事象が入ってくるのが、やっぱりトランプ絡みっていうのが多くてですね。
なかなかこれ、面白いって言っていいのか?っていうのが躊躇される事象が目の前で起こりつつある。
なんていうんですかね、若干危険だなっていう感覚が強くなってきたっていう。
具体的な理屈はないんですけど、危険っていう言葉が感じるような感じですよね。
今日ですよね、いわゆるカナダ、メキシコ、中国。カナダ、メキシコには25%でしょ。
僕がアメリカにいたときわかるんだけど、カナダの経済とアメリカの経済ってほぼ一体ですよ。
そこにあれを入れるっていうインパクトっていうのは、えぇって思うし。
日本のメーカーで、アメリカで動いてる日本の自動車企業の場合なんか、
全部北米を一つと見てるんで、だからカナダとメキシコっていうのは一つの市場という位置づけでやってるわけですよね。
そこにボーンと来たのは25%だったらこれどでかいね。
単に日本からの輸入っていうのは色々まだ議論されてるけども、これだけでもすごいインパクトだし。
田中 愼一
だからある意味それが一つ事象として欲しかったなっていうのと、それからあと何と言ってもあれですよね、
ゼレンスキーとの会見っていう前代未聞の公の場で。
中川 浩孝
あんな緊張したの初めてです、ああいうのを見ていて。
田中 愼一
そうでしょ。
中川 浩孝
ドキドキしちゃいました。
田中 愼一
普通はもう片通りのプロトコールの話し合いで、きれいごとたてまえごと言って終わりのはずが。
ちょっと僕知らないんですけど、誰が仕掛けたんですか、公にするって50分も。
高木 恵子
アメリカ側ですよね。
田中 愼一
アメリカ側で決めたんですね。
高木 恵子
メディアにオープンするっていう。
田中 愼一
だからこれ明らかにそういう意味であそこ一つの発信の場として考えたんですよね。
ゼレンスキーが屈するっていう形で。
バンスが多分音頭を取ったっていうのはよくわかるシーンで、
彼が全部火付け役でこう言って。
中川 浩孝
完全にそうですよね、焚き付けてましたからね。
田中 愼一
昨日ある昔から知っている外交官の方と話をしてて。
日本のね、いろいろ話をしてたら、あれほど非礼はないと。
アメリカに招待しといて、ああいう喧嘩を吹っかけるようなものっていうのは少なくとも外交的には考えられないっていう話をしてて。
前代未聞というけど、多分初めてなんですか、ああいうの。僕初めて聞いたよ。
中川 浩孝
多分わかんないですけど、あんなのが公になったのは初めてなんじゃないですか。
田中 愼一
だから、もしかしたらトランプ陣営の方の発想として、あれを一つの発信の場としてね。
彼はずっとやってますよね、大統領令をサインしてるってその映像を出して、
大統領をサインしたり、実際に電話プーチンとしたり、
いろいろな動きっていうものを今まで見せてきてるから、
それをもっと強化しようっていう狙いがあったのかもしれないけど、
あれはどう見ます、皆さん。
なんていうのかな、どっちに勝利があったのかって言ったときに答えに窮しますよね。
中川 浩孝
窮しますよ。私は別にあれは普通の、
いわゆる形式的なご挨拶をする場で、
ゼレンスキーがアメリカに来て、アメリカに助けを求める形みたいな形をして、
アメリカがこうやったからうまくいったんだよっていう風にただしたかっただけだと思ったんですけど、
あそこにバンスが火をつけたことによってゼレンスキーも怒っちゃって、
あそこでゼレンスキーが何も言わないで、そこで終わるのが多分普通の状態だったんだとは思うんですけど、
あそこで怒っちゃってああいうことになったっていうところを見ると、
アメリカ側もあれは僕は期待してなかったんじゃないかなと私は思ってるんですけど、
あれも想定外なんじゃないかと私は思ってるんですけど、
あれもだって想定内だったら、あれはちょっとね、危険ですよね。
それはかなり危険。
高木 恵子
私はなんか逆にもうここまでやるチームっていうか人たちじゃないですか。
だから、私も田中さんもPRずっとやってるから、
これも一個策士で何かやったんじゃないかと私は思っちゃって。
田中 愼一
実際ね、そういう見方も出てるんでね、今ね。
トランプの戦略とリスク
高木 恵子
だってやっぱりゼレンスキーさんのああいう性格、ああいう雰囲気ってもう分かってるわけだから、
こういう仕掛けをしたらこうなるみたいな。
田中 愼一
ある意味支援停止の口実になるじゃないですか。
高木 恵子
で、よりこうやっぱりアメリカ優位なメッセージがね、
やっぱり雰囲気、やっぱりアメリカ強いんだみたいなのを、
とにかくアメリカサイドは出したいわけじゃないですか。
中川 浩孝
まあそうですよね。
田中 愼一
実際ゼレンスキーがね、今なんていうのかな、謝罪まで言ってないけど、
基本的にはっていう風になってるんで、だからそういう見方もあるですね。
高木 恵子
どうしても何か策士、もうこれはまた作られたパフォーマンスも
ショーの何か一つなんじゃないかって、どうしても私はもう、
彼らを見ちゃうとね。
中川 浩孝
そうですね。
本当にでもトランプ支持者の人から見ると、
これによってそのヨーロッパを一体化させたみたいな、
ヨーロッパを団結させるためにわざとやったみたいな、
すごいヒーロー的な言い方をしている人たちも出てきますね。
田中 愼一
金を出すでしょ。基本的にはヨーロッパ全体で。
有志連合で。
だから向こうが金を集めるってことは、
アメリカはそんなに支出しなくてもいいっていう発想に結びつくから、
いわゆるフェアじゃねっていうのをフェアにしたっていう理屈には、
プルーフポイントにはなるんですよね。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
事実そうだもん。ヨーロッパからもっと出るんだもん。
中川 浩孝
もともとだからアメリカが出てこなくても、
本当はヨーロッパの中だけで解決できた問題なんじゃないですか。
っていうふうにまとめたっていう風に、
肯定派の方々見てるわけですよね。面白いですね。
田中 愼一
だからそういう意味では非常に、
なんていうのかな、彼は反動を利用する。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
なんかそのやったことに対して、あえて反動を作る。
それをうまく操作して、実際の結果を出していくっていうやり方。
これがたぶん彼の一つのやり方なのかなって気がするんですけどね。
だから問題はその反動が、
マネージしきれなくなったとき、
ここにやっぱり危険っていうものが存在する感じはするし、
なんていうのかな、コミュニケーションの世界から言うと、
一つの戦略コミュニケーションという考え方を僕は提唱してるんですけども、
戦略コミュニケーションの考え方で、
一番したたかなそのコミュニケーションっていうのは、
一応今の段階では演技をするコミュニケーションなんですよ。
つまり演技するっていうことは裏を返せば、
少し客観的な自分を残してるわけです。
中川 浩孝
なるほど。
田中 愼一
つまり役者が演じるのは、役者自身を演じてるわけじゃなくて、
役者が違うキャラを演じるっていうことによって、
本来の自分っていうものがどっかにあるわけですよ。
演じるっていうのはね。
ところがトランプを見ていくと、
もはや演じるを超えちゃって、
憑依?というか、乗り移られた。
中川 浩孝
なるほど。
田中 愼一
つまり演じるっていう領域を超えちゃって、
客観性の部分っていうのがなくなっちゃって、
自分が作った空想上のキャラクター、
個性っていうものに乗り移られた感じ。
中川 浩孝
なるほどね。
田中 愼一
この事象って過去に現れたかなと思うのは、
ヒトラーなんですよ。
ヒトラーは演じてないんですよ、あの人。
もう完全に乗り移った。
自分の偶像というものが作ったものが、
逆にヒトラーに乗りついちゃって、
そこで動き始めてる。
それにすごい共通性があるような気がして、トランプの。
中川 浩孝
なるほど。
田中 愼一
それがね、非常に危険を感じるっていうのと結び、
逆に言うと人間っていうのは、
自分の作ったイメージに乗っ取られる、
っていうリスクが非常にあるんで、
ますますコミュニケーションっていうのは、
したたかなコミュニケーションの定義っていうのは、
やっぱり必ず演じるっていう要素を入れとかないと、
危険、リスクになってくる。
こういう感じましたね、今回のトランプをずっと見てるとね。
中川 浩孝
そうか、じゃあやるところ、
突き進みまくって、
他の人のことが全く目に入らないで、
やるところまで行っちゃう可能性があるってことですね。
田中 愼一
他の人は意識しないっていうのは、
どこから来るかっていうと、
ビジネスネゴシエーションってそうなんですよ。
ビジネスネゴシエーションっていうのは、
視点と視野ってありますよね。
この前、免許更新をするときに、
ちょっと出せられたんだけど、
視点っていうのは集中するところですよね。
ビジネスネゴシエーションっていうのは、
集中度が高いんですよ、ぐーっと。
その代わり視野っていう部分、
視点の後ろっていうか、視野ね、広がりね、
っていうものが非常に狭いんですよ、ビジネスネゴシエーション。
なぜかって言うと、ステークホルダーの数が少ないから。
だから、政治とか外交に比べるとですよ。
ところが政治とか外交ネゴシエーションっていうか、
交渉っていうのは、
フォーカスのポイントはビジネスほど鋭くないんだけども、
視野がめちゃくちゃ広いんですよ。
視野が広いっていうのは、
いろんな人のことを意識してるってことなんですよ。
だから、外交、政治のネゴシエーションに代わって、
このビジネスのネゴシエーションの方法を
絶対視してやってる今のトランプのやり方っていうのは、
僕はやっぱりね、その他の人たち、
本来は視野に入らなきゃいけない人たちが、
完全に抜けてるんで、
そうなると、非常に誤った判断をする可能性がある。
もっと言うならば、誤ったときの被害が甚大なんですよ。
視野に入ってない人たちがみんな、わーって来ちゃうんですよ。
で、それが今起こりつつあるっていうのは、
アクションが起こってますよね。
今まではそのアクションを起こすための動きは見てるんだけども、
実際に、関税カナダとメキシコに25を上げちゃったよって、
昨日の段階でね。
追加課税、関税を中国に与えたっていう事実。
それから停止、いわゆる支援停止、
ウクライナに対する支援停止とか、
さらには、すでに進んでるイーロン・マスクの、
いわゆる政府効率化省の動き。
あれもある意味、イーロンもビジネスネゴシエーション的な発想なんですよね。
ビジネスマンの動きですよ、あのやり方は。
政治家の動きじゃないと思う。
フォーカスがすごい鋭くて視野が狭いっていうね。
そういう感じなんで。
もうすでに動いてしまってるっていうのは、
実際の反動がきますから。間違いなく。
そうすると視野が狭いところっていうのは反動がでかいんですよ。
その反動による被害もでかいんですよ。
だからそれがどうなるか。
さっきも言ったように、トランプは確かに反動をうまく利用するっていうきらいはあるんだけども、
でも相手がグローバルになって、アメリカだけじゃなくてグローバルも含めるとですね、
反動の幅が大きすぎて、彼でそれをマネージできるかっていうのは非常にクエスチョンマークですよね。
だからこれから、分かんないけど下手すとこの6ヶ月で、
多分その反動が形になって実害になって出てくる可能性がすごくあって、
そのときにトランプがどうするのかなっていうのは関心項目ですね。
中川 浩孝
そうですね。
だから1対1の国対国の交渉ばっかりなんですよね、あの人は。
田中 愼一
そうなんですよ。
グローバルとかそういう発想っていうのは視野の中に入ってない。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
だから彼のカスタマーって非常に狭い。
彼の熱狂的支持者をカスタマーだと頭に描いてるんで、
それ以外の相手っていうのが不在なんですよ。
たとえばビジネスでもですね、
CEOとかそういうビジネストップなんかのトレーニングっていうかセッションなんかやるんですけども、
そのときに必ず言うことっていうのは、3人の相手を最低意識してくださいと。
その3人の相手っていうのは、第1の相手は価値を訴求する相手。
コミュニケーションの変化
田中 愼一
これはもう間違いなく顧客ですよね、代表。
それから2つ目がですね、その価値の訴求を実現するために動いてもらわなきゃいけない人。
企業のトップってこの2人が必ず相手にいるんです。
単に価値を訴求するったって、その価値を実際に訴求するためには動いてもらわなきゃいけない社員がいないと訴求できないわけですよ。
ビジネスリーダーっていうのは間違いなく自分の価値を訴求する相手と、
それを実現する仲間たちというか人たちを動かさなきゃいけないんですね、その2人は。
でも最近3つ目の相手が出てきてるわけですね。
それは何かというと基本的には代表格がパブリック、つまりステイクホルダーじゃない。
世論とか社会とか、そういうのが利害関係がない、ステイクホルダーじゃないんだけども、
やっぱり企業が単に稼ぐっていうだけじゃなく、社会貢献をするということが評価軸になっていく中で、
どうしてもやっぱり社会とのつながりっていうか関係性っていうのがですね、
もはやだから世論自身もステイクホルダーになってきてる。
こういう時代なんですね。
だから少なくとも3人は意識しないと、
事業の持続性を保つようなメッセージコミュニケーションっていうのはできないですよって、
日本人の自立心の必要性
田中 愼一
必ず3人だけでも意識してくださいって。
トランプは1人しか意識してないんです。
つまり価値を訴求する、俺は価値を誰に訴求するかっていう熱狂的なトランプ支持派に。
これが非常に、いわゆるコミュニケーションの視座からすると危ないって感じですね。
宗教って多分そっちのほうに入るんですよ。
憑依する?
憑依しないとダメなんですよ。演技しちゃダメなんですよ。
憑依するぐらいまでいかないと人はついてこない。宗教的な行動で。
高木 恵子
自分を信じてくれてる人だけに向かって愛情を注ぐみたいな感じですよね。
田中 愼一
そういう意味でだって大体戦争のほとんどは宗教から起こってるんですから。
だから今ガザなんか見てるとね。
だからいずれにしてもそういうなんていうのかな。
1週間、2週間ぐらい前まではトランプはもしかしたら新たなコミュニケーションの光かなって思ってたときもあったけど、
今どっちかと少しちょっと違う方向にブレてってるか。戻してきてますけどね。
中川 浩孝
たった1ヶ月半ですごいですよね。
田中 愼一
ほんとすごいよね。こんな想定外って。オバマのときのオバマ現象もすごいなと思ったけど、もうその比じゃないですね。
高木 恵子
ある意味、我々日本人だから日本の視点で考えると、
もう誰も頼っちゃいけない、やっぱ自分たちでなんとかしなきゃっていう、
もう少し自立心がこのタイミングで芽生えるんじゃないかなと思った。
田中 愼一
それいいポイントかもしれないですね。
日本人の自立心っていうものをね。
少なくとも我々はEUでそれ見たんですからね、今回のウクライナ支援停止で。
高木 恵子
このタイミングで、やっぱりなんだかんだ言って、日本人ってやっぱりぬるま湯の中で、
ぬるま湯って言い方もまたあれだけど、やっぱりあんまりギスギスした世の中で戦後って我々やっぱり生きてないから、
ちょうど今いろいろ日本人も、やっぱ自分のことは自分で考えて守ってこうよっていう、
なんか意識が高まっていくのかなーって。
田中 愼一
ある意味日本って恵まれていて、僕から言うと結果したたかなとこだなと思うのは、
大きな犠牲はあったんだけども、明治維新のときに黒船が来て、黒船が来たことによって危機意識が醸成されて、
危機意識が醸成されたことによって明治維新が起こって、
一応先進国仲間入り五大国の一つに入るっていう、第一期ですね。
それから第二期っていうのが基本的には戦後ですよね。
戦後も基本的には軍事費を使わなくてもいいよっていう、
非武装化されてたために、いわゆる軍事費に支出する、
例えば韓国みたいにね、かなりの部分を軍事費に出すっていう必要がなく、
すべてを経済開発に振り向けることができるっていう日米安保の中で、
今まである意味は甘えてたっていうところがあって、
さらには、例えば今世界で展開してる日本の企業って、
ほとんどがアメリカをステップにして大きくなってるんですよ。
これはもうホンダもソニーも同じだし、
アメリカで大きくなって世界で大きくなったって感じですね。
すべてを統合していくと、日本って非常に恵まれていてある意味ね。
つまり危機意識をレバレッジしてやってきたっていうのは、
一つの僕は、日本のしたたかさだと僕は思うんですけども、
30年と引くのか20年と引くのかわからないけど、
間に危機意識っていうのが間違いなく薄れてきたってことは事実ですよね。
その危機意識っていうものが、今回のトランプ現象を起点に起こっているこの混乱、
はっきり言って混乱ですよ。
これが確かに自立心っていうんですかね。
ウクライナの支援を停止したことが、ある意味自立心。
今までアメリカ依存でメッセージを受け取るのは、
トランプの影響と中国の懸念
田中 愼一
なんかアメリカ、アメリカ、アメリカだったでしょ、いつも。
事実そうなんだろうけども。
ヨーロッパでの有志連合ってかなり大きな金を積み上げるっていう話ですよね。
あれはある意味トランプの成果ですよね。
高木 恵子
まあそうですよね。
田中 愼一
ある意味、これよく話しますけど、クライシスコミュニケーションのときの要定なんですけど、
ピンチをチャンスにするっていう発想が一番重要で、
いかにトランプというクライシス、ピンチを日本としてチャンスに転換するかっていう
発想が今求められてるんでしょうね。
中川 浩孝
なんか私、こないだ思ってたのがあるんですけど、
日本人ってリーダーであるとかトップと言われるような人たちに、
人格をすごくやっぱり求める国だなと思うんですよ。
例えば横綱とかって強いだけじゃダメで、
やっぱり品格もなくちゃいけないみたいな、人格者じゃなくちゃいけないみたいな。
で、多分アメリカってその世界の中でトップを走ってきて、
そういう人たちにはやっぱり人格も求めてるんだと思うんですよね。
日本の人たちってすごく。私もちょっとそういうきらいあるんですけど、
でもそれはやっぱり日本人の想像というか理想でしかなくて、
今までは結構そういう人がいた。そういう人が大統領についてきたと思うんですけれども、
今回はたとそれは必ずしも起こらないというか、そうじゃないことも起こるんだっていうのをすごい感じて。
田中 愼一
それはね。
中川 浩孝
それをなんか危険だなと思うんですけど。
田中 愼一
人類はやっぱりそういう人たちを見てるんですよね。歴史ひも解いていくとね。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
近年ではヒトラーだと思うし、あといろいろな意味でシーザーもそうだし、
いろいろな人たちっていうのは、だから人格っていうので実は誰と話してたんだ。
違うな。事象を見て感じたのは、
あるアメリカのCNNで評論家が言ってた言葉が、
politics follows personalityってなったね。
で、人格とパーソナリティ違うんですよ。
人格っていうのは格って書いてあるから、日本語で言う人格っていうのは得とかそういうところに結構重きを置いちゃうんだけど、
パーソナリティっていうのは違っていて、
トランプのパーソナリティっていうのは、もうすでにフェイクというものを織り込み済みなんですよ。
だから彼がフェイクをいくら言っても、はっきり言ってマイナスにならない。
他の人たちがフェイクを言うともう即、糾弾されるけど、
彼の場合はもうパーソナリティの一つの中にフェイクが入ってるんですよね。
ああいう発言の仕方っていうのが。
ポリティックスフォローズパーソナリティ。
つまり、人格で人はついていくんじゃなくて、パーソナリティについていく。
だからパーソナリティと人格の違いっていうのは、ここはあるんだろうなって感じました。
じゃあパーソナリティって日本語でなんて訳すのかなって。
人格じゃねえなって思って、なんでしょうね。まだわかんないんだけども。
個性?
高木 恵子
個性かな、パーソナリティって。
田中 愼一
多分個性が一番近いなって感じでしょうね。
だから結局個性がね、人の心を動かすって話ね。
その個性が悪かろうが良かろうが。
だって、これだけフェイクを言う大統領って世界史上初ですからね。
嘘800ってこの人のためにあるような言葉ですよ、トランプが。
高木 恵子
ここまで、嘘なのかなどうなのかなって思っちゃうような感じですね。
田中 愼一
4%と57%はひどすぎますよ。
ゼレンスキーの国内での支持率が4%だって事実調べたら57%だったのに。
これだけ嘘というか詐欺だよね。
高木 恵子
自分の思い込みが正しいと思ってるから、彼は嘘を言ってるつもりはないんですよ。
中川 浩孝
つもりはないんですよ。
田中 愼一
実は僕もその気が少しあって、言いすぎるなって思いながら、
でも言ってるうちにそれが事実だって自分で誤認しちゃうんですよ。
高木 恵子
なるほど。
田中 愼一
これ怖いんです。実際このこと言うと大変なんだけども。
ずっとやってると人間それが事実だって信じ込んじゃう。
彼も80近くですよね。
だから基本的には、ある意味老害の一つでもあると思うんですね。
たぶん老害っていう要素も考えなきゃいけないと思うんですよね。
そうなったときにリスクはもっといろいろ出てくるわけですよ。
その次に控えしVPがバンスでしょ?
中川 浩孝
そうです。
高木 恵子
怖い。
田中 愼一
なんとなくやっぱり危険って感じ出てくる。
高木 恵子
なんかやっぱ怖い。
田中 愼一
みんなと話してると、なぜ危険かなっていうのがだんだん解明されてくる気がする。
今の時点では、分かりませんよ。この1週間後ね。
クリアにどういう彼が望んでる動きが実際起こったかどうかっていうのを見極める必要があると思いますよね。
それは反動は出てくることは間違いないんだけども、
でもその反動の結果として、ヨーロッパが金を出すとか、もっと自立心ができたとか、
そういうメリットというか、少なくとも結果を出してるわけですよね。
これから何がインパクトとして出てきたかっていうのを気をつけて見ていく必要があるんでしょうね。
高木 恵子
そうですよね。あとやっぱり中国が静かすぎるから、それが怖いんですよ。
田中 愼一
中国が静かっていうのは、たぶん二つの面があって、
一つはこの状況を見ながらチャンスに変えようとしてるわけです。
もう一つはね、もう外のこと考えられない深刻な事態に国内がある。
これは経済が今すごくひどくていうどころか、あそこはね、経済が実はかなりやばい感じです。
なんかいろいろなものを見てると、中国経済やばい。
だから逆に黙ってるのは、そっちの方が今優先順位があってっていう見方。
あともう一つは当然だと思うけど、やっぱりチャンスをどうつかむか、この今の流れで。
その二つが交互に来てるんじゃないですかね。
高木 恵子
いずれにせよ中国も違う意味で怖いですよね。
田中 愼一
そういう意味では怖い。だって経済が破綻したらその影響がまず怖い。
それからさっき言った中国がまたしたたかにチャンスとして、これを機に一挙にアジアに入っていく感じ。
トランプは中国に対しては基本的には差別してるから、ロシアとは違って、
ここはもうちょっと違う反応が出てくるかもしれないけど、同じように怖いですよね。
今、中国が静かって思い出したんだけど、昨日話してたその方とね、外交に詳しい人なんだけども、話してて、
気がついたのが、アメリカの民主党が静かすぎないっていう話で。
今、基本的には両院を抑えられちゃってるんですよね。
で、確かにぐぅのデモ出ないってのはわかるんだけど、それにしては静かすぎるなっていうのが一つと、
あともう一つ気がついたのは、一期目の時のトランプの選挙の時っていうのは、
隠れキリシタンならぬ隠れトランプってのが多くいたんですよ。
ところが、今は逆で、隠れアンチトランプがどんどん増えてる。
要するに、現象が起こってる。増えてるっていうよりも現象が起こっていて、トランプを批判できなくなってる。
っていうのがあるんじゃないかなっていう仮説ですけど、どうですか、ヒロさん、そのこあたり。
なんかね、声が聞こえてこないんですよ。そのトランプの支持派以外からの。
中川 浩孝
確かにそうですね。今、テレビ局も影響を受けちゃって、DEI的なというか、ある程度、今まで声が大きかった人たち、
特に黒人のアンカーマンですとかが、三大ネットワークから辞めちゃったりとか、
っていう問題が結構起こってるんですよね、実際に。
そういうのも、例えばABCだったらディズニーだったりとか、NBCだったら大きなコムキャストっていうケーブルテレビの会社であったりとか、
親会社がそれなりに巨大な会社なので、やっぱりそこに影響を受けて、テレビ局の言い方というか、発言の仕方も変わってきてるんじゃないかって言われていて、
トランプのメディア戦略
中川 浩孝
そういう意味では、まさにメディア統制というか、統制まではしてないんですけれども、人を外すことによって間接的にそういうことをしているっていうのもあったりするので、
なんとなくメディアによる強い批判とかも、今までと比べるとちょっと和らいでるんじゃないかっていう話はあったりします。
なので、それは非常に危険だなと思っていて、でもそうすると、多分ソーシャルですとか、そういったところが今度は違う発言の場として出てくると思うので、
もちろんそこがだから、今度はじゃあXで言おうとすると、誰かさんがそれを止めたりする可能性があるわけですけど、
そういう意味で違う場に、そういうふうに政治の話を論議する場っていうのがもしかしたら映ってくるのかなっていうところはちょっとあったりします。
田中 愼一
確かにね、1期目の時のトランプの特徴っていうのは、マスコミを敵に回したっていう。
中川 浩孝
はい、そうですね。
田中 愼一
で、今回のトランプの動きっていうのは、どちらかというとマスコミを支配する。
中川 浩孝
そうですね。
田中 愼一
っていうところに逆にシフトしてるような気がしてて。
中川 浩孝
はい、そうですね。
田中 愼一
あえてマスコミと喧嘩を振りかけるんじゃなくて、なんかいろんな形の影響で、これもだからすべてネゴシエーションというか、ビジネスネゴシエーション的にやっていくっていう動きなのかなっていうのを、
ちょっと違いとしてですね、1期目と2期目っていうのはあるかなって気がちょっとするんですね。
その時にその人が言ってた、これ皆さん見たことありますか、映画で。今はまだ上映してるのかな。アプレンティス、映画。
映画『アプレンティス』の影響
中川 浩孝
映画は見てないです。
田中 愼一
アプレンティスって弟子とか、あれですよね、意味ですよね。
中川 浩孝
というかトランプがやってたテレビ番組の名前ですよね。
田中 愼一
そうそうそうそう。アプレンティスっていう。そのアプレンティスといった映画ができてるらしいんですよ、ドキュメンタリーが。
中川 浩孝
トランプのことを作ったのを話してる映画ですよね。
田中 愼一
映画。それで見られました?
中川 浩孝
見てないです。
高木 恵子
見てないです。
田中 愼一
僕も見てなくて、あれ見ないとトランプ理解できないよって言われて。
その人が説明してくれたのは、トランプのお師匠さんがいるわけですね。名前なんて言ったかな。ロイ・コーンっていうのかな。
中川 浩孝
はい、そうですね。弁護士ですね。
田中 愼一
彼がお師匠さんなんですね。
トランプがその弟子入りをして、いろいろ悪辣なことをどんどんやってって。
トランプは非常に一番弟子として、ロイ・コーンの考え方っていうのを一生懸命自分のものにして、
いわゆる師弟関係をテーマにして、いかにトランプが成長してきたかっていう。
トランプがどういう発想を持って成長してきたかっていう。
ロイ・コーンっていうのは基本的にはユダヤ人なんですね。
弁護士なんだけど、とにかくイリーガルなことを含めていろいろなことをやるっていう話らしいんですよ。
ところがロイ・コーンが病気にかかっちゃうんですね。
不治の病にかかって、一応彼をいろいろ世話になったんで、基本的には大きなパーティーを開いてですね。
ロイ・コーンを呼んで、ロイ・コーンにものすごく高そうな宝石みたいなのを渡すんですよ。
ロイ・コーンは涙流して喜ぶんですね。
その後みんな席に着いて、食事をし始めて、歴々がみんな揃ってる中で、
ロイ・コーンの隣にはその当時第一夫人、一番目の夫人トランプが隣に座って、
あともう一人女性が座ってたのかな。
両方ロイ・コーンを囲んで、円卓の中の席に座って、そのときにその夫人が、
ちょっと見せてよって、いわゆるトランプがロイ・コーンに渡した宝石を見たら、
なんだこれガラスじゃないって。
それで彼がそこで泣き崩れるんですよ。悲しみのあまり。
作り方は僕だったら逆するんだけど。
要はメッセージはですね、これだけお世話になった人に対しても、
ロイ・コーンの考え方と発想を適用する。恩師に対しても。
要するに彼の目的は別にロイ・コーンを慈しむためにやったわけじゃなくて、
俺がいかに自分の恩師に対して礼を尽くしてるかっていう、
そっちのメッセージ発信がポイントで。
ロイもすでに不治の病にあるわけだから、そこにダイヤモンドをあえて渡す必要はないだろうって。
ガラスを渡したっていう。
っていう物語らしい。
いろいろな解釈があるにしても、いわゆるロイ・コーン以上にロイ・コーンになったって話なんですよね。
要するにロイ・コーンというのはどっちかというと、身内と身内じゃない人間で区別する。
身内は徹底的に面倒見る。
高木 恵子
ユダヤ人だな。
田中 愼一
ここがトランプに似てるところで、トランプは敵味方に分けるんですよ。
明らかに敵、味方に分けて。
ロイ・コーンとトランプの違いっていうのは、もっと言うならばトランプの、
したたかさって表現していいかどうかわかんないけど、したたかさっていうのは、ある意味ロイ・コーンを超えてるっていうことで、
ロイ・コーンの場合は身内はずっと身内なんですね。
何があっても。
ところがトランプは、身内あるいは味方も状況によって変わっちゃうんです。
だからどちらかというと身内も味方も切られる可能性があるってことです。
状況に応じて。つまりそれぞれの状況で敵味方を明確にしてるのが、いわゆるどんどん入れ替えてっちゃう。敵味方を。
っていうのがトランプで、ロイ・コーンの唯一の呪縛というのは、身内だけに対しては絶対裏切らないというか。
聞いてる方の話なんで。ただイメージとしてはそういう映画らしいんですよ。
だから僕は見に行かなきゃなって思ってる。
高木 恵子
そうですね。
田中 愼一
今やってるみたいですよ。
有楽町銀座のシネマスイッチとかいうところで。
だからあれ結構トランプ側から出版停止のリクエストが出てきてる。
放映停止のリクエストが出たとか、いろいろ絡みのある映画みたいで。
あれを見るとトランプの一つの思い込みって、先ほどけいこさん言ってたけども、どういう形でそういう思い込みを作り上げてきたのか。
僕からすると、いつ憑依っていうか、乗り移られちゃったのか。
彼の作ってる偶像にある意味。
っていうのは、興味ありますね。
高木 恵子
やっぱ教育は怖いですね。
田中 愼一
怖いですよね。
高木 恵子
子供の頃からの、ちっちゃい頃からの教育は重要だ。
田中 愼一
非常にそういう意味では、ちょっと考えさせられますね、これからの事象。
だからこれから起こる事象を、つぶさに見ていくっていう感じですよね。
39:07

コメント