2025-07-05 33:39

#104 中東情勢から

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田中さんと中川の 2 人回です。アメリカがイランの核施設を攻撃。その背後にあるものとは?

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仕事でコミュニケーションを扱う 3 人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何か?を一緒に考えていくポッドキャストです。

出演者🎙️

田中 愼一 (Blog)

高木 恵子 (Facebook / LinkedIn)

中川 浩孝(note)

ご意見・ご感想、3 人に話してほしいトピック、3 人へのご質問などありましたら、以下のフォームからお送りください。https://forms.gle/ZGKtUCBn3m25Nr6J6

サマリー

ポッドキャスト第104回では、アメリカのトランプ政権下でのイラン攻撃とネタニヤフ首相の思考回路について議論され、コミュニケーションと力の関係について考察されています。また、孫子の平和と力を重視する思考との対比を通じて、イスラエルと日本の過去の認識の相違点にも触れています。このエピソードでは、アメリカとイスラエルの中東における考え方の違い、特に武力による対抗策の必要性についても議論されます。トランプ政権の短期的視点とオバマ政権の長期的視点が対比され、アメリカの戦争に対する認識の違いについても考察されています。中東情勢におけるトランプの戦略やコミュニケーションが注目され、その発信が戦争を回避する結果に繋がる可能性について考察されています。特に、イランへの攻撃はメッセージ発信の一環として理解され、その背後にあるコミュニケーションのメカニズムが議論されています。

トランプとネタニヤフの思考回路
中川 浩孝
コミュニケーション力を究めるゴールデン・トライアングル。 仕事でコミュニケーションを扱う3人が、これまでの経験や最新の話題を語りながら、コミュニケーションとは何かを一緒に考えていくポッドキャストです。
田中 愼一
皆さんこんにちは。コミュニケーションを極めると自分が見えてくる、世界が見えてくる。 コミュニケーションの世界に携わって40年以上、コミュニケーション命、
シン・田中こと田中愼一です。よろしくお願いします。
中川 浩孝
外資企業でマーケティングを経験してきたアメリカ在住中川浩孝です。 今日は恵子さんお休みです。
田中 愼一
そうですね。2人でやるっていうことで、これもしかして初めてじゃない?2人で。
そんなことはないじゃないですか。1回かな?1回やったことがある気がします。
恵子さんとそっちは、あのね、浩さんはやってると思う。
中川 浩孝
そう、恵子さんと私っていうパターンと、田中さんと恵子さんというパターンもやったことありますよ。
田中 愼一
浩孝さんと僕のパターンってのはありました?
中川 浩孝
多分あると思います。
田中 愼一
あるんですか。104回目だもんね。
中川 浩孝
そうですよ。もう100何回もやってるんですから。
田中 愼一
すみません。やっぱりすごく注意っていうかですね、関心が高まったのがですね、
やっぱりアメリカによるトランプによるイラン攻撃、あれは結構衝撃的な形で、
これは一瞬やっぱりかなり危機意識っていうものが引き立てられたっていう瞬間でありまして、
今度のイランとイスラエルの関係でアメリカっていったときに、
一番目立ってきてたのがトランプとネタニアフが一体になったような印象ですよね。
今まではどちらかというと、アメリカもある程度第三者的な視点を保ちながら、
ネタニアフと一緒にブワッとなるようなところは逆に避けてたとは思うんだけども、
今回はそれをガラッと変えて、トランプらしいって言えばトランプらしいんですけども、
それがやっぱり非常に印象に残ってますね。
やっぱり何かそのものの考え方がですね、
例えばトランプとかネタニアフ見てると、あるいはプーチンとかね、
他の今話題になっているリーダーたちを見ていると、
その一種の思考回路っていうのがですね、見えてきて、
これはどういう思考回路かというと、ちょうど確かネタニアフも言ってたのかな、
スピーチのときにこの攻撃があった後に、いわゆるストレングス、それからピースって言ったんですよ。
もっと言い方をすると、彼は何を言ってたかっていうと、まず力ありき、そして平和。こんな感じ。
これはトランプも同じようなことを言ってて、
まず相手を叩いた上で、それでこれからピースに持っていこうっていうのをしっきり攻撃の後、
自分で主張してたんですけども、ネタニアフと非常に似てるかなっていうか、つまり力が先にあるんだと。
決して平和が先にあるんじゃなくて、力が先にあって、力があるからこそ平和になるんだっていう、こういう思考回路ですよ。
これを見たときに僕は一つの本を思い出して、クラウゼ・ヴィッツというプロシア、ドイツですね。
ドイツのナポレオンと、プロシアっていう国がナポレオンのフランスと戦って、
そのときに将兵でいて、将軍でいて、そのナポレオンとの戦いでどう勝ってきたかっていうのを、
エッセンスをある意味戦争論という本で描いてるんですけども、
その考え方の中に二つ、非常に僕として印象深い言葉があって、
一つは、戦争っていうのは外交の延長線上にあるっていう。
つまり、外交なんだと。最終的な外交なんだっていう位置づけをしてるんですね。
だから、やはり最終的にはもう武力に頼るしかないんだよって発想がそこにある。
だからもう一つの発想は、基本的には相手に勝つ。
基本は何かというと、相手の主力部隊を殲滅する。
殲滅することによって相手の戦う意思を挫く。
これがもう一つの言葉で、この両方の言葉が思い出されてきたんですね。
ネタニアフの発言もトランプの発言も、そういう系統の思考回路を持っていて、
当然ながらみんな戦争論というのは、結構のリーダーが読んでるし、
もちろん戦ってるようなネタニアフなんかも当然読んでるとは思いますけども、
だからある意味一つの、こういう戦いが始まったときの理論として、
まずは相手を徹底的に叩いて、相手の戦意を失わせて、
戦争論と孫子の教え
田中 愼一
そっから平和に持っていくんだぜっていう。
これは確かに一見納得いく話なんだけども、
もちろん全面否定はしませんよ。
そういうふうに思考回路を回さなきゃいけないときはあるとは思うんだけど、
まず戦いありきしかなくて、そっから平和っていう順序がね、おかしいと。
実はもう一つの兵法書で孫子ってあるんですね。
孫子は一番有名な言葉が、戦わずして勝つという。
彼の孫子の本を見ると、それとは真逆なんですね、その思考回路が。
じゃあどういう思考回路を孫子が説いてるかって、まず平和ありきなんですよ。
平和があれば基本的には、力はある意味必要なくて、
武力という力は必要なくて、平和さえあれば、
自動的に相手はこちらの味方になってくれるよっていう発想があって、
真逆の発想なんですね。
多分世の中にはこの2つの思考回路っていうのが同居してるんだと思うんですね。
ただ、いわゆるネタニアフやトランプが使った、
どっちかというとクラウゼビッツの戦争論的な思考回路っていうのは、
気をつけなきゃいけない。もし行使するときっていうのは。
なぜかというと、前コミュニケーションの話のときに、
コミュニケーションっていうのは、別に発信することがコミュニケーションじゃなくて、
まずは受信するとこから始めなきゃいけませんよと。
受信して、そこから発想が生まれて、発想が生まれるとそこから行動が生まれる、
表現が生まれる、発信が生まれるっていう。これがコミュニケーションなんですよ。
今言った受信、発想、発信っていうのは、あくまでフローなんです。
そのフローをやっていくうちに、徐々にその背後にストックがたまってくるんですっていうのが、
僕の一つのコミュニケーション理解なんですよ。
コミュニケーションっていう辞書を僕はそういうふうに理解してるんです。
つまり、受信、発想、発信というフローと、
そのフローを回してるうちに出来上がってくるストックっていう。
そのストックって何かというと、関係性?
とか、あるいは自分の中に育っている思いとか感度とか認知力とか、
そういうのがいわゆるストックなんですね。
だから受信、発想、発信を必死を懸命丁寧に回していくと、
そのフローから、そういう関係性とか認知力とか、いわゆるストックの能力っていうんですかね。
力っていうのが出てくるわけですね。
ネタニアフやトランプが言っている思考回路っていうのは、
どっちかというとクラウゼ・ヴィッツの戦争論的な思考回路っていうのは、
フローは確かに勝てるんですよ、フローで。
でもそのフローをやったために、数多くの敵を作っちゃってるんです、ストックとして。
いわゆる日本の理由で言うと怨念が積み重なってるわけですよ。
これストックなんですよ、怨念ってのは。
昔、僕は日本人とユダヤ人っていう、
山本なんていったかな、の本を読んだことがあるんですけど、
中学生かな。大変感激した記憶があって。
一時期ユダヤ、イスラエルっていうものが大好き少年になっちゃってですね。
昔の映画なんだけど、ハリウッドから出てきたエクソダスっていうのかな。
大いなる脱出とかいう、つまりイスラエル建国の映画があるんですよ。
たしか主役はポール・ニューマンで、
いわゆるハリウッド総力を挙げて作った、ベンハーみたいなやつね。
ベンハーも実はその一本なんだけど、
その当時、ハリウッドで作られてきたその手のキリスト系的なユダヤ教的な映画っていうのは非常にファンタジーに富んでてですね。
それ見てですね、なおさらイスラエルが好きになって、高校卒業したらイスラエルに行こうかなと。
義勇兵として乗り込んでって、
イスラム圏の人たちをやっつけなきゃいけないなんてバカみたいな思いを中学3年ぐらいで抱いてた記憶があるんですね。
でも今から考えるとそれはもうほんと真逆な発想で、
結局、よくイスラエルが唱えるのは、しいたげられた歴史っていうことをよく強く言うんですよね。
確かにいろいろしいたげられてきてるってことは事実だし、
そういう意味では過去に対する意味付けっていうのが非常にネガですよね。
ネガなんだけども、実はネガっていうふうに意味付けることによって今のパワーを得てるって言った方がいいかもしれないですね。
そういう特徴があるんですよね。
その思考回路っていうか、ネタニアフなんかが使っているその思考回路っていうのは。
ある意味で言うと、自分たちの核過去はこれだけしいたげられた。だから今こそ頑張ってエネルギーを出して、相手を砕くんだっていうこの思考回路。
ただこれはさっきも言ったように、そういう思考回路を回せば回すほどですね、どんどん敵が増えていって、
結局結果としてですね、しいたげられた歴史が続いてしまうんですよ。将来の。
だからイスラエルの問題っていうのは、非常に根深いところにあって、
基本的な思考回路を変えないと、そこから脱却できないっていうようなものを今回ね、非常に感じ取った。
それに比べると孫子のほうの特に、平和が先にあるっていうのは、みんな仲間になれば人は動くよって話なんですよ。
敵が生まれなくて、つまり変なネガなストックがたまってこない。
逆に、敵じゃなく味方っていうストックがたまってくる。平和だとそれができる。
そうすると基本的には次のステップで、そのストックっていうものがネガじゃなく、いわゆる好循環でどんどん積み上がっていって、
ますます平和になっていくっていうね。こういう発想の違いが両方あるかなと思ってて。
イスラエルと日本の過去認識
田中 愼一
非常にね、ここのネタニアフ流思考回路というのと、戦争論を唱える思考回路と、それから孫子の思考回路、両方とも兵法書ですよ。
戦いに勝つための兵法書ですよ。それが真逆の思考回路を持ってるってのが改めて気づかされた気がしました。
特に日本の過去認識っていうのが面白いなと思って。
イスラエルが過去をネガに認識することによって、今のパワーを得てるわけですよ。
日本は逆で、過去の認識っていうのは実にポジにしてるんですね。
じゃなきゃ天皇家みたいに何千年って続かないんですよ。
まあ確かにそうかもしれませんね。
武力先行じゃない発想がなんかあるわけですね。
それは、世界に晒されたイスラエルというかユダヤというかと、
世界に晒されずに、日本という島の中で育ってきた日本の違いなのかなって考えていて。
だからそういう意味では、お互いがそれぞれ、僕は非常に、
ジューイッシュの人たちと友達が多くて、
特に僕はアメリカでマスコミ関係とずっと付き合いが長かったんで、
ジューイシュの人たちっているんですよ、多く。
そのあと僕もエンターテインメントビジネスやってたんでね。
海外に行くとエンターテインメントって、大体ジューイシュの人か、
華僑か、あるいは印僑って呼ばれてるインドの人たち。
特にやっぱりジューイシュがすごく強くて、ハリウッドなんかそうですけどね。
だからそういう意味では、非常に共通、
ユダヤ人と日本人という本で読んだ感激、感動した記憶っていうのは、
やっぱり日本人と非常に共通性もあるんですよね。
だからそういう意味で、ある意味好きになったっていうことなんでしょうけども。
今回はこのイランとアメリカが攻撃したっていうのを見てると、
なんとなく思考回路の違いを感じてきたかな。こんな感じですよね。
武力による対抗策の議論
中川 浩孝
今回のことに関しては、やっぱりアメリカとかイスラエルの考え方も近いんだと思うんですけれど、
やっぱり私たちとあの人たちは相入れないっていうか、
考え方がもう合わないっていう、理解し合えないっていう前提に立ってるんだろうなっていう感じはやっぱりするんですよね。
やっぱり向こうはテロとかをやってくるような、普通の私たちの理論で話し合っても、
対等に話せるような人たちではないっていう、きっと発想がちょっとやっぱりあるんじゃないかなと思ってるんですよね。
その中でやっぱり、そういう人たちにはやっぱり武力で対抗するしかないっていう。
で、私これすごく民主党と共和党っていう対立とすごくちょっと似てるなっていう感じのところもあって、
あの人たちはやっぱりもう考え方が違うから、お互い話し合って決めるではなく、勝つか負けるか、勝つか負けるかでやるしかないっていう発想。
そこがやっぱりすごく考え方としても、ある意味共通しているというか、一貫した考え方が貫かれているのかなっていう感じをして、
話し合いがつかない人とは戦うっていう、勝つっていう、それで正義を勝ち取るみたいな、そういう多分発想があって、
コミュニケーションっていう、ですからコミュニケーションはもうおっしゃる通りで、お互いが同じ舞台に立って、同じところに土俵に立ってっていうところだと思うんですけど、
やっぱり同じ土俵に立たない、立てない、立たないっていうか、そこの差がもうなんか出ていて、
そういう意味ではもう全然違うロジックのコミュニケーションっていう感じなのかなっていう感じというイメージというかはちょっと受けたんですよね。
トランプ政権とオバマ政権の比較
田中 愼一
なるほどね。今のポイントって面白くて、例えば、勝つか負けるかっていうところで、勝つっていうことが目的化していくわけだけど、
実はその勝つって何をもって勝つっていうのかっていうところを、時間軸を変えるとですね、違った勝ち方が出てくる。
中川 浩孝
その通りですよね。
田中 愼一
たぶんね、今まさにヒロさんが言ったですね、民主対共和みたいな、お互いも理解し合えないんだっていう前提に立って、勝ち負けっていうのになると、
ある意味で一つの危険性としては勝ち負けが表面的、表から見て、あ、勝ったってわかるような。
逆にこれを時間軸をもっと伸ばしちゃうと、今勝つということじゃなくて、結果勝つっていうね、発想にも勝つっていうのを定義できるようになると思うんですよ。
さっきの戦争論と孫子の違いって、実は時間軸の違いで、戦争論は今目の前にあることにどうやって勝つかってなると、武力で叩く以外ないわけですね。
それをもう少し、たとえば10年単位で考えるとですね、勝ち方っていうのが変わってくるっていうのを、実は孫子は唱えてる。
で、これどっちが優秀かというよりも、違うんですよね、回路の持ち方。
両方が実はすごく重要で、短期的にはこうだけど長期的にはこうだっていう。
田中 愼一
もう一つ、したたかさの要素っていう定義も、実は結構欧米って言っちゃだめだな。クラウゼヴィッツ型と孫子型がなんかあって、
どうもしたたかに考えるっていうのがどっちかというとクラウゼヴィッツ的な発想で。
したたかに考えるってことは相手に勝つってことにもっとフォーカスを当てるわけですよ、表面的に。誰が見ても勝ったってわかるように。
ところが孫子型は何やるかというと、結果したたかにっていうことで。
つまり結果が大事であって、短期的な途上は重要じゃないんだと。
長期的に見て勝つことが重要だって。
いわゆる勝つことの定義の違いは両方あって、そこがね、東西っていうふうに分けちゃいけないんでしょうけど、
東洋とか東の国々の発想、インド哲学なんかも含めてですね、
どっちかというとある程度長時間で物事を時間軸を見ていくっていうのが慣れてる。
孫子を見てると、何をやるかというと味方を作っていくんですよ。
例えば相手の戦車を捕獲したら、自分のものにしなさい。
決して戦車は壊さない、相手の戦車は。
っていうような、もっと言うならば相手の軍隊を味方化しましょう。
もっと言うならば相手の王様をこちらの味方にしましょう。
すべて味方を作ること以外考えてないような。
それによって結果、勝つんですよ。
だから戦わずして勝つっていう。時間軸でそこを語ってるんだなって。
今回トランプのイラン攻撃見てて、いろんな人がいろいろな発信してたけど、
ああ、なるほどって言うんで、戦争論と孫子の一番根本的な違い、
そういうふうに逆に認識し、それぞれがどういうメリットでメリットがあるのかを認識した上で、
したたかに、さらには結果したたかにっていうのをですね、
やっぱり世のリーダーの方々はですね、やっぱり身につける必要があるんじゃないかなっていうのが、今回ですね、見てて。
中川 浩孝
まあでもやっぱりそう考え、それを聞いて改めて、
やっぱりトランプ政権は短期的な成果にフォーカスしてるよなっていう気がやっぱりしますよね。
それこそ環境問題とかもそうですし、今回のこともそうですし、
やっぱりこう、自分がやっぱり任期のある間の結果として成果として出したいっていう。
もちろんね、その視点ももちろん、すごく、そういう意味ではだからトランプはやっぱり経営者的な視点だから、
田中 愼一
まあそうでしょうね。
中川 浩孝
四半期であったりとか、一年であったりとか、やっぱり短期的に結果を出すっていうところに、
自分のやっぱりやりがいを感じる人間なのかなっていうのはあるかもしれないですね。
田中 愼一
たぶんね、そこがビジネスマンがですね、政治家をやるときの一番陥りやすいというか、
気をつけなきゃいけない点で、国と企業は全く違う異質の問題だから。
だから逆に言うと、トランプと対比すると言ったらオバマね。
オバマの場合は、かなりある程度時間軸は広がってなかったんですよね。
だからある意味、将来っていうものに対する、
想いというか、そういう目の前のことを今片付けるっていうトランプ流と違って、
将来のために布石を打つっていう発想は強かったですね。
ただ面白いのは両方まるっきり真逆なんだけども、
アメリカの戦争認識
田中 愼一
コミュニケーションの流儀も真逆なんだけども、
両方ともサポーターがつくっていうね。
両方ともすごい応援がつくっていう事実っていうのは、
トランプが出てきて初めて知りましたね。
その前まではどっちかというと、オバマ型っていうのが絶対だと思ってたんですよ。
コミュニケーションはオバマ型だと思って、共感のコミュニケーションが重要なんだと。
ところがトランプが出てきてから、ある意味戦いのコミュニケーションがね、
実はあるんだぜって。
しかもそこに多くの人が支持するんだよっていう現象にあって、
そこは我々としては、トランプ現象から学ぶべき点かなとは思いました。
中川 浩孝
そうですね。
やっぱりそれはうまくいくと、国がイケイケどんどんなのかみたいな成長をすごくしていて、
みんながその幸せを享受できる状態なのかっていうのと、
やっぱり貧富の差ができてきて、
やっぱり幸せな人とあまりそうではない人の不満が出てくるんですから、
やっぱり生まれてきているっていうこと
やっぱり日本だって高度経済成長時期は、
やっぱりみんなが生活がどんどんどんどん良くなってたから、
あんまりなかったのかもしれないんですけれど、
やっぱりこのままじゃおかしくない、ダメじゃないっていう疑問が生まれてくるっていうことです。
田中 愼一
だからそれがいわゆるトランプが唱えるコモンセンスみたいな表現でうまくきてるなって感じがして、
ああそうか、そう言われてみればそうだよなって思っちゃう反面、
僕もね、僕アメリカ人じゃないけどさ、
そりゃそうだろうな、自分の払ってる税金がほとんど海外の人たちのために使われてるって、
そりゃおかしいよなとかね。
だからでもあれでしょ、なんか僕はわかんないけど、
今回のイラン攻撃、トランプのイラン攻撃っていうのは、
実は支持派の中からもちょっと疑問点する動きがあったっていうような報道が日本にあったんですけど、
それ本当ですか?
中川 浩孝
どうなんですかね、私もそんなすごい一生懸命ずっとニュースににらめっこみたいな感じで見てたわけじゃないので、
わからないんですけれど、
私の、日本で戦争を経験したことがないので、
アメリカで戦争的なことが起こった時の報道とかを、
こんな普通なんだっていうか、こんなもんなんだって。
例えば、本当ニュースで別にそればっかりになっちゃうとかで全然ないですし、
特別番組が全部組まれて、他のものが全部吹っ飛んでみたいなことにもなってないし、
普通のテレビのプログラムも流れているし、みたいな感じだったので、
私はこんな感じなんだって、ちょっと今回すごいびっくりしたんですよね。
田中 愼一
なるほどなるほど。でもそれだけ慣れてるってことなんですかね。
中川 浩孝
そうなのかもしれないです。
日本だったらきっと全局特別報道番組になっちゃって、
テレビ東京だけ違うことやってて面白いねみたいな、いつものパターンあるじゃないですか。
ああいう感じなのかなと思ったら、そうじゃないっていうのが、
アメリカはもちろんチャンネル数がめちゃめちゃ多いので、専門局みたいなのがすごくあるから、
そういうのももちろんあるんですけど、でも別に普通にABCとかCBSとかでも、
普通に昨日別に全部戦争の関係のニュースばっかりみたいな感じではなってなかったので、
本当アメリカってこんな感じ、日常でこういうことが起こってるっていう、
そういう意味ではいつもアメリカってやっぱり戦争をしていても、
アメリカ本土には影響が出ないじゃないですか。
やっぱりそれがすごくアメリカ人はやっぱり遠くのところで起こっているっていうイメージがやっぱりあるんじゃないかなっていうのは、
今回すごく感じましたね。
田中 愼一
なるほど、それはある、そうか、なるほどね。
ある意味、逆に言うとそういうふうに遠くのところから見てるから、
傍観してるから、危機感がないと同時に、
ある意味その中に危機感がないっていうのは、それが何回もいろいろ繰り返されるから、
戦争を慣れしてる、遠くからのあれは戦争を慣れしてるっていう、
そんなものが出来上がっちゃって、結構みんな落ち着いてるんでしょうね。
中川 浩孝
そうだと思います。
今回の作戦が、陽動で西に向かってグアムの方に向かってる飛行機と、
こっちから大西洋から行ったのが一定みたいな、
その作戦の結構、今回の作戦がいかに狙われたものかみたいな話とかしていて、
こんな話するんだと思って、私はすごいなんか、
やっぱりちょっと視点が違うなってすごい思いましたね。
田中 愼一
特にアメリカの場合、歴史があって、
もともとは孤立主義だったのが、第一次世界大戦に参戦し、
とうとう第二次世界大戦まで参戦しちゃったっていう、
モンロー宣言でしたっけ、つまり孤立。
それを破った、やっぱり一番の要因っていうのは、映画。
第一次世界大戦のときも映像ですね。
ヨーロッパの戦線の映像がどんどん送り込まれてきて、
当時はテレビなかったから、なんか映画館にいてみんな見るっていう。
第二次世界大戦はたぶんテレビだったと思うんですけども、
つまり映像がですね、映像っていうのは一見客観的だっていうふうに思わせることができて、
でもそれは映すアングルによって、こちらのメッセージっていうのは打ち込めるわけですよ。
中川 浩孝
いや、ほんとそうですよね。
田中 愼一
で、まさにそのときに打ち込んだメッセージっていうのは、
トランプの戦略とメッセージ
田中 愼一
映像を通じていかにドイツが理不尽であるかとか、
このままだとヨーロッパは支配されて、次はアメリカだとか。
そういう、ここあたりの話っていうのは、世論っていう本があるんですよ。
あれ読むとすごく面白いですけど、世論ってどう形成されるか。
この世論っていう本は基本的には、
アメリカがどういう過程を通じてモンロー主義を捨てて、
世界にワーッと出ていったかっていう。
それは世論に押されてっていう形で、その世論自身を作っちゃった。
中川 浩孝
作ってるんですよね、そうですよね。
田中 愼一
これは子供ブッシュも、イラクを攻めるときに使いましたよね、9.11の事象で。
あれは初めて本土に攻撃をかけられたっていう。
だからあれはさすがに報道すごかったと思うんだけど。
でも、ああいうやり方をやってきて、外からの脅威だっていうのをやっぱりプロパガンダすることによって、
世論支持を得るっていうことだから、
たぶんトランプはそれを狙ってたんでしょうね。
あれだけ細かい戦略を立てて、国粹主義はないけど国民たちの右派的な感情を盛り上げて。
ただ、思った以上に支持が来なかったっていうのが、もしかしたら本当なのかもしれないですよね。
やっぱりそれよりも、アメリカファーストってことは、外に出るなって話でしょ。
中川 浩孝
そうなんですよね。
田中 愼一
新モンロー主義ですよね、ある意味。
中川 浩孝
確かに。
今回はどういう風に落ち着かせるのかなと思って。
週末に大統領が国民に向けてメッセージを発するみたいなのがあって、
非常にトランプさんらしくないというか、非常に淡々と話して。
田中 愼一
後ろに3人並んでる。
中川 浩孝
非常に淡々と話していたので、
いつものトランプさんの感じとはイメージがずいぶん違う感じだなっていうのを、私は会見からはすごく受けましたね。
田中 愼一
やっぱりトランプはコミュニケーションでは天才ですよ。オバマも天才だけど。
コミュニケーションに天才。あれすごい上手い見せ方を考えてるし。
いつもはピンで出るのに、後ろにルビオを含め3人組が入って4人で1つって感じ。
あんなのね、やっぱりトランプの発想だと思いますね。
中川 浩孝
私もトランプさんそんなに好きじゃないなと思ってたんですけど、今回はちょっとやられたなっていうか、すごいなって思ったんですよね。
本当に。戦わずして勝つに関しては、私は彼らの中ではこれは戦ってないっていうものなんかうちに入ってるんじゃないかなって私は思ってるんですよ。
田中 愼一
まだ戦ってねえと。
中川 浩孝
そう、戦う前にそれこそ向こうの戦力を全部消滅させて、やる気をなくすっていうところで。
田中 愼一
メッセージを出すわけね。
中川 浩孝
そう、それはもうメッセージであって、これは戦いではありません。そういう言い方はしなかったですけど、これは戦いではないっていう私は持って行き方をしたいのかなっていうふうに思ったんですよね。
で、これをやったおかげで戦争起こらなかったよねっていう。
田中 愼一
そっちに持って行きたいですね。間違いなくそうだと思う。
中川 浩孝
っていうメッセージなんだろうなって私は今回は完全に思ったんですよね。
田中 愼一
実際反撃今んとこないですよね。
中川 浩孝
一応イラクの基地には少しあったみたいですけど。
田中 愼一
普通にポカポカだったけど、でもなんかあれは前もって通報が来てたとか来てなかったとか。
中川 浩孝
そこをイランはお行儀のいいことするんだと思って、なかなかすごいなと思ったんですけど。
田中 愼一
トランプの口から感謝という言葉が出てきたとかね。
中川 浩孝
大したことなかったっていうの言ってましたけどね。
田中 愼一
すごい、なんていうんだろうな。
だから何て言うんだろう、場を心得てるっていうか。
中川 浩孝
そこに関しては私今回本当にちょっとびっくりして、
あそこでまたねすごい鼻高々で俺たちは勝ったみたいなこと言うのかなと思ったら、
そういう感じじゃなかったので、私はすごいなって。
この人本当にもしかしたらノーベル平和賞取りたいのかもって私はちょっと思ったんですよ。
だからあれを見て。
田中 愼一
なるほど。ノーベル平和賞ね。
中東問題解決したらノーベル平和賞ですよ。間違いない。
中川 浩孝
そうなんですよね。そうなんですよ。
田中 愼一
だからやっぱり今のところだから結局かなりイランは脅されたですね。
攻撃だって別に人はそんなに亡くなってないけど、やっぱり攻撃した場所がね、くじくよね。相手のイランのね。
中川 浩孝
かなりくじいたと思いますよ。
田中 愼一
かなりくじいたでしょう。
だからいわゆるあれは戦いではなくて、メッセージ発信なんだっていうふうに彼の頭の中にはあって。
彼は基本的にはすべてメッセージを、彼の非言語を絶えずメッセージ化するっていうのを持ってかれてるし、
トランプはね、研究対象としてはコミュニケーションの視点から言うとものすごく面白いですね。
すごく面白い。
だからトランプのコミュニケーションを極めていくと、結構実はコミュニケーションのメカニズムっていうのがね、もっと明快に出てくる感じがしますね。
面白いと思う。
だからそうか、今回のイランへの攻撃っていうのはちょっと面白い素材ですね。
中川 浩孝
面白いっていうのは本当にあんまり言えないこともありますけど。
田中 愼一
コミュニケーションの視点から見るとね、学びが多い。
中川 浩孝
そうですね、ユニークな学びがありますよね。
33:39

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